❶ 一般用医薬品において用いられる主な有効成分に関して基本的な効能効果及びその特徴、飲み方や飲み合わせ、年齢、基礎疾患等、効き目や安全性に影響を与える要因、起こり得る副作用等につき理解し、購入者への情報提供や相談対応に活用できること
❷各薬効群の医薬品に関する情報提供、相談対応における実践的な知識が理解できること
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それでは解説スタートです!
主な医薬品とその作用(全40問)
問 1
次の成分を含むかぜ薬に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
9錠中
アセトアミノフェン 900mg
d-クロルフェニラミンマレイン酸塩 3.5mg
デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物 48mg
dl-メチルエフェドリン塩酸塩 60mg
無水カフェイン 75mg
へスペリジン 60mg
トラネキサム酸 420mg
a 一般の生活者にとって、かぜとインフルエンザとの識別は必ずしも容易ではないため、インフルエンザの流行期には、本剤のように解熱鎮痛成分がアセトアミノフェンのみからなる製品の選択を提案すること等の対応を図ることが重要である。
b 本剤には、眠気を促す成分は含まれていない。
c 本剤には、交感神経系への刺激作用により高血圧の症状を悪化させるおそれのある成分が含まれている。
d トラネキサム酸は、血液を凝固しにくくさせる作用があり、血液凝固異常のある人では、出血傾向を悪化させるおそれがあるので、治療を行っている医師等に相談するなどの対応が必要である。
1 a,b
2 a,c
3 a,d
4 b,c
5 c,d
問 2
問1のかぜ薬の配合成分とその配合目的に関する記述について、正しいものの組み合わせはどれか。
a d-クロルフェニラミンマレイン酸塩― くしゃみや鼻汁を抑える
b デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物 ― 咳を抑える
c dl-メチルエフェドリン塩酸塩 ― 炎症による腫れを和らげる
d ヘスペリジン― 気管・気管支を広げる
1(a,b) 2(a,c) 3(a,d)
4(b,c) 5(c,d)
問 3
かぜの症状緩和に用いられる漢方処方製剤に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 葛根湯は、体力中等度以上のものの感冒の初期(汗をかいていないもの)、鼻かぜ、肩こり、筋肉痛等に適すとされる。
b 麻黄湯は、胃腸の弱い人や発汗傾向の著しい人の鼻かぜ、気管支炎に適すとされる。
c 柴胡桂枝湯は、体力中等度又はやや虚弱で、多くは腹痛を伴い、ときに微熱・寒気・頭痛・吐きけなどのあるものの胃腸炎に適すとされ、副作用として膀胱炎様症状が現れることがある。
d 小青竜湯は、体力が充実して、粘性のある痰を伴う咳や鼻水が出るものの気管支喘息、鼻炎等に適すとされる。
a b c d
1 正 誤 誤 正
2 正 正 誤 誤
3 誤 誤 誤 正
4 誤 正 正 正
5 正 誤 正 誤
問 4
解熱鎮痛成分の働き及び副作用に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a大部分の解熱鎮痛成分による解熱作用は、末梢神経系におけるプロスタグランジンの産生抑制作用のほか、腎臓における水分の再吸収を促して循環血流量を増し、発汗を促進する作用も寄与している。
b心臓病、腎臓病等の基礎疾患がない場合でも、解熱鎮痛薬を長期連用することにより、自覚症状がないまま徐々に臓器の障害が進行するおそれがある。
cアルコールは、解熱鎮痛成分の吸収や代謝に影響を与え、副作用を起こしやすくするおそれがあるため、解熱鎮痛薬の服用期間中は、飲酒を避けることとされている。
dいわゆる「アスピリン喘息」は、アスピリン特有の副作用であり、他の解熱鎮痛成分では生じない。
a b c d
1 正 正 誤 正
2 正 誤 正 正
3 正 正 正 誤
4 誤 正 正 誤
5 誤 誤 誤 誤
問 5
解熱鎮痛成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
aアスピリンは、ピリン系と呼ばれる解熱鎮痛成分であり、ショック等の重篤な副作用のほか、ピリン疹とよばれる薬疹が現れることがある。
bエテンザミドは、痛みの発生を抑える働きが作用の中心となっている他の解熱鎮痛成分に比べ、痛みが神経を伝わっていくのを抑える働きが強い。
cアセトアミノフェンは、他の解熱鎮痛成分に比べ、胃腸障害を起こしやすく、空腹時には服用しないこととされている。
dイブプロフェンは、アスピリン等に比べて胃腸への悪影響が少なく、一般用医薬品においても 15 歳未満の小児に使用することができる。
a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 誤 正 正
3 誤 正 誤 正
4 誤 誤 正 正
5 誤 正 誤 誤
問 6
鎮痛の目的で用いられる漢方処方製剤に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
1桂枝加朮附湯は、体力虚弱で、汗が出、手足が冷えてこわばり、ときに尿量が少ないものの関節痛、神経痛に適すとされる。
2薏苡仁湯は、関節や筋肉のはれや痛みがあるものの関節痛、筋肉痛等に適すとされるが、体の虚弱な人には不向きとされる。
3芍薬甘草湯は、筋肉の急激な痙攣を伴う痛みのあるもののこむらがえり等に適すとされ、体力に関わらず使用できる。
4疎経活血湯は、体力中等度以下で、手足の冷えを感じ、下肢の冷えが強く、下肢又は下腹部が痛くなりやすいものの冷え性、腰痛、下腹部痛等に適すとされる。
問 7
眠気を促す薬及び眠気を防ぐ薬に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a酸棗仁湯は、体力中等度以下で、心身が疲れ、精神不安、不眠などがあるものの不眠症、神経症に適すとされる。
b不眠症の診断がなされた人でも、薬物治療が行われていなければ、一般用医薬品である催眠鎮静薬の使用を避ける必要はない。
cカフェインには、反復摂取により依存を形成するという性質があるため、「短期間の服用にとどめ、連用しないこと」という注意喚起がなされている。
d眠気防止薬は、一時的に精神的な集中を必要とするときに、眠気や倦怠感を除去する目的で使用されるものであり、小児用としても認められている一般用医薬品がある。
a b c d
1 誤 誤 正 誤
2 誤 正 誤 正
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 正 正
5 正 正 誤 誤
問 8
鎮暈薬に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
aジフェニドール塩酸塩は、内耳にある前庭と脳を結ぶ神経の調節作用のほか、内耳への血流を改善する作用を示す。
bスコポラミン臭化水素酸塩水和物は、他の抗コリン成分と比べて脳内に移行しにくいとされている。
c胃粘膜への麻酔作用によって嘔吐刺激を和らげ、乗物酔いに伴う吐きけを抑えることを目的として、アリルイソプロピルアセチル尿素のような局所麻酔成分が配合されている場合がある。
d3歳未満では、乗物酔いが起こることはほとんどないとされており、3歳未満を対象とした乗物酔い防止薬はない。
a b c d
1 正 誤 誤 正
2 正 正 誤 誤
3 誤 誤 誤 正
4 誤 正 正 正
5 正 誤 正 誤
問 9
次の成分を含む咳止め・痰を出しやすくする薬(鎮咳去痰薬)に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
60mL 中
ジヒドロコデインリン酸塩 30mg
グアイフェネシン 170mg
クロルフェニラミンマレイン酸塩 12mg
無水カフェイン 62mg
a 一般の生活者が、本剤に加えて乗物酔い防止薬を購入しようとした場合、含まれる成分が重複する可能性はないため注意を促す必要はない。
b グアイフェネシンは、気道粘膜からの粘液の分泌を促進する作用を示す。
c ジヒドロコデインリン酸塩は、血液-胎盤関門を通過しないため、妊娠中の女性でも使用することができる。
d 本剤を長期連用や大量摂取することによって多幸感が現れることがあり、薬物依存につながるおそれがある。
1 a,b
2 a,c
3 b,c
4 b,d
5 c,d
問 10
咳止め・痰を出しやすくする目的で用いられる漢方処方製剤に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a甘草湯は、激しい咳、口内炎等に用いられるほか、外用として痔・脱肛の痛みにも用いられる。
b五虎湯は、構成生薬にマオウを含まないため、心臓病、高血圧、糖尿病等の基礎疾患を有する者でも使用することができる。
c半夏厚朴湯は、咽喉・食道部に異物感があり、ときに動悸、めまいなどを伴う不安神経症、神経性胃炎、咳等に適すとされる。
d麦門冬湯は、体力中等度以下で、痰が切れにくく、ときに強く咳こみ、又は咽頭の乾燥感があるものの気管支炎、咽頭炎等に適すとされる。
a b c d
1 誤 正 誤 正
2 正 正 誤 誤
3 正 誤 誤 正
4 正 誤 正 正
5 誤 誤 正 誤
問 11
胃に作用する薬の配合成分とその配合目的に関する記述について、正しいものの組み合わせはどれか。
a テプレノン ― 胃酸を中和する
b リパーゼ ― 脂質の分解に働く酵素を補う
c ロートエキス ― 過剰な胃液の分泌を抑える
d センブリ ― 胃粘膜の炎症を和らげる
1(a,b) 2(a,c) 3(b,c)
4(b,d) 5(c,d)
問 12
胃に作用する薬に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a制酸成分を主体とする胃腸薬は、酸度の高い食品と一緒に使用すると胃酸に対する中和作用が低下することが考えられるため、炭酸飲料等での服用は適当でない。
bオウバク、ゲンチアナ及びユウタン等の生薬成分が配合された健胃薬は、苦味の強い製剤が多いため、一般の生活者に対してはオブラートで包む等、味を遮蔽する方法で服用するよう指導することが望ましい。
cピレンゼピン塩酸塩は、抗コリン作用を示すため、排尿困難や動悸等の副作用を生じることがある。
d胃液分泌を抑制することを目的として、ヒスタミンの働きを抑える成分が配合された医薬品は、H1ブロッカーと呼ばれている。
a b c d
1 正 誤 誤 正
2 正 誤 正 誤
3 誤 正 正 誤
4 誤 誤 正 正
5 誤 正 誤 誤
問 13
腸の薬の配合成分とその配合目的に関する記述について、正しいものの組み合わせはどれか。
a ラクトミン ― 腸内細菌のバランスを整える
b 木クレオソート ― 分解物が小腸を刺激して瀉下作用をもたらす
c 次没食子酸ビスマス ― 腸粘膜を保護する
d カルメロースナトリウム ― 発酵により生じるガスによって便通を促す
1(a,b) 2(a,c) 3(a,d)
4(b,c) 5(c,d)
問 14
腸の薬に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
aトリメブチンマレイン酸塩は、消化管運動が低下しているときは亢進的に、運動が亢進しているときは抑制的に働く作用があるとされる。
b収斂成分を主体とする止瀉薬については、細菌性の下痢や食中毒のときに使用して腸の運動を鎮めると、かえって状態を悪化させるおそれがある。
cビサコジルは、空腸や回腸の粘膜を刺激して排便を促すと考えられている。
dヒマシ油は、主に誤食・誤飲等による中毒の場合などに用いられ、防虫剤や殺鼠剤を誤って飲み込んだ場合にも使用することができる。
a b c d
1 正 誤 正 正
2 誤 正 誤 正
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 正 正
5 正 正 誤 誤
問 15
以下の腸の不調を改善する目的で用いられる漢方処方製剤に関する記述について、あてはまるものはどれか。
便秘、便秘に伴う頭重、のぼせ、湿疹・皮膚炎、ふきでもの(にきび)、食欲不振(食欲減退)などの症状の緩和に適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸が弱く下痢しやすい人では、激しい腹痛を伴う下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。
1 桂枝加芍薬湯
2 六君子湯
3 大黄甘草湯
4 大黄牡丹皮湯
問 16
胃腸鎮痛鎮痙薬やその配合成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a パパベリン塩酸塩は、消化管の平滑筋に直接働いて胃腸の痙攣を鎮める作用を示す。
b 消化管の粘膜及び平滑筋に対する麻酔作用による鎮痛鎮痙の効果を期待して、オキセサゼインのような局所麻酔成分が配合されている場合がある。
c 抗コリン成分のうち、ジサイクロミン塩酸塩は、副交感神経系の働きを抑える作用が消化管に限定される。
d 下痢を伴う腹痛については、下痢よりも腹痛への対処が優先されるため、胃腸鎮痛鎮痙薬の適用となる。
1(a,b) 2(a,c) 3(a,d)
4(b,c) 5(b,d)
問 17
浣腸薬及び駆虫薬に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a グリセリンが配合された浣腸薬では、排便時に血圧上昇を生じる場合がある。
b 炭酸水素ナトリウムを主薬とする坐剤は、炭酸水素ナトリウムが直腸内で分解され、浸透圧の差によって腸管壁から水分を取り込んで直腸粘膜を刺激し、排便を促す。
c 駆虫薬は、腸管内の寄生虫を駆除するために用いられ、一般用医薬品の駆虫薬が対象とする寄生虫は、条虫と蟯虫である。
d パモ酸ピルビニウムは、蟯虫の呼吸や栄養分の代謝を抑えて殺虫作用を示すとされている。
a b c d
1 正 誤 誤 正
2 正 誤 正 誤
3 誤 正 正 正
4 誤 誤 誤 正
5 正 正 正 誤
問 18
強心薬に関する以下の記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせはどれか。
強心薬は、疲労やストレス等による( a )の心臓の働きの乱れについて、心臓の働きを整えて、動悸や息切れ等の症状の改善を目的とする医薬品である。心筋に作用して、その収縮力を高めるとされる代表的な成分として( b )があり、一般用医薬品では、1日用量が( c )以下となるように用法・用量が定められている。
1 a軽度 b センソ c5µg
2 a軽度 b リュウノウ c5µg
3 a重度 b センソ c5µg
4 a重度 b リュウノウ c5mg
5 a軽度 b センソ c5mg
問 19
コレステロール及び高コレステロール改善薬の配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a低密度リポタンパク質(LDL)は、末梢組織のコレステロールを取り込んで肝臓へと運ぶ働きがある。
b大豆油不けん化物は、腸管におけるコレステロールの吸収を抑える働きがあるとされる。
cリボフラビンは、酵素により活性化され、コレステロールの生合成抑制と排泄・異化促進作用、中性脂肪抑制作用、過酸化脂質分解作用を示すと言われている。
dガンマ-オリザノールは、血中コレステロール異常に伴う末梢血行障害の緩和等を目的として用いられる。
a b c d
1 誤 誤 正 誤
2 誤 正 誤 誤
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 正 正
5 正 誤 誤 正
問 20
貧血及び貧血用薬に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a 鉄分は、赤血球が酵素を運搬する上で重要なヘモグロビンの産生に不可欠なミネラルである。
b 貧血用薬には、骨髄の造血機能を高める目的で硫酸コバルトが配合されている場合がある。
c 鉄製剤の消化器系への副作用を軽減するには、食後に服用することが望ましい。
d 鉄製剤の服用の前後 30 分にアルミニウムを含む製剤を摂取すると、アルミニウムと反応して鉄の吸収が悪くなることがある。
1(a,b) 2(a,c) 3(b,c)
4(b,d) 5(c,d)
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