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【令和5年度・奈良④】登録販売者過去問解説【主な医薬品とその作用】

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令和5年度・奈良県【午後】

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令和5年度・奈良県【午後】

主な医薬品とその作用(全40問)

問 61
かぜ薬の配合成分とその配合目的の組み合わせについて、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。

a アセトアミノフェン  ― 鼻汁を抑える
b トラネキサム酸    ― 炎症による腫れを和らげる
c ブロムヘキシン塩酸塩 ― 気管・気管支を拡げる
d サリチルアミド    ― 発熱を鎮め、痛みを和らげる

1(a、b) 2(a、c) 3(b、d) 4(c、d)

【正解3】
a×アセトアミノフェン ―「発熱を鎮め、痛みを和らげる」
b○
c×ブロムヘキシン塩酸塩 ―「痰の切れを良くする」
d○

問 62
解熱鎮痛薬の配合成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。

a ボウイは、フトミミズ科の Pheretima aspergillum Perrier 又はその近縁動物の内部を除いたものを基原とする生薬で、古くから「熱さまし」として用いられてきた。
b シャクヤクは、発汗を促して解熱を助ける作用を期待して配合される。
c イソプロピルアンチピリンは、解熱及び鎮痛の作用は比較的強いが、抗炎症作用は弱いため、他の解熱鎮痛成分と組み合わせて配合される。
d エテンザミドは、作用の仕組みの違いによる相乗効果を期待して、他の解熱鎮痛成分と組み合わせて配合されることが多い。

1(a、b) 2(a、c) 3(b、d) 4(c、d)

【正解4】
a×記述は、「ジリュウ」の内容である。
ボウイは、「ツヅラフジ科のオオツヅラフジの蔓性の茎及び根茎を、通例、横切したものを基原とする生薬で、鎮痛、尿量増加(利尿)等の作用を期待して用いられる」。
b×記述は、「ショウキョウ、ケイヒ」等の内容である。
シャクヤクは、ボタン科のシャクヤクの根を基原とする生薬で、「鎮痛鎮痙作用、鎮静作用を示し、内臓の痛みにも用いられる」。
c○
d○

問 63
眠気を促す薬及びその配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a 抗ヒスタミン成分を含有する睡眠改善薬は、目が覚めたあとも、注意力の低下や寝ぼけ様症状、判断力の低下等の一時的な意識障害、めまい、倦怠感を起こすことがあるので注意が必要である。
b ブロモバレリル尿素は、妊婦又は妊娠していると思われる女性に使用できる。
c 入眠障害、熟眠障害、中途覚醒、早朝覚醒等の症状が慢性的に続いている不眠は、抗ヒスタミン成分を含有する催眠鎮静薬により対処可能である。
d 15歳未満の小児では、抗ヒスタミン成分により眠気とは反対の中枢興奮などの副作用が起きやすいため、抗ヒスタミン成分を含有する睡眠改善薬の使用は避ける。

a b c d
1 誤 正 誤 誤
2 正 誤 誤 正
3 正 正 正 正
4 誤 誤 誤 正
5 正 誤 正 誤

【正解2】
a○
b×ブロモバレリル尿素は胎児に障害を引き起こす可能性があるため、妊婦又は妊娠していると思われる女性は「使用を避けるべき」である。
c×入眠障害、熟眠障害、中途覚醒、早朝覚醒等の症状が慢性的に続いている場合は、うつ病等の精神神経疾患や、何らかの身体疾患に起因する不眠、又は催眠鎮静薬の使いすぎによる不眠等の可能性も考えられるため、「医療機関を受診させるなどの対応が必要」である。
d○

問 64
カフェインに関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a 腎臓におけるカリウムイオン(同時に水分)の再吸収抑制があり、尿量の増加(利尿)をもたらす。
b 脳に軽い興奮状態を引き起こし、一時的に眠気や倦怠感を抑える効果がある。
c 医薬品や医薬部外品、食品にも含まれているため、それらとカフェインを含む眠気防止薬を同時に摂取すると、中枢神経系や循環器系等への作用が強く現れるおそれがある。
d 依存を形成する性質はないため、長期連用が勧められている。

a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 正 誤 誤
3 正 誤 正 正
4 誤 正 正 正
5 正 誤 誤 正

【正解1】
a×腎臓における「ナトリウム」イオン(同時に水分)の再吸収抑制があり、尿量の増加(利尿)をもたらす。
b○
c○
d×作用は弱いながら反復摂取により依存を形成するという性質が「あるため、短期間の服用にとどめ、連用しないことという注意喚起がなされている」。

問 65
鎮暈薬(乗物酔い防止薬)及びその配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a ジフェニドール塩酸塩は、内耳にある前庭と脳を結ぶ神経(前庭神経)の調節作用のほか、内耳への血流を改善する作用を示す。
b メクリジン塩酸塩は、吐きけの防止・緩和を目的として配合されることがある。
c ピリドキシン塩酸塩は、脳に軽い興奮を起こさせて平衡感覚の混乱によるめまいを軽減させることを目的として配合されることがある。
d 乗物酔いの発現には不安や緊張などの心理的な要因による影響も大きく、それらを和らげることを目的として、鎮静成分のジプロフィリンが配合されている場合がある。

a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 正 誤 誤
3 正 誤 正 正
4 誤 正 正 正
5 正 誤 誤 正

【正解2】
a○
b○
c×記述は、「カフェインやジプロフィリンなどのキサンチン系成分」の内容である。
ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6)は、「吐きけの防止に働くことを期待して、補助的に配合されている」。
d×乗物酔いの発現には不安や緊張などの心理的な要因による影響も大きく、それらを和らげることを目的として、鎮静成分の「ブロモバレリル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素」等が配合されている場合がある。

問 66
小児の疳及び小児鎮静薬に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a 小児鎮静薬として使用される漢方処方製剤は、生後3ヶ月未満の乳児に使用しても問題ない。
b 小児では、特段身体的な問題がなく、基本的な欲求が満たされていても、夜泣き、ひきつけ、疳の虫の症状が現れることがある。
c 小児鎮静薬は、鎮静作用のほか、血液の循環を促す作用があるとされる生薬成分を中心に配合されている。
d 小児鎮静薬は、症状の原因となる体質の改善を主眼としているものが多く、比較的長期間(1ヶ月位)継続して服用されることがある。

a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 正 誤 誤
3 正 誤 正 正
4 誤 正 正 正
5 正 誤 誤 正

【正解4】
a×漢方処方製剤は、用法用量において適用年齢の下限が設けられていない場合にあっても、生後3ヶ月未満の乳児には「使用しないこととなっている」。
b○
c○
d○

問 67
呼吸器官及び鎮咳去痰薬の配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a トリメトキノール塩酸塩水和物は、交感神経系を刺激することで気管支を拡張させ、咳や喘息の症状を鎮めることを目的として用いられる。
b 咳は、気管や気管支に何らかの異変が起こったときに、その刺激が中枢神経系に伝わり、視床下部にある咳嗽中枢の働きによって引き起こされる反応である。
c 気道粘膜に炎症を生じたときに咳が誘発され、また、炎症に伴って気管や気管支が拡張して喘息を生じることがある。
d コデインリン酸塩水和物、ジヒドロコデインリン酸塩は、胃腸の運動を低下させる作用も示し、副作用として便秘が現れることがある。

a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 正 誤 誤
3 正 誤 正 正
4 誤 正 正 正
5 正 誤 誤 正

【正解5】
a○
b×咳は、気管や気管支に何らかの異変が起こったときに、その刺激が中枢神経系に伝わり、「延髄」にある咳嗽中枢の働きによって引き起こされる反応である。
c×気道粘膜に炎症を生じたときに咳が誘発され、また、炎症に伴って気管や気管支が「収縮」して喘息を生じることがある。
d○

問 68
口腔咽喉薬、含嗽薬及びその配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a 噴射式の液剤は、口腔の奥まで届くよう、息を吸いながら噴射して使用する必要がある。
b トローチ剤やドロップ剤は、有効成分が口腔内や咽頭部に行き渡るよう、口中に含み、噛まずにゆっくり溶かすようにして使用される。
c クロルヘキシジングルコン酸塩が配合された含嗽薬は、口腔内に傷やひどいただれのある人では、強い刺激を生じるおそれがあるため、使用を避ける必要がある。
d グリチルリチン酸二カリウムは、口腔内や喉に付着した細菌等の微生物を死滅させたり、その増殖を抑えることを目的として用いられる。

a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 正 誤 誤
3 正 誤 正 正
4 誤 正 正 正
5 正 誤 誤 正

【正解1】
a×
噴射式の液剤は、息を吸いながら噴射すると気管支や肺に入ってしまうおそれがあるため、「軽く息を吐きながら噴射することが望ましい」。
b○
c○
d×記述は、「セチルピリジニウム塩化物、デカリニウム塩化物、ベンゼトニウム塩化物、ポビドンヨード、ヨウ化カリウム、ヨウ素、クロルヘキシジングルコン酸塩、クロルヘキシジン塩酸塩、チモール等の殺菌消毒成分」の内容である。
グリチルリチン酸二カリウムは、「声がれ、喉の荒れ、喉の不快感、喉の痛み又は喉の腫れの症状を鎮めることを目的として用いられる抗炎症成分」である。

問 69
胃の薬及びその配合成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。

a 健胃薬は、炭水化物、脂質、タンパク質等の分解に働く酵素を補う等により、胃の内容物の消化を助けることを目的としている。
b 制酸薬は、胃液の分泌亢進による胃酸過多や、それに伴う胸やけ、腹部の不快感、吐きけ等の症状の緩和を目的としている。
c ピレンゼピン塩酸塩などの胃液分泌抑制成分は、副交感神経の伝達物質であるアセチルコリンの働きを促進する。
d 医薬部外品として製造販売されている消化薬は、配合できる成分やその上限量が定められており、また、効能・効果の範囲も限定されている。

1(a、b) 2(a、c) 3(b、d) 4(c、d)

【正解3】
a×記述は、「消化薬」の内容である。
健胃薬は、「弱った胃の働きを高めること(健胃)」を目的としている。
b○
c×胃液分泌抑制成分は、副交感神経の伝達物質であるアセチルコリンの働きを「抑える」。
d○

問 70
腸の薬の配合成分とその配合目的の組み合わせについて、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。

a オウバク          ― 腸粘膜を保護する
b 沈降炭酸カルシウム     ― 腸管内の異常発酵等によって生じた有害な物質を吸着させる
c ピコスルファートナトリウム ― 小腸を刺激して瀉下作用をもたらす
d 次硝酸ビスマス       ― 細菌感染による下痢の症状を鎮める

1(a、b) 2(a、c) 3(b、d) 4(c、d)

【正解1】
a○
b○
c×ピコスルファートナトリウム ―「大腸を刺激して排便を促す」
d×次硝酸ビスマス ―「腸粘膜を保護する」

問 71
止瀉薬の配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a ロペラミド塩酸塩は、腸管の運動を低下させる作用を示す。
b 生薬成分のカオリンは、過剰な腸管の蠕動運動を正常化し、あわせて水分や電解質の分泌も抑える作用がある。
c タンニン酸ベルベリンは、牛乳にアレルギーがある人では使用を避ける必要がある。
d タンニン酸アルブミンは、まれに重篤な副作用としてショック(アナフィラキシー)を生じることがある。

a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 誤 誤 正
3 正 正 正 誤
4 誤 誤 誤 正
5 正 正 誤 正

【正解2】
a○
b×記述は、「木クレオソート」の内容である。
カオリンは、「腸管内の異常発酵等によって生じた有害な物質を吸着させる」。
c×「タンニン酸アルブミン」は、牛乳にアレルギーがある人では使用を避ける必要がある。
d○

問 72
次の瀉下薬の配合成分に関する記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。

1 センノシドは、大腸に生息する腸内細菌によって分解され、分解生成物が大腸を刺激することで瀉下作用をもたらすと考えられている。
2 酸化マグネシウム等の無機塩類は、腸内容物の浸透圧を高めることで糞便中の水分量を増し、また、大腸を刺激して排便を促す。
3 ヒマシ油は、比較的作用が穏やかなため、主に3歳未満の乳幼児の便秘に用いられる。
4 カルメロースナトリウムは、腸管内で水分を吸収して腸内容物に浸透し、糞便のかさを増やすとともに糞便を柔らかくする。
5 マルツエキスは、主成分である麦芽糖が腸内細菌によって分解(発酵)して生じるガスによって便通を促すとされている。

【正解3】
ヒマシ油は、「急激で強い瀉下作用(峻下作用)を示す」ため、激しい腹痛又は悪心・嘔吐の症状がある人、妊婦又は妊娠していると思われる女性、「3歳未満の乳幼児では使用を避けることとされている」。

問 73
胃腸薬及びその配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a 整腸薬には、医薬部外品として製造販売されている製品はない。
b アズレンスルホン酸ナトリウムは、消化管内容物中に発生した気泡の分離を促すことを目的として配合されていることがある。
c 制酸成分を主体とする胃腸薬については、酸度の高い食品と一緒に使用すると胃酸に対する中和作用が低下することが考えられるため、炭酸飲料等での服用は適当でない。
d スクラルファートは、透析を受けている人は使用を避ける必要がある。

a b c d
1 誤 誤 正 正
2 正 正 誤 誤
3 誤 正 誤 誤
4 正 正 誤 正
5 正 誤 正 正

【正解1】
a×整腸薬には、医薬部外品として製造販売されている製品も「ある」。
人体に対する作用が緩和なものとして、配合できる成分やその上限量が定められている。
b×記述は、「ジメチルポリシロキサン(別名ジメチコン)」の内容である。
アズレンスルホン酸ナトリウムは、「胃粘液の分泌を促す、胃粘膜を覆って胃液による消化から保護する、荒れた胃粘膜の修復を促す等の作用を期待して配合されている場合がある」。
c○
d○

問 74
胃腸鎮痛鎮痙薬の配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a エンゴサク、シャクヤクは、鎮痛鎮痙作用を期待して配合されている場合がある。
b パパベリン塩酸塩は、消化管の平滑筋に直接働いて胃腸の痙攣を鎮める作用を示すが、抗コリン成分と異なり、眼圧を上昇させる作用はない。
c アミノ安息香酸エチルは、消化管の粘膜及び平滑筋に対する麻酔作用による鎮痛鎮痙の効果を期待して配合されている場合がある。
d オキセサゼインは、局所麻酔作用のほか、胃液分泌を抑える作用もあるとされ、胃腸鎮痛鎮痙薬と制酸薬の両方の目的で使用される。

a b c d
1 誤 誤 正 正
2 正 正 誤 誤
3 誤 正 誤 誤
4 正 正 誤 正
5 正 誤 正 正

【正解5】
a○
b×パパベリン塩酸塩は、抗コリン成分と異なり自律神経系を介した作用ではないが、眼圧を上昇させる作用を「示す」。
c○
d○

問 75
浣腸薬及びその配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a 注入剤を使用する場合は、薬液の放出部を肛門に差し込み、薬液だまりの部分を絞って、薬液を押し込むように注入する。
b グリセリンが配合された浣腸薬は、肛門や直腸の粘膜に損傷があり出血している場合に使用される。
c 腹痛が著しい場合や便秘に伴って吐きけや嘔吐が現れた場合には、急性腹症の可能性があり、浣腸薬の配合成分の刺激によってその症状を悪化させるおそれがある。
d ソルビトールは、浸透圧の差によって腸管壁から水分を取り込んで直腸粘膜を刺激し、排便を促す効果を期待して用いられる。

a b c d
1 誤 誤 正 正
2 正 正 誤 誤
3 誤 正 誤 誤
4 正 正 誤 正
5 正 誤 正 正

【正解5】
a○
b×グリセリンが配合された浣腸薬が、肛門や直腸の粘膜に損傷があり出血しているときに「使用されると、グリセリンが傷口から血管内に入って、赤血球の破壊(溶血)を引き起こす、また、腎不全を起こすおそれがある」。
c○
d○

問 76
駆虫薬及びその配合成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。

a 腸管内に生息する寄生虫の虫体、虫卵及び腸管内以外に潜伏した幼虫に駆虫作用を示す。
b サントニンは、肝臓で代謝されるため、肝臓病の診断を受けた人は使用する前に医師や薬剤師に相談をする必要がある。
c パモ酸ピルビニウムは、アセチルコリン伝達を妨げて、回虫及び蟯虫の運動筋を麻痺させる作用を示す。
d カイニン酸は、回虫に痙攣を起こさせる作用を示し、虫体を排便とともに排出させることを目的として用いられる。

1(a、b) 2(a、c) 3(b、d) 4(c、d)

【正解3】
a×腸管内に生息する虫体にのみ作用し、「虫卵や腸管内以外に潜伏した幼虫(回虫の場合)には駆虫作用が及ばない」。
b○
c×記述は、「ピペラジンリン酸塩」の内容である。
パモ酸ピルビニウムは、「蟯虫の呼吸や栄養分の代謝を抑えて殺虫作用を示す」。
d○

問 77
強心薬及びその配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a ユウタンは、ウシ科のウシの胆嚢中に生じた結石を基原とする生薬で、強心作用のほか、末梢血管の拡張による血圧降下、興奮を静める等の作用があるとされる。
b 強心薬には、心筋を弛緩させる成分が主体として配合されている。
c リュウノウは、中枢神経系の刺激作用による気つけの効果を期待して用いられる。
d 一般に、強心薬を5~6日間使用して症状の改善がみられない場合には、心臓以外の要因、例えば、呼吸器疾患、貧血、高血圧症、甲状腺機能の異常等のほか、精神神経系の疾患も考えられる。

a b c d
1 誤 誤 正 正
2 正 正 誤 誤
3 誤 正 誤 誤
4 正 正 誤 正
5 正 誤 正 正

【正解1】
a×記述は、「ゴオウ」の内容である。ユウタンは、「クマ科の Ursus arctos Linné 又はその他近縁動物の胆汁を乾燥したものを基原とする生薬で、苦味による健胃作用を期待して用いられるほか、消化補助成分として配合される場合もある」。
b×強心薬には、「心筋に作用して、その収縮力を高めるとされる成分」が主体として配合されている。
c○
d○

問 78
高コレステロール改善薬及びその配合成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。

a パンテチンは、低密度リポタンパク質(LDL)の異化排泄を促進し、リポタンパクリパーゼ活性を下げて、高密度リポタンパク質(HDL)の産生を高める作用がある。
b 高コレステロール改善薬は、ウエスト周囲径(腹囲)を減少させるなどの痩身効果を目的とした医薬品である。
c 大豆油不けん化物(ソイステロール)には、腸管におけるコレステロールの吸収を抑える働きがあるとされる。
d ビタミンB2は、コレステロールの生合成抑制と排泄・異化促進作用、中性脂肪抑制作用、過酸化脂質分解作用を有すると言われている。

1(a、b) 2(a、c) 3(b、d) 4(c、d)

【正解4】
a×パンテチンは、低密度リポタンパク質(LDL)の異化排泄を促進し、リポタンパクリパーゼ活性を「高めて」、高密度リポタンパク質(HDL)の産生を高める作用がある。
b×高コレステロール改善薬は、ウエスト周囲径(腹囲)を減少させるなどの痩身効果を目的とする医薬品では「ない」。
c○
d○

問 79
貧血用薬(鉄製剤)及びその配合成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。

a 鉄分の吸収は、空腹時のほうが高いとされているが、消化器系への副作用を軽減するには、食後に服用することが望ましい。
b 硫酸コバルトは、骨髄での造血機能を高める目的で配合されている場合がある。
c 服用の前後30分に、アスコルビン酸を含む飲食物を摂取すると、鉄の吸収が悪くなることがあるので、服用前後はそれらの摂取を控えることとされている。
d ビタミンB6は、消化管内で鉄が吸収されやすい状態に保つことを目的として用いられる。

1(a、b) 2(a、c) 3(b、d) 4(c、d)

【正解1】
a○
b○
c×服用の前後 30分に「タンニン酸」を含む飲食物(緑茶、紅茶、コーヒー、ワイン、柿等)を摂取すると、鉄の吸収が悪くなることがあるので、服用前後はそれらの摂取を控えることとされている。
d×記述は、「ビタミンC」の内容である。ビタミンB6は、「ヘモグロビン産生に必要なビタミン成分」である。

問 80
循環器用薬及びその配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a 高血圧や心疾患に伴う諸症状を改善する一般用医薬品は、体質の改善又は症状の緩和を目的とするものではなく、高血圧や心疾患そのものの治療を目的とするものである。
b ルチンは、ビタミン様物質の一種で、高血圧等における毛細血管の補強、強化の効果を期待して用いられる。
c イノシトールヘキサニコチネートは、ニコチン酸が遊離し、そのニコチン酸の働きによって末梢の血液循環を改善する作用を示すとされる。
d 三黄瀉心湯は、構成生薬としてダイオウを含んでおり、本剤を使用している間は、瀉下薬の使用を避ける必要がある。

a b c d
1 誤 正 正 正
2 正 誤 誤 正
3 正 誤 正 誤
4 誤 誤 正 正
5 正 正 誤 誤

【正解1】
a×高血圧や心疾患に伴う諸症状を改善する一般用医薬品は、体質の改善又は症状の緩和を「主眼としており」、いずれも高血圧や心疾患そのものの治療を目的とするものでは「ない」。
b○
c○
d○
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