❶ 一般用医薬品において用いられる主な有効成分に関して基本的な効能効果及びその特徴、飲み方や飲み合わせ、年齢、基礎疾患等、効き目や安全性に影響を与える要因、起こり得る副作用等につき理解し、購入者への情報提供や相談対応に活用できること
❷各薬効群の医薬品に関する情報提供、相談対応における実践的な知識が理解できること
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それでは解説スタートです!
主な医薬品とその作用(全40問)
問 1
かぜ(感冒)に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a 「かぜ」は単一の疾患ではなく、医学的にはかぜ症候群という。
b かぜの約8割は細菌の感染が原因であり、年間を通して決まった細菌が原因となっている。
c かぜとよく似た症状が現れる疾患に、喘息、アレルギー性鼻炎、リウマチ熱、関節リウマチ、肺炎、肺結核、急性肝炎、尿路感染症等がある。
d インフルエンザ(流行性感冒)とかぜは感染力の違いがあるが、同じものとして扱われている。
1(a,b) 2(a,c) 3(b,c)
4(b,d) 5(c,d)
問 2
かぜ薬の配合成分とその配合目的のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a サリチルアミド ― 発熱を鎮め、痛みを和らげる
b ブロムヘキシン塩酸塩 ― 痰の切れを良くする
c ノスカピン ― 鼻汁を抑える
d ブロメライン ― 気管・気管支を拡げる
1(a,b) 2(a,d) 3(b,c)
4(b,d) 5(c,d)
問 3
炎症による腫れを和らげる成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a セミアルカリプロティナーゼは、フィブリノゲンを分解する作用があり、血液凝固異常のある人では出血傾向を悪化させるおそれがある。
b グリチルリチン酸を大量に摂取すると、偽アルドステロン症を生じるおそれがあり、1日最大服用量がグリチルリチン酸として40mg以上となる製品では長期連用を避ける必要がある。
c トラネキサム酸は、肝機能障害があると代謝や排泄が遅延して、それらの副作用が現れやすくなるため、肝臓病の診断を受けている人は医師等に相談する必要がある。
d カミツレは、甘味料として一般食品や医薬部外品にも広く用いられているため、総摂取量が継続して過剰にならないよう注意を促す必要がある。
a b c d
1 正 誤 正 正
2 誤 正 誤 誤
3 正 誤 誤 正
4 誤 正 正 誤
5 正 正 誤 誤
問 4
かぜの症状緩和に用いられる漢方処方製剤に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
1 葛根湯は、重篤な副作用として肝機能障害、偽アルドステロン症を生じることが知られている。
2 麻黄湯は、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)は使用を避ける必要がある。
3 小柴胡湯は、まれに重篤な副作用として間質性肺炎、肝機能障害を生じることが知られている。
4 小青竜湯は、体力中等度で、ときに脇腹からみぞおちあたりにかけて苦しく、食欲不振や口の苦味があり、舌に白苔がつくものの、食欲不振、疲労感、かぜの後期の諸症状に適すとされる。
問 5
かぜ薬の配合成分とその副作用のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a アセトアミノフェン ― 肝機能障害
b アスピリン ― 排尿困難
c イブプロフェン ― 腎障害
d コデインリン酸塩 ― 無菌性髄膜炎
1(a,b) 2(a,c) 3(b,c)
4(b,d) 5(c,d)
問 6
痛みや発熱が起こる仕組み及び解熱鎮痛薬の働きに関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a プロスタグランジンは、病気や外傷があるときに活発に産生されるようになり、体の各部位で発生した痛みが脳へ伝わる際に、そのシグナルを増幅することで痛みの感覚を強めている。
b プロスタグランジンは、脳の下部にある体温を調節する部位(温熱中枢)に作用して、体温を通常より低く維持するように調節する。
c 解熱鎮痛成分によりプロスタグランジンの産生が抑制されると、腎血流量が減少するため、腎機能に障害がある場合、その症状を悪化させる可能性がある。
d プロスタグランジンの作用が解熱鎮痛成分によって妨げられると、胃酸分泌が低下するとともに胃壁の血流量が増加して、胃粘膜障害を起こしやすくなる。
a b c d
1 正 正 誤 正
2 正 誤 正 正
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 正 誤
5 誤 誤 誤 誤
問 7
解熱鎮痛成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a アスピリンは、血液を凝固しにくくさせる作用があるため、胎児や出産時の母体への影響を考慮して、出産予定日12週間以内の使用を避ける。
b アセトアミノフェンは、主に中枢作用によって解熱・鎮痛をもたらすため、末梢における抗炎症作用は期待できない。
c エテンザミドは、痛みが神経を伝わっていくのを抑える働きが強く、他の解熱鎮痛成分と組み合わせて配合されることが多い。
d イソプロピルアンチピリンは、一般用医薬品では唯一のピリン系解熱鎮痛成分である。
a b c d
1 正 誤 誤 正
2 誤 正 誤 誤
3 誤 誤 誤 正
4 正 正 正 正
5 正 誤 正 誤
問 8
眠気を促す薬に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 抗ヒスタミン成分を含有する睡眠改善薬は、一時的な睡眠障害(寝つきが悪い、眠りが浅い)の緩和に用いられる。
b 抗ヒスタミン成分を含有する睡眠改善薬は、目が覚めたあとも、注意力の低下や寝ぼけ様症状、判断力の低下等の一時的な意識障害、めまい、倦怠感を起こすことがあるので注意が必要である。
c ブロモバレリル尿素を含有する睡眠改善薬は、妊婦又は妊娠していると思われる女性に使用できる。
d 抗ヒスタミン成分を含有する睡眠改善薬は、15歳未満の小児に使用できる。
a b c d
1 正 誤 誤 正
2 正 正 誤 誤
3 誤 誤 誤 正
4 誤 正 正 正
5 正 誤 正 誤
問 9
カフェインに関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a 胃液分泌亢進作用があるので、胃酸過多の人や胃潰瘍のある人は服用を避ける。
b 医薬品や医薬部外品、食品にも含まれているため、それらとカフェインを含む眠気防止薬を同時に摂取すると、中枢神経系や循環器系等への作用が強く現れるおそれがある。
c 依存を形成する性質はないため、長期連用が勧められている。
d 乳汁中に移行しないため、授乳中でも継続的に摂取することができる。
1(a,b) 2(a,c) 3(b,c)
4(b,d) 5(c,d)
問 10
鎮暈薬の配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a ジプロフィリンは、不安や緊張などの心理的な要因を和らげることを目的として配合される鎮静成分である。
b ジメンヒドリナートは、延髄にある嘔吐中枢への刺激や内耳の前庭における自律神経反射を抑える作用を示す。
c メクリジン塩酸塩は、他の抗ヒスタミン成分と比べて作用が現れるのが早く、持続時間は短い。
d ジフェニドール塩酸塩は、排尿困難の症状がある人や緑内障の診断を受けた人では、その症状を悪化させるおそれがある。
a b c d
1 誤 正 誤 正
2 正 正 誤 誤
3 正 誤 誤 正
4 正 正 正 正
5 誤 誤 正 誤
問 11
小児の疳を適応症とする生薬製剤・漢方処方製剤に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a ゴオウは緊張や興奮を鎮め、また、血液の循環を促す作用等を期待して用いられている。
b 漢方処方製剤は、作用が穏やかであり、副作用がないため、生後すぐから使用できる。
c 抑肝散を小児の夜泣きに使用する場合、1週間位服用して症状が改善しなかったときでも、継続して服用する必要がある。
d 小建中湯を乳幼児に使用する場合、体格の個人差から体重当たりのグリチルリチン酸の摂取量が多くなることがある。
a b c d
1 正 正 誤 正
2 誤 正 誤 誤
3 正 誤 誤 正
4 誤 誤 正 正
5 正 誤 正 誤
問 12
咳止め・痰を出しやすくする薬(鎮咳去痰薬)及びその配合成分に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
1 コデインリン酸塩は、依存性がある成分であり、長期連用や大量摂取によって薬物依存につながるおそれがある。
2 メチルエフェドリン塩酸塩は、心臓病、高血圧、糖尿病又は甲状腺機能障害の診断を受けた人では、症状を悪化させるおそれがある。
3 口腔咽喉薬の効果を兼ねたトローチ剤には、殺菌消毒成分が配合されている場合があり、その成分は、口腔内や咽頭部において局所的に作用する。
4 マオウは、気管支拡張作用のほか、発汗抑制、尿量減少等の作用をもつ。
問 13
口腔咽喉薬、うがい薬(含嗽薬)及びその配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 鎮咳成分や気管支拡張成分が配合されている。
b リゾチーム塩酸塩が配合成分として使用されている場合は、鶏卵アレルギーの既往歴がある人は使用を避ける必要がある。
c 含嗽薬は、水で用時希釈して使用するものが多く、調製した濃度が濃いほど効果が高い。
d ヨウ素系殺菌消毒成分が配合された含嗽薬では、レモンやお茶を摂取した直後の使用は避けることが望ましいとされている。
a b c d
1 正 正 誤 正
2 誤 正 誤 正
3 正 誤 誤 誤
4 誤 誤 正 正
5 正 正 正 誤
問 14
胃の薬に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 制酸薬は、胃液の分泌亢進による胃酸過多や、それに伴う胸やけ、腹部の不快感、吐きけ等の症状の緩和を目的としている。
b 消化薬は、弱った胃の働きを高めることを目的とする医薬品で、配合される成分は独特の味や香りを有し、唾液や胃液の分泌を促して胃の働きを活発にする。
c 医薬部外品として製造販売されている整腸薬は、配合できる成分やその上限量が決められており、また、効能、効果の範囲も限定されている。
d 一般用医薬品には、制酸、消化、整腸等、それぞれの作用を目的とする成分を組み合わせた製品がある。
a b c d
1 正 誤 正 正
2 誤 正 誤 正
3 正 誤 誤 誤
4 誤 正 正 正
5 正 正 誤 誤
問 15
胃腸に作用する薬の配合成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a ウルソデオキシコール酸は、胆汁の分泌を促す作用(利胆作用)があるとされ、消化を助ける効果を期待して用いられる。
b オウバクは、苦味による健胃作用を期待して用いられている。
c ピレンゼピン塩酸塩は、体内で代謝されてトラネキサム酸を生じることから、血栓のある人、血栓を起こすおそれのある人は、生じた血栓が分解されにくくなることがある。
d アルジオキサは、アルミニウムを含む成分であるため、透析を受けている人は使用を避ける必要があるが、透析を受けていない人は長期にわたって使用ができる。
1(a,b) 2(a,c) 3(b,c)
4(b,d) 5(c,d)
問 16
以下の記述にあてはまる漢方処方製剤はどれか。
体力中等度以下で腹部筋肉が弛緩する傾向にあり、胃痛又は腹痛があって、ときに胸やけや、げっぷ、食欲不振、吐きけなどを伴うものの神経性胃炎、慢性胃炎、胃腸虚弱に適するとされる。
1 八味地黄丸
2 芍薬甘草湯
3 安中散
4 釣藤散
問 17
腸の不調及び薬が症状を抑える仕組みに関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 腸内細菌の活動によって生じる物質や腸内細菌自体及びその死骸が、便通や糞便の質に影響を与える。
b 止瀉薬には、腸管を直接刺激するものや、糞便のかさや水分量を増すものがある。
c 瀉下薬は、腸管内の環境を整えて腸に対する悪影響を減らすことによる効果が期待され、下痢、食あたりに用いられている。
d 腸の働きは自律神経系により制御されているため、腸以外の病気等が自律神経系を介して腸の働きに異常を生じさせる場合がある。
a b c d
1 誤 誤 正 誤
2 誤 正 誤 正
3 正 誤 誤 誤
4 誤 正 正 正
5 正 誤 誤 正
問 18
腸の薬及びその配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 防虫剤・殺鼠剤を誤って飲んだ場合、腸内容物のすみやかな体外への排除のためヒマシ油を使う。
b センナが配合された瀉下薬は、妊婦又は妊娠していると思われる女性では使用を避ける。
c 腸内で溶けるようにコーティングされている薬は、服用前後1時間以内に制酸成分を含む胃腸薬の服用や牛乳の摂取をしても胃内で溶け出すことはない。
d マグネシウムを含む成分は、一般に消化管からの吸収は少ないとされているため、腎臓病の診断を受けた人が使用しても副作用はおこらない。
a b c d
1 誤 誤 正 誤
2 誤 正 誤 誤
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 正 正
5 正 誤 誤 正
問 19
胃腸鎮痛鎮痙薬の症状を抑える仕組みに関する以下の記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせはどれか。なお、3箇所の( a )及び2箇所の( b )内はいずれも同じ字句が入る。
消化管の運動は( a )系の刺激により( b )し、また、( a )系は胃液分泌の( b )にも働く。そのため、( a )の伝達物質である( c )と受容体の反応を妨げることで、その働きを抑える成分が、胃痛、腹痛、さしこみを鎮めることのほか、胃酸過多や胸やけに対する効果も期待して用いられる。
1 a副交感神経 b亢進 cアセチルコリン
2 a交感神経 b亢進 cアドレナリン
3 a副交感神経 b抑制 cコリンエステラーゼ
4 a交感神経 b抑制 cノルアドレナリン
問 20
浣腸薬及びその配合成分に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
1 便秘の場合に排便を促すことを目的として、直腸内に適用される医薬品である。
2 注入剤を使用する場合は、薬液の放出部を肛門に差し込み、薬液だまりの部分を絞って、薬液を押し込むように注入する。
3 グリセリンは血管修復作用を示すため、グリセリンが配合された浣腸薬は、肛門や直腸の粘膜に損傷があり出血している場合にしばしば使用される。
4 腹痛が著しい場合や便秘に伴って吐きけや嘔吐が現れた場合には、急性腹症の可能性があり、浣腸薬の配合成分の刺激によってその症状を悪化させるおそれがある。
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