❶ 一般用医薬品において用いられる主な有効成分に関して基本的な効能効果及びその特徴、飲み方や飲み合わせ、年齢、基礎疾患等、効き目や安全性に影響を与える要因、起こり得る副作用等につき理解し、購入者への情報提供や相談対応に活用できること
❷各薬効群の医薬品に関する情報提供、相談対応における実践的な知識が理解できること
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それでは解説スタートです!
主な医薬品とその作用(全40問)
問 1 かぜ及びかぜ薬(総合感冒薬)に関する以下の記述のうち、正しいものの組み合わせを下から一つ選びなさい。
ア かぜは、医学的にはかぜ症候群といい、主に細菌が鼻や喉等に感染して起こる上気道の急性炎症の総称である。
イ かぜとよく似た症状が現れる疾患として、関節リウマチ、肺結核、尿路感染症が挙げられ、症状が4日以上続くとき、又は症状が重篤なときは、かぜではない可能性が高い。
ウ 発熱や頭痛を伴った悪心・嘔吐や下痢などの消化器症状が冬場に現れた場合は、かぜではなく、ウイルスが消化器に感染したことによるウイルス性胃腸炎である場合が多い。
エ 咳の症状がはっきりしているかぜの場合であっても、総合感冒薬を選択するのが最適である。
1 ア、イ
2 ア、エ
3 イ、ウ
4 ウ、エ
問 2 かぜ薬(総合感冒薬)に配合される生薬成分及びその期待される主な作用の関係について、正しいものの組み合わせを下から一つ選びなさい。
ア ジリュウ ― 抗炎症
イ ナンテンジツ ― 鎮咳
ウ キキョウ ― 解熱
エ セネガ ― 去痰
1 ア、ウ
2 ア、エ
3 イ、ウ
4 イ、エ
問 3 以下の記述にあてはまるかぜ薬の漢方処方製剤として、最も適切なものを下から一つ選びなさい。
体力充実して、かぜのひきはじめで、寒気がして発熱、頭痛があり、咳が出て身体のふしぶしが痛く汗が出ていないものの感冒、鼻かぜ、気管支炎、鼻づまりに適すとされるが、胃腸の弱い人、発汗傾向の著しい人では、悪心、胃部不快感、発汗過多、全身脱力感等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。
1 桂枝湯
2 麻黄湯
3 小柴胡湯
4 小青竜湯
5 半夏厚朴湯
問 4 痛みや発熱が起こる仕組み及び解熱鎮痛薬の働きに関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。
ア 月経そのものが起こる過程にプロスタグランジンが関わっていないため、月経痛(生理痛)には、解熱鎮痛薬の効能・効果は期待できない。
イ 解熱鎮痛成分は、腎臓における水分の再吸収を促して循環血流量を減らし、発汗を促進する作用に寄与している。
ウ プロスタグランジンには胃酸分泌調節作用や胃腸粘膜保護作用があるが、これらの作用が解熱鎮痛成分によって妨げられると、胃酸分泌が増加するとともに胃壁の血流量が低下して、胃粘膜障害を起こしやすくなるため、解熱鎮痛薬はなるべく空腹時に服用することになっている。
エ アスピリン喘息は、アスピリン特有の副作用ではなく、他の解熱鎮痛成分でも生じる可能性がある。
ア イ ウ エ
1 正 正 誤 正
2 正 誤 正 誤
3 誤 正 正 誤
4 誤 誤 正 正
5 誤 誤 誤 正
問 5 解熱鎮痛薬に関する以下の記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。なお、同じ記号の( )内には同じ字句が入ります。
アスピリン、サザピリン、エテンザミド等を総称して( ア )系解熱鎮痛成分という。( ア )系解熱鎮痛成分において特に留意されるべき点は、( イ )症候群の発生が示唆されていることである。アスピリン及びサザピリンは、( ウ )歳未満に対しては、いかなる場合も一般用医薬品として使用してはならない。
1 ア :サリチル酸 イ :過敏性腸 ウ:18
2 ア :サリチル酸 イ :ライ ウ:20
3 ア :サリチル酸 イ :ライ ウ:15
4 ア :ピリン イ :ライ ウ:18
5 ア :ピリン イ :過敏性腸 ウ:15
問 6 解熱鎮痛薬に含まれる成分に関する以下の記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。
1 アセトアミノフェンは、主として中枢作用によって解熱・鎮痛をもたらすため、末梢における抗炎症作用は期待できない。
2 イブプロフェンは、アスピリンに比べて胃腸への悪影響が少なく、抗炎症作用も示す。
3 イソプロピルアンチピリンは、解熱・鎮痛作用は比較的強いが、抗炎症作用は弱い。
4 エテンザミドは、痛みが神経を伝わっていくのを抑える働きが作用の中心となっている他の解熱鎮痛成分に比べ、痛みの発生を抑える働きが強いため、作用の仕組みの違いによる相乗効果を期待して、他の解熱鎮痛成分と組み合わせて配合されることが多い。
問 7 眠気を促す薬や睡眠・覚醒に関わる生体内物質に関する以下の記述のうち、正しいものの組み合わせを下から一つ選びなさい。
ア ヒスタミンは、生体内情報伝達物質であり、脳の下部にある睡眠・覚醒に関与する部位で神経細胞の刺激を介して、覚醒の維持や調節を行う働きを担っている。
イ 妊婦又は妊娠していると思われる女性の睡眠障害には、睡眠改善薬が適用される。
ウ ジフェンヒドラミン塩酸塩は、抗ヒスタミン成分の中でも特に中枢作用が強い。
エ チャボトケイソウは、オミナエシ科のカノコソウの根茎及び根を基原とする生薬である。
1 ア、ウ
2 ア、エ
3 イ、ウ
4 イ、エ
問 8 ブロモバレリル尿素に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。
ア 飲酒とともに服用すると、その薬効が増強されるおそれがあるため、服用時には飲酒を避ける必要がある。
イ 解熱鎮痛成分の鎮痛作用を補助する目的で配合されている場合がある。
ウ 脳の興奮を抑え、痛覚を鈍くする作用がある。
エ 胎児に障害を引き起こす可能性があるため、妊婦又は妊娠していると思われる女性は使用を避けるべきである。
ア イ ウ エ
1 正 正 正 正
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 誤 誤
5 誤 誤 正 正
問 9 カフェインに関する以下の記述のうち、正しいものの組み合わせを下から一つ選びなさい。
ア 脳に軽い興奮状態を引き起こし、一時的に眠気や倦怠感を抑える効果がある。
イ 腎臓におけるカリウムイオン(同時に水分)の再吸収抑制があり、尿量の増加をもたらす。
ウ 胃液分泌抑制作用があり、副作用として食欲不振、悪心・嘔吐といった胃腸障害が現れることがある。
エ 心筋を興奮させる作用があり、副作用として動悸が現れることがあるため、心臓病のある人は、服用を避ける。
1 ア、ウ
2 ア、エ
3 イ、ウ
4 イ、エ
問 10 次の表は、ある小児鎮静薬に含まれている成分の一覧である。この医薬品及び小児の疳に関する以下の記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。
60粒中
ジャコウ 1 mg
ゴオウ 9 mg
レイヨウカク 30 mg
ギュウタン 12 mg
ニンジン 110 mg
オウレン 60 mg
カンゾウ 60 mg
チョウジ 9 mg
1 小児の疳は、痩せて血が少ないことから生じると考えられている。
2 レイヨウカクは、ウシ科のサイカレイヨウ等の角を基原とする生薬で、緊張や興奮を鎮める作用を期待して用いられる。
3 ゴオウは、緊張や興奮を鎮め、また、血液の循環を促す作用を期待して用いられる。
4 カンゾウを大量に摂取するとアスコルビン酸の大量摂取につながり、偽アルドステロン症を起こすおそれがある。
問 11 呼吸器官や鎮咳去痰薬に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。
ア 咳は、気管や気管支に何らかの異変が起こったときに、その刺激が中枢神経系に伝わり、視床下部にある咳嗽中枢の働きによって引き起こされる反応である。
イ 呼吸器官に感染を起こしたときは、気道粘膜からの粘液分泌が増え、その粘液に気道に入り込んだ異物や粘膜上皮細胞の残骸などが混じって痰となる。
ウ 気道粘膜に炎症が生じたときにも咳が誘発され、また、炎症に伴って気管や気管支が拡張し喘息を生じることがある。
エ 鎮咳去痰薬には、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、内用液剤、シロップ剤のほか、口腔咽喉薬の目的を兼ねたトローチ剤やドロップ剤がある。
ア イ ウ エ
1 正 正 正 誤
2 正 誤 誤 正
3 誤 正 誤 正
4 誤 正 誤 誤
5 誤 誤 正 誤
問 12 鎮咳去痰薬に関する以下の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。
1 クレゾールスルホン酸カリウムは、痰の中の粘性タンパク質を溶解・低分子化して粘性を減少させる。
2 エチルシステイン塩酸塩は、気道粘膜からの粘液の分泌を促進する作用を示す。
3 カルボシステインは、線毛運動促進作用を示す。
4 デキストロメトルファンフェノールフタリン塩は、主にトローチ剤・ドロップ剤に配合される鎮咳成分である。
問 13 口腔咽喉薬及び含嗽薬に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。
ア 含嗽薬は、口腔及び咽頭の殺菌・消毒・洗浄、口臭の除去を目的として、用時水に希釈又は溶解してうがいに用いる、又は患部に塗布した後、水でうがいする外用液剤である。
イ 噴射式の液剤では、息を吸いながら噴射すると気管支や肺に入ってしまうおそれがあるため、軽く息を吐いたり、声を出しながら噴射することが望ましい。
ウ 含嗽薬は、調製する濃度が濃いほど効果が十分得られる。
エ 口内炎などにより口腔内にひどいただれがある人でも、全身的な影響が生じるおそれはない。
ア イ ウ エ
1 正 正 正 誤
2 正 正 誤 誤
3 正 誤 誤 正
4 誤 正 正 正
5 誤 誤 誤 誤
問 14 口腔咽喉薬及び含嗽薬に配合される成分及びその期待される主な作用の関係について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。
ア アズレンスルホン酸ナトリウム ー 喉の粘膜を刺激から保護する。
イ トラネキサム酸 ー 声がれ、喉の不快感、喉の痛みを鎮める。
ウ ラタニア ー 粘膜組織の修復を促す。
エ デカリニウム塩化物 ー 口腔内や喉に付着した細菌等の微生物を死滅させたり、その増殖を抑える。
1 ア、イ
2 ア、ウ
3 イ、エ
4 ウ、エ
問 15 胃腸薬の配合成分に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。
ア 炭酸水素ナトリウムなど制酸成分を主体とする胃腸薬は、胃酸に対する中和作用が低下するため、炭酸飲料での服用は避けるべきである。
イ スクラルファートは、透析を受けている人は使用を避ける必要がある。
ウ アズレンスルホン酸ナトリウムは、消化管内容物中に発生した気泡の分離を促すことを目的として配合されていることがある。
エ ピレンゼピン塩酸塩は、消化管の運動にほとんど影響を与えずに胃液の分泌を抑える作用を示すとされる。
ア イ ウ エ
1 正 正 正 正
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 誤 誤
5 誤 誤 正 正
問 16 瀉下薬に関する以下の記述のうち、正しいものを下から一つ選びなさい。
1 ヒマシ油は、ヒマシを圧搾して得られた油を用いた生薬で、大腸でリパーゼの働きによって生じる分解物が、大腸を刺激することで瀉下作用をもたらす。
2 センナが配合された瀉下薬は、流産・早産を誘発するおそれがあるため、妊婦又は妊娠していると思われる女性は使用を避けるべきである。
3 ダイオウは、腸管内で水分を吸収して腸内容物に浸透し、糞便のかさを増やすとともに糞便を柔らかくすることによる瀉下作用を目的として配合される。
4 ジオクチルソジウムスルホサクシネートは、胃や小腸では分解されないが、大腸に生息する腸内細菌によって分解されて、大腸への刺激作用を示すようになる。
問 17 強心薬に関する以下の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。
1 センソは、皮膚や粘膜に触れると局所麻酔作用を示し、センソが配合された内服固形製剤は、口の中で噛み砕くと舌等が麻痺することがあるため、噛まずに服用することとされている。
2 センソは、有効域が比較的狭い成分であるが、通常用量であれば悪心、嘔吐の副作用が現れることはない。
3 ロクジョウは、ウシ科のウシの胆嚢中に生じた結石を基原とする生薬で、強心作用のほか、呼吸中枢を刺激して呼吸機能を高めたり、意識をはっきりさせる作用がある。
4 ジャコウは、シカ科のジャコウジカの雄の麝香腺分泌物を基原とする生薬で、強心作用のほか、末梢血管の拡張による血圧低下、興奮を静める作用がある。
問 18 高コレステロール改善薬及び脂質異常症に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。
ア ポリエンホスファチジルコリンは、コレステロールと結合して、代謝されやすいコレステロールエステルを形成する。
イ パンテチンは、低密度リポタンパク質(LDL)の異化排泄を促進し、リポタンパクリパーゼ活性を下げて、高密度リポタンパク質(HDL)産生を高める作用がある。
ウ ビタミンB2は、血中コレステロール異常に伴う末梢血行障害の緩和を目的として用いられる。
エ 大豆油不鹸化物は、腸管でコレステロールの吸収を抑える作用がある。
ア イ ウ エ
1 正 正 正 正
2 正 正 誤 誤
3 正 誤 誤 正
4 誤 正 誤 正
5 誤 誤 正 誤
問 19 貧血及び貧血用薬に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。
ア 貧血の症状がみられる以前から予防的に貧血用薬を服用することは、適当である。
イ 鉄分の摂取不足が生じると、初期に血清鉄やヘモグロビン量が減少し、ただちに貧血の症状が現れる。
ウ マンガンは、赤血球ができる過程で必要不可欠なビタミンB12の構成成分であり、骨髄での造血機能を高める目的で、硫酸マンガンが配合されている。
エ 貧血用薬を服用する前後30分にタンニン酸を含む飲食物を摂取すると、タンニン酸と反応して鉄の吸収が促進される。
ア イ ウ エ
1 正 正 誤 誤
2 正 誤 正 正
3 誤 正 誤 正
4 誤 誤 正 誤
5 誤 誤 誤 誤
問 20 以下の記述にあてはまる内用痔疾用薬の漢方処方製剤として、最も適切なものを下から一つ選びなさい。
体力中等度以下で冷え症で、出血傾向があり胃腸障害のないものの痔出血、貧血、月経異常・不正出血、皮下出血に適すとされるが、胃腸が弱く下痢しやすい人では、胃部不快感、腹痛、下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。
1 竜胆瀉肝湯
2 八味地黄丸
3 乙字湯
4 芎帰膠艾湯
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