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【令和2年度・北海九州沖縄④】登録販売者過去問解説【主な医薬品とその作用】

過去問題・解説

問 21
月経及び婦人薬の適用対象となる体質・症状に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。

ア 月経周期は、種々のホルモンの複雑な相互作用によって調節されており、乳腺で産生されるホルモンと、卵巣で産生される女性ホルモンが月経周期に関与する。
イ 加齢とともに卵巣からの女性ホルモンの分泌が減少していき、やがて月経が停止して、妊娠可能な期間が終了することを更年期という。
ウ 血の道症とは、臓器・組織の形態的異常がなく、抑鬱や寝つきが悪くなる、神経質、集中力の低下等の精神神経症状が現れる病態のことをいう。
エ 月経の約3~10日前に現れ、月経開始と共に消失する腹部膨満感、頭痛、乳房痛などの身体症状や感情の不安定、興奮、抑鬱などの精神症状を主体とするものを、血の道症の中でも特に月経前症候群という。

ア イ ウ エ
1 正 正 誤 正
2 正 誤 正 誤
3 誤 正 正 誤
4 誤 誤 正 正
5 誤 誤 誤 正

【正解4】
ア×「視床下部や下垂体」で産生されるホルモンと、卵巣で産生される女性ホルモンが月経周期に関与する。
イ×加齢とともに卵巣からの女性ホルモンの分泌が減少していき、やがて月経が停止して、妊娠可能な期間が終了することを「閉経」という。

問 22
以下の記述にあてはまる婦人薬の漢方処方製剤として、最も適切なものを下から一つ選びなさい。

体力中等度で皮膚はかさかさして色つやが悪く、のぼせるものの月経不順、月経困難、血の道症、更年期障害、神経症、湿疹・皮膚炎に適すとされるが、胃腸が弱く下痢しやすい人では胃部不快感、下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。
まれに重篤な副作用として、肝機能障害を生じることが知られている。

1 温清飲
2 四物湯
3 温経湯
4 五苓散
5 大柴胡湯

【正解1】
2四物湯:体力虚弱で、冷え症で皮膚が乾燥、色つやの悪い体質で胃腸障害のないものの月経不順、月経異常、更年期障害、血の道症、冷え症、しもやけ、しみ、貧血、産後あるいは流産後の疲労回復に適すとされる。
3温経湯:体力中等度以下で、手足がほてり、唇が乾くものの月経不順、月経困難、こしけ(おりもの)、更年期障害、不眠、神経症、湿疹・皮膚炎、足腰の冷え、しもやけ、手あれに適すとされる。
4五苓散:範囲外
5大柴胡湯:体力が充実して脇腹からみぞおちあたりにかけて苦しく、便秘の傾向があるものの胃炎、常習便秘、高血圧や肥満に伴う肩こり・頭痛・便秘、神経症、肥満症に適すとされる。

問 23
アレルギーの症状の仕組みに関する以下の記述について、(  )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。 なお、同じ記号の(  )内には同じ字句が入ります。

アレルゲンが皮膚や粘膜から体内に入り込むと、その物質を特異的に認識した免疫グロブリン(抗体)によって( ア )が刺激され、細胞間の刺激の伝達を担う生理活性物質であるヒスタミンやプロスタグランジン等の物質が遊離する。( ア )から遊離したヒスタミンは、周囲の器官や組織の表面に分布する特定の( イ )(受容体)と反応することで、( ウ )、血管透過性亢進(血漿タンパク質が組織中に漏出する)等の作用を示す。

1 ア:脂肪細胞  イ:タンパク質  ウ:血管拡張
2 ア:脂肪細胞  イ:炭水化物   ウ:血管収縮
3 ア:肥満細胞  イ:炭水化物   ウ:血管収縮
4 ア:肥満細胞  イ:タンパク質  ウ:血管収縮
5 ア:肥満細胞  イ:タンパク質  ウ:血管拡張

【正解5】
アレルゲンが皮膚や粘膜から体内に入り込むと、その物質を特異的に認識した免疫グロブリン(抗体)によって( ア:肥満細胞 )が刺激され、細胞間の刺激の伝達を担う生理活性物質であるヒスタミンやプロスタグランジン等の物質が遊離する。( ア:肥満細胞 )から遊離したヒスタミンは、周囲の器官や組織の表面に分布する特定の( イ:タンパク質 )(受容体)と反応することで、( ウ:血管拡張 )、血管透過性亢進(血漿タンパク質が組織中に漏出する)等の作用を示す。

問 24
アレルギー用薬の配合成分に関する以下の記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。

1 抗ヒスタミン成分によりヒスタミンの働きが抑えられると眠気が促される。
2 ジフェンヒドラミン塩酸塩は、母乳を与える女性は使用を避けるか、使用する場合には授乳を避ける必要がある。
3 ベラドンナ総アルカロイドは、鼻腔内の刺激を伝達する交感神経系に作用することによって、鼻汁分泌やくしゃみを抑える目的で用いられる。
4 トラネキサム酸は、皮膚や鼻粘膜の炎症を和らげることを目的として用いられる。

【正解3】
ベラドンナ総アルカロイドは、鼻腔内の刺激を伝達する「副交感神経系の働きを抑える」ことによって、鼻汁分泌やくしゃみを抑える目的で用いられる抗コリン成分。

問 25
鼻炎及び鼻に用いる薬に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。

ア アレルギー性鼻炎は、鼻腔内に付着したウイルスや細菌が原因となって生じる鼻粘膜の炎症で、かぜ症候群の随伴症状として現れることが多い。
イ アドレナリン作動成分が配合された点鼻薬は、過度に使用されると鼻粘膜の血管が反応しなくなり、逆に血管が拡張して二次充血を招き、鼻づまり(鼻閉)がひどくなりやすい。
ウ 一般用医薬品の鼻炎用点鼻薬の適応範囲は、急性又はアレルギー性の鼻炎及びそれに伴う副鼻腔炎並びに蓄膿症である。
エ かぜ症候群等に伴う鼻炎症状の場合、鼻炎が続くことで副鼻腔炎や中耳炎などにつながることもあるため、そのような症状の徴候に対しても注意する必要がある。

ア イ ウ エ
1 正 正 誤 誤
2 正 誤 誤 正
3 誤 正 正 正
4 誤 正 誤 正
5 誤 誤 正 誤

【正解4】
ア×アレルギー性鼻炎は、ハウスダストや花粉等のアレルゲンに対する過敏反応によって引き起こされる鼻粘膜の炎症。
記述は、急性鼻炎の内容。
ウ×一般用医薬品の鼻炎用点鼻薬の適応範囲は、急性又はアレルギー性の鼻炎及びそれに伴う副鼻腔炎であり、「蓄膿症などの慢性のものは対象となっていない」。

問 26
点眼薬に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。

ア 点眼薬の1滴の薬液量は、結膜嚢の容積より少ないため、薬液が結膜嚢内に行き渡るよう一度に数滴点眼することが効果的とされる。
イ 点眼後に目頭を押さえることで、薬液が鼻腔内へ流れ込むのを防ぐことができ、効果的とされる。
ウ 1回使い切りタイプとして防腐剤を含まない点眼薬では、ソフトコンタクトレンズ装着時に使用できるものがある。
エ 一般用医薬品の点眼薬には、緑内障を改善できるものもある。

ア イ ウ エ
1 正 正 誤 誤
2 正 誤 正 正
3 誤 正 正 正
4 誤 正 正 誤
5 誤 誤 誤 正

【正解4】
ア×点眼薬の1滴の薬液量は、結膜嚢の容積より「多い」(1滴の薬液の量は約50μLであるのに対して、結膜嚢の容積は30μL程度とされている)ため、「一度に何滴も点眼しても効果が増すわけではなく、むしろ薬液が鼻腔内へ流れ込み、鼻粘膜や喉から吸収されて、副作用を起こしやすくなる」
エ×一般用医薬品の点眼薬には、緑内障の症状を改善できるものは「ない」

問 27
眼科用薬に配合される成分に関する以下の記述について、正しいものの組み合わせを下から一つ選びなさい。

ア プラノプロフェンは、非ステロイド性抗炎症成分であり、炎症の原因となる物質の生成を抑える作用を示し、目の炎症を改善する。
イ スルファメトキサゾールは、ウイルスによる結膜炎やものもらい(麦粒腫)、眼瞼炎などの化膿性の症状を改善する。
ウ テトラヒドロゾリン塩酸塩は、結膜を通っている血管を収縮させることにより目の充血を除去する。
エ ネオスチグミンメチル硫酸塩は、コリンエステラーゼの働きを活発にすることで、目の調節機能を改善する。

1 ア、イ
2 ア、ウ
3 イ、エ
4 ウ、エ

【正解2】
イ×スルファメトキサゾールは、「細菌感染(ブドウ球菌や連鎖球菌)」による結膜炎やものもらい(麦粒腫)、眼瞼炎などの化膿性の症状を改善する。
エ×ネオスチグミンメチル硫酸塩は、コリンエステラーゼの働きを「抑える作用を示し、毛様体におけるアセチルコリンの働きを助ける」ことで、目の調節機能を改善する。

問 28
外皮用薬の配合成分に関する以下の記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。

1 イブプロフェンピコノールはイブプロフェンの誘導体であるが、外用での鎮痛作用はほとんど期待されない。
2 プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルは、末梢組織(患部局所)における炎症を抑える作用を示すが、好ましくない作用として末梢組織の免疫機能を低下させる作用を示し、細菌、真菌、ウイルス等による皮膚感染や、持続的な刺激感が現れることがある。
3 皮膚に軽い灼熱感を与えることで痒みを感じにくくさせる効果を期待して、クロタミトンが配合されている場合がある。
4 デキサメタゾンは、副腎皮質ホルモン(ステロイドホルモン)に共通する化学構造を持たない非ステロイド性抗炎症成分である。

【正解4】
デキサメタゾンは、副腎皮質ホルモン(ステロイドホルモン)に共通する化学構造を「持つステロイド性抗炎症成分」である。

問 29
外皮用薬に配合される成分及びその主な作用に関する以下の関係の正誤について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。

ア ビホナゾール     - 皮膚糸状菌の細胞壁を構成する成分の産生を抑制する。
イ 硫酸フラジオマイシン - 細菌の細胞壁合成を阻害する。
ウ スルフイソキサゾール - 細菌のDNA合成を阻害する。
エ ウンデシレン酸    - 患部を酸性にし、皮膚糸状菌の発育を抑制する。

ア イ ウ エ
1 正 正 誤 正
2 正 誤 正 誤
3 誤 正 正 誤
4 誤 誤 正 正
5 誤 誤 誤 正

【正解4】
ア×ビホナゾールは、皮膚糸状菌の細胞「膜」を構成する成分の産生を妨げたり、細胞膜の透過性を変化させるイミダゾール系抗真菌成分。
イ×硫酸フラジオマイシンは、細菌の「タンパク質」合成を阻害する抗菌成分。

問 30
傷口等の殺菌消毒薬に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。

ア マーキュロクロム液はヨードチンキと混合すると不溶性沈殿を生じて殺菌作用が低下する。
イ 消毒用エタノールは、皮膚刺激性が強いため、患部表面を軽く清拭するにとどめ、脱脂綿やガーゼに浸して患部に貼付することは避けるべきとされる。
ウ ベンザルコニウム塩化物は、石鹸との混合により殺菌消毒効果が低下する。
エ レゾルシンは細菌や真菌類のタンパク質を変性させることにより殺菌消毒作用を示す。

ア イ ウ エ
1 正 正 正 正
2 正 正 誤 正
3 正 誤 誤 誤
4 誤 正 正 誤
5 誤 誤 誤 正

【正解1】
全て正しい

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