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【令和3年度・北海道東北②】登録販売者過去問解説【主な医薬品とその作用】

過去問題・解説

問 41 次の記述は、痔の薬に関するものである。正しいものの組み合わせはどれか。

a 局所への穏やかな刺激によって痒みを抑える効果を期待して、熱感刺激を生じさせるクロタミトンが配合されている場合がある。
b 粘膜表面に不溶性の膜を形成することによる、粘膜の保護・止血を目的として、酸化亜鉛が配合されている場合がある。
c 痔による肛門部の創傷の治癒を促す効果を期待して、組織修復成分であるエフェドリン塩酸塩が配合されていることがある。
d カイカクは、主に麻酔作用を期待して用いられる。

1(a、b) 2(a、c)
3(b、d) 4(c、d)

【正解1】
a○
b○
c×エフェドリン塩酸塩ではなく、「アラントイン、アルミニウムクロルヒドロキシアラントイネート」の内容。
d×カイカクは、主に「止血効果」を期待して用いられる。

問 42 第1欄の記述は、内用痔疾用薬として使用される漢方処方製剤に関するものである。第1欄の記述に該当する漢方処方製剤として正しいものは第2欄のどれか。

第1欄
体力中等度以下で冷え症で、出血傾向があり胃腸障害のないものの痔出血、貧血、月経異常・不正出血、皮下出血に適すとされるが、胃腸が弱く下痢しやすい人では、胃部不快感、腹痛、下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。

第2欄
1 桂枝加芍薬湯
2 乙字湯
3 芎帰膠艾湯
4 七物降下湯
5 八味地黄丸

【正解3】

問 43 婦人薬の代表的な配合成分に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 鎮痛・鎮痙の作用を期待して、シャクヤク、ボタンピが配合されている場合がある。
b エチニルエストラジオールは、長期連用することにより、血栓症を生じるおそれがある。
c 鎮静、鎮痛のほか、女性の滞っている月経を促す作用を期待して、サフランが配合されている場合がある。
d センキュウは、血行を改善し、血色不良や冷えの症状を緩和するほか、強壮、鎮静、鎮痛等の作用を期待して用いられる。

a b c d
1 正 誤 正 誤
2 誤 正 誤 誤
3 正 正 正 正
4 誤 誤 誤 正
5 誤 正 正 誤

【正解3】
a○
b○
c○
d○

問 44 婦人薬として使用される漢方処方製剤に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 桃核承気湯は、体力虚弱で、冷え症で皮膚が乾燥、色つやの悪い体質で胃腸障害のないものの月経不順、月経異常、更年期障害、血の道症、冷え症、しもやけ、しみ、貧血、産後あるいは流産後の疲労回復に適すとされる。
b 桂枝茯苓丸は、体力中等度以下でのぼせ感があり、肩がこり、疲れやすく、精神不安やいらだちなどの精神神経症状、ときに便秘の傾向のあるものの冷え症、虚弱体質、月経不順、月経困難、更年期障害、血の道症、不眠症に適すとされる。
c 五積散は、体力中等度又はやや虚弱で冷えがあるものの胃腸炎、腰痛、神経痛、関節痛、月経痛、頭痛、更年期障害、感冒に適すとされる。
d 柴胡桂枝乾姜湯は、体力中等度以下で、冷え症、貧血気味、神経過敏で、動悸 、息切れ、ときに寝汗、頭部の発汗、口の渇きがあるものの更年期障害、血の道症、不眠症、神経症、動悸、息切れ、かぜの後期の症状、気管支炎に適すとされる。

a b c d
1 正 誤 正 誤
2 誤 誤 正 正
3 正 正 誤 正
4 正 誤 誤 正
5 誤 正 正 誤

【正解2】
a×桃核承気湯ではなく、「四物湯」の内容。
b×桂枝茯苓丸ではなく、「加味逍遙散」の内容。
c○
d○

問 45 アレルギー及びアレルギー用薬(鼻炎用内服薬も含む。)に関する以下の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 一般用医薬品には、アトピー性皮膚炎による慢性湿疹の治療に用いることを目的とするものがある。
2 皮膚感染症(たむし、疥癬等)により、湿疹やかぶれ等に似た症状が現れた場合、アレルギー用薬で一時的に痒みの緩和を図ることは適当でなく、皮膚感染症そのものに対する対処を優先する必要がある。
3 アレルギー用薬と鼻炎用点鼻薬でも同じ成分又は同種の作用を有する成分が重複することもあり、それらは相互に影響し合わないとの誤った認識に基づいて、併用されることのないよう注意が必要である。
4 皮膚症状が治まると喘息が現れるというように、種々のアレルギー症状が連鎖的に現れることがある。

【正解1】
1×一般用医薬品には、アトピー性皮膚炎による慢性湿疹等の治療に用いることを目的とするものは「ない」。
2○
3○
4○

問 46 内服アレルギー用薬及びその配合成分と使用上の注意の組み合わせについて、正しいものの組み合わせはどれか。

a ジフェンヒドラミン塩酸塩 ― 授乳中の人は本剤を服用しないか、本剤を服用する場合は授乳を避けること
b メキタジン ― まれに重篤な副作用として胃潰瘍が起こることがある
c 辛夷清肺湯 ― まれに重篤な副作用として間質性肺炎が現れることがある
d プソイドエフェドリン塩酸塩 ― 低血圧の診断を受けた人は、服用を避けること

1(a、b) 2(a、c)
3(b、d) 4(c、d)

【正解2】
a○
b×メキタジンは、まれに重篤な副作用として「アナフィラキシー、肝機能障害、血小板減少」を生じることがある。
c○
d×プソイドエフェドリン塩酸塩は、「高血圧」等の診断を受けた人は、服用を避ける。

問 47 鼻炎用点鼻薬とその配合成分に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 鼻炎用点鼻薬は、慢性鼻炎、アレルギー性鼻炎又は副鼻腔炎による諸症状のうち、鼻づまり、鼻みず、くしゃみ、頭重の緩和を目的としている。
b ナファゾリン塩酸塩が配合された点鼻薬は、過度に使用されると鼻粘膜の血管が反応しなくなり、逆に血管が拡張して二次充血を招き、鼻づまりがひどくなりやすい。
c ベンザルコニウム塩化物は、黄色ブドウ球菌、溶血性連鎖球菌又はカンジダ等の真菌類に対する殺菌消毒作用を示す。
d クロモグリク酸ナトリウムは、肥満細胞からヒスタミンの遊離を抑える作用を示し、花粉、ハウスダスト等による鼻アレルギー症状の緩和を目的として配合される。

a b c d
1 誤 正 正 正
2 正 誤 正 正
3 正 正 誤 正
4 正 正 正 誤
5 正 正 正 正

【正解1】
a×慢性鼻炎ではなく、「急性鼻炎」である。
b○
c○
d○

問 48 次の表は、ある点眼薬に含まれている成分の一覧である。この点眼薬に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

クロルフェニラミンマレイン酸塩 0.03%
グリチルリチン酸二カリウム 0.25%
イプシロン-アミノカプロン酸 1.0%
テトラヒドロゾリン塩酸塩 0.03%
タウリン 1.0%
パンテノール 0.1%

a クロルフェニラミンマレイン酸塩は、炎症を生じた眼粘膜の組織修復を促す作用を期待して用いられる。
b グリチルリチン酸二カリウムは、比較的緩和な抗炎症作用を示す成分として用いられる。
c イプシロン-アミノカプロン酸は、炎症の原因となる物質の生成を抑える作用を示し、目の炎症を改善する効果を期待して用いられる。
d パンテノールは、末梢の微小循環を促進させることにより、結膜充血、疲れ目の症状を改善する効果を期待して用いられる。

a b c d
1 誤 正 誤 正
2 正 正 誤 誤
3 誤 誤 正 誤
4 誤 正 正 誤
5 正 誤 誤 正

【正解4】
a×クロルフェニラミンマレイン酸塩は、ヒスタミンの働きを抑えることにより、「目の痒みを和らげる」ことを目的として用いられる。
b○
c○
d×パンテノールは、「目の調節機能の回復を促す」効果を期待して用いられる。

問 49 次の記述は、目に用いる医薬品等に関するものである。正しいものの組み合わせはどれか。

a 1滴の薬液の量は約50μL であるのに対して、結膜嚢の容積は30μL 程度とされており、一度に何滴も点眼しても効果が増すわけではない。
b アドレナリン作動成分は、緑内障と診断された人では、眼圧の上昇をまねき、緑内障を悪化させたり、その治療を妨げるおそれがある。
c ハードコンタクトレンズは水分を含みやすく、防腐剤などの配合成分がレンズに吸着されて、角膜に障害を引き起こす原因となるおそれがあるため、装着したままの点眼は避けることとされている製品が多い。
d サルファ剤は、ブドウ球菌、連鎖球菌及びウイルスに対して効果がある。

1(a、b) 2(a、c)
3(b、d) 4(c、d)

【正解1】
a○
b○
c×ハードコンタクトレンズではなく、「ソフトコンタクトレンズ」である。
d×サルファ剤は、ブドウ球菌や連鎖球菌に対して効果があるが、「ウイルスに対する効果はない」。

問 50 痒み、腫れ、痛み等を抑える外皮用薬の配合成分に関する以下の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 ヒドロコルチゾンの好ましくない作用として、末梢組織の免疫機能を低下させる作用を示し、細菌、真菌、ウイルスによる皮膚感染や持続的な刺激感の副作用が現れることがある。
2 ピロキシカムは、光線過敏症の副作用を生じることがあり、野外活動が多い人では、他の抗炎症成分が配合された製品を選択することが望ましい。
3 皮膚に温感刺激を与え、末梢血管を拡張させて患部の血行を促す効果を期待して、ユーカリ油が配合されている場合がある。
4 ヘパリン類似物質には、血液凝固を抑える働きがあるため、出血しやすい人、出血が止まりにくい人、出血性血液疾患の診断を受けた人では、使用を避ける必要がある。

【正解3】
1○
2○
3×温感刺激を与えるのは、カプサイシン、ノニル酸ワニリルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル等。
ユーカリ油は、冷感刺激成分である。
4○
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