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【令和3年度・関東甲信越②】登録販売者過去問解説【医薬品に共通する特性と基本的な知識】

過去問題・解説

「医薬品に共通する特性と基本的な知識」の学習目的はこれ!

医薬品の本質、効き目や安全性に影響を与える要因等について理解していること
購入者等から医薬品を使用しても症状が改善しないなどの相談があった場合には、医療機関の受診を勧奨するなど、適切な助言を行うことができること
薬害の歴史を理解し、医薬品の本質等を踏まえた適切な販売等に努めることができること

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それでは解説スタートです!

医薬品に共通する特性と基本的な知識(全20問)

問 21
医薬品の本質に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 医薬品は、人の生命や健康に密接に関連するものであるため、高い水準で均一な品質が保証されていなければならない。
b 医薬品は、市販後において、医学・薬学等の新たな知見、使用成績等に基づき、その有効性、安全性等の確認が行われる仕組みになっている。
c 医薬品が人体に及ぼす作用は複雑、かつ、多岐に渡り、そのすべてが解明されていないため、必ずしも期待される有益な効果(薬効)のみをもたらすとは限らず、好ましくない反応(副作用)を生じる場合がある。

a b c
1 正 正 正
2 正 正 誤
3 正 誤 正
4 誤 正 正

【正解1】
a○
b○
c○

問 22
医薬品に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 医薬品は生命関連製品であり、その有用性が認められたものである。
b 添付文書や製品表示は、医薬品の効能効果、用法用量、副作用等の必要な情報が適切に伝達されることを通じて、購入者等が医薬品を適正に使用するために作成されている。
c 製造販売業者により、製品の回収等の措置が行われることはない。
d 一般用医薬品の販売に従事する専門家は、常に新しい情報の把握に努める必要がある。

a b c d
1 正 正 誤 誤
2 正 誤 正 誤
3 正 正 誤 正
4 誤 正 誤 正
5 誤 正 正 正

【正解3】
a○
b○
c×
製造販売業者による製品回収等の措置がなされることも「ある」。
d○

問 23
医薬品のリスク評価に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 医薬品の効果とリスクは、薬物暴露時間と暴露量との和で表現される用量-反応関係に基づいて評価される。
2 動物実験では 50%致死量(LD50)を求めることが可能であるので、薬物の毒性の指標として用いられる。
3 医薬品は、少量の投与でも長期投与されれば慢性的な毒性が発現する場合がある。
4 医薬品は、治療量上限を超えると、効果よりも有害反応が強く発現する。

【正解1】
1×和ではなく、「積」である。
2○
3○
4○

問 24
健康食品に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 栄養機能食品は、各種ビタミン、ミネラルに対して栄養機能の表示をすることができる。
b 健康補助食品は健康増進等を目的として広く国民に使用されるようになったが、誤った使用法により健康被害を生じた例も報告されている。
c 機能性表示食品は、疾病に罹患していない者の健康の維持及び増進に役立つ旨又は適する旨(疾病リスクの低減に係るものを除く。)を表示するものである。
d 医薬品を扱う者は、いわゆる健康食品は医薬品とは異なるものであることを認識し、消費者に指導・説明を行わなくてはならない。

a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 正
4 誤 正 正 正
5 正 正 正 正

【正解5】
a○
b○
c○
d○

問 25
医薬品の副作用に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 世界保健機関(WHO)で定義する医薬品の副作用には、疾病の診断のために、人に通常用いられる量で発現する医薬品の有害かつ意図しない反応は含まれていない。
b 副作用は、血液や内臓機能への影響のように、直ちに明確な自覚症状として現れないこともある。
c 医薬品が人体に及ぼす作用はすべてが解明されているわけではないため、十分に注意して適正に使用された場合であっても、副作用が生じることがある。
d 眠気や口渇等の日常生活に支障を来さない程度で比較的よく見られる症状は、副作用としては扱わない。

a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 誤 正 正
3 誤 誤 誤 正
4 正 正 正 正
5 正 誤 誤 誤

【正解1】
a×
含まれている。
世界保健機関の定義…『疾病の予防、診断、治療のため、又は身体の機能を正常化するために、人に通常用いられる量で発現する医薬品の有害かつ意図しない反応』
b○
c○
d×
眠気や口渇等の比較的よく見られるものから、日常生活に支障を来す程度の健康被害を生じる重大なものまで、副作用として扱う。

問 26
医薬品の不適正な使用と有害事象に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 「薬はよく効けばよい」と短絡的に考えて、定められた用量を超える量を服用すると、有害事象につながる危険性が高い。
b 一般用医薬品は、軽度な疾病に伴う症状の改善を図ることを目的として販売者の判断で使用されている医薬品である。
c 一般的に小児への使用を避けるべき医薬品の場合、大人の用量の半分にして使用すれば有害事象につながることはないとされている。
d 人体に直接使用されない医薬品であっても、使用する人の誤解や認識不足によって、使い方や判断を誤り、有害事象につながることがある。

1(a、b) 2(a、c) 3(a、d)
4(b、c) 5(b、d)

【正解3】
a○
b×
一般用医薬品は、軽度な疾病に伴う症状の改善等を図るためのものであり、「一般の生活者が自ら」の判断で使用するものである。
c×
小児への使用を避けるべき医薬品を、大人の用量の半分にして服用させるなど、安易に医薬品を使用するような場合には、特に「有害事象につながる危険性が高い」。
d○

問 27
医薬品の相互作用に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 複数の医薬品を併用した場合、又は保健機能食品や、いわゆる健康食品を含む特定の食品と一緒に摂取した場合に、医薬品の作用が増強したり、減弱したりすることを相互作用という。
b 副作用や相互作用のリスクを減らす観点から、緩和を図りたい症状が明確な場合には、なるべくその症状に合った成分のみが配合された医薬品を選択することが望ましい。
c 一般用医薬品は、一つの医薬品の中に作用の異なる複数の成分を組み合わせて含んでいる(配合される)ことが多いが、他の医薬品と併用する場合に、相互作用を注意する必要はない。
d 相互作用は、医薬品が吸収、代謝(体内で化学的に変化すること)及び排泄される過程で起こるもので、分布される過程では起こらない。

1(a、b) 2(a、c) 3(a、d)
4(b、c) 5(b、d)

【正解1】
a○
b○
c×
他の医薬品と併用した場合に、同様な作用を持つ成分が重複することがあり、これにより、作用が強く出過ぎたり、副作用を招く危険性が増すことがあるため、注意が必要である。
d×
相互作用は、医薬品が吸収、代謝、「分布」、又は排泄される過程で起こる。

問 28
医薬品と食品との飲み合わせに関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a アルコールは、主として肝臓で代謝されるため、酒類(アルコール)をよく摂取する者では、肝臓の代謝機能が低下していて、医薬品が体内から代謝されにくくなっている。
b 総合感冒薬にはカフェインが含まれているものがあり、水ではなくコーヒーで飲むことでカフェインの過剰摂取になることがある。
c 外用薬は食品と吸収される部位が異なるため、食品による医薬品の作用や代謝への影響を考える必要はない。

a b c
1 誤 誤 誤
2 誤 誤 正
3 誤 正 誤
4 正 誤 誤

【正解3】
a×
酒類(アルコール)をよく摂取する者では、その代謝機能が「高まっている」ことが多く、医薬品が「代謝されやすく」なる。
b○
c×
外用薬や注射薬であっても、食品によって医薬品の作用や代謝に「影響を受ける可能性がある」。

問 29
高齢者の医薬品の使用に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 高齢者は持病(基礎疾患)を抱えていることが多いが、医師が経過観察をしているため、一般用医薬品を使用しても基礎疾患の症状が悪化することはない。
b 高齢者は医薬品の副作用で口渇を生じた場合、誤嚥(食べ物等が誤って気管に入り込むこと)を誘発しやすくなるので注意が必要である。
c 医薬品の使用上の注意においては、おおよその目安として 65 歳以上を「高齢者」としている。
d 高齢者は生理機能が衰えつつあり、特に、肝臓や腎臓の機能が低下していると医薬品の作用が現れにくくなるため、若年時と比べて副作用を生じるリスクが低い。

a b c d
1 正 正 誤 誤
2 正 誤 正 正
3 誤 正 誤 正
4 誤 正 正 誤
5 誤 誤 誤 正

【正解4】
a×
一般用医薬品の使用によって基礎疾患の症状が悪化することが「ある」。
b○
c○
d×
生理機能が衰えつつあり、特に、肝臓や腎臓の機能が低下していると医薬品の作用が「強く現れやすく」、若年時と比べて副作用を生じるリスクが「高い」。

問 30
妊婦及び授乳婦の医薬品の使用に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 一般用医薬品において、多くの場合、妊婦が使用した場合における安全性に関する評価が困難であるため、妊婦の使用については、添付文書において「相談すること」としているものが多い。
b 妊娠の有無やその可能性について、一般用医薬品の販売等において専門家が情報提供や相談対応を行う際には、配慮する必要はない。
c 医薬品の種類によっては、授乳婦が使用した医薬品の成分の一部が乳汁中に移行することが知られている。
d 胎児は、母体との間に存在する胎盤を通じて栄養分を受け取っており、栄養分とともに母体の血液が胎児の血液に混ざることで母親が使用した医薬品の成分が移行する。

a b c d
1 正 正 誤 正
2 誤 誤 誤 正
3 正 誤 正 誤
4 正 正 正 正
5 誤 正 正 誤

【正解3】
a○
b×
専門家が情報提供や相談応需を行う際には、「十分に配慮することが必要」である。
c○
d×
胎盤には、胎児の血液と母体の血液とが混ざらない仕組み(血液-胎盤関門)がある。母体が医薬品を使用した場合に、血液-胎盤関門によって、どの程度医薬品の成分の胎児への移行が防御されるかは、未解明のことも多い。
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