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登録販売者 勉強法①【第3章】Ⅰ精神神経に作用する薬

学習方法・ポイント
しるば

「第3章:主な医薬品とその作用」の勉強をはじめるよ!

主な医薬品とその作用
問題作成ポイントはこれ!

一般用医薬品において用いられる主な有効成分に関して基本的な効能効果及びその特徴、飲み方や飲み合わせ、年齢、基礎疾患等、効き目や安全性に影響を与える要因、起こり得る副作用等につき理解し、購入者への情報提供や相談対応に活用できること
各薬効群の医薬品に関する情報提供、相談対応における実践的な知識が理解できること

※この記事は「平成30年3月 試験問題の作成に関する手引き」をもとに作成しています。
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かぜ薬

かぜ薬は
「総合感冒薬・症状緩和薬」などにわけられる

1)かぜの諸症状、かぜ薬の働き

かぜの症状

  • くしゃみ、鼻汁・鼻閉(鼻づまり)
  • 咽喉頭痛、咳、痰
  • 発熱、頭痛、関節痛・全身倦怠感

など、様々な全身症状が組み合わさって現れます。

通常は数日~1週間程度で自然寛解し、予後は良好です

かぜは、単一の疾患ではなく、医学的には「かぜ症候群」といい、で上気道の急性炎症の総称です。

かぜの原因

かぜの約8割はウイルスの感染

まれに細菌の感染や、まれに冷気や乾燥、アレルギーのような非感染性の要因による場合もあります

原因となるウイルスは200種類以上、それぞれに活動に適した環境があり、季節や時期で原因のウイルスや細菌の種類は異なる

かぜとよく似た疾患

  • 喘息・アレルギー性鼻炎
  • リウマチ熱・関節リウマチ
  • 肺炎・肺結核
  • 髄膜炎・急性肝炎・尿路感染症

など多数あります。

急激な発熱を伴う場合や、症状が4日以上続くときまたは症状が重篤なときは、かぜではない可能性が高いです

ウイルス性胃腸炎

発熱・頭痛

悪心・嘔吐・下痢

などの消化器症状が現れる。

冬場の場合は、かぜではなくウイルス性胃腸炎である場合が多いです

インフルエンザ

インフルエンザ(流行性感冒)は、

かぜと同様にウイルスの呼吸器感染

によるものです。

インフルエンザ、感染力が強く重症化しやすいため、かぜとは区別して扱われます!

かぜ薬の働き

かぜ薬とは、
かぜの諸症状の緩和を目的として使用される医薬品の総称で、総合感冒薬とも呼ばれる

かぜ薬は、

ウイルスの増殖を抑えたりウイルスを体内から除去するものではなく

咳や発熱などの諸症状の緩和を図る、対症療法薬

まずは、安静にして、栄養・水分を十分に取ることが基本です

症状に応じた薬の適用

発熱、咳 、鼻水など

症状がはっきりしている場合

には、必ずしもかぜ薬(総合感冒薬)を選択するわけではありません。

症状を効果的に緩和させるため、解熱鎮痛薬、鎮咳去痰薬、鼻炎を緩和させる薬などを選択することが望ましいです

存在しない症状に対して不要な成分が配合されていると、副作用のリスクを高めることになりやすいので注意が必要である

2)主な配合成分

①解熱鎮痛成分

解熱鎮痛成分=発熱を鎮め、痛みを和らげる

解熱鎮痛成分の種類

<かぜ薬に配合される解熱鎮痛成分>

  • アスピリン
  • サリチルアミド
  • エテンザミド
  • アセトアミノフェン
  • イブプロフェン
  • イソプロピルアンチピリン

<解熱作用がある生薬成分>

  • ジリュウ

<解熱作用を期待>

  • ゴオウ
  • カッコン
  • サイコ
  • ボウフウ
  • ショウマ

<鎮痛作用を期待>

  • センキュウ
  • コウブシ

<他の解熱鎮痛成分と組み合わせる>

  • ショウキョウ
  • ケイヒ

サリチルアミド、エテンザミドは、
15歳未満の小児で 水痘(みずぼうそう)またはインフルエンザにかかっているときは使用を避ける必要があります

インフルエンザ流行期には、解熱鎮痛成分がアセトアミノフェンや生薬成分のみからなる製品を提案するなどの対応が重要

②抗ヒスタミン成分、抗コリン成分

抗ヒスタミン成分、抗コリン成分=くしゃみや鼻汁を抑える

かぜ薬に配合される抗ヒスタミン成分

  • クロルフェニラミンマレイン酸塩
  • カルビノキサミンマレイン酸塩
  • メキタジン
  • クレマスチンフマル酸塩
  • ジフェンヒドラミン塩酸塩

かぜ薬に配合される抗コリン成分

  • ベラドンナ総アルカロイド
  • ヨウ化イソプロパミド

③アドレナリン作動成分

アドレナリン作動成分=鼻粘膜の充血を和らげ、気管・気管支を拡げる

かぜ薬に配合されるアドレナリン作動成分

  • メチルエフェドリン塩酸塩
  • メチルエフェドリンサッカリン塩
  • プソイドエフェドリン塩酸塩

かぜ薬に配合される生薬成分

※アドレナリン作動成分と、同様の作用をする生薬成分

  • マオウ
アドレナリン作動成分、生薬成分いずれも依存性があることに留意する

④鎮咳成分

鎮咳成分=咳を抑える

かぜ薬に配合される鎮咳成分

  • コデインリン酸塩
  • ジヒドロコデインリン酸塩
  • デキストロメトルファン臭化水素酸塩
  • ノスカピン
  • チペピジンヒベンズ酸塩
  • クロペラスチン塩酸塩

かぜ薬に配合される生薬成分

  • ナンテンジツ
コデインリン酸塩、ジヒドロコデインリン酸塩は、依存性ががあることに留意する

⑤去痰成分

去痰成分=痰の切れを良くする

かぜ薬に配合される去痰成分

●  グアイフェネシン

●  グアヤコールスルホン酸カリウム

●  ブロムヘキシン塩酸塩

●  エチルシステイン塩酸塩

かぜ薬に配合される生薬成分

※去痰作用を目的とする生薬成分

  • シャゼンソウ
  • セネガ
  • キキョウ
  • セキサン
  • オウヒ

⑥抗炎症成分

抗炎症成分=炎症による腫れを和らげる
<かぜ薬に配合される抗炎症成分>
●  
セミアルカリプロティナーゼ
●  ブロメライン
●  トラネキサム酸
●  グリチルリチン酸二カリウム

セミアルカリプロティナーゼ・ブロメライン

いずれもタンパク質分解酵素で、

炎症物質(起炎性ポリペプチド)を分解する作用がある

また、タンパク質のフィブリノゲンやフィブリンを分解する作用もあり、

血液凝固異常がある場合
⇒出血傾向が悪化する場合がある

肝機能障害がある場合
⇒医師または、処方薬の調剤を行った薬剤師に相談する

セミアルカリプロティナーゼには、痰の粘り気を弱めて出しやすくする作用もあります

トラネキサム酸

体内での起炎物質の産生を抑制。炎症の発生を抑え、腫れを和らげる。

また、凝固した血液を溶解されにくくする働きもあるため、

血栓のある人・血栓を起こすおそれのある人は
⇒医師または、処方薬の調剤を行った薬剤師に相談する

グリチルリチン酸二カリウム

本体のグリチルリチン酸がステロイドと類似。抗炎症作用を示します。

グリチルリチン酸を大量に摂取すると、

偽アルドステロン症

を生じるおそれがあるため、

むくみがある、心臓病・腎臓病、高血圧・高齢者が、

1日最大服用量が40mg以上の製品を使用する場合
⇒医師、薬剤師への相談を考慮する必要がある

どのような人であっても
⇒1日40㎎以上の長期連用は避ける必要がある
⇒1日摂取量が200mgを超えないようにする

生薬のカンゾウは、グリチルリチン酸を含むためかぜ薬に配合されている場合もあるので過剰にならないよう注意!

⑦その他

発汗、抗炎症等の作用を目的として、

●  カミツレ

などの生薬成分が配合されている場合があります。

⑧漢方処方製剤

かぜに用いられる漢方薬

●  葛根湯かっこんとう
● 
麻黄湯まおうとう

● 
小柴胡湯しょうさいことう
● 
柴胡桂枝湯さいこけいしとう
● 
小青竜湯しょうせいりゅうとう
● 
桂枝湯けいしとう
●  香蘇散こうそさん

● 
麦門冬湯ばくもんどうとう
●  半夏厚朴湯はんげこうぼくとう

半夏厚朴湯・以外は
⇒カンゾウを含む

麻黄湯、葛根湯、小青竜湯・には
⇒マオウを含む

小柴胡湯・柴胡桂枝湯・小青竜湯は
⇒長期間(1か月くらい)服用されることがある

葛根湯かっこんとう
(カンゾウ・マオウ含む)

  • 体力中等度以上
  • 感冒の初期(汗をかいていないもの)
  • 鼻かぜ、鼻炎、肩こり、筋肉痛、手や肩の痛み
  • まれに肝機能障害、偽アルドステロン症が生じる

麻黄湯まおうとう
(カンゾウ・マオウ含む)

  • 体力充実
  • ぜのひきはじめ
  • 寒気がして発熱、頭痛、咳、汗が出ていない感冒
  • 鼻かぜ、気管支炎、鼻づまり
  • 胃腸の弱い人、発汗傾向の著しい人には不向き

小柴胡湯しょうさいことう
(カンゾウ含む)

  • 体力中等度
  • ときに脇腹(腹)からみぞおちあたりにかけて苦しく
  • 食欲不振や口の苦味があり、舌に白苔がつくものの
  • 食欲不振、吐き気、胃炎、胃痛、胃腸虚弱、疲労感
  • かぜの後期の諸症状に適す

インターフェロン製剤で治療を受けている人
⇒間質性肺炎のおそれが高まる

※肝機能障害、膀胱炎様症状が現れることもある

柴胡桂枝湯さいこけいしとう
(カンゾウ含む)

  • 体力中等度またはやや虚弱
  • 多くは腹痛を伴い、
  • ときに微熱・寒気・頭痛・吐きけなどの胃腸炎
  • かぜの中期から後期の症状に適す

※間質性肺炎のおそれが高まる・肝機能障害、膀胱炎様症状が現れることもある

小柴胡湯・柴胡桂枝湯は、どちらも重篤な副作用として間質性肺炎、肝障害が知られています

小青竜湯しょうせいりゅうとう
(カンゾウ・マオウ含む)

  • 体力中等度又はやや虚弱で
  • うすい水様の痰を伴う咳や鼻水が出る
  • 気管支炎、気管支喘息
  • 鼻炎、アレルギー性鼻炎、むくみ、感冒、花粉症に適す

※まれに重篤な副作用として、肝機能障害、間質性肺炎、偽アルドステロン症を生じる

桂枝湯けいしとう
(カンゾウ含む)

  • 体力虚弱で、汗が出るもののかぜの初期に適す。

香蘇散こうそさん
(カンゾウ含む)

  • 体力虚弱で、神経過敏で気分がすぐれず
  • 胃腸の弱いもののかぜの初期、血の道症に適す

⑨鎮静成分

解熱鎮痛成分の鎮痛作用を助ける目的で、

  • ブロモバレリル尿素
  • アリルイソプロピルアセチル尿素

が配合されている場合があります

※ 依存性があることに留意

⑩制酸成分

制酸成分=胃酸を中和する

解熱鎮痛成分(生薬成分の場合を除く)による胃腸障害の軽減を目的として、

  • ケイ酸アルミニウム
  • 酸化マグネシウム
  • 水酸化アルミニウムゲル

の制酸成分が配合されている場合があります

⑪カフェイン類

解熱鎮痛成分(生薬成分の場合を除く)の配合に伴い、その鎮痛作用を補助する目的で、

  • カフェイン
  • 無水カフェイン
  • 安息香酸ナトリウムカフェイン

などが配合されている場合があります

カフェイン類が配合されているからといって、必ずしも副作用による眠気が解消されるわけではありません

⑫ビタミン成分

かぜの時に消耗しやすいビタミンまたはビタミン様物質を補給することを目的に、

  • ビタミンC
  • ビタミンB2
  • ビタミンB1

などが配合されている場合があります

3)主な副作用、相互作用、受診勧奨

かぜ薬の主な副作用

重篤な副作用は、
解熱鎮痛成分(生薬成分を除く)によるものが多い

かぜ薬の重篤な副作用

  • ショック(アナフィラキシー)
  • 皮膚粘膜眼症候群
  • 中毒性表皮壊死融解症
  • 喘息、間質性肺炎
  • 肝機能障害
  • 偽アルドステロン症
  • 腎障害
  • 無菌性髄膜炎

その他の副作用

  • 皮膚症状
  • 消化器症状
  • めまい、眠気
  • 口渇、便秘、排尿困難

相互作用

かぜ薬には、複数の有効成分が配合されているため、

  • ほかのかぜ薬や解熱鎮痛薬
  • 鎮咳去痰薬、鼻炎用薬
  • アレルギー用薬、鎮静薬
  • 睡眠改善薬

などと併用すると、成分が重複して、効き目が強くなりすぎたり、副作用が起こりやすくなる

かぜ薬の服用期間中は、飲酒を控える必要があります

受診勧奨

一定期間又は一定回数使用して症状の改善がみられない場合は、かぜとよく似た症状が現れる別の疾患、細菌感染の合併等が疑われる

このような場合、購入者に対してかぜ薬を継続せずに医療機関を受診するよう促すべきです

一般成人への対応

  • 高熱
  • 黄色や緑色に濁った膿性の鼻汁・痰
  • 喉の激しい痛みや腫れ
  • 呼吸困難を伴う激しい咳
かぜ薬の使用後に症状が悪化した場合には、間質性肺炎やアスピリン喘息等、かぜ薬自体の副作用による症状が現れた可能性もある

小児への対応

小児のかぜでは、

  • 急性中耳炎

を併発しやすい

2歳未満の乳幼児には、医師の診断を受けさせることを優先し、やむを得ない場合にのみ一般用医薬品のかぜ薬を服用させましょう

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