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【平成29年・首都圏】登録販売者過去問解説【医薬品に共通する特性と基本的な知識】

過去問題・解説

問11
妊婦又は妊娠していると思われる女性への医薬品の使用に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a ビタミンA含有製剤は、妊娠前後の一定期間に通常の用量を超えて摂取すると、胎児に先天異常を起こす危険性が高まるとされている。
b 妊婦が医薬品を使用した場合、血液-胎盤関門により、胎児への医薬品成分の移行を全て防ぐことができる。
c 妊娠の有無やその可能性については、購入者側にとって他人に知られたくない場合もあることがら、一般用医薬品の販売等において専門家が情報提供や相談対応を行う際には、十分配慮することが必要である。

…..a  b   c
1正 正 誤
2誤 正 誤
3正 誤 誤
4誤 誤 正
5正 誤 正

b:母体が医薬品を使用した場合に、胎盤関門によって、どの程度医薬品の成分の胎児への移行が防御されるかは、未解明のことがある。

問12
プラセボ効果に関する次の記述ついて( )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせはどれか。

医薬品を使用したとき、結果的又は偶発的に( a )によらない作用を生じることをプラセボ効果( ( b )効果)という。プラセボ効果は、医薬品を使用したこと自体による楽観的な結果への期待(暗示効果)や、条件付けによる生体反応、時間経過による( c )な変化等が関与して生じると考えられている。

…………a   b     c
1薬理作用  偽薬  自然発生的
2薬理作用  相乗  人為的
3薬理作用  偽薬  人為的
4生理作用  相乗  自然発生的
5生理作用  偽薬  自然発生的

医薬品を使用したとき、結果的又は偶発的に薬理作用によらない作用を生じることをプラセボ効果(偽薬効果)という。プラセボ効果は、医薬品を使用したこと自体による楽観的な結果への期待(暗示効果)や、条件付けによる生体反応、時間経過による自然発生的な変化(自然緩解など)等が関与して生じると考えられている。

これは丸暗記しておこう!

問13
医薬品の品質に関する次の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 品質が承認された基準に適合しない医薬品、その全部又は一部が変質・変敗した物質から成っている医薬品は販売が禁止されている。
b 医薬品に表示されている「使用期限」は、開封・未開封を問わず、製品の品質が保持される期限である。
c 一般用医薬品は、購入された後、すぐに使用されるとは限らず、家庭における常備薬として購入されることも多いことから、外箱等に記載されている使用期限から十分な余裕をもって販売等がなされることも重要である。
d医薬品は、適切な保管・陳列がなされなければ、医薬品の効き目が低下したり、人体に好ましくない作用をもたらす物質を生じることがある。

………a  b  c   d
1 正 正 正 誤
2 正 誤 正 正
3 正 誤 誤 正
4 誤 正 正 誤
5    誤 正 誤 正

b:表示されている「使用期限」は、未開封状態で保管された場合に品質が保持される期限であり、液剤などでは、いったん開封されると記載されている期日まで品質が保証されない場合がある。

問14
医薬品医療機器等法第4条第5項第4号に規定されている一般用医薬品の定義に関する次の記述について、(   )の中に入れるべき字句の正しい組合せはどれか。

医薬品のうち、その( a )において人体に対する作用が( b )ものであって、薬剤師その他の医薬関係者から提供された情報に基づく需要者の選択により使用されることが目的とされているもの( ( c )を除く。)をいう。

…………….a     b       c
1用法及び用量  著しい   薬局医薬品
2効能及び効果  著しい   要指導医薬品
3効能及び効果  著しくない 薬局医薬品
4効能及び効果  著しくない 要指導医薬品
5用法及び用量  著しくない 薬局医薬品

医薬品のうち、その効能及び効果において人体に対する作用がしくないものであって、薬剤師その他の医薬関係者から提供された情報に基づく需要者の選択に
より使用されることが目的とされているもの( ( 要指導医薬品 )を除く。)をいう。

一般用医薬品の定義、薬事法「第25条第1項」暗記しておこう!

問15
一般用医薬品承認審査合理化等検討会中間報告書「セルフメデイケーションにおける一般用医薬品のあり方について」(平成1 4年1 1月)において、一般用医薬品の役割とされている次の事項の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 健康の維持・増進
b 健康状態の自己検査
c 生活の質(QOL)の改善・向上
d 重度の疾病に伴う症状の改善

……a  b c  d
1正 正 正 正
2正 正 正 誤
3正 正 誤 正
4正 誤 正 正
5誤 正 正 正

一般用医薬品の役割とは
(1) 軽度な疾病に伴う症状の改善
(2) 生活習慣病等の疾病に伴う症状発現の予防
(3) 生活の質(QOL)の改善・向上
(4) 健康状態の自己検査
(5) 健康の維持・増進
(6) その他保健衛生(衛生害虫の防除、殺菌消毒等)の6つであるため、dは誤り。

問16
一般用医薬品の販売等に従事する専門家が購入者から確認しておきたい事項に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a  何のためにその医薬品を購入しようとしているか(購入者側のニーズ、購入の動機)。
b  症状等がある場合、それはいっ頃からか、その原因や患部等の特定はなされているか。
c  その医薬品を使用する人として、小児や高齢者、妊婦等が想定されるか。
d その医薬品を使用する人が過去にアレルギーや医薬品による副作用等の経験があるか。

…..a   b  c   d
1正 正 正 正
2正 正 正 誤
3正 正 誤 正
4正 誤 正 正
5誤 正 正 正

すべて正解!こんなこともあります

問17
サリドマイド及びサリドマイド訴訟に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 サリドマイドの光学異性体のうち、R体には有害作用がないことから、R体のサリドマイドを分離して製剤化すると催奇形性を避けることができる。

2 サリドマイド製剤は、1 9 6 1年1 1月、西ドイツ(当時)のレンツ博士がサリドマイド製剤の催奇形性について警告を発し、日本では、同年中に速やかに販売停止及び回収措置が行われた。

3 サリドマイドは、副作用として血管新生を促進する作用があった。

4 サリドマイド製剤は、当時、貧血用薬として承認された。

5 サリドマイド訴訟は、サリドマイド製剤を妊娠している女性が使用したことにより、出生児に四肢欠損、耳の障害等の先天異常(サリドマイド胎芽症)が発生したことに対する損害賠償訴訟である。

正しいのは5のみ。
1:R体のサリドマイドを分離して製剤化しても、催奇形性は避けられない。
2:出荷停止は1962年5月まで行われず、販売停止及び回収措置は同年9月であるなど、対応の遅さが問題視された。
3:サリドマイドは、副作用として血管新生を妨げる作用もあった。
4:サリドマイド製剤は、催眠鎮静成分として承認され、鎮静作用を目的として胃腸薬にも配合された。

問18
スモン及びスモン訴訟に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a スモン訴訟とは、解熱鎮痛剤として販売されたキノホルム製剤を使用したことにより、亜急性脊髄視神経症に罹患したことに対する損害賠償訴訟である。
b スモン患者に対しては、施術費及び医療費の自己負担分の公費負担や、重症患者に対する介護事業等が講じられている。
c スモン訴訟等を契機として、医薬品の副作用による健康被害の迅速な救済を図るため、医薬品副作用被害救済制度が創設された。
d スモンはその症状として、激しい腹痛を伴う下痢、下半身の痺れ、歩行困難等が現れるが、麻痺が上半身に拡がることはない。

1 ( a、 b ) 2 ( a、c )3 ( a、d )
4 ( b、c ) 5 ( b、 d )

a:キノホルム製剤は、解熱鎮痛剤ではなく整腸剤として販売されていた。
d:スモンはその症状として、激しい腹痛を伴う下痢を生じ、下半身の痺れ、歩行困難等が現れる。麻痺は上半身にも拡がる場合があり、ときに視覚障害から失明に至ることもある。

問19
HIV訴訟に関する次の記述について、(   )の中に入れるべき字句の正しい組合せはどれか。

( a )患者が、ヒト免疫不全ウイルス(H I V)が混入した原料( b )から製造された( c )製剤の投与を受けたことにより、H I vに感染したことに対する損害賠償訴訟である。

…………..a    b    c
1 鉄欠乏性貧血 血漿  血液凝固因子
2 鉄欠乏性貧血 血小板 ヒト免疫グロブリン
3 血友病    血漿   血液凝固因子
4 血友病    血小板  ヒト免疫グロブリン
5 血友病    血漿   ヒト免疫グロブリン

血友病患者が、ヒト免疫不全ウイルス(H I V)が混入した原料血漿から製造された血液凝固因子製剤の投与を受けたことにより、HIVに感染したことに対する損害賠償訴訟。

問20
クロイッフェルト-ヤコブ病(CJ D)及びCJ D訴訟に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a  CJD訴訟は、脳外科手術等に用いられていたヒト乾燥硬膜を介してCJDに罹患したことに対する損害賠償訴訟である。
b C J Dの原因は、ウイルスの一種であるプリオンとされている。
c C J Dは、次第に認知症に類似した症状が現れ、死に至る重篤な神経難病である。
d C J D訴訟は、生物由来製品による感染等被害救済制度の創設にあたっての契機のひとつとなった。

…..a  b   c   d
1正 誤 正 誤
2正 誤 正 正
3正 正 誤 誤
4誤 正 正 正
5誤 誤 誤 誤

b:C J Dの原因は、細菌でもウイルスでもない蛋白質の一種であるプリオンが原因とされている。
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