令和5年度・東海北陸ブロック【午前】
令和5年・東海北陸①医薬品に共通する特性
いまココ▶東海北陸②主な医薬品とその作用
令和5年・東海北陸③人体の働きと医薬品
令和5年・東海北陸④薬事に関する法規
令和5年・東海北陸⑤医薬品の適正使用
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令和5年度・東海北陸ブロック【午前】
主な医薬品とその作用(全40問)
問 21
かぜ(感冒)及びかぜ薬(総合感冒薬)に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a かぜの症状は、くしゃみ、鼻汁・鼻閉(鼻づまり)、咽喉痛、咳、痰等の呼吸器症状と、発熱、頭痛、関節痛、全身倦怠感等、様々な全身症状が組み合わさって現れる。
b かぜの約8割は細菌の感染が原因であるが、それ以外にウイルスの感染や、まれに冷気や乾燥、アレルギーのような非感染性の要因による場合もある。
c かぜ薬は、咳で眠れなかったり、発熱で体力を消耗しそうなときなどに、それらの諸症状の緩和を図る対症療法薬である。
d かぜであるからといって必ずしもかぜ薬を選択するのが最適とは限らず、存在しない症状に対する不要な成分が配合されていると、無意味に副作用のリスクを高めることとなる。
a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 誤 正 正
3 誤 正 誤 正
4 正 誤 正 誤
5 正 正 誤 正
問 22
かぜ薬(総合感冒薬)に配合される成分に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
1 サイコは、解熱作用を期待して配合されている場合がある。
2 ノスカピンは、中枢神経系に作用して鎮咳作用を示す。
3 キキョウは、気管・気管支を拡げる作用を期待して配合されている場合がある。
4 グリチルリチン酸二カリウムは、鼻粘膜や喉の炎症による腫れを和らげることを目的として配合されている場合がある。
問 23
第1欄の記述は、かぜ薬(総合感冒薬)として用いられる漢方処方製剤に関するものである。該当する漢方処方製剤は第2欄のどれか。
第1欄
体力中等度又はやや虚弱で、うすい水様の痰を伴う咳や鼻水が出るものの気管支炎、気管支喘息、鼻炎、アレルギー性鼻炎、むくみ、感冒、花粉症に適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸の弱い人、発汗傾向の著しい人では、悪心、胃部不快感等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。
第2欄
1 葛根湯
2 麻黄湯
3 小青竜湯
4 桂枝湯
5 麦門冬湯
問 24
かぜ薬(総合感冒薬)に配合される成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a ヨウ化イソプロパミドは、抗コリン作用により鼻汁分泌やくしゃみを抑える作用を示す。
b アスピリン(アスピリンアルミニウムを含む。)は、15歳未満の小児に対しては、いかなる場合も一般用医薬品として使用してはならない。
c フルスルチアミン塩酸塩は、粘膜の健康維持・回復を目的として配合されている場合がある。
d グアイフェネシンは、体内での起炎物質の産生を抑制することで炎症の発生を抑え、腫れを和らげる。
a b c d
1 誤 誤 正 正
2 正 誤 誤 正
3 正 正 誤 誤
4 正 正 正 誤
5 誤 正 正 正
問 25
カフェインに関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 脳に軽い興奮状態を引き起こし、一時的に眠気や倦怠感を抑える効果がある。
b 腎臓におけるナトリウムイオンの再吸収促進があり、尿量の増加(利尿)をもたらす。
c 作用は弱いながら反復摂取により依存を形成するという性質があるため、「短期間の服用にとどめ、連用しないこと」という注意喚起がなされている。
d 眠気防止薬におけるカフェインの1回摂取量はカフェインとして200㎎、1日摂取量はカフェインとして500mg が上限とされている。
a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 正
4 誤 正 正 正
5 正 正 正 正
問 26
眠気を促す薬及びその配合成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a ブロモバレリル尿素は、反復して摂取すると依存を生じることが知られており、本来の目的から逸脱した使用(乱用)がなされることがある。
b 抑肝散は、不眠症状の改善を目的として使用されるが、構成生薬としてダイオウを含むため、下痢等の副作用に注意が必要である。
c 生薬成分のみからなる鎮静薬であっても、複数の鎮静薬の併用や、長期連用は避けるべきである。
d 抗ヒスタミン成分を主薬とする催眠鎮静薬は、慢性的に不眠症状がある人を対象とするものである。
1(a、b) 2(a、c) 3(b、d) 4(c、d)
問 27
鎮痛の目的で用いられる漢方処方製剤に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
1 芍薬甘草湯は、まれに重篤な副作用として、うっ血性心不全や心室頻拍を生じることが知られており、心臓病の診断を受けた人では使用を避ける必要がある。
2 桂枝加朮附湯は、動悸、のぼせ、ほてり等の副作用が現れやすい等の理由で、のぼせが強く赤ら顔で体力が充実している人には不向きとされる。
3 薏苡仁湯は、悪心・嘔吐、胃部不快感等の副作用が現れやすい等の理由で、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸の弱い人、発汗傾向の著しい人には不向きとされる。
4 当帰四逆加呉茱萸生姜湯は、消化器系の副作用(食欲不振、胃部不快感等)が現れやすい等の理由で、胃腸虚弱で冷え症の人には不向きとされる。
問 28
第1欄の記述は、鎮暈薬(乗物酔い防止薬)の配合成分に関するものである。該当する配合成分は第2欄のどれか。
第1欄
抗ヒスタミン成分であり、延髄にある嘔吐中枢への刺激や内耳の前庭における自律神経反射を抑える作用を示す。外国において、乳児突然死症候群や乳児睡眠時無呼吸発作のような致命的な呼吸抑制を生じたとの報告があるため、15歳未満の小児では使用を避ける必要がある。
第2欄
1 プロメタジン塩酸塩
2 スコポラミン臭化水素酸塩水和物
3 アリルイソプロピルアセチル尿素
4 ジフェニドール塩酸塩
5 ジフェンヒドラミンテオクル酸塩
問 29
鎮咳去痰薬の配合成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a マオウは、アドレナリン作動成分と同様の作用を示し、気管支を拡張させる。
b ゴミシは、マツブサ科のチョウセンゴミシの果実を基原とする生薬で、体内で分解された代謝物の一部が延髄の呼吸中枢、咳嗽中枢を鎮静させる作用を示すとされる。
c ブロムヘキシン塩酸塩は、粘液成分の含量比を調整し痰の切れを良くする作用を示す。
d ジプロフィリンは、自律神経系を介さずに気管支の平滑筋に直接作用して弛緩させ、気管支を拡張させる。
1(a、c) 2(b、c) 3(b、d) 4(a、d)
問 30
口腔咽喉薬及びうがい薬(含嗽薬)の配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 日本薬局方収載の複方ヨード・グリセリンは、グリセリンにヨウ化カリウム、ヨウ素、ハッカ水、液状フェノール等を加えたもので、喉の患部に塗布して声がれ、喉の腫れ等の症状を鎮めることを目的として用いられる。
b セチルピリジニウム塩化物は、炎症を生じた粘膜組織の修復を促す作用を期待して配合されている場合がある。
c クロルフェニラミンマレイン酸塩は、咽頭の粘膜に付着したアレルゲンによる喉の不快感等の症状を鎮めることを目的として配合されている場合があるが、咽頭における局所的な作用を目的としているため、内服薬と同様な副作用が現れることはない。
d ヨウ素は、レモン汁やお茶などに含まれるビタミンC等の成分と反応すると脱色を生じて殺菌作用が失われるため、ヨウ素系殺菌消毒成分が配合された含嗽薬では、そうした食品を摂取した直後の使用や混合は避けることが望ましい。
a b c d
1 正 正 誤 誤
2 誤 正 正 誤
3 誤 誤 正 正
4 誤 誤 誤 正
5 正 誤 誤 誤
問 31
胃の薬の配合成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a 酸化マグネシウムは、中和反応によって胃酸の働きを弱めること(制酸)を目的として配合されている場合がある。
b テプレノンは、胃粘膜の炎症を和らげることを目的として配合されている場合があるが、まれに重篤な副作用として肝機能障害を生じることがある。
c アカメガシワは、味覚や嗅覚を刺激して反射的な唾液や胃液の分泌を促すことにより、弱った胃の働きを高めることを目的として配合されている場合がある。
d ウルソデオキシコール酸は、胆汁の分泌を促す作用(利胆作用)があるとされ、消化を助ける効果を期待して用いられる。
1(a、c) 2(b、c) 3(b、d) 4(a、d)
問 32
腸の薬の配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a ベルベリンは、生薬のオウバクやオウレンの中に存在する物質のひとつであり、抗菌作用のほか、抗炎症作用も併せ持つとされる。
b 木クレオソートは、瀉下作用のほか、局所麻酔作用もあるとされる。
c 乳酸カルシウムは、腸管内の異常発酵等によって生じた有害な物質を吸着させることを目的として配合されている場合がある。
d ピコスルファートナトリウムは、胃や小腸では分解されないが、大腸に生息する腸内細菌によって分解されて、大腸への刺激作用を示すようになる。
a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 誤 正
5 正 誤 正 正
問 33
胃腸鎮痛鎮痙薬の配合成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a メチルベナクチジウム臭化物は、抗コリン作用により、胃痛、腹痛、さしこみ(疝痛、癪)を鎮めること(鎮痛鎮痙)のほか、胃酸過多や胸やけに対する効果も期待して用いられる。
b パパベリン塩酸塩は、消化管の平滑筋に直接働いて胃腸の痙攣を鎮める作用と、胃液分泌を抑える作用を示す。
c オキセサゼインは、消化管の粘膜及び平滑筋に対する麻酔作用による鎮痛鎮痙の効果を期待して配合されている場合がある。
d ロートエキスは、吸収された成分の一部が母乳中に移行して乳児の脈が遅くなるおそれがある。
1(a、b) 2(a、c) 3(b、d) 4(c、d)
問 34
浣腸薬及びその配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 浣腸薬は一般に、直腸の急激な動きに刺激されて流産・早産を誘発するおそれがあるため、妊婦又は妊娠していると思われる女性では使用を避けるべきである。
b 腹痛が著しい場合や便秘に伴って吐きけや嘔吐が現れた場合には、急性腹症(腸管の狭窄、閉塞、腹腔内器官の炎症等)の可能性があり、浣腸薬の配合成分の刺激によってその症状を悪化させるおそれがある。
c 炭酸水素ナトリウムを主薬とする坐剤では、浸透圧の差によって腸管壁から水分を取り込んで直腸粘膜を刺激し、排便を促すが、まれに重篤な副作用としてショックを生じることがある。
d 注入剤の半量等を使用する用法がある場合、残量を再利用するためには冷蔵庫で保管する必要がある。
a b c d
1 誤 誤 正 正
2 正 誤 誤 正
3 正 正 誤 誤
4 正 正 正 誤
5 誤 正 正 正
問 35
駆虫薬に関する記述のうち、正しいものはどれか。
1 一般用医薬品の駆虫薬が対象とする寄生虫は、回虫、蟯虫及び条虫(いわゆるサナダ虫など)である。
2 腸管内に生息する虫体にのみ作用し、虫卵や腸管内以外に潜伏した幼虫(回虫の場合)には駆虫作用が及ばない。
3 消化管内容物の消化・吸収に伴って駆虫成分の吸収が高まることから、食後に使用することとされているものが多い。
4 駆虫効果を高めるため、複数の駆虫薬を併用することが望ましい。
問 36
強心薬及びその配合成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a センソが配合された丸薬、錠剤等の内服固形製剤は、口中で噛み砕いて服用することとされている。
b ゴオウは、ウシ科のウシの胆嚢中に生じた結石を基原とする生薬で、強心作用のほか、末梢血管の拡張による血圧降下、興奮を静める等の作用があるとされる。
c リュウノウは、中枢神経系の刺激作用による気つけの効果を期待して用いられる。
d 苓桂朮甘湯には、強心作用が期待される生薬が含まれているため、通常用量においても、悪心(吐きけ)、嘔吐の副作用が現れることがある。
1(a、c) 2(b、c) 3(b、d) 4(a、d)
問 37
脂質異常症に関する記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせはどれか。
医療機関で測定する検査値として、低密度リポタンパク質(LDL)が( a )mg/dL 以上、高密度リポタンパク質(HDL)が( b )mg/dL 未満、中性脂肪が( c )mg/dL 以上のいずれかである状態を、脂質異常症という。
1 a140 b40 c150
2 a140 b40 c140
3 a140 b50 c150
4 a150 b40 c140
5 a150 b50 c140
問 38
高コレステロール改善薬及びその配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 高コレステロール改善薬は、血中コレステロール異常に伴う末梢血行障害(手足の冷え、痺れ)の緩和等を目的として使用される。
b ビタミンB2は、コレステロールの生合成抑制と排泄・異化促進作用、中性脂肪抑制作用、過酸化脂質分解作用を有すると言われている。
c パンテチンは、低密度リポタンパク質(LDL)等の異化排泄を促進し、リポタンパクリパーゼ活性を低下させて、高密度リポタンパク質(HDL)産生を高める作用があるとされている。
d リノール酸には、腸管におけるコレステロールの吸収を抑える働きがあるとされている。
a b c d
1 正 正 誤 誤
2 誤 正 正 誤
3 誤 誤 正 正
4 誤 誤 誤 正
5 正 誤 誤 誤
問 39
貧血用薬(鉄製剤)には、貧血を改善するためビタミン成分が配合されている場合がある。次の1~5で示されるビタミンのうち、鉄が消化管内で吸収されやすい状態に保つことを目的として用いられるものはどれか。
1 ビタミンA
2 ビタミンB1
3 ビタミンB6
4 ビタミンB12
5 ビタミンC
問 40
循環器用薬及びその配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a ユビデカレノンは、心筋の酸素利用効率を高めて収縮力を高めることによって血液循環の改善効果を示すとされ、15歳未満の小児向けの製品もある。
b 三黄瀉心湯を鼻血に用いる場合には、漫然と長期の使用は避け、5~6回使用しても症状の改善がみられないときは、いったん使用を中止して専門家に相談がなされるなどの対応が必要である。
c イノシトールヘキサニコチネートは、ニコチン酸が遊離し、そのニコチン酸の働きによって末梢の血液循環を改善する作用を示すとされ、ビタミンEと組み合わせて用いられる場合が多い。
d 七物降下湯は、体力中等度以下で、顔色が悪くて疲れやすく、胃腸障害のないものの高血圧に伴う随伴症状(のぼせ、肩こり、耳鳴り、頭重)に適すとされるが、15歳未満の小児への使用は避ける必要がある。
a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 正
4 誤 正 正 正
5 正 正 正 正
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