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【令和4年度・北海道東北②】登録販売者過去問解説【主な医薬品とその作用】

過去問題・解説

問 31
次の記述は、胃腸の薬の配合成分に関するものである。正しいものの組み合わせはどれか。
a リュウタンは、胆汁の分泌を促す作用があるとされ、消化を助ける効果を期待して用いられる。
b オウバク、オウレン、センブリといった生薬成分が配合された健胃薬は、散剤をオブラートで包む等、味や香りを遮蔽する方法で服用されると効果が期待できない。
c 味覚や嗅覚に対する刺激以外の作用による健胃成分として、乾燥酵母やカルニチン塩化物が配合されている場合がある。
d スクラルファートは、炭水化物、脂質、タンパク質等の分解に働く酵素を補うことにより、胃や腸の内容物の消化を助けることを目的として用いられる。

1(a、b) 2(a、d) 3(b、c) 4(c、d)

【正解3】
a×
リュウタンは、苦味による健胃作用を期待して用いられる。
胆汁の分泌を促す作用があるとされ、消化を助ける効果を期待して用いられるのは、胆汁末や動物胆(ユウタンを含む。)、ウルソデオキシコール酸、デヒドロコール酸。
b〇
c〇
d×
スクラルファートは、胃粘液の分泌を促す、胃粘膜を覆って胃液による消化から保護する、荒れた胃粘膜の修復を促す等の作用を期待して用いられる。
炭水化物、脂質、タンパク質等の分解に働く酵素を補うことにより、胃や腸の内容物の消化を助けることを目的として用いられるのは、ジアスターゼ、プロザイム、ニューラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ又はその複合酵素(ビオジアスターゼ、タカヂアスターゼ)等。

問 32
瀉下薬の配合成分に関する以下の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 ヒマシ油は、小腸でリパーゼの働きによって生じる分解物が、小腸を刺激することで瀉下作用をもたらすと考えられている。
2 ピコスルファートナトリウムは、小腸で分解されて、小腸への刺激作用を示す。
3 カルメロースナトリウムは、腸管内で水分を吸収して腸内容物に浸透し、糞便のかさを増やすとともに糞便を柔らかくする。
4 マルツエキスは、主成分である麦芽糖が腸内細菌によって分解して生じるガスによって便通を促すとされる。

【正解2】
1〇
2×
ピコスルファートナトリウムは、「大腸」を刺激して排便を促すことを目的として用いられる。
小腸で分解されて、小腸への刺激作用を示すのは、ヒマシ油。
3〇
4〇

問 33
止瀉薬の配合成分に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a ビスマスを含む成分は収斂作用のほか、腸内で発生した有毒物質を分解する作用も持つとされるため、細菌性の下痢や食中毒のときに使用するとよい。
b 木クレオソートは、過剰な腸管の運動を正常化し、あわせて水分や電解質の分泌も抑える止瀉作用がある。
c タンニン酸ベルベリンは、牛乳にアレルギーがある人では使用を避ける必要がある。
d ロペラミド塩酸塩は、中枢神経系を抑制する作用があり、副作用としてめまいや眠気が現れることがある。

a b c d
1 正 正 正 誤
2 誤 誤 正 正
3 誤 正 誤 正
4 正 誤 誤 正
5 誤 正 正 誤

【正解3】
a×
収斂成分を主体とする止瀉薬については、細菌性の下痢や食中毒のときに使用して腸の運動を鎮めると、かえって状態を悪化させるおそれがある。
b〇
c×
タンニン酸ベルベリンは、腸内細菌成分。
牛乳にアレルギーがある人では使用を避ける必要があるのは「タンニン酸アルブミン」。
d〇

問 34
第1欄の記述は、腸の不調を改善する目的で用いられる漢方処方製剤に関するものである。第1欄の記述に該当する漢方処方製剤として正しいものは第2欄のどれか。
第1欄
体力中等度以上で、下腹部痛があって、便秘しがちなものの月経不順、月経困難、月経痛、便秘、痔疾に適すとされるが、体の虚弱な人、胃腸が弱く下痢しやすい人では、激しい腹痛を伴う下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。

第2欄

1 桂枝加芍薬湯
2 人参湯(理中丸)
3 安中散
4 大黄牡丹皮湯
5 麻子仁丸

【正解4】

問 35
胃腸鎮痛鎮痙薬の配合成分に関する以下の記述のうち、正しいものはどれか。
1 パパベリン塩酸塩は、抗コリン成分と異なり自律神経系を介した作用ではないため、眼圧を上昇させる作用を示さない。
2 メチルベナクチジウム臭化物は、消化管の粘膜及び平滑筋に対する麻酔作用による鎮痛鎮痙の効果を期待して配合されている。
3 アミノ安息香酸エチルは、メトヘモグロビン血症を起こすおそれがあるため、12歳未満の小児への使用は避ける必要がある。
4 オキセサゼインは、局所麻酔作用のほか、胃液分泌を抑える作用もあるとされ、胃腸鎮痛鎮痙薬と制酸薬の両方の目的で使用される。

【正解4】
1×
パパベリン塩酸塩は、抗コリン成分と異なり自律神経系を介した作用ではないが、眼圧を上昇させる作用を「示す」。
2×
メチルベナクチジウム臭化物は、抗コリン成分。副交感神経の伝達物質であるアセチルコリンと受容体の反応を妨げることで、胃痛、腹痛、さしこみ(疝痛、癪)を鎮める。
3×
アミノ安息香酸エチルについては、メトヘモグロビン血症を起こすおそれがあるため、「6歳未満」の小児への使用は避ける必要がある。
4〇

問 36
浣腸薬及びその配合成分に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a ビサコジルは、直腸内で徐々に分解して炭酸ガスの微細な気泡を発生することで直腸を刺激する作用を期待して用いられる。
b グリセリンが配合された浣腸薬は、肛門や直腸の粘膜に損傷があり出血している場合に使用される。
c ソルビトールは、浸透圧の差によって腸管壁から水分を取り込んで直腸粘膜を刺激し、排便を促す効果を期待して用いられる。
d 腹痛が著しい場合や便秘に伴って吐きけや嘔吐が現れた場合には、急性腹症の可能性があり、浣腸薬の配合成分の刺激によってその症状を悪化させるおそれがある。

a b c d
1 正 正 正 誤
2 誤 誤 正 正
3 誤 正 誤 正
4 正 誤 誤 正
5 誤 正 正 誤

【正解2】
a×
ビサコジルは、大腸のうち特に結腸や直腸の粘膜を刺激して、排便を促すと考えられている。また、結腸での水分の吸収を抑えて、糞便のかさを増大させる働きもあるとされる。
b×
グリセリンが配合された浣腸薬は、肛門や直腸の粘膜に損傷があり出血している場合に使用されると、グリセリンが傷口から血管内に入って、赤血球の破壊(溶血)を引き起こす、また、腎不全を起こすおそれがある。
c〇
d〇

問 37
強心薬に配合される生薬成分に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a ジンコウは、中枢神経系の刺激作用による気つけの効果を期待して用いられる。
b 1日用量中センソ1mgを超えて含有する医薬品は、劇薬に指定されている。
c ロクジョウは、強心作用のほか、強壮、血行促進の作用があるとされる。
d インヨウカクは、強心作用のほか、呼吸中枢を刺激して呼吸機能を高めたり、意識をはっきりさせる作用がある。

a b c d
1 正 誤 誤 正
2 正 正 正 誤
3 誤 誤 正 誤
4 正 正 誤 正
5 誤 誤 正 正

【正解3】
a×
ジンコウは、鎮静、健胃、強壮などの作用を期待して用いられる。
b×
1日用量中センソ「5mg」を超えて含有する医薬品は、劇薬に指定されている。
c○
d×
インヨウカクは、強壮、血行促進、強精(性機能の亢進)等の作用を期待して用いられる。

問 38
以下の血中コレステロールに関する記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせはどれか。
コレステロールは細胞の構成成分で、( a )や胆汁酸等の生理活性物質の産生に重要な物質である。
コレステロールは水に( b )物質であるため、血液中では血漿タンパク質と結合したリポタンパク質となって存在する。リポタンパク質は比重によっていくつかの種類に分類されるが、そのうち( c )は、コレステロールを肝臓から末梢組織へと運ぶリポタンパク質である。

1 a副腎皮質ホルモン b溶けやすい c高密度リポタンパク質
2 a副腎皮質ホルモン b溶けにくい c低密度リポタンパク質
3 a副腎皮質ホルモン b溶けにくい c高密度リポタンパク質
4 a副腎髄質ホルモン b溶けにくい c低密度リポタンパク質
5 a副腎髄質ホルモン b溶けやすい c高密度リポタンパク質

【正解2】
コレステロールは細胞の構成成分で、( a副腎皮質ホルモン )や胆汁酸等の生理活性物質の産生に重要な物質である。
コレステロールは水に( b溶けにくい )物質であるため、血液中では血漿タンパク質と結合したリポタンパク質となって存在する。リポタンパク質は比重によっていくつかの種類に分類されるが、そのうち( c低密度リポタンパク質 )は、コレステロールを肝臓から末梢組織へと運ぶリポタンパク質である。

問 39
次の記述は、貧血及び貧血用薬の配合成分に関するものである。正しいものの組み合わせはどれか。
a ビタミンB6は、消化管内で鉄が吸収されやすい状態に保つことを目的として用いられる。
b 鉄分の摂取不足を生じても、初期にはヘモグロビン量自体は変化せず、ただちに貧血の症状は現れない。
c コバルトは、ヘモグロビンの産生過程で、鉄の代謝や輸送に重要な役割を持つ。
d 鉄分の吸収は、食後より空腹時のほうが高いとされている。

1(a、b) 2(a、c) 3(b、d) 4(c、d)

【正解3】
a×
ビタミンB6は、ヘモグロビン産生に必要なビタミン。
b〇
c×
コバルトは、赤血球ができる過程で必要不可欠なビタミンB12の構成成分。
d〇

問 40
次のうち、循環器用薬に含まれる成分とその主な作用として、正しいものの組み合わせはどれか。
a ヘプロニカート ー 高血圧等における毛細血管の補強、強化
b ルチン ー 遊離したニコチン酸による、末梢の血液循環の改善
c コウカ ー 末梢の血行を促してうっ血を除く
d ユビデカレノン ー 心筋の酸素利用効率を高めて、収縮力を高める

1(a、b) 2(a、d) 3(b、c) 4(c、d)

【正解4】
a×
aとbの内容記載が逆。
へプロニカートは、遊離したニコチン酸の働きによって末梢の血液循環を改善する作用を示すとされ、ルチンはビタミン様物質の一種で、高血圧等における毛細血管の補強、強化の効果を期待して用いられる。
b×
上記どおり
c〇
d〇
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