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【令和2年度・東北②】登録販売者過去問解説【主な医薬品とその作用】

令和2年度東北・主な医薬品とその作用 過去問題・解説

問 41
次の表はある外用痔疾用薬に含まれている成分の一覧である。この一般用医薬品に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

ヒドロコルチゾン酢酸エステル 5mg
テトラヒドロゾリン塩酸塩 1mg
リドカイン 60mg
l-メントール 10mg
アラントイン 20mg
トコフェロール酢酸エステル 60mg
クロルヘキシジン塩酸塩 5mg

a  リドカインは、局所の感染を防止することを目的として配合される殺菌消毒成分である。
b  テトラヒドロゾリン塩酸塩は、血管収縮作用による止血効果を期待して配合されるアドレナリン作動成分である。
c  クロルヘキシジン塩酸塩は、肛門部の創傷の治癒を促す効果を期待して配合される組織修復成分である。
d  アラントインは、痛みや痒みを和らげることを目的として配合される局所麻酔成分である。

・a b c d
1 正 誤 誤 誤
2 誤 正 誤 正
3 正 正 正 誤
4 正 誤 正 正
5 誤 正 誤 誤

【正解5】
a× リドカインは、痔に伴う痛み・痒みを和らげることを目的として配合される局所麻酔成分
c× クロルヘキシジン塩酸塩は、局所の感染を防止することを目的として配合される殺菌消毒成分
d× アラントインは、肛門部の創傷の治癒を促す効果を期待して配合される組織修復成分

問 42
次の内服アレルギー用薬に配合される成分のうち、抗ヒスタミン成分ではないものの組み合わせはどれか。

a ヨウ化イソプロパミド
b アゼラスチン
c ブロメライン
d メキタジン

1(a、b) 2(a、c)
3(b、d) 4(c、d)

【正解2】
a○ ヨウ化イソプロパミド:抗コリン成分
b× アゼラスチン:抗ヒスタミン成分
c○ ブロメライン:抗炎症成分
d× メキタジン:抗ヒスタミン成分

問 43
第1欄の記述は、婦人薬として使用される漢方処方製剤に関するものである。第1欄の記述に該当する漢方処方製剤として正しいものは第2欄のどれか。

第1欄
体力中等度で皮膚はかさかさして色つやが悪く、のぼせるものの月経不順、月経困難、血の道症、更年期障害、神経症、湿疹・皮膚炎に適すとされるが、胃腸が弱く下痢しやすい人では胃部不快感、下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。

第2欄
1 桂枝茯苓丸  2 柴胡桂枝乾姜湯
3 温清飲  4 四物湯 5 当帰芍薬散

【正解3】
3 温清飲

ここからは補足です。漢方は難解ですがしっかり覚えましょう

  • 桂枝茯苓丸
    比較的体力があり、ときに下腹部痛、肩こり、頭重、めまい、のぼせて足冷えなどを訴えるものの、月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、血の道症、肩こり、めまい、頭重、打ち身(打撲傷)、しもやけ、しみ、湿疹・皮膚炎、にきびに適すとされる
  • 柴胡桂枝乾姜湯
    体力中道度以下で、冷え症、貧血気味、神経過敏で、動悸、息切れ、ときにねあせ、頭部の発汗、口の渇きがあるものの更年期障害、血の道症、不眠症、神経症、動悸、息切れ、かぜの後期の症状、気管支炎に適すとされる。
  • 四物湯
    体力虚弱で、冷え症で皮膚が乾燥、色つやの悪い体質で胃腸障害のないものの月経不順、月経異常、更年期障害、血の道症、冷え症、しもやけ、しみ、貧血、産後あるいは流産後の疲労回復に適すとされる
  • 当帰芍薬散
    体力虚弱で、冷え症で貧血の傾向があり疲労しやすく、ときに下腹部痛、頭重、めまい、肩こり、耳鳴り、動悸などを訴えるものの月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、産前産後あるいは流産による障害、めまい・立ちくらみ、頭重、肩こり、腰痛、足腰の冷え症、しもやけ、むくみ、しみ、耳鳴り、低血圧に適すとされる

問 44
鼻炎用点鼻薬の配合成分に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a  ナファゾリン塩酸塩は、ヒスタミンの働きを抑える作用を示す。
b  グリチルリチン酸二カリウムは、鼻粘膜の炎症を和らげることを目的として配合される場合がある。
c  アドレナリン作動成分が配合された点鼻薬は、過度に使用されると鼻粘膜の血管が反応しなくなり、鼻づまり(鼻閉)がひどくなりやすい。
d  クロモグリク酸ナトリウムは、アレルギー性でない鼻炎や副鼻腔炎に対しても有効である。

・a b c d
1 正 正 正 誤
2 誤 誤 正 正
3 正 正 誤 正
4 正 誤 誤 正
5 誤 正 正 誤

【正解5】
a× ナファゾリン塩酸塩は、交感神経系を刺激して鼻粘膜を通っている血管を収縮させることにより、鼻粘膜の充血や腫れを和らげるアドレナリン作動成分
d× クロモグリク酸ナトリウムは、アレルギー性でない鼻炎や副鼻腔炎に対しては無効

問 45
点眼薬の使用にあたっての一般的な注意に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a  容器の先端が眼瞼(まぶた)や睫毛(まつげ)に触れないように点眼する。
b  結膜嚢内に行き渡らせることにより効果が増すため、一度に何滴も点眼する。
c  開封されてから長期間を経過した製品は、使用期限内であっても使用を避けるべきである。
d  点眼後は、目頭を押さえると、薬液が鼻腔内へ流れ込むのを防ぐことができ、効果的とされる。

・a b c d
1 正 誤 誤 誤
2 誤 正 正 誤
3 正 誤 正 正
4 正 正 誤 正
5 誤 正 正 正

【正解3】
b× 1滴の薬液の量は約50μLであるのに対し、結膜嚢の容積は30μL程度とされており、一度に何滴も点眼しても効果が増すわけではない

問 46
眼科用薬及びその配合成分に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a  点眼薬を一定期間使用して症状の改善がみられない場合には、副作用の可能性も考慮し、漫然と使用を継続せずに、専門家に相談すべきである。
b  結膜や角膜の乾燥を防ぐことを目的として、ホウ酸が配合される。
c  点眼薬は、結膜嚢に使用するものであり、通常、無菌的に製造されている。
d  目のかすみが緑内障による症状であった場合、配合されている成分によっては、緑内障の悪化につながるおそれがある。

・a b c d
1 正 誤 誤 誤
2 誤 正 正 誤
3 正 誤 正 正
4 正 正 誤 正
5 誤 正 正 正

【正解3】
b× 結膜や角膜の乾燥を防ぐことを目的として配合されるのは、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール

ホウ酸は洗顔薬として用時水に溶解し「結膜嚢の洗浄・消毒」や「点眼薬の添加物(防腐剤)」として配合されます

問 47
次の記述は、眼科用薬の配合成分に関するものである。正しいものの組み合わせはどれか。

a  ネオスチグミンメチル硫酸塩は、コリンエステラーゼの働きを抑える作用を示し、毛様体におけるアセチルコリンの働きを助けることで、目の調節機能を改善する効果を目的として用いられる。
b  アズレンスルホン酸ナトリウム(水溶性アズレン)は、結膜や角膜の乾燥を防ぐことを目的として用いられる。
c  硫酸亜鉛水和物は、眼粘膜のタンパク質と結合して皮膜を形成し、外部の刺激から保護する作用を期待して配合されている場合がある。
d  ビタミンB6は、視細胞が光を感受する反応に関与していることから、視力調整等の反応を改善する効果を期待して用いられる。

1(a、b) 2(a、c)
3(b、d) 4(c、d)

【正解2】
b× アズレンスルホン酸ナトリウム(水溶性アズレン)は、炎症を生じた眼粘膜の組織修復を促す作用を期待して用いられる
d× ビタミンB6は、アミノ酸の代謝や神経伝達物質の合成に関与していることから、目の疲れ等の症状を改善する効果を期待して用いられる

結膜や角膜の乾燥を防ぐのは、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール

視力調整等の反応を改善する効果を期待して用いられるのはビタミンA

問 48
きず口等の殺菌消毒成分に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a  アクリノールは、真菌、結核菌及びウイルスに対して殺菌・消毒作用を示す。
b  ヨウ素系殺菌消毒成分(ポビドンヨードやヨードチンキ)は、結核菌を含む一般細菌類、真菌類、ウイルスに対して殺菌・消毒作用を示す。
c  チモールは、細菌や真菌類のタンパク質を変性させることにより殺菌・消毒作用を示す。
d  クロルヘキシジングルコン酸塩は、結核菌やウイルスに対する殺菌・消毒作用はない。

・a b c d
1 正 正 誤 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 正 正
5 誤 誤 誤 正

【正解4】
a× アクリノールは、一般細菌類の一部に対する殺菌消毒作用を示すが、真菌、結核菌、ウイルスに対しては効果がない

問 49
一般的な創傷への対応に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a  出血しているときは、創傷部に清潔なガーゼやハンカチ等を当てて圧迫し、止血するが、このとき、創傷部を心臓より高くして圧迫すると、止血効果が高い。
b  火傷(熱傷)の場合は、できるだけ早く、水道水などで熱傷部を冷やすことが重要である。
c  火傷(熱傷)による水疱(水ぶくれ)は、ただちに滅菌した器具で破り内容物を取り除く必要がある。
d  殺菌消毒成分により組織修復が妨げられて、かえって治癒しにくくなったり、状態を悪化させることがある。

・a b c d
1 正 誤 誤 正
2 誤 誤 正 正
3 誤 正 正 誤
4 正 正 誤 正
5 正 正 正 誤

【正解4】
c× 水疱(水ぶくれ)が破れると、そこから感染を起こして化膿することがあるため、水疱を破らないようにガーゼ等で軽く覆うとよいとされている

問 50
歯槽膿漏薬の配合成分と配合目的の組み合わせの正誤について、正しいものはどれか。

a  イソプロピルメチルフェノール ― 歯肉溝での細菌の繁殖を抑える
b  チョウジ油         ― 歯周組織からの出血を抑える
c  ビタミンE               ― 歯周組織の血行を促す
d  銅クロロフィリンナトリウム    ― 炎症を起こした歯周組織の修復を促す

・a b c d
1 正 誤 正 正
2 正 正 誤 正
3 正 誤 誤 誤
4 誤 正 正 誤
5 誤 誤 誤 正

【正解1】
b× チョウジ油は、殺菌消毒作用、抗炎症作用などが期待される

歯周組織からの出血を抑えるのはカルバゾクロム

※参考記事です

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