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【令和3年度・九州沖縄②】登録販売者過去問解説【人体の働きと医薬品】

過去問題・解説

「人体の働きと医薬品」の学習目的はこれ!

身体の構造と働き、薬の働く仕組み、副作用の症状等に関する基本的な知識を、購入者への情報提供や相談対応に活用できること

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それでは解説スタートです!

人体の働きと医薬品(全20問)

問 1
消化器系に関する以下の記述のうち、正しいものの組み合わせを下から一つ選びなさい。
ア 唾液には、デンプンをデキストリンや麦芽糖に分解する消化酵素(唾液アミラーゼ)が含まれる。
イ 胃の内壁を覆っている粘膜の表面には無数の微細な孔があり、胃腺につながって塩酸(胃酸)のほか、主にトリプシノーゲンを分泌している。
ウ 小腸の内壁からは腸液が分泌され、十二指腸で分泌される腸液に含まれる成分の働きによって、主に膵液中のペプシノーゲンがペプシンになる。
エ 脂質(トリグリセリド)は、消化酵素(リパーゼ)の作用によって分解を受けるが、小腸粘膜の上皮細胞で吸収されると脂質に再形成され、乳状脂粒(カイロミクロン)となる。

1 ア、ウ
2 ア、エ
3 イ、ウ
4 イ、エ

【正解2】
ア○
イ×
トリプシノーゲンではなく、「ペプシノーゲン」である。
ウ×
膵液中の「トリプシノーゲン」が「トリプシン」になる。
エ○

問 2
肝臓の働きに関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。
ア 肝臓で産生される胆汁に含まれる胆汁酸塩(コール酸、デオキシコール酸等の塩類)は、タンパク質の消化を容易にし、水溶性ビタミンの吸収を助ける。
イ 肝臓は、脂溶性ビタミンであるビタミンAやDのほか、水溶性ビタミンであるビタミンB6やB12を貯蔵する。
ウ 肝臓は、滞留すると生体に有害な物質を、肝細胞内の酵素系の働きで代謝して無毒化したり、体外に排出されやすい形にしたりする役割を担っている。アルコールの場合、肝臓で一度ホルムアルデヒドに代謝されたのち、さらに代謝されて酢酸になる。
エ 胆汁酸やホルモンの生合成の出発物質となるセラミド、フィブリノゲン等の血液凝固因子、アルブミン等、生命維持に必須な役割を果たす種々の生体物質は、肝臓において産生される。

ア イ ウ エ
1 正 正 誤 正
2 正 誤 正 誤
3 誤 正 正 正
4 誤 正 誤 誤
5 誤 誤 正 正

【正解4】
ア×
胆汁酸塩は、「脂質」の消化を容易にし、「脂溶性ビタミン」の吸収を助ける。
イ○
ウ×
ホルムアルデヒドではなく、「アセトアルデヒド」である。
エ×
セラミドではなく、「コレステロール」である。

問 3
呼吸器系に関する以下の記述のうち、正しいものの組み合わせを下から一つ選びなさい。
ア 喉頭の大部分と気管から気管支までの粘膜は線毛上皮で覆われており、吸い込まれた粉塵や細菌等の異物は、気道粘膜から分泌される粘液にからめ取られ、線毛運動による粘液層の連続した流れによって気道内部から咽頭へ向けて排出され、唾液とともに嚥下される。
イ 鼻汁にはリゾチームが含まれ、気道の防御機構の一つとなっており、かぜやアレルギーのときの防御反応としてのみ鼻汁が分泌される。
ウ 肺では、肺胞の壁を介して、心臓から送られてくる血液から二酸化炭素が肺胞気中に拡散し、代わりに酸素が血液中の赤血球に取り込まれ、ガス交換が行われる。
エ 扁桃は、白血球の一種であるマスト細胞が密集する組織が集まってできていて、気道に侵入してくる細菌やウイルスに対する免疫反応が行われる。

1 ア、ウ
2 ア、エ
3 イ、ウ
4 イ、エ

【正解1】
ア○
イ×
鼻汁は、鼻から吸った空気に湿り気を与えたり、粘膜を保護するため、「常に少しずつ分泌されている」。かぜやアレルギーのときなどには、防御反応として大量に分泌されるようになる。
ウ○
エ×
マスト細胞ではなく、「リンパ球」である。

問 4
循環器系に関する以下の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。
1 循環器系は体液を体内に循環させ、酸素、栄養分等を全身の組織へ送り、老廃物を排泄器官へ運ぶための器官系で、心臓、血管系、血液、脾臓、リンパ系からなる。
2 心臓の左側部分(左心房、左心室)は、全身から集まってきた血液を肺へ送り出す。肺でのガス交換が行われた血液は、心臓の右側部分(右心房、右心室)に入り、そこから全身に送り出される。
3 血液が血管中を流れる方向は一定しており、心臓から拍出された血液を送る血管を静脈、心臓へ戻る血液を送る血管を動脈という。
4 静脈は皮膚表面近くを通っている部分が多く、血圧は、通常、上腕部の静脈で測定される。

【正解1】
1○
2×
心臓の「右側部分(右心房、右心室)」は、全身から集まってきた血液を肺へ送り出す。肺でのガス交換が行われた血液は、心臓の「左側部分(左心房、左心室)」に入り、そこから全身に送り出される。
3×
心臓から拍出された血液を送る血管を「動脈」、心臓へ戻る血液を送る血管を「静脈」という。
4×
血圧は、通常、上腕部の「動脈」で測定される。

問 5
副腎に関する以下の記述について、(  )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。
副腎は左右の腎臓の上部にそれぞれ附属し、皮質と髄質の2層構造からなる。副腎皮質では、副腎皮質ホルモンが産生・分泌される。副腎皮質ホルモンの一つである( ア )は、体内に( イ )と水を貯留し、( ウ )の排泄を促す作用があり、電解質と水分の排出調節の役割を担っている。

1 ア:コルチゾール   イ:塩分    ウ:カリウム
2 ア:アルドステロン  イ:カリウム  ウ:塩分
3 ア:コルチゾール   イ:塩分    ウ:糖分
4 ア:アルドステロン  イ:塩分    ウ:カリウム
5 ア:コルチゾール   イ:カリウム  ウ:糖分

【正解4】
副腎は左右の腎臓の上部にそれぞれ附属し、皮質と髄質の2層構造からなる。副腎皮質では、副腎皮質ホルモンが産生・分泌される。副腎皮質ホルモンの一つである( ア:アルドステロン )は、体内に( イ:塩分 )と水を貯留し、( ウ:カリウム )の排泄を促す作用があり、電解質と水分の排出調節の役割を担っている。

問 6
目、鼻、耳などの感覚器官に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。
ア 眼球は、頭蓋骨のくぼみ(眼窩)に収まっている球形の器官で、外側の正面前方付近は、黒色の角膜が覆い、その他の部分は強膜という乳白色の比較的丈夫な結合組織が覆っている。
イ 涙器は、涙液を分泌する涙腺と、涙液を鼻腔に導出する涙道からなる。涙腺は下眼瞼の裏側にある分泌腺で、血漿から涙液を産生する。
ウ 鼻腔上部の粘膜にある嗅細胞を、においの元となる物質が刺激すると、その刺激が脳の嗅覚中枢へ伝えられる。
エ 外耳道にある耳垢腺や皮脂腺からの分泌物に、 埃や外耳道上皮の老廃物などが混じって耳垢(耳あか)となる。

ア イ ウ エ
1 正 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 誤 誤
4 誤 正 誤 正
5 誤 誤 正 正

【正解5】
ア×
外側の正面前方付近は、「透明」な角膜が覆う。
イ×
涙腺は「上眼瞼」の裏側にある分泌腺。
ウ○
エ○

問 7
外皮系に関する以下の記述のうち、正しいものの組み合わせを下から一つ選びなさい。
ア 身体を覆う皮膚と、汗腺、皮脂腺、乳腺等の皮膚腺、爪や毛等の角質を総称して外皮系という。
イ 表皮の角質層は、細胞膜が丈夫な線維性のリン脂質であるケラチンでできた板状の角質細胞と、タンパク質の一種であるセラミドを主成分とする細胞間脂質で構成されており、皮膚のバリア機能を担っている。
ウ メラニン色素は、真皮の最下層にあるメラニン産生細胞で産生され、太陽光に含まれる紫外線から皮膚組織を防護する役割がある。
エ 皮下脂肪層は、外気の熱や寒さから体を守るとともに、衝撃から体を保護するほか、脂質としてエネルギー源を蓄える機能がある。

1 ア、ウ
2 ア、エ
3 イ、ウ
4 イ、エ

【正解2】
ア○
イ×
細胞膜が丈夫な線維性の「タンパク質」であるケラチンでできた板状の角質細胞と、「リン脂質」の一種であるセラミドを主成分とする細胞間脂質で構成されている。
ウ×
メラニン色素は、「表皮」の最下層にあるメラニン産生細胞で産生される。
エ○

問 8

骨格系に関する以下の記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。
1 骨は体の器官のうち最も硬い組織の一つであり、その基本構造は、骨質、骨膜、骨髄、関節軟骨の4組織からなる。
2 骨には造血機能があり、骨髄で産生される造血幹細胞から赤血球、白血球、血小板が分化する。
3 骨は生きた組織であり、身体の成長が停止するまで破壊(骨吸収)と修復(骨形成)が行われている。
4 骨組織を構成する無機質は、炭酸カルシウムやリン酸カルシウム等の石灰質からなり、通常それらのカルシウムが骨から溶け出す量とカルシウムが骨に沈着する量はほぼ同量であり、一定の骨密度が保たれる。

【正解3】
「成長が停止した後も一生を通じて」破壊(骨吸収)と修復(骨形成)が行われている。

問 9
副交感神経系が交感神経系より活発に働いたときの効果器とその反応の関係の正誤について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。
ア 心臓     ー 心拍数減少
イ 目      ー 瞳孔収縮
ウ 胃      ー 胃液分泌亢進
エ 気管、気管支 ー 拡張

ア イ ウ エ
1 正 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 誤 誤
4 誤 正 誤 正
5 誤 誤 正 正

【正解1】
ア○
イ○
ウ○
エ×
気管、気管支は、「収縮」する。

問 10
医薬品の有効成分の吸収に関する以下の記述のうち、正しいものの組み合わせを下から一つ選びなさい。
ア カプセル剤は、消化管で吸収される前に、カプセルが消化管内で崩壊して、有効成分が溶け出さなければならず、特殊な製剤を除き、小腸で有効成分が溶出するものが大部分である。
イ 全身作用を目的としない内服薬は、本来、有効成分が消化管から吸収されることによって薬効を発揮するわけではなく、有効成分はそのまま糞便中に排泄されることとなるが、中には消化管内を通過する間に結果的に吸収されてしまうものがある。
ウ 坐剤は、肛門から医薬品を挿入することにより、小腸内で溶解され、小腸内壁の粘膜から有効成分が吸収されるものである。
エ 有効成分が皮膚から浸透して体内の組織で作用する医薬品の場合、有効成分が浸透する量は、皮膚の状態、傷の有無やその程度などによって影響を受ける。

1 ア、ウ
2 ア、エ
3 イ、ウ
4 イ、エ

【正解4】
ア×
小腸ではなく、「胃」で有効成分が溶出されるものが大部分である。
イ○
ウ×
「直腸」内で溶解され、薄い「直腸」内壁の粘膜から有効成分が吸収されるものである。
エ○
みやここ
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