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【令和3年度・中国四国①】登録販売者過去問解説【医薬品に共通する特性と基本的な知識】

過去問題・解説

「医薬品に共通する特性と基本的な知識」の学習目的はこれ!

医薬品の本質、効き目や安全性に影響を与える要因等について理解していること
購入者等から医薬品を使用しても症状が改善しないなどの相談があった場合には、医療機関の受診を勧奨するなど、適切な助言を行うことができること
薬害の歴史を理解し、医薬品の本質等を踏まえた適切な販売等に努めることができること

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それでは解説スタートです!

医薬品に共通する特性と基本的な知識(全20問)

問 1
医薬品に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a人体に対して直接使用されない医薬品は、人の健康に影響を与えることはない。
b医薬品は、人の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人の身体の構造や機能に影響を及ぼすことを目的とする生命関連製品であるが、使用に際して保健衛生上のリスクを伴わないものである。
c医薬品の有効性、安全性等に関する情報は、知見の積み重ねによって集積されていく。
a b c
1正 正 正
2正 誤 正
3正 誤 誤
4誤 誤 正
5誤 正 誤

【正解4】
a×人体に対して直接使用されない医薬品でも、人の健康に影響を与えることは「ある」。
b×使用に際して保健衛生上のリスクを「伴う」。
c○

問 2
医薬品に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a一般用医薬品は、医療用医薬品と比較し、保健衛生上のリスクが相対的に低いため、市販後の有効性、安全性に関する情報の収集は不要とされている。
b医薬品は、効能効果、用法用量、副作用等の必要な情報が適切に伝達されることを通じて、購入者が適切に使用することにより、初めてその役割を十分に発揮するものである。
c医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)では、健康被害の発生の可能性があるときに限り、異物等の混入、変質等があってはならない旨を定めている。
d少量の医薬品の投与であっても発がん作用、胎児毒性や組織・臓器の機能不全を生じる場合がある。

a b c d
1正 正 誤 正
2誤 誤 正 正
3正 誤 誤 誤
4誤 正 誤 正
5誤 誤 正 誤

【正解4】
a×市販後にも、有効性、安全性等の確認が行われる仕組みになっている。
b○
c×健康被害の発生の可能性の「有無にかかわらず」、異物等の混入、変質等があってはならない。
d○

問 3
新規に開発される医薬品のリスク評価に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
aヒトを対象とした臨床試験における効果と安全性の評価基準として、国際的に Good Laboratory Practice(GLP)が制定されている。
b薬効-薬理試験や一般薬理作用試験の他に、単回投与毒性試験、反復投与毒性試験、生殖・発生毒性試験、遺伝毒性試験、がん原性試験などの毒性試験が厳格に実施されている。
c医薬品と食品に要求されている安全性基準は同一である。

a b c
1誤 誤 正
2正 誤 誤
3誤 正 誤
4正 正 誤
5誤 正 正

【正解3】
a×Good Laboratory Practice(GLP)ではなく、Good Clinical Practice(GCP)である。
b○
c×医薬品は、食品よりもはるかに厳しい安全性基準が要求されている。

問 4
いわゆる健康食品に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a医薬品の誤った使用法により健康被害が生じることがあるが、いわゆる健康食品でも誤った使用法により健康被害が生じることがある。
b医薬品を扱う者は、いわゆる健康食品が法的にも、また安全性や効果を担保する科学的データの面でも医薬品とは異なるものであることを認識し、消費者に指導・説明を行わなくてはならない。
cいわゆる健康食品には、カプセル、錠剤等の医薬品と類似した形状のものはない。

a b c
1誤 正 正
2正 正 誤
3誤 誤 正
4誤 正 誤
5正 誤 正

【正解2】
a○
b○
c×カプセル、錠剤等の医薬品と類似した形状で発売されているものも多い。

問 5
医薬品の副作用に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a世界保健機関(WHO)の定義によれば、医薬品の副作用とは、「疾病の予防、診断、治療のため、又は身体の機能を正常化するために、人に通常用いられる量で発現する医薬品の有害かつ意図しない反応」とされている。
b医薬品を使用する人が副作用をその初期段階で認識することにより、副作用の種類に応じて速やかに適切に処置し、又は対応し、重篤化の回避が図られることが重要である。
c医薬品が人体に及ぼす作用は、ほぼ解明されているため、十分注意して適正に使用すれば、副作用が生じることはない。
d副作用には、眠気や口渇等の軽度なものは含まれない。

1(a,b) 2(a,c) 3(a,d)
4(b,c) 5(c,d)

【正解1】
a○
b○
c×医薬品が人体に及ぼす作用は複雑、かつ、多岐に渡り、その「すべてが解明されていない」ため、副作用を生じる場合も「ある」。
d×眠気や口渇等の比較的よく見られるものも「含まれる」。

問 6
アレルギー(過敏反応)に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a医薬品の有効成分だけでなく、基本的に薬理作用がない添加物も、アレルギーを引き起こす原因物質となり得る。
bアレルギーにより体の各部位に生じる炎症等の反応をアレルギー症状といい、流涙や眼の痒み等の結膜炎症状、鼻汁やくしゃみ等の鼻炎症状等を生じることが多い。
c外用薬では、アレルギーは引き起こされない。
d普段は医薬品にアレルギーを起こしたことがない人でも、病気等に対する抵抗力が低下している状態などの場合には、思わぬアレルギーを生じることがある。

a b c d
1正 正 誤 正
2誤 誤 正 正
3正 正 正 誤
4正 誤 正 誤
5誤 誤 誤 誤

【正解1】
a○
b○
c×外用薬でも引き起こされることが「ある」。
d○

問 7
医薬品の不適正な使用と有害事象に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a医薬品の不適正な使用は、概ね、使用する人の誤解や認識不足に起因するものと、医薬品を本来の目的以外の意図で使用するものに大別することができる。
b小児への使用を避けるべき医薬品を「子供だから大人用のものを半分にして飲ませればよい」として服用させるなど、安易に医薬品を使用する場合には、有害事象につながる危険性が高い。
c一般用医薬品にも習慣性・依存性がある成分を含んでいるものがあるが、一般用医薬品による薬物依存は一度形成されても、容易に離脱することができる。

a b c
1正 誤 誤
2誤 正 正
3誤 誤 正
4正 正 誤
5正 誤 正

【正解4】
a○
b○
c×一度、薬物依存が形成されると、そこから離脱することは「容易ではない」。

問 8
医薬品等の相互作用に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a生薬成分が配合された医薬品と食品(ハーブ等)として流通している生薬成分を合わせて摂取すると、その医薬品の効き目や副作用を増強させることがある。
b酒類(アルコール)をよく摂取する者では、肝臓の代謝機能が高まっていることが多い。その結果、アセトアミノフェンなどでは、通常よりも代謝されやすくなり、体内から医薬品が速く消失して十分な薬効が得られなくなることがある。
c外用薬や注射薬は内服薬と異なり、食品によってその作用や代謝に影響を受けることはない。
d複数の疾病を有する人では、疾病ごとにそれぞれ医薬品が使用されるが、医薬品同士の相互作用に関しては特に注意する必要はない。

1(a,b) 2(a,c) 3(a,d)
4(b,c) 5(c,d)

【正解1】
a○
b○
c×外用薬や注射薬であっても、食品によって医薬品の作用や代謝に影響を受ける可能性が「ある」。
d×複数の疾病を有する人では、疾病ごとにそれぞれ医薬品が使用される場合が多く、医薬品同士の相互作用に関して特に注意が「必要となる」。

問 9
小児が医薬品を使用する際に留意すべき事項に関する以下の記述について、(  )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせはどれか。
小児は大人と比べて、身体の大きさに対して腸が( a )、服用した医薬品の吸収率が相対的に( b )。また、血液脳関門が未発達であるため、( c )に影響を与える医薬品で副作用を起こしやすい。

1a長く  b高い  c末梢神経系
2a短く  b低い  c中枢神経系
3a短く  b高い  c末梢神経系
4a長く  b低い  c中枢神経系
5a長く  b高い  c中枢神経系

【正解5】
小児は大人と比べて、身体の大きさに対して腸が( a長く )、服用した医薬品の吸収率が相対的に( b高い )。また、血液脳関門が未発達であるため、( c中枢神経系 )に影響を与える医薬品で副作用を起こしやすい。

問 10
高齢者の医薬品の使用に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a一般に高齢者は生理機能が衰えつつあり、腎臓の機能が低下していると医薬品の作用が弱く現れるため、副作用のリスクは低くなる。
b医薬品の使用上の注意においては、おおよその目安として65歳以上を「高齢者」としている。
c高齢者は、持病(基礎疾患)を抱えていることが多く、一般用医薬品の使用によって持病(基礎疾患)の症状が悪化する場合がある。
d高齢者は、年齢からどの程度副作用のリスクがあるか容易に判断できる。

a b c d
1正 誤 正 誤
2正 正 誤 正
3誤 正 正 誤
4誤 誤 誤 正
5誤 正 正 正

【正解3】
a×腎臓の機能が低下していると医薬品の作用が「強く」現れやすく、副作用を生じるリスクが「高く」なる。
b○
c○
d×基礎体力や生理機能の衰えの度合いは個人差が大きく、年齢のみから一概にどの程度リスクが増大しているかを判断することは「難しい」。
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