令和5年度・首都圏【午後】
令和5年・首都圏①医薬品に共通する特性
令和5年・首都圏②人体の働きと医薬品
令和5年・首都圏③薬事に関する法規
いまココ▶首都圏④主な医薬品とその作用
令和5年・首都圏⑤医薬品の適正使用
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令和5年度・首都圏【午後】
主な医薬品とその作用(全40問)
問 61
かぜ(感冒)及びかぜ薬(総合感冒薬)に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a かぜの約8割は細菌の感染が原因であるが、それ以外にウイルスの感染などがある。
b インフルエンザ(流行性感冒)は、感染力が強く、また重症化しやすいため、かぜとは区別して扱われる。
c かぜ薬は、細菌やウイルスの増殖を抑えたり、体内から除去することにより、咳や発熱などの諸症状の緩和を図るものである。
d かぜの原因となる細菌やウイルスの種類は、季節や時期などによって異なる。
1(a、b) 2(a、c) 3(a、d) 4(b、d) 5(c、d)
問 62
次の表は、ある一般用医薬品のかぜ薬(総合感冒薬)に含まれている成分の一覧である。このかぜ薬に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
3錠中
グアイフェネシン 60mg
ジヒドロコデインリン酸塩 8mg
dl-メチルエフェドリン塩酸塩 20mg
アセトアミノフェン 300mg
クロルフェニラミンマレイン酸塩 2.5mg
無水カフェイン 25mg
リボフラビン 4mg
a グアイフェネシンは、鼻汁分泌やくしゃみを抑えることを目的として配合されている。
b ジヒドロコデインリン酸塩は、長期連用や大量摂取によって倦怠感や虚脱感、多幸感等が現れることがある。
c アセトアミノフェンは、主として中枢作用によって解熱・鎮痛をもたらすため、末梢における抗炎症作用は期待できない。
d クロルフェニラミンマレイン酸塩は、去痰作用を目的として配合されている。
1 a、b
2 a、c
3 b、c
4 b、d
5 c、d
問 63
かぜ(感冒)の症状緩和に用いられる漢方処方製剤に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 柴胡桂枝湯は、体力中等度又はやや虚弱で、多くは腹痛を伴い、ときに微熱・寒気・頭痛・吐きけなどのあるものの胃腸炎、かぜの中期から後期の症状に適すとされる。
b 香蘇散は、構成生薬としてカンゾウを含まず、体力虚弱で、神経過敏で気分がすぐれず胃腸の弱いもののかぜの初期、血の道症に適すとされる。
c 小青竜湯は、体力中程度又はやや虚弱で、うすい水様の痰を伴う咳や鼻水が出るものの気管支炎、気管支喘息、鼻炎、アレルギー性鼻炎、むくみ、感冒、花粉症に適すとされる。
d 葛根湯は、体力虚弱で、汗が出るもののかぜの初期に適すとされる。
1(a、b) 2(a、c) 3(b、c) 4(b、d) 5(c、d)
問 64
解熱鎮痛薬及びその配合成分等に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a サザピリンが配合された一般用医薬品の解熱鎮痛薬は、15歳未満の小児に対して使用することができる。
b アスピリンには血液を凝固しにくくさせる作用があり、医療用医薬品として、血栓ができやすい人に対する血栓予防薬の成分としても用いられている。
c ボウイは、ツヅラフジ科のオオツヅラフジの蔓性の茎及び根茎を、通例、横切したものを基原とする生薬で、鎮痛、尿量増加(利尿)等の作用を期待して用いられる。
d シャクヤクは、発汗を促して解熱を助ける作用を期待して配合されている。
a b c d
1 誤 正 誤 正
2 誤 正 正 誤
3 正 誤 正 誤
4 正 誤 誤 正
5 誤 誤 誤 誤
問 65
眠気を促す薬に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 抗ヒスタミン成分を主薬とする催眠鎮静薬は、慢性的に続く睡眠障害の緩和に適している。
b ブロモバレリル尿素を含有する催眠鎮静薬は、胎児に障害を引き起こさないため、妊婦の睡眠障害の緩和に適している。
c 柴胡加竜骨牡蛎湯は、体力中等度以上で、精神不安があって、動悸、不眠、便秘などを伴う高血圧の随伴症状(動悸、不安、不眠)、神経症、更年期神経症、小児夜なき、便秘に適すとされる。
d 酸棗仁湯は、体力中等度以下で、心身が疲れ、精神不安、不眠などがあるものの不眠症、神経症に適すとされる。
a b c d
1 正 正 正 正
2 誤 正 正 誤
3 誤 誤 正 正
4 正 正 誤 正
5 誤 誤 誤 誤
問 66
眠気防止薬の主な有効成分として配合されるカフェインに関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 腎臓におけるナトリウムイオンの再吸収促進作用があり、尿量の増加をもたらす。
b 胃液分泌抑制作用があり、その結果、副作用として胃腸障害(食欲不振、悪心・嘔吐)が現れることがある。
c 反復摂取により依存を形成するという性質がある。
d 眠気防止薬におけるカフェインの1回摂取量はカフェインとして200mg、1日摂取量はカフェインとして500mgが上限とされている。
a b c d
1 誤 正 誤 正
2 誤 誤 正 誤
3 正 正 正 誤
4 正 正 誤 正
5 誤 誤 正 正
問 67
次の表は、ある一般用医薬品の鎮暈薬(乗物酔い防止薬)に含まれている成分の一覧である。この鎮暈薬に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
1錠中
ジフェニドール塩酸塩 16.6mg
スコポラミン臭化水素酸塩水和物 0.16mg
無水カフェイン 30.0mg
ピリドキシン塩酸塩 5.0mg
a ジフェニドール塩酸塩は、内耳にある前庭と脳を結ぶ神経(前庭神経)の調節作用のほか、内耳への血流を改善する作用を示す。
b スコポラミン臭化水素酸塩水和物は、消化管からよく吸収され、他の抗コリン成分と比べて脳内に移行しやすいとされる。
c 無水カフェインは、抗めまい成分による眠気の解消を期待して配合されている。
d ピリドキシン塩酸塩は、乗物酔いに伴う頭痛を和らげる作用が期待される。
1 正 正 正 正
2 誤 誤 誤 正
3 正 誤 正 誤
4 正 正 誤 誤
5 誤 正 正 正
問 68
小児の疳を適応症とする生薬製剤・漢方処方製剤(小児鎮静薬)及びその配合成分等に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 漢方処方製剤は、用法用量において適用年齢の下限が設けられていない場合にあっても、生後6ヶ月未満の乳児には使用しないこととなっている。
b 小児鎮静薬には、鎮静と中枢刺激のように相反する作用を期待する生薬成分が配合されている場合もあるが、身体の状態によってそれらに対する反応が異なり、総じて効果がもたらされると考えられている。
c 小児鎮静薬は、夜泣き、ひきつけ、疳の虫等の症状を鎮めることを目的とした医薬品であり、小児における虚弱体質の改善は目的としていない。
d ジャコウは、緊張や興奮を鎮め、また、血液の循環を促す作用等を期待して用いられる。
a b c d
1 誤 正 正 正
2 正 誤 誤 正
3 正 誤 正 誤
4 正 正 誤 誤
5 誤 正 誤 正
問 69
鎮咳去痰薬の配合成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a カルボシステインは、気管支を拡張させる作用を示し、呼吸を楽にして咳や喘息の症状を鎮めることを目的として用いられる。
b トリメトキノール塩酸塩水和物は、抗炎症作用のほか、気道粘膜からの粘液の分泌を促進することを目的として用いられる。
c メトキシフェナミン塩酸塩は、心臓病、高血圧、糖尿病又は甲状腺機能亢進症の診断を受けた人では、症状を悪化させるおそれがある。
d コデインリン酸塩水和物は、妊娠中に摂取された場合、吸収された成分の一部が血液-胎盤関門を通過して胎児へ移行することが知られている。
1(a、b) 2(a、d) 3(b、c) 4(b、d) 5(c、d)
問 70
鎮咳去痰薬に配合される生薬成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a ゴミシは、マツブサ科のチョウセンゴミシの果実を基原とする生薬で、鎮咳作用を期待して用いられる。
b キキョウは、ユリ科のジャノヒゲの根の膨大部を基原とする生薬で、鎮咳、去痰、滋養強壮等の作用を期待して用いられる。
c セキサンは、ヒガンバナ科のヒガンバナ鱗茎を基原とする生薬で、去痰作用を期待して用いられる。
d バクモンドウは、ヒメハギ科のイトヒメハギの根を基原とする生薬で、去痰作用を期待して用いられる。
1(a、b) 2(a、c) 3(b、c) 4(b、d) 5(c、d)
問 71
口腔咽喉薬・うがい薬(含嗽薬)及びその配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a ポビドンヨードが配合された含嗽薬では、まれにショック(アナフィラキシー)のような全身性の重篤な副作用を生じることがある。
b 駆風解毒散は体力に関わらず使用でき、喉が腫れて痛む扁桃炎、扁桃周囲炎に適すとされる。
c セチルピリジニウム塩化物は、喉の粘膜を刺激から保護する目的で配合される。
d アズレンスルホン酸ナトリウムは、炎症を生じた粘膜組織の修復を促す作用を期待して配合されている場合がある。
a b c d
1 正 正 正 正
2 誤 正 正 誤
3 正 正 誤 正
4 誤 誤 誤 正
5 正 誤 正 誤
問 72
止瀉薬の配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a タンニン酸ベルベリンは、タンニン酸(収斂作用)とベルベリン(抗菌作用)の化合物であり、消化管内ではタンニン酸とベルベリンに分かれて、それぞれ止瀉に働くことを期待して用いられる。
b 天然ケイ酸アルミニウムは、その抗菌作用により、細菌感染を原因とする下痢の症状を鎮めることを目的として配合される。
c 沈降炭酸カルシウムは、腸管内の異常発酵等によって生じた有害な物質を吸着させることを目的として配合されている場合がある。
d ロペラミド塩酸塩は、腸管の運動を低下させる作用を示し、胃腸鎮痛鎮痙薬との併用は避ける必要がある。
a b c d
1 正 誤 正 正
2 誤 正 誤 正
3 誤 誤 正 誤
4 正 誤 誤 誤
5 正 正 誤 誤
問 73
胃や腸の不調を改善する目的で用いられる漢方処方製剤に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 安中散は、体力中等度以下で、腹部は力がなくて、胃痛又は腹痛があって、ときに胸やけや、げっぷ、胃もたれ、食欲不振、吐きけ、嘔吐などを伴うものの神経性胃炎、慢性胃炎、胃腸虚弱に適するとされる。
b 大黄甘草湯は、体力に関わらず使用でき、便秘、便秘に伴う頭重、のぼせ、湿疹・皮膚炎、ふきでもの、食欲不振、腹部膨満、腸内異常発酵、痔などの症状の緩和に適すとされる。
c 構成生薬にダイオウを含む漢方処方製剤では、吸収された成分の一部が乳汁中に移行し、乳児に下痢を生じるおそれがあるため、母乳を与える女性では使用を避けるか、又は使用期間中の授乳を避ける必要がある。
d 六君子湯は、まれに重篤な副作用として、肝機能障害を生じることが知られている。
a b c d
1 正 正 正 正
2 誤 誤 誤 正
3 誤 誤 正 正
4 正 正 正 誤
5 正 誤 誤 誤
問 74
胃の薬の配合成分等に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a ロートエキスは、吸収された成分の一部が母乳中に移行して乳児の脈が遅くなるおそれがある。
b センブリは、味覚を刺激して反射的な唾液や胃液の分泌を促すことにより、弱った胃の働きを高めることを目的として配合されている場合がある。
c リュウタンは、クマ科の Ursus arctos Linné 又はその他近縁動物の胆汁を乾燥したものを基原とする生薬で、苦味による健胃作用を期待して用いられる。
d カルニチン塩化物は、胃の働きの低下や食欲不振の改善を期待して、胃腸薬や滋養強壮保健薬に用いられる。
1(a、b) 2(a、d) 3(b、c) 4(b、d) 5(c、d)
問 75
胃腸鎮痛鎮痙薬の配合成分等に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a パパベリン塩酸塩は、胃液分泌を抑える目的で使用される。
b エンゴサクは、ナス科ハシリドコロの根茎及び根を基原とし、鎮痛鎮痙作用を期待して配合される。
c オキセサゼインは、局所麻酔作用のほか、胃液分泌を抑える作用もあるとされている。
d ブチルスコポラミン臭化物については、まれに重篤な副作用としてショック(アナフィラキシー)を生じることが知られている。
1(a、b) 2(a、d) 3(b、c) 4(b、d) 5(c、d)
問 76
強心薬及びその配合成分等に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a センソ及びロクジョウは、心筋に直接刺激を与え、その収縮力を高める作用(強心作用)を期待して用いられる。
b ゴオウは、ウシ科のウシの胆嚢中に生じた結石を基原とする生薬で、強心作用のほか、末梢血管の拡張による血圧降下、興奮を静める等の作用があるとされる。
c シンジュは、ウグイスガイ科のアコヤガイ等の外套膜組成中に病的に形成された顆粒状物質を基原とする生薬で、鎮静作用等を期待して用いられる。
d 苓桂朮甘湯は、強心作用と尿量増加(利尿)作用が期待される生薬が含まれており、水毒(漢方の考え方で、体の水分が停滞したり偏在して、その循環が悪いことを意味する。)の排出を促す。
a b c d
1 正 正 正 正
2 正 正 正 誤
3 誤 誤 正 正
4 誤 正 誤 正
5 正 誤 誤 誤
問 77
浣腸薬及びその配合成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a グリセリンが配合された浣腸薬は、グリセリンによる組織修復促進を期待して、肛門や直腸の粘膜に損傷があり出血している場合に使用される。
b グリセリンが配合された浣腸薬を使用すると、排便時に血圧低下を生じて、立ちくらみの症状が現れることがある。
c 注入剤を使用する場合は、薬液の放出部を肛門に差し込み、薬液だまりの部分を絞って、薬液を押し込むように注入する。
d ソルビトールは、直腸内で徐々に分解して炭酸ガスの微細な気泡を発生することで直腸を刺激する作用を期待して用いられる。
1(a、b) 2(a、c) 3(b、c) 4(b、d) 5(c、d)
問 78
高コレステロール改善薬の配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a パンテチンは、低密度リポタンパク質(LDL)等の異化排泄を促進し、リポタンパクリパーゼ活性を高めて、高密度リポタンパク質(HDL)産生を高める作用があるとされる。
b 大豆油不けん化物(ソイステロール)は、腸管におけるコレステロールの吸収を抑える働きがあるとされる。
c ビタミンEは、コレステロールの生合成抑制と排泄・異化促進作用、過酸化脂質分解作用を有すると言われている。
d リノール酸は、コレステロールと結合して、代謝されやすいコレステロールエステルを形成するとされ、肝臓におけるコレステロールの代謝を促す効果を期待して用いられる。
a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 誤 正 誤 誤
4 誤 誤 正 正
5 誤 誤 誤 正
問 79
貧血用薬及びその配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 貧血の症状がみられる以前から予防的に貧血用薬(鉄製剤)を使用することは適当でない。
b 硫酸銅は、補充した鉄分を利用してヘモグロビンが産生されるのを助ける目的で配合されている場合がある。
c 硫酸マンガンは、骨髄での造血機能を高める目的で配合されている。
d ビタミンCは、消化管内で鉄が吸収されやすい状態に保つことを目的として用いられる。
a b c d
1 正 正 誤 正
2 正 正 誤 誤
3 誤 正 正 誤
4 誤 誤 正 正
5 誤 誤 誤 正
問 80
循環器用薬及びその配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 七物降下湯は、体力中等度以下で、顔色が悪くて疲れやすく、胃腸障害のないものの高血圧に伴う随伴症状(のぼせ、肩こり、耳鳴り、頭重)に適すとされる。
b ルチンは、ビタミン様物質の一種で、高血圧等における毛細血管の補強、強化の効果を期待して用いられる。
c ヘプロニカートは、ニコチン酸を遊離し、そのニコチン酸の働きによって末梢の血液循環を改善する作用を示すとされる。
d ユビデカレノンは、肝臓や心臓などの臓器に多く存在し、エネルギー代謝に関与する酵素の働きを助ける成分で、摂取された栄養素からエネルギーが産生される際にビタミンB群とともに働く。
a b c d
1 正 正 正 正
2 正 誤 誤 誤
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 正 正
5 誤 誤 誤 正
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