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【令和3年度・東海北陸②】登録販売者過去問解説【主な医薬品とその作用】

過去問題・解説

問 31 グリセリンが配合された浣腸薬の説明に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a 本剤を人肌程度に温めておくと、注入時に不快感を生じることが少ない。
b 排便能力が低下している人は、便秘の予防のために本剤を繰り返し使用する必要がある。
c 効果を十分に得るために、薬液を注入した後すぐに排便を試みるとよい。
d 痔出血の症状があるときは、本剤の使用により赤血球の破壊(溶血)を引き起こす、また、腎不全を起こすおそれがあり、使用前に治療を行っている医師等に相談する必要がある。

1(a、c) 2(b、c)
3(b、d) 4(a、d)

【正解4】
a○
b×繰り返し使用すると直腸の感受性の低下が生じて効果が弱くなり、医薬品の使用に頼りがちになるため、連用しないこととされている。
c×薬液を注入した後すぐに排便を試みると、薬液のみが排出されて効果が十分得られないことから、便意が強まるまでしばらく我慢する。
d○

問 32 貧血用薬(鉄製剤)に係る相談を受けたときの対応に関する記述のうち、正しいものはどれか。

1 より効果が得られるよう複数の鉄製剤を併用するよう提案する。
2 消化器系への副作用を軽減するには、食後に服用することが望ましいと説明する。
3 緑茶の摂取により鉄の吸収が良くなるので、服用の前後30分に緑茶を摂取するよう勧奨する。
4 食生活を改善し、かつ本剤の使用を2週間程度続けても症状の改善がみられない場合には、別の一般用医薬品である鉄製剤への変更を提案する。

【正解2】
1×複数の貧血用薬を併用すると、鉄分の過剰摂取となり、胃腸障害や便秘等の副作用が起こりやすくなる。
2○
3×服用の前後30分にタンニン酸を含む飲食物(緑茶、紅茶、コーヒー、ワイン、柿等)を摂取すると、タンニン酸と反応して鉄の吸収が「悪くなる」。
4×食生活を改善し、かつ鉄製剤(貧血用薬)の使用を2週間程度続けても症状の改善がみられない場合には、貧血用薬の使用を漫然と継続せずに医療機関を受診するよう促すべきである。

問 33 14歳の子供にサリチルアミドが配合されたかぜ薬を使用したいと相談を受けたときの対応に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a 本剤は、ウイルスを体内から除去し、かぜの諸症状を緩和する作用があると説明した。
b インフルエンザにかかっている時は、使用を避ける必要があると説明した。
c 本剤の代わりに、副作用の少ないイブプロフェンが配合されたかぜ薬を使用するよう提案した。
d 使用者が過去にアスピリン喘息を発症していないか確認した。

1(a、b) 2(a、c)
3(b、d) 4(c、d)

【正解3】
a×ウイルスを体内から除去するものではなく、かぜの諸症状の緩和を図る対症療法薬である。
b○
c×イブプロフェンは、15歳未満の小児に対しては、いかなる場合も使用してはならない。
d○

問 34 生薬成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a ゴミシは、フトモモ科のチョウジの蕾を基原とする生薬で、香りによる健胃作用を期待して用いられる。
b チョウトウコウは、アカネ科のカギカズラ、ウンカリア・シネンシス又はウンカリア・マクロフィラの通例とげを基原とする生薬で、神経の興奮・緊張緩和を期待して用いられる。
c ハンゲは、ユリ科のジャノヒゲの根の膨大部を基原とする生薬で、鎮咳、去痰、滋養強壮等の作用を期待して用いられる。
d ボウイは、ツヅラフジ科のオオツヅラフジの蔓性の茎及び根茎を、通例、横切したものを基原とする生薬で、鎮痛、尿量増加(利尿)等の作用を期待して用いられる。

a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 誤 正 正
3 誤 正 誤 正
4 正 誤 正 誤
5 正 正 誤 正

【正解3】
a×記述は、「チョウジ」の内容。
ゴミシは、「マツブサ科のチョウセンゴミシの果実を基原とする生薬で、鎮咳作用、強壮作用を期待して用いられる。」
b○
c×記述は、「バクモンドウ」の内容。
ハンゲは、「サトイモ科のカラスビシャクのコルク層を除いた塊茎を基原とする生薬で、中枢性の鎮咳作用を期待して用いられる。」
d○

問 35 カンゾウに関する記述について、(  )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせはどれか。なお、同じ記号の(  )内には同じ字句が入る。

カンゾウは、マメ科のウラルカンゾウ又はグリキルリザ・グラブラの根及びストロンで、ときには周皮を除いたもの(皮去りカンゾウ)を基原とする生薬であり、含有する( a )による抗炎症作用のほか、気道粘膜からの分泌を促す等の作用も期待される。
カンゾウを大量に摂取すると( a )の大量摂取につながり、( b )を起こすおそれがあるため、( c )等のカンゾウを含有する医薬品には、注意が必要である。

1 aグリチルリチン酸  b偽アルドステロン症  c麻黄湯
2 aグリチルリチン酸  b偽アルドステロン症  c半夏厚朴湯
3 aグリチルリチン酸  b血圧低下       c麻黄湯
4 aトラネキサム酸   b血圧低下       c半夏厚朴湯
5 aトラネキサム酸   b偽アルドステロン症  c呉茱萸湯

【正解1】
カンゾウは、マメ科のウラルカンゾウ又はグリキルリザ・グラブラの根及びストロンで、ときには周皮を除いたもの(皮去りカンゾウ)を基原とする生薬であり、含有する( aグリチルリチン酸 )による抗炎症作用のほか、気道粘膜からの分泌を促す等の作用も期待される。
カンゾウを大量に摂取すると( aグリチルリチン酸 )の大量摂取につながり、( b偽アルドステロン症 )を起こすおそれがあるため、( c麻黄湯 )等のカンゾウを含有する医薬品には、注意が必要である。

問 36 第1欄の記述は、生薬成分に関するものである。該当する生薬成分は第2欄のどれか。

第1欄
キク科のベニバナの管状花をそのまま又は黄色色素の大部分を除いたもので、ときに圧縮して板状としたものを基原とする生薬であり、末梢の血行を促して鬱血を除く作用があるとされる。
日本薬局方収載のこの生薬成分を煎じて服用する製品は、冷え症及び血色不良に用いられる。

第2欄
1 ウイキョウ
2 オウヒ
3 オウレン
4 コウカ
5 セキサン

【正解4】

問 37 1~5で示される漢方処方製剤のうち、マオウが含まれないものはどれか。

1 葛根湯
2 小青竜湯
3 五虎湯
4 麦門冬湯
5 薏苡仁湯

【正解4】

問 38 漢方処方製剤とその作用との関係の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 小建中湯     ― かぜの症状を緩和する。
b 芍薬甘草湯    ― 痛みを鎮める。
c 平胃散      ― 胃の不調を改善する。
d 抑肝散加陳皮半夏 ― 痰を出しやすくする。

a b c d
1 正 正 誤 誤
2 誤 正 正 誤
3 誤 誤 正 正
4 誤 誤 誤 正
5 正 誤 誤 誤

【正解2】
a×小建中湯 ― 「小児虚弱体質等を改善する。」
b○
c○
d×抑肝散加陳皮半夏 ― 「神経質、精神不安、不眠等の症状を改善する。」

問 39 第1欄の記述は、鎮痛の目的で用いられる漢方処方製剤に関するものである。該当する漢方処方製剤は第2欄のどれか。

第1欄
体力中等度で痛みがあり、ときにしびれがあるものの関節痛、神経痛、腰痛、筋肉痛に適すとされるが、消化器系の副作用(食欲不振、胃部不快感等)が現れやすい等の理由で、胃腸が弱く下痢しやすい人には不向きとされる。

第2欄
1 香蘇散
2 柴胡加竜骨牡蛎湯
3 疎経活血湯
4 白虎加人参湯
5 麻杏甘石湯

【正解3】

問 40 三黄瀉心湯に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 本剤は、胃の不調を改善する目的で用いられる。
b 高血圧の患者は、本剤を使用できない。
c 本剤を使用している間は、瀉下薬の使用を避ける必要がある。
d 本剤は、ダイオウを含むため、母乳を与える女性では使用を避けるか、又は使用期間中の授乳を避ける必要がある。

a b c d
1 正 正 誤 誤
2 誤 正 正 誤
3 誤 誤 正 正
4 誤 誤 誤 正
5 正 誤 誤 誤

【正解3】
a×高血圧に伴う諸症状等を改善する目的で用いられる。
b×高血圧の随伴症状等に適す漢方処方製剤であるから、使用できる。
c○
d○
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