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登録販売者 勉強法②【第1章】Ⅱ医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因

学習方法・ポイント

前回、「第1章:Ⅰ医薬品概論」の勉強法やポイントを紹介しました。

しるば

今回は、その続き「第1章:医薬品の効き目 や安全性に影響を与える要因」の勉強をするよ!

第1章「医薬品に共通する特性と基本的な知識」
問題作成ポイントはこれ!

医薬品の本質、効き目や安全性に影響を与える要因等について理解していること
購入者等から医薬品を使用しても症状が改善しないなどの相談があった場合には、医療機 関の受診を勧奨するなど、適切な助言を行うことができること
薬害の歴史を理解し、医薬品の本質等を踏まえた適切な販売等に努めることができること

※この記事は「平成30年3月 試験問題の作成に関する手引き」をもとに作成しています。

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1)副作用

副作用とは

世界保健機関(WHO)の定義によれば
副作用は「疾病の予防、診断、治療のため、又は身体の機能を正常化するために、人に通常用いられる量で発現する医薬品の有害かつ意図しない反応」
とされています。

副作用は、大きく分けてこの2種類!
①薬理作用による副作用
②アレルギー(過敏反応)

①薬理作用による副作用

薬理作用とは
薬物が生体の生理機能に影響を与えること

医薬品を使用したときには、自分が期待している有益な反応(主作用)以外の反応が現れることがあります

主作用以外の反応であっても、

特段の不都合を生じなければ、通常、副作用として扱われることはない

しかし、好ましくないもの(有害事象)については一般に副作用という

複数の疾病を有する人の場合、ある疾病のために使用された医薬品の作用が、別の疾病に対しては症状を悪化させたり、治療が妨げたりすることもある

②アレルギー(過敏反応)

アレルギーとは
人体を防御するために、免疫機構が過敏に反応して、好ましくない症状が引き起こされる過敏反応のこと

体の各部位に生じる炎症を、アレルギー症状といいます

アレルギー症状の具体例

流涙や眼の痒かゆみなどの結膜炎症状

鼻汁やくしゃみなどの鼻炎症状

蕁麻疹や湿疹

かぶれなどの皮膚症状

血管性浮腫のような腫れ

などが、多いとされています。

アレルギー症状の原因

アレルギーは、一般的にあらゆる物質で起こる可能性があります

医薬品の有効成分

薬理作用がない添加物

内服だけでなく、外用薬

これら全て、原因物質(アレルゲン)となりえます。

体質や遺伝的な要素や、病気等に対する抵抗力が低下している場合などは、思わぬアレルギーを生じることもあるので注意!

アレルゲンとなり得る添加物
黄色4号(タートラジン)、カゼイン、亜硫酸塩など

アレルギーへの対処

過去にアレルギーが出た医薬品は、使用を避ける必要があります

医薬品の中には、原材料に

鶏卵

牛乳

などが使われているものがあるため、それらに対するアレルギーがある人では使用を避けなければならない場合もあります。

医薬品が人体に及ぼす作用は、全て解明されているわけではないため、十分に注意して適正に使用された場合であっても、副作用が生じることがある

一般用医薬品における副作用への対応

一般用医薬品は
軽度な疾病に伴う症状の改善等を図るためのものであり、一般の生活者が自らの判断で使用するもの

通常、

使用を中断することによる不利益よりも、重大な副作用を回避することが優先される

副作用の兆候が現れたときは使用を中止する

必要に応じて医師、薬剤師等に相談されるべきである

とされています。

専門家に求められるべき対応

一般用医薬品の販売などに従事する専門家は、

購入者等から副作用の発生の経過を十分に聴く

副作用の状況次第では、購入者等に、医療機関を受診するよう

受診勧奨する必要があります。

副作用は、容易に異変を自覚できるものばかりではありません

血液

内臓機能への影響のように、

ただちに明確な自覚症状として現れないこともある

継続して使用する場合には、特段の異常が感じられなくても医療機関を受診するよう、医薬品の販売などに従事する専門家から促していくことも重要です

2)不適正な使用と有害事象

医薬品の不適正な使用は、大きくわけてこの2つ
①使用する人の誤解や認識不足に起因する不適正な使用
②医薬品を本来の目的以外の意図で使用する不適正な使用

 ①使用する人の誤解や認識不足に起因する不適正な使用

一般用医薬品は、
購入者等の誤解や認識不足のために適正に使用されないことがある

たとえば、

選択された医薬品が適切でない場合

症状が改善しないまま使用し続けている

原因疾病の根本治療がされていない

手軽に入手できるからと、症状を一時的に緩和するだけの対処では、いたずらに有害事象の危険性が増したり、適切な治療の機会を失ってしまいます

それ以外にも、

薬はよく効けばよい

多く飲めば早く効く

と短絡的に考えて、定められた用量を超える量を服用する。

小児への使用を避けるべき医薬品を、

子供だから大人用のものを半分にすればよい

と服用させる。

安易に医薬品を使用するような場合、特に有害事象の発生する危険性が高まります

有害事象の防止を図るには、購入者など対して、正しい情報を適切に伝えていくことが重要となる

 ②医薬品を本来の目的以外の意図で使用する不適正な使用

医薬品は、
目的とする効果に対して副作用が生じる危険性が最小限となるよう、使用する量や使い方が定められている

本来の目的以外の意図で、

定められた用量を意図的に超えて服用

他の医薬品や酒類などと一緒に摂取

といった乱用がなされると、過量摂取による急性中毒などを生じる危険性が高まります。

乱用の繰り返しによって慢性的な臓器障害などを生じるおそれもあります

一般用医薬品にも、

習慣性

依存性

がある成分を含んでいるものがあります。

特に、青少年は、薬物乱用の危険性に関する認識や理解が必ずしも十分でなく、興味本位で乱用することがあるため、注意が必要。一度、薬物依存が形成されると、そこから離脱することは容易ではありません

必要以上の大量購入や頻回購入をする」不審な購入者等には慎重に対処し、状況によっては販売を差し控えるなどの対応が望ましい

3)他の医薬品や食品との相互作用、飲み合わせ

相互作用

相互作用とは
複数の医薬品を併用した場合、保険機能食品や健康食品を含む特定の食品と一緒に摂取した場合に、医薬品の作用が増強したり、減弱したりすること

相互作用には、医薬品が

吸収、代謝、分布、排泄される過程で起こるものと

薬理作用をもたらす部位において起こるもの

があります。

相互作用を回避するには
医薬品の使用期間中やその前後を通じて、その医薬品と相互作用を生じるおそれのある医薬品や食品の摂取を控えなければならない

他の医薬品との相互作用

一般用医薬品は
複数の成分を含んでいることが多く、他の医薬品と併用した場合に成分が重複する場合がある

このことにより、作用が強く出過ぎたり、副作用を招く危険性が増すことがあります

たとえば、

かぜ薬

解熱鎮痛薬

鎮静薬

鎮咳去痰薬ちんがいきょたんやく

アレルギー用薬

など、成分や作用が重複することが多く、通常、これらの薬効群に属する医薬品の併用は避けることとされています。

副作用や相互作用のリスクを減らすには
緩和を図りたい症状が明確である場合には、なるべくその症状に合った成分のみが
配合された医薬品が選択されること
が望ましいとされている
一般用医薬品の販売に従事する専門家の対応は
医療機関・薬局から交付された薬剤を使用している場合には、診療を行った医師・歯科医師または調剤した薬剤師に相談するよう説明がなされるべき

食品との飲み合わせ

食品と医薬品の相互作用は
「飲み合わせ」と表現され、食品と飲み薬が体内で相互作用を生じる場合が主に想定されます

たとえば、

酒類(アルコール)は、医薬品の吸収や代謝に影響を与える

主として肝臓で代謝されるため、アルコールをよく摂取する者では、代謝機能が高まっていることが多いです

アセトアミノフェンなどでは、通常よりも代謝されやすくなり、十分な薬効が得られなくなる
代謝によって産生する物質(代謝産物)に薬効があるものの場合には、作用が強く出過ぎたり、逆に、代謝産物が人体に悪影響を及ぼす医薬品の場合は副作用が現れやすくなる

その他にも、

カフェイン

ビタミンA

生薬成分を含むハーブ

などの食品のように、食品中に医薬品の成分と同じ物質が存在する場合、それらを含む医薬品(例:総合感冒薬)と食品(例:コーヒー)を一緒に服用すると過剰摂取となるものがあります。

外用薬や注射薬であっても、食品によって作用や代謝に影響を受ける可能性がある

4)小児、高齢者等への配慮

小児、高齢者、妊婦等が医薬品を使用する場合においては、
保健衛生上のリスク等に関して、成人と別に考える必要がある

①小児への配慮

医薬品の使用上の注意においては乳児、幼児、小児の、おおよその目安は
乳児:1歳未満
幼児:7歳未満
小児:15歳未満

小児は生理機能が未発達のため、医薬品の使用に際して特に配慮が必要です

小児は大人と比べて、

身体の大きさに対して腸が長く、服用した医薬品の吸収率が相対的に高い

血液脳関門が未発達であるため、血液中の医薬品の成分が脳に達しやすい
※血液脳関門とは、血中の物質が脳内に移行することを制御する機構のこと

肝臓や腎臓の機能が未発達であるため、医薬品の成分の代謝・排泄に時間がかかり、作用・副作用が強くでることがある

小児、乳幼児の医薬品使用の注意点

5歳未満の幼児に使用される錠剤やカプセル剤などの医薬品では、服用時に喉につかえやすいので注意するよう添付文書に記載されている

乳児への対処

乳児向けの用法用量が設定されている医薬品であっても、乳児は医薬品の影響を受けやすく、また、状態が急変しやすいため、医師の診療を受けることが優先され、一般用医薬品による対処は最小限(夜間等、医師の診療を受けることが困難な場合)にとどめるのが望ましい。

②高齢者

医薬品の使用上の注意においては、おおよその目安は
高齢者:65歳以上

一般に高齢者は、

生理機能が衰えつつあり、

特に、肝臓や腎臓の機能が低下していると医薬品の作用が強く現れやすくなる

医薬品の作用が強く現れやすくなると、副作用のリスクも高まります

高齢者への配慮

高齢者は、生理機能の衰えのほか、

喉の筋肉が衰えて飲食物を飲み込む力が弱まる(嚥下障害えんげしょうがい)場合があり、誤嚥ごえんしやすい

持病(基礎疾患)を抱えていることが多く、一般用医薬品の使用で症状が悪化する場合がある

医薬品の説明を理解するのに時間がかかる場合や、添付文書や製品表示の記載を読み取るのが難しい場合もあります

また、

手先の衰えのため医薬品を容器や包装から取り出すことが難しい

医薬品の取り違え

飲み忘れ

も起こしやすい傾向にあります。

高齢者には、家族や周囲の人(介護関係者等)の理解や協力も含め、医薬品の安全使用の観点からの配慮が重要となる

③妊婦または妊娠していると思われる女性

妊婦は体調の変化を起こしやすいため、一般用医薬品をし、症状を緩和しようとする場合もある。
妊婦を通じて胎児に影響を及ぼす可能性があるため、一般用医薬品の対処が適当かどうか慎重に考慮されるべきである

胎児は、母体との間に存在する胎盤を通じて栄養分を受け取っています

胎盤には、胎児の血液と母体の血液とが混ざらない仕組み

血液ー胎盤関門

があるが、どの程度胎児への医薬品成分の移行が防御されるかは、未解明なことも多い。

妊婦が避けるべき医薬品

ビタミンA含有製剤
妊娠前後の一定期間に通常の用量を超えて摂取すると、胎児に先天異常を起こす危険性が高まる

便秘薬
配合成分やその用量によっては、流産や早産を誘発するおそれがあるものがある

妊娠の有無やその可能性については、他人に知られたくない場合もあることから、十分に配慮することが必要となる

④ 母乳を与える女性(授乳婦)

授乳婦へのリスク
医薬品の成分の一部が乳汁中に移行することが知られており、母乳を介して乳児が医療品の成分を摂取することになる場合がある

乳幼児に好ましくない影響が及ぶことが知られている医薬品は、

授乳期間中は、医薬品の使用を避ける

医薬品を使用後、しばらくの間は授乳を避ける

吸収された医薬品の一部が乳汁中に移行することが知られていても、通常の使用の範囲では具体的な悪影響は判明していないものもあります

登録販売者は、購入者に対して、乳汁に移行する成分や作用等について積極的に情報提供をする必要がある

⑤医療機関で治療を受けている人等

疾患の種類や程度によっては
一般用医薬品を使用することによってその症状が悪化したり、治療が妨げられることもある

医薬品の種類等に応じて、問題を生じるおそれがあれば、使用を避けることができるよう情報提供がなされることが重要です

医療機関・薬局で交付された薬剤を使用している人

登録販売者において一般用医薬品との併用の可否を判断することは困難な

処方した医師もしくは歯科医師又は調剤を行った薬剤師に相談するよう説明する

過去に治療をうけていた場合

購入者が使用の可否を判断できるよう、情報提供をする

医療機関で治療を受けて居ない場合でも、種類や配合成分によっては、症状を悪化させるおそれがあるなど注意が必要なものがある

5)プラセボ効果

プラセボ効果とは
医薬品を使用したとき、結果的または偶発的に薬理作用によらない作用を生じることをプラセボ効果(偽薬効果ぎやくこうか)という

楽観的な期待や、自然緩解などが関与して生じると考えられています

医薬品を使用したときにもたらされる反応には、

薬理作用によるもの

プラセボ効果によるもの

の2種類がある。

プラセボ効果は、主観的な変化だけでなく、客観的に測定可能な変化として現れることもありますが、不確実で、それを目的として医薬品が使用されるべきではない

6)医薬品の品質

医薬品の品質について
医薬品は、高い水準で均一な品質が保証されていなければならない

適切な保管・陳列がなされなければ、医薬品の効き目が低下したり、人体に好ましくない作用をもたらす物質を生じることがあります!

保管・陳列される場所

清潔性を保ち

高温

多湿

直射日光

などの下に置かれることのないよう注意が必要です。

医薬品の使用期限

医薬品は、適切な保管・陳列がなされたとしても、

経時変化による品質の劣化は避けられない

表示されている「使用期限」は、未開封状態で保管された場合に品質が保持される期限です

液剤などでは、いったん開封されると記載されている期日まで品質が保証されない場合がある
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勉強法①【第1章】Ⅰ医薬品概論
いまココ▶勉強法②【第1章】Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因
勉強法③【第1章】Ⅲ適切な医薬品選択と受診勧奨
勉強法④【第1章】Ⅳ 薬害の歴史 
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