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【令和3年度・中国四国④】登録販売者過去問解説【主な医薬品とその作用】

過去問題・解説

問 21
駆虫薬及びその配合成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a 腸管内に生息する寄生虫の虫体、虫卵及び腸管内以外に潜伏した幼虫に駆虫作用を示す。
b 一度に多く服用することや複数の駆虫薬を併用することは、駆虫効果が高まるので推奨されている。
c サントニンは、肝臓で代謝されるため、肝臓病の診断を受けた人は使用する前に医師や薬剤師に相談をする必要がある。
d 駆除した虫体や腸管内に残留する駆虫成分の排出を促すために瀉下薬を併用する場合、ヒマシ油の併用は避ける必要がある。

1(a,b) 2(a,c) 3(b,c)
4(b,d) 5(c,d)

【正解5】
a×腸管内に生息する虫体にのみ作用し、虫卵や腸管内以外に潜伏した幼虫には駆虫作用が及ばない。
b×一度に多く服用することや複数の駆虫薬を併用することで駆虫効果が「高まることはなく、かえって副作用が現れやすくなる」。
c○
d○

問 22
強心薬、その配合成分及び動悸や息切れの症状に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 強心薬には、心筋に作用して、その収縮力を高めるとされる成分が主体として配合されている。
b センソが配合された内服固形製剤は、咀嚼剤となっている。
c 何らかの疾患のため医師の治療を受けている人は、動悸や息切れの症状が、治療中の疾患に起因している可能性がある。
d 一般用医薬品の副作用として動悸が現れることがあり、使用者の状況把握は重要である。

a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 誤 正 正
3 誤 正 誤 正
4 誤 誤 正 正
5 誤 正 誤 誤

【正解2】
a○
b×口中で噛み砕くと舌等が麻痺することがあるため、噛まずに服用することとされている。
c○
d○

問 23
高コレステロール改善薬に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a ポリエンホスファチジルコリンは、コレステロールと結合して、代謝されやすいコレステロールエステルを形成するとされ、肝臓におけるコレステロールの代謝を促す効果を期待して用いられる。
b ビタミンB2は、コレステロールの生合成抑制と排泄・異化促進作用、中性脂肪抑制作用、過酸化脂質分解作用を有すると言われている。
c パンテチンは、コレステロールからの過酸化脂質の生成を抑えるほか、末梢血管における血行を促進する作用があるとされ、血中コレステロール異常に伴う末梢血行障害(手足の冷え、痺れ)の緩和等を目的として用いられる。
d 高コレステロール改善薬は、結果的に生活習慣病の予防につながるものであるが、ウエスト周囲径(腹囲)を減少させるなどの痩身効果を目的とする医薬品ではない。

a b c d
1 正 正 誤 正
2 正 誤 正 正
3 誤 誤 誤 正
4 誤 正 正 誤
5 誤 正 誤 誤

【正解1】
a○
b○
c×記述は、「ビタミンE」の内容。
パンテチンは、「LDL等の異化排泄を促進し、リポタンパクリパーゼ活性を高めて、HDL産生を高める作用がある」。
d○

問 24
貧血症状及び貧血用薬に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a 不足した鉄分を補充することを目的として、鉄分が配合されているため、貧血用薬(鉄製剤)を服用すると、便が黒くなることがある。
b ビタミンCはヘモグロビン産生に必要なため配合されている。
c 貧血用薬(鉄製剤)を服用する前後30分にタンニン酸を含む飲食物(緑茶、紅茶等)を摂取すると、タンニン酸と反応して鉄の吸収が良くなる。
d 食生活を改善し、かつ貧血用薬(鉄製剤)の使用を2週間程度続けても症状が改善しない場合は、出血性の疾患による慢性的な血液の損失が原因の可能性がある。

1(a,b) 2(a,c) 3(a,d)
4(b,c) 5(c,d)

【正解3】
a○
b×記述は、「ビタミンB6」の内容。
ビタミンCは、「消化管内で鉄が吸収されやすい状態に保つことを目的として用いられる」。
c×
タンニン酸と反応して鉄の吸収が「悪く」なる。
d○

問 25
循環器用薬の配合成分に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
1 ユビデカレノンは、エネルギー代謝に関与する酵素の働きを助ける成分である。
2 ユビデカレノンを含んだ循環器用薬は、小児用から大人用まで製品がある。
3 ヘプロニカートは、ビタミンEと組み合わせて用いられる場合が多い。
4 ルチンは、高血圧等における毛細血管の補強、強化の効果を期待して使用されている。

【正解2】
15歳未満の小児向けの製品はない。

問 26
痔及び痔疾用薬に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 一般用医薬品は、肛門部又は直腸内に適用する外用薬のみとなっている。
b 痔は、肛門部に過度の負担をかけることやストレス等により生じる生活習慣病である。
c 直腸粘膜と皮膚の境目となる歯状線より上部の、直腸粘膜にできた痔核を外痔核と呼ぶ。
d 痔瘻は、体力低下等により抵抗力が弱まっているときに起こりやすい。

a b c d
1 正 誤 誤 正
2 正 誤 正 正
3 誤 正 誤 正
4 誤 誤 正 誤
5 誤 正 誤 誤

【正解3】
a×肛門部又は直腸内に適用する外用薬と、内服して使用する内用薬がある。
b○
c×記述は、「内痔核」の内容。
外痔核は、「歯状線より下部の、肛門の出口側にできた痔核」。
d○

問 27
泌尿器用薬とその配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 日本薬局方収載のカゴソウは、煎薬として残尿感、排尿に際して不快感のあるものに用いられる。
b 牛車腎気丸は、胃腸が弱く下痢しやすい人、のぼせが強く赤ら顔で体力の充実している人では、胃部不快感、腹痛等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。
c 竜胆瀉肝湯は、体力中等度以上で、下腹部に熱感や痛みがあるものの排尿痛、残尿感、尿の濁り等に適すとされ、胃腸が弱く下痢しやすい人に対して推奨される。
d ウワウルシは、利尿作用はなく、経口的に摂取した後、尿中に排出される分解代謝物が抗菌作用を示し、尿路の殺菌消毒効果を期待して用いられる。

a b c d
1 正 正 誤 誤
2 正 誤 正 正
3 誤 誤 誤 正
4 誤 誤 正 誤
5 誤 正 誤 正

【正解1】
a○
b○
c×胃腸が弱く下痢しやすい人では、胃部不快感、下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。
d×利尿作用もある。

問 28
婦人薬に配合される生薬成分と女性に現れる特有な諸症状に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

1 月経痛について、年月の経過に伴って次第に増悪していくような場合や、大量の出血を伴う場合は、子宮内膜症などの病気の可能性がある。
2 更年期障害の不定愁訴とされる症状の背景に、原因となる病気が存在していることがある。
3 抗炎症作用を期待して、カンゾウが配合されている場合がある。
4 鎮静作用を期待して、オウレン、ソウジュツ、ビャクジュツ、ダイオウが配合されている場合がある。

【正解4】
「胃腸症状に対する効果」を期待して、オウレン、ソウジュツ、ビャクジュツ、ダイオウが配合されている場合がある。

問 29
内服アレルギー用薬の配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a メキタジンは、まれに重篤な副作用として、ショック(アナフィラキシー)、肝機能障害、血小板減少を生じることがある。
b メチルエフェドリン塩酸塩は、血管拡張作用により痒みを鎮める効果を期待して用いられる。
c クロルフェニラミンマレイン酸塩は、ヒスタミンの働きを抑える作用を示す成分として用いられる。
d メチルエフェドリン塩酸塩は、長期間にわたって連用された場合、薬物依存につながるおそれがある。

a b c d
1 正 誤 誤 誤
2 正 誤 正 正
3 誤 正 誤 正
4 誤 誤 正 誤
5 誤 正 正 正

【正解2】
a○
b×血管「収縮」作用により痒みを鎮める効果を期待して用いられる。
c○
d○

問 30
鼻に用いる薬及びその配合成分に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

1 ナファゾリン塩酸塩が配合された点鼻薬は、過度に使用されると逆に鼻づまりがひどくなりやすい。
2 クロモグリク酸ナトリウムは、アレルギー性の副鼻腔炎には効果がない。
3 同種の作用を有する成分が重複する可能性があるため、鎮咳去痰薬、外用痔疾用薬、点眼薬の併用には注意が必要である。
4 スプレー式鼻炎用点鼻薬の使用前には、鼻をよくかんでおく必要がある。

【正解2】
クロモグリク酸ナトリウムは、「アレルギー性でない」鼻炎や副鼻腔炎に対しては無効である。

問 31
眼科用薬に配合されている成分とその配合目的に関する記述のうち、正しい組み合わせはどれか。

a テトラヒドロゾリン塩酸塩 ― 目の充血除去
b リゾチーム塩酸塩     ― 炎症を抑える
c プラノプロフェン     ― 眼粘膜の組織修復を促す
d スルファメトキサゾール  ― 目の疲れを改善する

1(a,b) 2(a,c) 3(b,c)
4(b,d) 5(c,d)

【正解1】
a○
b○
c× プラノプロフェン ― 「炎症を抑える」
d× スルファメトキサゾール ― 「化膿性の症状の改善」

問 32
殺菌消毒成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a アクリノールは、一般細菌類、真菌、結核菌、ウイルスに殺菌消毒作用を示す。
b 消毒用エタノールは、手指・皮膚の消毒のほか、創傷面の殺菌・消毒にも用いられることがある。
c 創傷部に殺菌消毒薬を繰り返し適用すると、殺菌消毒成分により組織修復が妨げられ、かえって治癒しにくくなることがある。
d オキシドール(過酸化水素水)は、作用が持続的で、組織への浸透性が高い。

a b c d
1 正 正 誤 正
2 正 誤 正 誤
3 誤 正 正 誤
4 誤 誤 正 正
5 誤 正 誤 誤

【正解3】
a×一般細菌類の一部に対する殺菌消毒作用を示すが、「真菌、結核菌、ウイルスに対しては効果がない」。
b○
c○
d×作用の「持続性は乏しく」、組織への浸透性も「低い」。

問 33
皮膚に用いる薬の配合成分に関する記述のうち、正しいものはどれか。

1 デキサメタゾンは、非ステロイド性抗炎症成分である。
2 サリチル酸メチルは、紫外線により重篤な光線過敏症を起こすことがある。
3 カプサイシンを主薬とする貼付剤では、副作用として痛みが現れたり、貼付部位を保温器具で温めると、いわゆる低温やけどを起こすおそれがある。
4 水痘、みずむし、たむしには、ステロイド性抗炎症成分を配合した外皮用薬が効果的である。

【正解3】
1×デキサメタゾンは、「ステロイド性」抗炎症成分である。
2×「ケトプロフェン」は、紫外線により重篤な光線過敏症を起こすことがある。
3○
4×水痘、みずむし、たむしには、症状を悪化させる恐れがあるため、ステロイド性抗炎症成分の「使用を避ける」必要がある。

問 34
歯や口中の症状及び歯や口中に用いる薬に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 歯痛は、多くの場合、歯の齲蝕とそれに伴う歯髄炎によって起こる。
b 外用薬は、口腔内を清浄にしてから使用することが重要である。
c 口内炎が長期間にわたって症状が長引いている場合は、口腔粘膜に生じた腫瘍である可能性がある。
d 一般用医薬品の副作用として口内炎が現れることはない。

a b c d
1 正 誤 誤 正
2 正 誤 正 誤
3 誤 誤 正 正
4 誤 正 誤 誤
5 正 正 正 誤

【正解5】
a○
b○
c○
d×一般用医薬品の副作用として口内炎が現れることが「ある」。

問 35
禁煙及び禁煙補助剤に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a 禁煙を達成するには、ニコチン置換療法が有効とされている。
b 禁煙補助剤は、咀嚼剤のみである。
c うつ病と診断されたことのある人は、禁煙時の離脱症状により、うつ症状を悪化させることがあるため、禁煙補助剤の使用を避ける必要がある。
d 禁煙補助剤の使用中の喫煙は、問題ないとされている。

1(a,b) 2(a,c) 3(a,d)
4(b,c) 5(c,d)

【正解2】
a○
b×咀嚼剤と「パッチ製剤」がある。
c○
d×喫煙を完全に止めたうえで使用することとされており、特に、使用中又は使用直後の喫煙は、血中のニコチン濃度が急激に高まるおそれがあり、「避ける必要がある」。

問 36
ビタミン成分に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

1 ビタミンは、微量で体内の代謝に重要な働きを担うため、生体内で十分量を産生することができる。
2 ビタミンB12は、赤血球の形成を助け、また、神経機能を正常に保つために重要な栄養素である。
3 ビタミンDの過剰症として、高カルシウム血症、異常石灰化が知られている。
4 ビタミンB2は、脂質の代謝に関与し、皮膚や粘膜の機能を正常に保つために重要な栄養素である。

【正解1】
ビタミンは、微量で体内の代謝に重要な働きを担うにもかかわらず、「生体が自ら産生することができない、又は産生されても不十分であるため外部から摂取する必要がある化合物」である。

問 37
一般用医薬品として使用される漢方処方製剤に関する記述のうち、正しいものはどれか。

1 漢方処方製剤を利用する場合、患者の「証」に合った漢方処方が選択されれば効果が期待でき、合わない漢方処方が選択されたとしても、副作用は招きにくいとされている。
2 漢方処方製剤の使用においても、腸間膜静脈硬化症のような重篤な副作用が起きることがある。
3 漢方処方を構成する生薬には、複数の処方で共通しているものがあり、同じ生薬成分を含む漢方処方製剤を併用した方が効果が高く、副作用のおそれもない。
4 漢方処方製剤には、医療用医薬品と相互作用を示すものはない。

【正解2】
1×合わないものが選択された場合には、効果が得られないばかりでなく、「副作用を招きやすくなる」。
2○
3×同じ生薬を含む漢方処方製剤が併用された場合、「作用が強く現れたり、副作用を生じやすくなる恐れがある」。
4×小柴胡湯とインターフェロン製剤の相互作用のように、「医療用医薬品との相互作用も知られている」。

問 38
公衆衛生用薬及び感染症の防止に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 手指又は皮膚の殺菌・消毒を目的とする消毒薬は、医薬品としてのみ流通している。
b 次亜塩素酸ナトリウムは、通常、手指又は皮膚の消毒に用いられる。
c クレゾール石鹸液は、一般細菌、真菌、ウイルスの大部分に殺菌消毒作用を示す。
d 殺菌・消毒は、生存する微生物の数を減らすために行われる処置である。

a b c d
1 正 誤 誤 正
2 正 誤 正 誤
3 誤 正 正 正
4 誤 誤 誤 正
5 誤 正 正 誤

【正解4】
a×配合成分やその濃度等があらかじめ定められた範囲内である製品については、「医薬部外品として流通」することが認められている。器具等の殺菌・消毒を併せて目的とする製品については、医薬品としてのみ製造販売されている。
b×皮膚刺激性が強いため、通常人体の消毒には「用いられない」。
c×結核菌を含む一般細菌類、真菌類に対して比較的広い殺菌消毒作用を示すが、「大部分のウイルスに対する殺菌消毒作用はない」。
d○

問 39
衛生害虫、殺虫剤・忌避剤及びその配合成分に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

1 殺虫剤・忌避剤のうち、人体に対する作用が緩和な製品は、医薬部外品として製造販売されている。
2 保健衛生上の害を及ぼす昆虫等を衛生害虫という。
3 シラミの防除は、フェノトリンが配合されたシャンプーやてんか粉といった医薬品による方法のみである。
4 有機リン系殺虫成分の作用は、アセチルコリンを分解する酵素と不可逆的に結合してその働きを阻害することによる。

【正解3】
医薬品による方法と、「散髪や洗髪、入浴による除去、衣服の熱湯処理などの物理的方法」がある。

問 40
一般用検査薬及びその使用方法に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a 検査に用いる検体は、採取に際して侵襲(採血や穿刺等)のないものである。
b 尿糖・尿タンパクを同時検査する場合は、食後の尿を検体としなければならない。
c 尿糖・尿タンパクの検査にあたり、医薬品を使用している場合は、検査結果に影響を与える成分を含むものがあるため、医師や薬剤師に相談するよう説明が必要である。
d 妊娠検査薬は、尿中のヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)の有無を調べるものであり、妊娠成立直後の尿中hCG濃度を検出感度としている。

1(a,b) 2(a,c) 3(a,d)
4(b,c) 5(c,d)

【正解2】
a○
b×尿糖・尿タンパク同時検査の場合、「早朝尿」を検体とする。
c○
d×実際に妊娠が成立してから「4週目前後」の尿中hCG濃度を検出感度としている。
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