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【令和元年・中国④】登録販売者過去問解説【主な医薬品とその作用】

過去問題・解説

問 71
咳や痰及び鎮咳去痰薬に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

1  咳は、気管や気管支に何らかの異変が起こったときに、その刺激が中枢神経系に伝わり、脊髄にある咳嗽中枢の働きによって引き起こされる反応であり、むやみに抑え込むべきではない。
2  気道粘膜に炎症を生じたときには咳が誘発され、また、炎症に伴って気管や気管支が収縮して喘息(息が切れて、喉がゼーゼーと鳴る状態)を生じることがある。
3  鎮咳去痰薬は、咳を鎮める、痰の切れを良くする、また、喘息症状を和らげることを目的とする医薬品の総称である。
4  痰を伴わない乾いた咳が続く場合には、間質性肺炎等の初期症状である可能性があり、また、その原因が医薬品の副作用によるものであることもある。

【正解1】
咳嗽中枢は脊髄ではなく、延髄にある。

問 72
鎮咳去痰薬の配合成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a  デキストロメトルファン臭化水素酸塩、チペピジンクエン酸塩、クロペラスチン塩酸塩は、非麻薬性鎮咳成分と呼ばれる。
b  メチルエフェドリン塩酸塩は、副交感神経系を刺激して気管支を拡張させる作用を示し、呼吸を楽にして咳や喘息の症状を鎮めることを目的として用いられる。
c  去痰成分には、気道粘膜からの粘液の分泌を促進するグアイフェネシンや、痰の中の粘性タンパク質を溶解・低分子化して粘性を減少させるメチルシステイン塩酸塩などがある。
d  マオウは、アドレナリン作動成分と同様の作用を示す生薬成分であるが、依存性はない。

1(a,b) 2(a,c) 3(a,d)
4(b,c) 5(c,d)

【正解2】
b×
メチルエフェドリン塩酸塩は、「交感神経系」を刺激して気管支を拡張させる作用を示す
d×
マオウは、アドレナリン作動成分と同様の作用を示す生薬成分であり、「依存性がある」

問 73
以下の漢方処方製剤のうち、咳止めや痰を出しやすくする目的で用いられ、構成生薬としてマオウを含むものはどれか。

1 半夏厚朴湯
2 麦門冬湯
3 柴朴湯
4 五虎湯

【正解4】
五虎湯(「咳が強くでる」が特徴的)

問 74
口腔咽喉薬及びうがい薬(含嗽薬)に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a  トローチ剤やドロップ剤は、有効成分が口腔内や咽頭部に早く行き渡るよう、噛み砕いて飲み込むように使用されることが重要である。
b  噴射式の液剤では、軽く息を吐いたり、声を出しながら噴射することが望ましい。
c  含嗽薬は、水で用時希釈又は溶解して使用するものが多いが、調製した濃度が濃すぎても薄すぎても効果が十分得られない。

a b c
1 誤 正 正
2 誤 誤 正
3 誤 誤 誤
4 正 誤 正
5 正 正 正

【正解1】
a×
トローチ剤やドロップ剤は、有効成分が口腔内や咽頭部に行き渡るよう、「口中に含み、噛まずにゆっくり溶かすようにして」使用されることが重要である。

問 75
ヨウ素系殺菌消毒成分が配合されたうがい薬(含嗽薬)に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a  主としてヨウ素による還元作用により、結核菌を含む一般細菌類、真菌類、ウイルスに対して殺菌消毒作用を示す。
b  口腔内への使用により、結果的にヨウ素の摂取につながり、甲状腺におけるホルモン産生に影響を及ぼす可能性がある。
c  ヨウ素は、レモン汁やお茶などに含まれるビタミンC等の成分と反応すると殺菌作用が失われるため、そうした食品を摂取した直後の使用や混合は避けることが望ましい。

a b c
1 正 誤 誤
2 誤 正 正
3 誤 正 誤
4 正 正 誤
5 正 誤 正

【正解2】
a×
ヨウ素による「酸化作用」により、結核菌を含む一般細菌類、真菌類、ウイルスに対して殺菌消毒作用を示す。

問 76
胃の薬とその配合成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a  いわゆる総合胃腸薬には、制酸と健胃のように相反する作用を期待するものが配合されている場合がある。
b  生薬成分が配合された健胃薬は、通常、散剤をオブラートで包む等、味や香りを遮蔽する方法で服用することが適切である。
c  制酸薬は、食前又は食間に服用することにより、暴飲暴食による胸やけ、吐きけ(二日酔い・悪酔いのむかつき、嘔気)、嘔吐等の症状を予防することができる。
d  消化を助ける効果を期待して用いられるウルソデオキシコール酸は、肝臓の働きを高める作用があるとされるが、肝臓病の診断を受けた人ではかえって症状を悪化させるおそれがある。

1(a,b) 2(a,c) 3(a,d)
4(b,c) 5(c,d)

【正解3】
b×
散剤をオブラートで包む等、味や香りを遮蔽する方法で服用されると効果が期待できず、そのような服用の仕方は適当でない。
c×
制酸薬は、胃内容物の刺激によって促進される胃液分泌から胃粘膜を保護することを目的として、食前又は食間に服用することとなっているものが多いが、暴飲暴食による胸焼け、吐きけ(二日酔い・悪酔いのむかつき、嘔気)、嘔吐等の症状を予防するものではない。

問 77
胃の薬の配合成分とその配合目的の関係が正しいものはどれか。

1 炭酸水素ナトリウム - 中和反応によって胃酸の働きを弱める
2 ボレイ ------- 味覚や嗅覚を刺激して反射的な唾液や胃液の分泌を促す
3 スクラルファート -- 炭水化物、脂質、タンパク質等の分解に働く酵素を補う
4 ジアスターゼ ---- 胃粘膜を覆って胃液による消化から保護する
【正解1】
2×
ボレイ:中和反応によって胃酸の働きを弱める
3×
スクラルファート:胃粘膜を覆って胃液による消化から保護する
4×
ジアスターゼ:炭水化物、脂質、タンパク質等の分解に働く酵素を補う

問 78
止瀉薬の配合成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a  ビスマスを含む成分は収斂作用のほか、腸内で発生した有毒物質を分解する作用も持つとされるため、細菌性の下痢や食中毒のときに使用するとよい。
b  ベルベリン塩化物、タンニン酸ベルベリンに含まれるベルベリンは、生薬のゴバイシの主成分であり、抗菌作用のほか、抗炎症作用も併せ持つ。
c  タンニン酸アルブミンは、牛乳にアレルギーがある人では使用を避ける必要がある。
d  ロペラミド塩酸塩は、中枢神経系を抑制する作用があり、副作用としてめまいや眠気が現れることがある。

1(a,b) 2(a,c) 3(b,c)
4(b,d) 5(c,d)

【正解5】
a×
収斂成分を主体とする止瀉薬は、細菌性の下痢や食中毒のときに使用して腸の運動を鎮めると、かえって状態を悪化させるおそれがある。
b×
ベルベリンは、生薬の「オウバク」や「オウレン」の中に存在する物質のひとつであり、抗菌作用のほか、抗炎症作用も併せ持つとされる。

問 79
瀉下薬の配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a  酸化マグネシウムは、腸内容物の浸透圧を高めることで糞便中の水分量を増し、また、大腸を刺激して排便を促すことを目的として配合されている場合がある。
b  ヒマシ油は、急激で強い瀉下作用( 峻下作用)を示すため、防虫剤や殺鼠剤を誤って飲み込んだ場合のような脂溶性の物質による中毒に使用するとよい。
c  カルメロースカルシウムは、腸管内で水分を吸収して腸内容物に浸透し、糞便のかさを増やすとともに糞便を柔らかくすることによる瀉下作用を目的として配合されている場合がある。
d  ピコスルファートナトリウムは、胃や小腸で分解されることにより、大腸への刺激作用を示す。

a b c d
1 誤 誤 誤 正
2 正 正 正 正
3 正 誤 誤 正
4 誤 正 誤 誤
5 正 誤 正 誤

【正解5】
b×
ヒマシ油は、防虫剤や殺鼠剤を誤って飲み込んだ場合のような脂溶性の物質による中毒には使用を避ける必要がある(ナフタレンやリン等がヒマシ油に溶け出して、中毒症状を増悪させるおそれがある)
d×
ピコスルファートナトリウムは、胃や小腸では分解されないが、大腸に生息する腸内細菌によって分解されて、大腸への刺激作用を示すようになる。

問 80
瀉下薬に配合される生薬とその基原の関係が正しいものの組み合わせはどれか。

a センナ --- マメ科のチンネベリセンナ又はアレキサンドリアセンナの根茎
b ジュウヤク - ドクダミ科のドクダミの花期の地上部
c アロエ --- ユリ科のキダチアロエの葉から得た液汁を乾燥したもの
d ケンゴシ -- ヒルガオ科のアサガオの種子

1(a,b) 2(a,d) 3(b,c)
4(b,d) 5(c,d)

【正解4】
a×
センナ:マメ科のチンネベリセンナ又はアレキサンドリアセンナの「小葉」
c×
アロエ:ユリ科の「ケープアロエ」等の葉から得た液汁を乾燥したもの
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