今回は、登録販売者と薬剤師の違いについてお話します!
どちらも国家資格ですが、登録販売者と薬剤師には明確な違いがあります。
❷資格の難易度の違い
❸求められている役割の違い
【登録販売者】と薬剤師の違い
1・扱える医薬品の違い
●登録販売者は、第2類と第3類を取り扱うことができる
すべての医薬品ってなに?
すべての医薬品とは「医療用医薬品」「要指導医薬品」「一般用医薬品」のことです
医療用医薬品(処方薬)
※薬剤師のみ
●医師・歯科医師の処方せんや
●指示で使用される薬
簡単にいうと、病院で出される薬です。
要指導医薬品(市販薬)
※薬剤師のみ
病院で出されていた処方薬が、
●市販されるようになって間もない時に分類されます。
薬剤師の対面指導か、文書での情報提供を受けないと購入できません。
一般用医薬品(市販薬)
●第1類 ※薬剤師のみ
●第2類 ※薬剤師&登録販売者
●第3類 ※薬剤師&登録販売者
3種類があります。
副作用の発生するリスクの高い物から順番に、1類⇒2類⇒3類と分類されます。
第1類医薬品は、日常生活に支障をきたす重い副作用が起きる危険性のある薬
だから薬剤師しか販売できないんだね!
※重い副作用=入院相当以上の健康被害
一般用医薬品のなかで、登録販売者に扱うことのできる医薬品は第2類と第3類です。
現場では、一般用医薬品をOTCと言うので覚えておきましょう
要指導医薬品や1類医薬品と違うのは「販売時の情報提供が必須ではない」ことです。
第1類医薬品(薬剤師のみ)
●日常生活に支障をきたす重い副作用が起きる危険性がある
.
第2類医薬品(薬剤師&登録販売者)
●重い副作用はあるものの、発生の頻度はまれ
.
第3類医薬品(薬剤師&登録販売者)
●日常生活に支障があるほどではないが、身体に不調が現れるおそれがある
とされています。
2・資格の難易度の違い
●登録販売者は学歴不問、登録販売者試験に合格
6年制の大学を卒業してやっと受験資格かぁ。社会人にはハードルが高い!
ここからは登録販売者について説明するから安心してね
登録販売者は学歴不問の国家資格
誰でも挑戦することができる資格のため、社会人にも取得しやすい資格です。
とはいえ、誰でも受験できるため試験合格率は全国平均で約43.9%と半分以下です。
ちなみに薬剤師は70%~80%の合格率!
試験内容は各都道府県で違いますが、2019年埼玉県の合格率は23.3%。県によってかなりのバラつきがあります。
誰でも受験できるがゆえに半分以上の人が不合格になるのが現実です。
試験の難易度は年々上がっていて、ここ数年は独学だけで1発合格することは難しくなりました。
登録販売者から「店舗管理者」へ
試験に合格しただけでは研修中の登録販売者です
一人前の登録販売者として単独で売り場に立つには、直近5年間に2年以上(月80時間以上)の実務経験が必要です。
●資格取得時点で、すでに2年以上の実務経験がある
●資格取得後、2年以上の実務経験を積む
※過去5年間のうち薬局などで、一般従事者として薬剤師または登録販売者の管理・指導のもと、月80時間以上の勤務で実務経験と認められます
医薬品の取り扱いが少ないお店では実務経験が認められない場合もあるので確認しましょう
3・求められている役割の違い
●登録販売者の役割は、販売(接客・お客様の相談にのる)
※処方薬やハイリスク医薬品の販売は、薬剤師にしか認められていません。
国がすすめているセフルメディケーションには登録販売者が絶対的に必要な存在です
せ、せるふめでぃ?
簡単にいうと、ちょっとのケガなら病院ではなく近所で薬を買ってすませましょう。という考え方ね
薬剤師
医薬品を安全に使用できるよう、患者に指導できる高い知識を持つのが役割です。
常に新しいデータを頭に入れ、患者の状況に応じて薬を使い分ける知識が、薬剤師の必須スキルです。
●飲んではいけない薬を医師に伝えて中止
●きちんと薬が飲めているか患者さんに連絡
したりもします。
登録販売者
症状にあわせた医薬品を選べるよう相談に乗り、販売や病院の受診をすすめるのが役割です。
低リスク薬を扱うからこそ薬の知識だけではなく、相談のしやすさもとても重要なポイントです。
●困っている内容から欲しい医薬品を探すスキル
●疑問点を解決できるコミュニケーション能力
ときには病院へ行くこともすすめます。
国がセルフメディケーションを推進している限り、登録販売者はさらに需要が増す職種です。
※関連記事です
「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」と世界保健機関(WHO)は定義しています。