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【令和5年度・首都圏④】登録販売者過去問解説【主な医薬品とその作用】

過去問題・解説

問 81
痔の薬及びその配合成分等に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a プレドニゾロン酢酸エステルが配合された坐剤及び注入軟膏では、その含有量によらず長期連用を避ける必要がある。
b クロルヘキシジン塩酸塩は、痔に伴う痛み・痒みを和らげることを期待して配合されている。
c セイヨウトチノミは、トチノキ科のセイヨウトチノキ(マロニエ)の種子を用いた生薬で、主に抗炎症作用を期待して用いられる。
d コウカは、マメ科のエンジュの蕾を基原とする生薬で、主に止血効果を期待して用いられる。

1(a、b) 2(a、c) 3(b、c) 4(b、d) 5(c、d)

【正解2】
a○
b×記述は、「リドカイン、リドカイン塩酸塩、アミノ安息香酸エチル、ジブカイン塩酸塩、プロカイン塩酸塩等の局所麻酔成分」の内容である。
クロルヘキシジン塩酸塩は、「痔疾患に伴う局所の感染を防止することを目的として配合される殺菌消毒成分」である。
c○
d×記述は、「カイカ」の内容である。
コウカは、「キク科のベニバナの管状花をそのまま又は黄色色素の大部分を除いたもので、ときに圧搾して板状としたものを基原とする生薬で、末梢の血行を促してうっ血を除く作用があるとされ、循環器用薬等に用いられる」。

問 82
泌尿器用薬及びその配合成分等に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a サンキライは、クワ科のマグワの樹皮を基原とする生薬で、利尿作用のほかに、経口的に摂取した後、尿中に排出される分解代謝物が抗菌作用を示し、尿路の殺菌消毒効果を期待して用いられる。
b 日本薬局方収載のカゴソウは、煎薬として残尿感、排尿に際して不快感のあるものに用いられる。
c 竜胆瀉肝湯は、体力中等度以上で、下腹部に熱感や痛みがあるものの排尿痛、残尿感、尿の濁り、こしけ(おりもの)、頻尿に適すとされる。
d 猪苓湯は、体力に関わらず使用でき、排尿異常があり、ときに口が渇くものの排尿困難、排尿痛、残尿感、頻尿、むくみに適すとされる。

a b c d
1 正 正 正 正
2 正 誤 誤 正
3 誤 正 正 正
4 正 正 誤 誤
5 誤 誤 正 誤

【正解3】
a×記述は、「ウワウルシ(ツツジ科のクマコケモモの葉を基原とする生薬)」の内容である。
サンキライは、「ユリ科の Smilax glabra Roxburgh の塊茎を基原とする生薬で、利尿作用を期待して用いられる」。
クワ科のマグワの根皮を基原とする生薬は、「ソウハクヒであり、利尿作用を期待して用いられる」。
b○
c○
d○

問 83
婦人薬及びその配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a エチニルエストラジオールは、人工的に合成された女性ホルモンの一種であり、妊娠中の女性ホルモンの補充のために用いられる。
b 女性の月経や更年期障害に伴う諸症状の緩和に用いられる主な漢方処方製剤として、温経湯、加味逍遙散、柴胡桂枝乾姜湯があり、これらは構成生薬としてカンゾウを含む。
c 桃核承気湯は、体力中等度以上で、のぼせて便秘しがちなものの月経不順、月経困難症、月経痛、月経時や産後の精神不安、腰痛、便秘、高血圧の随伴症状(頭痛、めまい、肩こり)、痔疾、打撲症に適すとされ、構成生薬としてダイオウを含む。
d 五積散は、体力中等度又はやや虚弱で、冷えがあるものの胃腸炎、腰痛、神経痛、関節痛、月経痛、頭痛、更年期障害、感冒に適すとされ、構成生薬としてマオウを含む。

a b c d
1 正 正 誤 誤
2 正 誤 正 正
3 誤 正 誤 誤
4 誤 正 正 正
5 誤 誤 正 誤

【正解4】
a×妊娠中の女性ホルモン成分の摂取によって胎児の先天性異常の発生が報告されており、「妊婦又は妊娠していると思われる女性では使用を避ける必要がある」。
b○
c○
d○

問 84
内服アレルギー用薬に用いられる抗ヒスタミン成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 内服薬として摂取された抗ヒスタミン成分は、吸収されて循環血流に入り全身的に作用する。
b メキタジンは、まれに重篤な副作用としてショック(アナフィラキシー)、肝機能障害、血小板減少を生じることがある。
c ジフェンヒドラミン塩酸塩は、吸収されたジフェンヒドラミンの一部が乳汁に移行して乳児に昏睡を生じるおそれがあるため、母乳を与える女性は使用を避けるか、使用する場合には授乳を避ける必要がある。
d 抗ヒスタミン成分は、ヒスタミンの働きを抑える作用以外に、抗アドレナリン作用も示すため、起立性低血圧、めまい、ふらつきが現れることがある。

a b c d
1 正 正 正 正
2 誤 誤 正 正
3 誤 正 誤 誤
4 正 誤 誤 正
5 正 正 正 誤

【正解5】
a○
b○
c○
d×抗ヒスタミン成分は、ヒスタミンの働きを抑える作用以外に「抗コリン作用」も示すため、「排尿困難や口渇、便秘等の副作用」が現れることがある。

問 85
内服アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む。)及びその配合成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a 鼻炎用内服薬では、鼻粘膜の炎症を和らげることを目的として、トラネキサム酸が配合されている場合がある。
b 皮膚感染症(たむし、疥癬等)により、湿疹やかぶれ等に似た症状が現れた場合、皮膚感染症そのものに対する対処よりも、アレルギー用薬を使用して一時的に痒み等の緩和を図ることを優先する必要がある。
c 鼻炎用内服薬では、鼻腔内の粘液分泌腺からの粘液の分泌を抑えるとともに、鼻腔内の刺激を伝達する副交感神経系の働きを抑えることによって、鼻汁分泌やくしゃみを抑えることを目的として抗コリン成分が配合されている場合がある。
d 一般用医薬品には、アトピー性皮膚炎による慢性湿疹等の治療に用いることを目的とするものがある。

1(a、b) 2(a、c) 3(b、c) 4(b、d) 5(c、d)

【正解2】
a○
b×アレルギー用薬によって一時的に痒み等の緩和を図ることは「適当でなく、皮膚感染症そのものに対する対処」を優先する必要がある。
c○
d×一般用医薬品には、アトピー性皮膚炎による慢性湿疹等の治療に用いることを目的とするものは「ない」。

問 86
鼻炎用点鼻薬及びその配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 鼻炎用点鼻薬は、急性鼻炎、アレルギー性鼻炎又は副鼻腔炎による諸症状のうち、鼻づまり、鼻みず、くしゃみ、頭重の緩和を目的として、鼻腔内に適用される外用液剤である。
b 鼻炎用点鼻薬は、鼻粘膜の充血を和らげる成分が主体となり、抗ヒスタミン成分や抗炎症成分を組み合わせて配合されており、それらは、鼻粘膜から吸収されて循環血流に入り全身的な作用を目的としている。
c アドレナリン作動成分は、副交感神経系を刺激して鼻粘膜を通っている血管を拡張することにより、鼻粘膜の充血や腫れを和らげることを目的として配合される。
d クロモグリク酸ナトリウムは、肥満細胞からヒスタミンの遊離を抑える作用を示し、花粉、ハウスダスト等による鼻アレルギー症状の緩和を目的として、通常、抗ヒスタミン成分と組み合わせて配合される。

a b c d
1 誤 正 正 正
2 正 正 誤 誤
3 誤 正 正 誤
4 正 誤 正 誤
5 正 誤 誤 正

【正解5】
a○
b×鼻粘膜の充血を和らげる成分が主体となり、抗ヒスタミン成分や抗炎症成分が組み合わせて配合されていても、それらは「鼻腔内における局所的」な作用を目的としている。
c×アドレナリン作動成分は、「交感神経系」を刺激して鼻粘膜を通っている血管を「収縮」させることにより、鼻粘膜の充血や腫れを和らげることを目的として配合される。
d○

問 87
眼科用薬に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 洗眼液は、涙液成分を補うことを目的とするもので、目の疲れや乾き、コンタクトレンズ装着時の不快感等に用いられる。
b 抗菌性点眼薬は、抗菌成分が配合され、結膜炎やものもらい、眼瞼炎等に用いられるものである。
c 人工涙液は、目の洗浄、眼病予防に用いられるもので、主な配合成分として抗菌成分のほか、抗炎症成分、抗ヒスタミン成分等が用いられる。

a b c
1 正 正 正
2 誤 誤 正
3 正 正 誤
4 誤 正 誤
5 正 誤 誤

【正解4】
a×記述は、「人工涙液」の内容である。
b○
c×記述は、「洗眼薬」の内容である。

問 88
眼科用薬の配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a スルファメトキサゾールは、細菌感染による結膜炎やものもらい、眼瞼炎などの化膿性の症状の改善を目的として用いられるが、すべての細菌に対して効果があるわけではない。
b ホウ酸は、洗眼薬として用時水に溶解し、結膜嚢の洗浄・消毒に用いられる。
c イプシロン-アミノカプロン酸は、角膜の乾燥を防ぐことを目的として用いられる。
d アスパラギン酸マグネシウムは、新陳代謝を促し、目の疲れを改善する効果を期待して配合されている場合がある。

a b c d
1 正 正 正 正
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 誤 誤
5 誤 誤 正 誤

【正解2】
a○
b○
c×記述は、「コンドロイチン硫酸ナトリウム、精製ヒアルロン酸ナトリウム」等の内容である。
イプシロン-アミノカプロン酸は、「炎症の原因となる物質の生成を抑える作用を示し、目の炎症を改善する効果を期待して用いられる」。
d○

問 89
きず口等の殺菌消毒成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a アクリノールは黄色の色素で、一般細菌類の一部(連鎖球菌、黄色ブドウ球菌などの化膿菌)、真菌に対する殺菌消毒作用を示すが、結核菌、ウイルスに対しては効果がない。
b オキシドールの作用は、過酸化水素の分解に伴って発生する活性酸素による酸化、及び発生する酸素による泡立ちによる物理的な洗浄効果であるため、作用の持続性は乏しく、また、組織への浸透性も低い。
c ポビドンヨードに含まれるヨウ素は、その酸化作用により、結核菌を含む一般細菌類、真菌類に対して殺菌消毒作用を示すが、ウイルスに対しては効果がない。
d クロルヘキシジングルコン酸塩は、一般細菌類、真菌類に対しては比較的広い殺菌消毒作用を示すが、結核菌やウイルスに対する殺菌消毒作用はない。

1(a、b) 2(a、c) 3(b、c) 4(b、d) 5(c、d)

【正解4】
a×一般細菌類の一部(連鎖球菌、黄色ブドウ球菌などの化膿菌)に対する殺菌消毒作用を示すが、「真菌、結核菌、ウイルスに対しては効果がない」。
b○
c×ヨウ素による酸化作用により、結核菌を含む一般細菌類、真菌類、「ウイルスに対して殺菌消毒作用を示す」。
d○

問 90
皮膚に用いる薬の配合成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a 皮膚に温感刺激を与え、末梢血管を拡張させて患部の血行を促す効果を期待して、ニコチン酸ベンジルエステルが配合されている場合がある。
b ノニル酸ワニリルアミドは、きり傷、擦り傷等の創傷面の痛みや、湿疹、皮膚炎等による皮膚の痒みを和らげる局所麻酔成分として配合されている場合がある。
c バシトラシンは、細菌のDNA合成を阻害することにより抗菌作用を示す。
d サリチル酸は、角質成分を溶解することにより角質軟化作用を示す。

1(a、b) 2(a、c) 3(a、d) 4(b、c) 5(c、d)

【正解3】
a○
b×記述は、「ジブカイン塩酸塩、リドカイン、アミノ安息香酸エチル、テシットデシチン」等の内容である。
ノニル酸ワニリルアミドは、「皮膚に温感刺激を与え、末梢血管を拡張させて患部の血行を促す温感刺激成分」である。
c×記述は、「スルファジアジン、ホモスルファミン、スルフイソキサゾール等のサルファ剤」の内容である。
バシトラシンは、細菌の「細胞壁」合成を阻害することにより抗菌作用を示す。
d○

問 91
歯痛・歯槽膿漏薬の配合成分とその配合目的の組合せのうち、正しいものの組合せはどれか。

a オイゲノール ―――――――― 炎症を起こした歯周組織の修復を促す作用
b ジブカイン塩酸塩 ―――――― 齲蝕により露出した歯髄を通っている知覚神経の伝達を遮断して痛みを鎮める作用
c グリチルリチン酸二カリウム ― 細菌の繁殖を抑える作用
d カルバゾクロム ――――――― 炎症を起こした歯周組織からの出血を抑える作用

1(a、b) 2(a、c) 3(b、c) 4(b、d) 5(c、d)

【正解4】
a×オイゲノール ―「齲蝕を生じた部分における細菌の繁殖を抑える作用」
b○
c×グリチルリチン酸二カリウム ―「歯周組織の炎症を和らげる作用」
d○

問 92
口内炎及び口内炎用薬の配合成分等に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 口内炎は、通常であれば1~2週間で自然寛解する。
b 一般用医薬品の副作用として口内炎が現れることもあるため、医薬品の販売等に従事する専門家においては、口内炎用薬を使用しようとする人における状況の把握に努めることが重要である。
c 口内炎が再発を繰り返す場合には、ベーチェット病などの可能性も考えられるので、医療機関を受診するなどの対応が必要である。

a b c
1 正 正 正
2 誤 誤 正
3 正 正 誤
4 正 誤 誤
5 誤 正 正

【正解1】
a○
b○
c○

問 93
禁煙補助剤及びその配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 咀嚼剤は、菓子のガムのように噛み、口腔内に放出されたニコチンを唾液とともに徐々に飲み込み摂取するものである。
b 禁煙補助剤は、喫煙を完全に止めたうえで使用することとされている。
c うつ病と診断されたことのある人では、禁煙時の離脱症状により、うつ症状を悪化させることがあるため、禁煙補助剤の使用が効果的である。
d ニコチンは、アドレナリン作動成分が配合された医薬品との併用により、その作用を減弱させるおそれがある。

a b c d
1 誤 正 誤 誤
2 誤 正 正 正
3 正 正 誤 誤
4 正 誤 誤 正
5 正 誤 正 誤

【正解1】
a×菓子のガムのように噛むと、「唾液が多く分泌され、ニコチンが唾液とともに飲み込まれてしまい、口腔粘膜からの吸収が十分なされず、また、吐きけや腹痛等の副作用が現れやすくなるため、ゆっくりと断続的に噛むこととされている」。
b○
c×うつ病と診断されたことのある人では、禁煙時の離脱症状により、うつ症状を悪化させることがあるため、「使用を避ける必要がある」。
d×ニコチンは交感神経系を興奮させる作用を示し、アドレナリン作動成分が配合された医薬品との併用により、その作用を「増強」させるおそれがある。

問 94
ビタミン主薬製剤の配合成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a ビタミンB1は、炭水化物からのエネルギー産生に不可欠な栄養素で、神経の正常な働きを維持する作用がある。
b ビタミンDは、下垂体や副腎系に作用してホルモン分泌の調節に関与するとされており、ときに生理が早く来たり、経血量が多くなったりすることがある。
c ビタミンAは、骨の形成を助ける栄養素であり、過剰症として、高カルシウム血症、異常石灰化が知られている。
d ビタミンB2は、脂質の代謝に関与し、皮膚や粘膜の機能を正常に保つために重要な栄養素である。

1(a、b) 2(a、c) 3(a、d) 4(b、c) 5(c、d)

【正解3】
a○
b×記述は、「ビタミンE」の内容である。
ビタミンDは、「腸管でのカルシウム吸収及び尿細管でのカルシウム再吸収を促して、骨の形成を助ける栄養素」である。
c×記述は、「ビタミンD」の内容である。
ビタミンAは、「夜間視力を維持したり、皮膚や粘膜の機能を正常に保つために重要な栄養素」である。
d○

問 95
滋養強壮保健薬の配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 皮膚や粘膜などの機能を維持することを助ける栄養素として、ニコチン酸アミドが配合されている場合がある。
b グルクロノラクトンは、骨格筋に溜まった乳酸の分解を促す働きを期待して用いられる。
c ヘスペリジンは、髪や爪などに存在するアミノ酸の一種で、皮膚におけるメラニンの生成を抑えるとともに、皮膚の新陳代謝を活発にしてメラニンの排出を促す働きがあるとされる。
d コンドロイチン硫酸は軟骨組織の主成分で、軟骨成分を形成及び修復する働きがあるとされる。

a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 誤 誤 正
3 誤 正 正 正
4 誤 正 誤 正
5 正 誤 誤 誤

【正解2】
a○
b×記述は、「アスパラギン酸ナトリウム」の内容である。
グルクロノラクトンは、「肝臓の働きを助け、肝血流を促進する働きがあり、全身倦怠感や疲労時の栄養補給を目的として配合されている場合がある」。
c×記述は、「システイン」の内容である。
ヘスペリジンは、「ビタミン様物質のひとつで、ビタミンCの吸収を助ける等の作用があるとされ、滋養強壮保健薬のほか、かぜ薬等にも配合されている場合がある」。
d○

問 96
漢方処方製剤に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 現代中国で利用されている中医学に基づく薬剤は、中薬と呼ばれ、漢方薬と同じものである。
b 漢方処方製剤は、生薬成分を組み合わせて配合された医薬品で、個々の有効成分(生薬成分)の薬理作用を主に考えて、それらが相加的に配合されたものである。
c 漢方処方製剤を利用する場合、患者の「証」に合わないものが選択された場合には、効果が得られないばかりでなく、副作用を生じやすくなる。
d 一般用医薬品に用いることが出来る漢方処方は、現在50処方程度である。

a b c d
1 誤 誤 正 誤
2 正 正 正 誤
3 誤 正 誤 正
4 正 誤 正 正
5 誤 誤 誤 正

【正解1】
a×現代中国で利用されている中医学に基づく薬剤は、中薬と呼ばれ、漢方薬とは明らかに「別物」である。
b×記述は、「生薬製剤」の内容である。
漢方処方製剤は、「使用する人の体質や症状その他の状態に適した処方を既成の処方の中から選択して用いられる」。
c○
d×一般用医薬品に用いることが出来る漢方処方は、現在「300」処方程度である。

問 97
漢方処方製剤の「適用となる症状・体質」と「重篤な副作用」に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 黄連解毒湯
【適用となる症状・体質】
体力虚弱で、元気がなく、胃腸の働きが衰えて、疲れやすいものの虚弱体質、疲労倦怠、病後・術後の衰弱、食欲不振、ねあせ、感冒
【重篤な副作用】
肝機能障害、間質性肺炎、偽アルドステロン症

2 防已黄耆湯
【適用となる症状・体質】
体力中等度以下で、疲れやすく、汗のかきやすい傾向があるものの肥満に伴う関節の腫れや痛み、むくみ、多汗症、肥満症
【重篤な副作用】
肝機能障害、間質性肺炎、偽アルドステロン症

3 防風通聖散
【適用となる症状・体質】
体力充実して、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの高血圧や肥満に伴う動悸・肩こり・のぼせ・むくみ・便秘、蓄膿症(副鼻腔炎)、湿疹・皮膚炎、ふきでもの(にきび)、肥満症
【重篤な副作用】
肝機能障害、間質性肺炎、偽アルドステロン症、腸間膜静脈硬化症

4 大柴胡湯
【適用となる症状・体質】
体力が充実して、脇腹からみぞおちあたりにかけて苦しく、便秘の傾向があるものの胃炎、常習便秘、高血圧や肥満に伴う肩こり・頭痛・便秘、神経症、肥満症
【重篤な副作用】
肝機能障害、間質性肺炎

5 清上防風湯
【適用となる症状・体質】
体力中等度以上で、赤ら顔で、ときにのぼせがあるもののにきび、顔面・頭部の湿疹・皮膚炎、赤鼻(酒さ)
【重篤な副作用】
肝機能障害、偽アルドステロン症、腸間膜静脈硬化症

【正解1】
黄連解毒湯の【適用となる症状・体質】は、「体力中等度以上で、のぼせぎみで顔色赤く、いらいらして落ち着かない傾向のあるものの鼻出血、不眠症、神経症、胃炎、二日酔い、血の道症、めまい、動悸、更年期障害、湿疹・皮膚炎、皮膚のかゆみ、口内炎」である。
黄連解毒湯の【重篤な副作用】は、肝機能障害、間質性肺炎、「腸間膜静脈硬化症」である。
記述の【適用となる症状・体質】は、「補中益気湯」の内容である。
補中益気湯の【重篤な副作用】は、「間質性肺炎、肝機能障害」である。

問 98
消毒薬及びその配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 殺菌・消毒は、物質中のすべての微生物を殺滅又は除去することであり、滅菌は生存する微生物の数を減らすために行われる処置である。
b エタノールは、アルコール分が微生物のタンパク質を変性させ、それらの作用を消失させることから、殺菌消毒作用を示す。
c 次亜塩素酸ナトリウムは、強い酸化力により一般細菌類、真菌類、ウイルス全般に対する殺菌消毒作用を示すが、皮膚刺激性が強いため、通常人体の消毒には用いられない。
d 消毒薬を誤って飲み込んだ場合、一般的な家庭における応急処置として、通常は多量の牛乳などを飲ませるが、水は飲ませてはいけない。

a b c d
1 正 正 正 正
2 誤 正 正 誤
3 誤 正 誤 正
4 正 誤 正 誤
5 正 誤 誤 誤

【正解2】
a×殺菌・消毒は「生存する微生物の数を減らすために行われる処置」であり、滅菌は「物質中のすべての微生物を殺滅又は除去すること」である。
b○
c○
d×一般的な家庭における応急処置として、通常は多量の牛乳などを飲ませるが、「手元に何もないときはまず水を飲ませる」。

問 99
殺虫剤・忌避剤及び衛生害虫に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 殺虫剤・忌避剤のうち、原液を用時希釈して用いるもの、長期間にわたって持続的に殺虫成分を放出させる又は一度に大量の殺虫成分を放出させるもの等、取扱い上、人体に対する作用が緩和とはいえない製品については医薬品又は医薬部外品として扱われる。
b 忌避剤は人体に直接使用されるが、虫さされによる痒みや腫れなどの症状を和らげる効果はない。
c ハエの幼虫(ウジ)が人の体内や皮膚などに潜り込み、組織や体液や消化器官内の消化物を食べて直接的な健康被害を与えるハエ蛆症と呼ばれる症状がある。
d ゴキブリの卵は医薬品の成分が浸透しやすい殻で覆われているため、燻蒸処理による殺虫効果は高い。

a b c d
1 正 誤 正 誤
2 正 誤 誤 正
3 正 正 誤 誤
4 誤 正 正 正
5 誤 正 正 誤

【正解5】
a×殺虫剤・忌避剤のうち、「人体に対する作用が緩和な製品については医薬部外品として製造販売されている」が、原液を用時希釈して用いるもの、長期間にわたって持続的に殺虫成分を放出させる又は一度に大量の殺虫成分を放出させるもの等、取扱い上、人体に対する作用が緩和とはいえない製品については「医薬品」として扱われる。
b○
c○
d×燻蒸処理を行う場合、ゴキブリの卵は医薬品の成分が「浸透しない」殻で覆われているため、殺虫効果を「示さない」。

問 100
一般用検査薬に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a 一般の生活者が正しく用いて原因疾患を把握し、一般用医薬品による速やかな治療につなげることを目的として用いられる。
b 検査薬は、対象とする生体物質を特異的に検出するように設計されているが、検体中の対象物質の濃度が極めて低い場合には検出反応が起こらずに陰性の結果が出る場合がある。
c 尿糖検査の場合、原則として早朝尿(起床直後の尿)を検体とし、激しい運動の直後は避ける必要がある。
d 一般的な妊娠検査薬は、月経予定日が過ぎて概ね1週目以降の検査が推奨されている。

1(a、b) 2(a、c) 3(b、c) 4(b、d) 5(c、d)

【正解4】
a×一般の生活者が正しく用いて「健康状態」を把握し、速やかな「受診」につなげることで疾病を早期発見するためのものである。
b○
c×記述は、「尿タンパク検査」の内容である。
尿糖検査の場合は、「食後1~2時間等、検査薬の使用方法に従って採尿を行う」。
d○
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