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登録販売者 勉強法⑫【第3章】Ⅺ~ⅩⅢ 歯 口中薬・禁煙・滋養強壮薬

学習方法・ポイント
しるば
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「第3章:主な医薬品とその作用」の11回目です!

※この記事は「平成30年3月 試験問題の作成に関する手引き」をもとに作成しています。

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Ⅺ 歯や口中に用いる薬

1 歯痛・歯槽膿漏薬

歯痛薬(外用)

歯痛は多くの場合、歯の齲蝕うしょく(むし歯)とそれに伴う歯髄炎によって起きます。

歯痛薬は、齲蝕による歯痛を応急的に鎮めることを目的とする一般用医薬品です。

歯槽膿漏

歯肉の炎症が重症化して、歯周組織全体に広がると歯周炎(歯槽膿漏)となります。

歯槽膿漏薬は、歯肉炎、歯槽膿漏の諸症状(出血や膿 、歯肉の腫れ、口臭など)の緩和を目的とする医薬品です。

外用薬のほか、内服薬(抗炎症成分、ビタミン成分など)もあり、併せて用いると効果的です。

1)代表的な配合成分、主な副作用

歯痛薬(外用)

局所麻酔成分

アミノ安息香酸エチル
ジブカイン塩酸塩
テーカイン
齲蝕により露出した歯髄を通っている知覚神経の伝達を遮断して痛みを鎮めます。

冷感刺激を与えて知覚神経を麻痺させることによる鎮痛・鎮痒の効果を期待して、
メントール、カンフル、ハッカ油、ユーカリ油が配合されている場合もあります。

(b) 殺菌消毒成分
フェノール
歯科用フェノールカンフル
木クレオソート
オイゲノール
セチルピリジニウム塩化物

齲蝕を生じた部分の細菌繁殖を抑えます。
刺激があり、歯以外の口腔粘膜や唇に付着しないように注意が必要です。
木クレオソートは、局所麻酔作用もあります。

生薬成分

サンシシ
アカネ科のクチナシの果実を基原とする生薬で、抗炎症作用を示します。

歯槽膿漏薬

(a) 外用薬

① 殺菌消毒成分
セチルピリジニウム塩化物
クロルヘキシジングルコン酸塩
イソプロピルメチルフェノール
チモール

歯肉溝での細菌の繁殖を抑えます。

クロルヘキシジングルコン酸塩が口腔内に適用される場合、まれに重篤な副作用としてショックを生じることがあります。
殺菌消毒作用のほか、抗炎症作用なども期待して、ヒノキチオール、チョウジ油が配合されることがあります。

② 抗炎症成分
グリチルリチン酸二カリウム
グリチルレチン酸

歯周組織の炎症を和らげます。
上記成分のほか、ステロイド性抗炎症成分が配合される場合は、口腔内に適用されるため含有量によらず長期連用を避ける必要があります。

③ 止血成分
カルバゾクロム
炎症を起こした歯周組織からの出血を抑えます。

④ 組織修復成分
アラントイン
炎症を起こした歯周組織の修復を促します。

⑤ 生薬成分
カミツレ
キク科のカミツレの頭花を基原とする生薬で、抗炎症、抗菌などの作用を期待して用いられる。
ラタニア
クラメリア科のクラメリア・トリアンドラ及びその同属植物の根を基原とする生薬で、咽頭粘膜をひきしめる作用により炎症の寛解を促す。
ミルラ
カンラン科のミルラノキ等の植物の皮部の傷口から流出して凝固した樹脂を基原とする生薬で、咽頭粘膜をひきしめる作用のほか、抗菌作用ある。

ラタニア、ミルラはうがい薬として使用されています。
詳しくは、第3章-6日目:Ⅱ-②口腔咽喉薬、含嗽薬を参照

(b) 内服薬

① 抗炎症成分
リゾチーム塩酸塩
歯周組織の炎症を和らげます。

② 止血成分
フィトナジオン(ビタミンK1)
カルバゾクロム
炎症を起こした歯周組織からの出血を抑えます。

③ 組織修復成分
銅クロロフィリンナトリウム
炎症を起こした歯周組織の修復を促す作用のほか、歯肉炎に伴う口臭を抑えます。

④ ビタミン成分
ビタミンC(アスコルビン酸)
コラーゲン代謝を改善して歯周組織の修復を助けるほか、毛細血管を強化して腫れや出血を抑えます。
ビタミンE(トコフェロールコハク酸エステル)
歯周組織の血行を促します。

2)相互作用、受診勧奨
【相互作用】
外用薬の場合、口腔内を清浄にしてから使用することが重要です。

また、口腔咽喉薬、含嗽薬などを使用する場合には、十分な間隔を置くべきです。

内服の歯槽膿漏薬は、かぜ薬、胃腸薬などに同成分が用いられている場合があり、作用増強や副作用が現れやすくなります。

【受診勧奨】
歯の齲蝕による歯痛は歯痛薬の使用により一時的に和らげることができたとしても、根本的治療ではないため基本的に歯科診療が優先されます。

歯周病(歯肉炎・歯槽膿漏)は、状態が軽いうちは自己治療が可能とされ、日頃の歯磨きによって細菌の繁殖を抑えることが重要です。

2 口内炎用薬

口内炎用薬は、口内炎、舌炎の緩和を目的として口腔内局所に適用される外用薬です。口内炎や舌炎は、口腔の粘膜上皮に水疱や潰瘍ができて痛み、ときに口臭を伴います。

口内炎の要因

栄養摂取の偏り
ストレスや睡眠不足
唾液分泌の低下
口腔内の不衛生
疱疹ウイルスの口腔内感染
医薬品の副作用

1)代表的な配合成分、主な副作用

(a) 抗炎症成分
グリチルリチン酸二カリウム
グリチルレチン酸
口腔粘膜の炎症を和らげます。

口腔粘膜の組織修復を促す作用を期待して、アズレンスルホン酸ナトリウムが配合されている場合もあります。
また、ステロイド性抗炎症成分が配合される場合は口腔内に適用されるため、含有量によらず長期連用を避ける必要があります。

(b) 殺菌消毒成分
セチルピリジニウム塩化物
クロルヘキシジン塩酸塩
アクリノール
ポビドンヨード
患部からの細菌感染を防止します。

(c) 生薬成分
シコン
ムラサキ科のムラサキの根を基原とする生薬で、組織修復促進、抗菌などの作用を期待して用いられます。

漢方処方製剤(内服)
茵蔯蒿湯いんちんこうとう
体力中等度以上で口渇があり、尿量少なく、便秘するものの蕁麻疹 、口内炎、湿疹 ・皮膚炎、皮膚のかゆみに適す。

構成生薬としてダイオウを含む。
まれに重篤な副作用として肝機能障害が起こることが知られている。

2)相互作用、受診勧奨
【相互作用】
口腔内を清浄にしてから使用することが重要であり、口腔咽喉薬、含嗽薬などを使用する場合には、十分な間隔を置くべきです。

【受診勧奨】
口内炎や舌炎は、通常であれば1~2週間で自然寛解します。食事に著しい支障を来すほどの状態であれば、医療機関を受診するなどの対応が必要です。

また長期間症状が長引く場合には腫瘍の可能性や、再発を繰り返す場合にはベーチェット病などの可能性も考えられるので、医療機関を受診するなどの対応が必要です。

ベーチェット病: 口腔粘膜の潰瘍を初期症状とする全身性の疾患

ⅩⅡ 禁煙補助剤

1)喫煙習慣とニコチンに関する基礎知識

タバコの煙に含まれるニコチンは、肺胞の毛細血管から血液中に取り込まれると、すみやかに脳内に到達し、脳の情動を司る部位に働いて覚醒、リラックス効果をもたらします。

習慣的に喫煙すると血中ニコチン濃度の低下した際、イライラ感、集中困難、落ち着かないなどのニコチン離脱症状が現れ、禁煙が困難になります。

禁煙を達成するには、本人の禁煙の意思に加えてニコチン離脱症状を軽減するニコチン置換療法が有効とされます。

ニコチン置換療法
ニコチンの摂取方法を喫煙以外に換えて離脱症状の軽減を図りながら徐々に摂取量を減らし、最終的にニコチン摂取をゼロにする方法です。

禁煙補助剤

ニコチンを有効成分とする医薬品です。

使用上の注意点
妊娠中、授乳中は避ける。
脳梗塞・脳出血などの急性期脳血管障害、重い心臓病等の基礎疾患、うつ病の人は症状悪化を防ぐため使用は避ける。
非喫煙者では、ニコチン耐性がないため吐きけ、めまい、腹痛などの症状が現れやすく、誤って使用することがないよう注意する。
剤型による種類
咀嚼剤(そしゃくざい)

噛むことにより口腔内でニコチンが放出され、口腔粘膜から吸収されて血中に移行します。

使用上の注意点
菓子のガムのように噛むとニコチンを唾液とともに飲み込れ、口腔粘膜からの吸収が十分なされず、吐きけや腹痛などの副作用が現れやすなるため、ゆっくりと断続的に噛むこと。
副作用を抑えるため1度に2個以上の使用は避ける。
顎の関節に障害がある人では、使用を避ける。
口内炎や喉の痛み・腫れの症状がある場合には、刺激感などの症状が現れやすくなる。
パッチ製剤

1日1回皮膚に貼付することでニコチンが皮膚を透過して血中に移行します。

2)主な副作用、相互作用、禁煙達成へのアドバイス・受診勧奨

【主な副作用】
口内炎、喉の痛み、消化器症状、気分不良などが現れることがあります。

【相互作用】
口腔内が酸性になるとニコチンの吸収が低下するため、コーヒーや炭酸飲料など口腔内を酸性にする食品を摂取した後は、しばらくは使用を避けることとされています。

ニコチンは交感神経系興奮作用を示し、アドレナリン作動成分との併用により作用を増強させるおそれがあります。また禁煙補助剤は、喫煙を完全に止めたうえ使用します。特に、使用中又は使用直後の喫煙は、避ける必要があります。

【禁煙達成へのアドバイス・受診勧奨】
ニコチン離脱症状は、禁煙開始から1~2週間の間に起きることが多いです。
禁煙補助剤によりニコチン離脱症状を軽減しながら徐々にその使用量を減らしていくこととし、初めから無理に減らそうとしないほうが、結果的に禁煙達成につながるとされます。ただし、禁煙補助剤は長期間にわたって使用されるべきものでありません。

ⅩⅢ 滋養強壮保健薬

1)医薬品として扱われる保健薬

滋養強壮保健薬は、体調不良や体質改善、特定の栄養素の不足による症状の改善・予防を目的として、ビタミン成分、カルシウム、アミノ酸、生薬成分などが配合された医薬品です。

医薬部外品の場合、効能・効果の範囲は、滋養強壮、虚弱体質の改善、病中・病後の栄養補給などに限定されています。
神経痛、筋肉痛、しみ・そばかすのような特定部位の症状に対する効能・効果については、医薬品においてのみ認められます。ビタミン成分に関しても、1日最大量が既定値を超えるものは、医薬品としてのみ認められます。
生薬成分については、カシュウ、ゴオウ、ゴミシ、ジオウ、ロクジョウは医薬品においてのみ認められます。

2)ビタミン、カルシウム、アミノ酸等の働き、主な副作用

(a) ビタミン成分
ビタミンA
(レチノール)
ビタミンD
(エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール)
ビタミンE
(トコフェロール)
ビタミンB1
(チアミン)
ビタミンB2
(リボフラビン)
ビタミンB6
(ピリドキシン、ピリドキサール)
ビタミンB12
(シアノコバラミン)
ビタミンC
(アスコルビン酸)

ビタミンは、「微量で体内の代謝の働きを担うが、自ら産生することができない、または産生されても不十分であるため外部から摂取する必要がある化合物」と定義されます。
脂溶性ビタミンでは、過剰摂取により過剰症を生じるおそれがあります。
脂溶性のビタミンは、ビタミンD,A,K、Eがあります。DAKE=「だけ」と覚えましょう。

① ビタミンA
ビタミンA主薬製剤:レチノール酢酸エステル、レチノールパルミチン酸エステル
ビタミンAは、夜間視力を維持したり、皮膚や粘膜の機能を正常に保つ栄養素です。目の乾燥感、夜盲症(とり目)、妊娠・授乳期、病中病後の体力低下時などに用いられます。

一般用医薬品におけるビタミンAの1日最大分量は4000国際単位となりますが、
妊娠前後3ヶ月に、1日10000国際単位以上摂取した妊婦の場合、新生児の先天異常の割合が上昇した報告があります。

② ビタミンD
ビタミンD主薬製剤:エルゴカルシフェロール又はコレカルシフェロール
腸管でのカルシウム吸収及び尿細管でのカルシウム再吸収を促して、骨の形成を助ける栄養素です。

骨歯の発育不良、くる病の予防、ビタミンDの補給に用いられます。ビタミンDの過剰症としては、高カルシウム血症、異常石灰化があります。

③ ビタミンE
ビタミンE主薬製剤:トコフェロール、トコフェロールコハク酸エステル、トコフェロール酢酸エステル等
脂質の酸化防止(抗酸化作用)、細胞の活動を助ける栄養素であり血流を改善させる作用もあります。
末梢血管障害による肩・首すじのこり、手足のしびれ、しもやけの症状の緩和、月経不順の症状の緩和、ビタミンEの補給に用いられます。

ビタミンEは下垂体や副腎系に作用してホルモン分泌の調節に関与し、生理が早く来たり、経血量が多くなったりすることがあります。

④ ビタミンB1
ビタミンB1主薬製剤:チアミン塩化物塩酸塩、チアミン硝化物、ビスチアミン硝酸塩、チアミンジスルフィド、フルスルチアミン塩酸塩、ビスイブチアミン

チアミンのみ覚えればOK

炭水化物からのエネルギー産生に不可欠な栄養素で、神経の正常な働きを維持する作用があります。
また、腸管運動を促進する働きもあります。

神経痛、筋肉痛・関節痛、手足のしびれ、便秘、眼精疲労、脚気の症状の緩和、また、ビタミンB1 の補給に用いられます。

⑤ ビタミンB2
ビタミンB2主薬製剤:リボフラビン酪酸エステル、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、リボフラビンリン酸エステルナトリウム

脂質の代謝に関与し、皮膚や粘膜の機能を正常に保つ栄養素です。
口内炎、皮膚炎、肌荒れ、目の充血、目の痒みの症状の緩和、またビタミンB2 の補給に用いられます。

ビタミンB2 の摂取により、尿が黄色くなることがあります。

⑥ ビタミンB6
ビタミンB6主薬製剤:ピリドキシン塩酸塩またはピリドキサールリン酸エステル

タンパク質の代謝に関与し、皮膚や粘膜の健康維持、神経機能の維持に重要な栄養素です。

口内炎、皮膚炎、肌荒れ、手足のしびれの症状の緩和、また、ビタミンB6 の補給に用いられます。

⑦ ビタミンB12
ビタミンB12主薬製剤:シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン塩酸塩等
赤血球の形成を助け、また、神経機能を正常に保つ栄養素です。

ビタミンB12にはコバルトを含有しており、貧血用薬に配合されています。
(鉄剤とその他循環器用薬の項を参照)

⑧ ビタミンC
ビタミンC主薬製剤:アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウムまたはアスコルビン酸カルシウム
脂質の酸化防止(抗酸化作用)、皮膚や粘膜の機能を正常に保つ栄養素です。
メラニンの産生を抑える働きもあるとされます。

しみ、そばかす、日焼けによる色素沈着の症状の緩和、歯ぐきからの出血・鼻出血の予防、また、ビタミンCの補給に用いられます。

⑨ その他
皮膚や粘膜などの機能を維持することを助ける栄養素として、ナイアシン(ニコチン酸アミド、ニコチン酸)、パントテン酸カルシウム、ビオチンなどが配合されている場合があります。

(b) カルシウム成分

カルシウム主薬製剤:クエン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、乳酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム

骨や歯の形成に必要な栄養素であり、筋肉の収縮、血液凝固、神経機能にも関与し、骨歯の発育促進、脆弱予防に用いられます。

過剰症としては、高カルシウム血症があります。

(c) アミノ酸成分

システイン
アミノエチルスルホン酸
(タウリン)
アスパラギン酸ナトリウム

① システイン
髪や爪、肌などに存在するアミノ酸の一種でメラニンの生成を抑え、排出を促します。また肝臓においてアルコールを分解する酵素の働きを助け、アセトアルデヒドと直接反応して代謝を促します。

しみ・そばかす・日焼けなどの色素沈着症、二日酔い、にきび、湿疹等の症状の緩和に用いられます。

② アミノエチルスルホン酸(タウリン)
体のあらゆる部分に存在し、細胞の機能が正常に働くために重要な物質です。
肝臓機能を改善する働きがあります。

③ アスパラギン酸ナトリウム
アスパラギン酸が、エネルギーの産生効率を高め、骨格筋の疲労の原因となる乳酸の分解を促します。

(d) その他の成分
ヘスペリジン
コンドロイチン硫酸
グルクロノラクトン
ガンマ-オリザノール
ヘスペリジン

ビタミン様物質のひとつで、ビタミンCの吸収を助けます。かぜ薬にも配合されている場合があります。

コンドロイチン硫酸
軟骨組織の主成分で、軟骨成分を形成及び修復する働きがあります。関節痛、筋肉痛等の改善を促すため、ビタミンB1と組み合わせられる場合があります。

グルクロノラクトン
肝臓の働きを助け肝血流を促進する働きがあり、全身倦怠感や疲労時の栄養補給を目的として配合されます。

ガンマ-オリザノール
米油から見出された抗酸化作用を示す成分で、ビタミンEなどと組み合わせて配合される場合があります。

3)代表的な配合生薬等、主な副作用

生薬成分
ニンジン
センキュウ
トウキ
ジオウ
ゴオウ
ロクジョウ
インヨウカク
ハンピ
ヨクイニン

(a) ニンジン
ウコギ科のオタネニンジンの細根を除いた根又はこれを軽く湯通ししたものを基原とする生薬で、オタネニンジンの根を蒸したものを基原とする生薬をコウジンということもある。別名を高麗人参、朝鮮人参とも呼ばれる。

神経系の興奮や副腎皮質の機能亢進等の作用により、ストレスに対する抵抗力や新陳代謝を高めるとされる。

(b) センキュウ、トウキ、ジオウ
血行を改善し、血色不良や冷えの症状を緩和するほか、強壮、鎮静、鎮痛等の作用を期待して用いられる。

(c) ゴオウ、ロクジョウ
ゴオウ:強心、血圧低下、興奮を鎮める。
ロクジョウ:強心、強壮、血行促進する。

詳しくは強心薬 、高コレステロールの項を参照

(d) インヨウカク、ハンピ
インヨウカク:メギ科のエピメディウム・ブレビコルヌム、ホザキイカリソウ、キバナイカリソウ、イカリソウ、トキワイカリソウ等の地上部を基原とする生薬

ハンピ:内臓を取り除いたマムシを基原とする生薬

いずれも強壮、血行促進、強精(性機能の亢進)等の作用を示す。

(e) ヨクイニン
イネ科のハトムギの種皮を除いた種子を基原とする生薬肌荒れやいぼに用いられる。

ビタミンB2やビタミンB6、瀉下薬等の補助成分として配合されている場合もある。

(f)その他
主に強壮作用を期待して、以下のような生薬成分が配合されている場合もあります。

タイソウ
ゴミシ
サンシュユ
サンヤク
オウギ
カシュウ
漢方処方製剤

滋養強壮に用いられる主な漢方処方製剤

十全大補湯じゅうぜんたいほとう
補中益気湯ほちゅうえっきとう

いずれも構成生薬としてカンゾウを含有

(a) 十全大補湯じゅうぜんたいほとう

体力虚弱なものの病後・術後の体力低下、疲労倦怠、食欲不振、寝汗、手足の冷え、貧血に適す
まれに重篤な副作用として、肝機能障害を生じることが知られている。

(b) 補中益気湯ほちゅうえっきとう

体力虚弱で元気がなく、胃腸の働きが衰えて、疲れやすいものの虚弱体質、疲労倦怠、病後・術後の衰弱、食欲不振、寝汗、感冒に適す。
まれに重篤な副作用として、間質性肺炎、肝機能障害を生じることが知られている。

4)相互作用、受診勧奨

【相互作用】
滋養強壮保健薬は多く摂取したからといって改善が早まるものでなく、また、滋養強壮の効果が高まるものでもありません。

【受診勧奨】
滋養強壮保健薬はある程度継続して使用しますが、1ヶ月位服用中しても改善しない場合には、栄養素の不足以外の要因が考えられるため漫然と使用することは避ける必要があります。

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