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【令和4年度・首都圏④】登録販売者過去問解説【主な医薬品とその作用】

過去問題・解説

問 71 胃の薬及びその配合成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a ピレンゼピン塩酸塩は、消化管の運動にはほとんど影響を与えずに胃液の分泌を抑える作用を示すとされる。
b ユウタンは、クマ科の Ursus arctos Linné 又はその他近縁動物の舌を乾燥したものを基原とする生薬で、香りによる健胃作用を期待して用いられる。
c スクラルファートは、炭水化物、脂質、タンパク質、繊維質等の分解に働く酵素を補うことを目的として用いられる。
d 安中散は、体力中等度以下で、腹部は力がなくて、胃痛又は腹痛があって、ときに胸やけや、げっぷ、胃もたれ、食欲不振、吐きけ、嘔吐などを伴うものの神経性胃炎、慢性胃炎、胃腸虚弱に適するとされる。

1(a、b) 2(a、c) 3(a、d)
4(b、c) 5(b、d)

【正解3】
a○
b×ユウタンは、クマ科の Ursus arctos Linné 又はその他近縁動物の「胆汁」を乾燥したものを基原とする生薬で、「苦味」による健胃作用を期待して用いられる。
c×「ジアスターゼ、プロザイム、ニューラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ又はその複合酵素(ビオジアスターゼ、タカヂアスターゼ)等」は、炭水化物、脂質、タンパク質、繊維質等の分解に働く酵素を補うことを目的として用いられる。
d○

問 72 腸の薬の配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a タンニン酸ベルベリンは、タンニン酸(収斂作用)とベルベリン(抗菌作用)の化合物であり、消化管内ではタンニン酸とベルベリンに分かれて、それぞれ止瀉に働くことを期待して用いられる。
b 沈降炭酸カルシウムは、腸管内の異常発酵等によって生じた有害な物質を吸着させることを目的として配合されている場合がある。
c センノシドは、大腸に生息する腸内細菌によって分解され、分解生成物が大腸を刺激して瀉下作用をもたらすと考えられている。
d 次硝酸ビスマスは、細菌感染による下痢の症状を鎮めることを目的として用いられる。

a b c d
1 正 正 正 正
2 正 正 正 誤
3 正 誤 誤 誤
4 誤 誤 正 正
5 誤 誤 誤 正

【正解2】
a○
b○
c○
d×次硝酸ビスマスは、「腸粘膜のタンパク質と結合して不溶性の膜を形成し、腸粘膜をひきしめる(収斂)ことにより、腸粘膜を保護すること」を目的として用いられる。

問 73 腸の薬及びその配合成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a 麻子仁丸は、体力中等度以上で、下腹部痛があって、便秘しがちなものの月経不順、月経困難、月経痛、便秘、痔疾に適すとされる。
b ピコスルファートナトリウムは、胃や小腸では分解されないが、大腸に生息する腸内細菌によって分解されて、大腸への刺激作用を示すようになる。
c ジュウヤク(ドクダミ科のドクダミの花期の地上部を基原とする生薬)は、大腸刺激による瀉下作用を期待して配合されている場合がある。
d マルツエキスは、腸内容物に水分を浸透しやすくする作用があり、水分不足に起因する便秘に効果がある。

1(a、b) 2(a、c) 3(b、c)
4(b、d) 5(c、d)

【正解3】
a×記載は麻子仁丸ではなく「大黄牡丹皮湯」の内容。
b○
c○
d×マルツエキスは、「水分不足に起因する便秘には効果が期待できない」。

問 74 胃腸鎮痛鎮痙薬及びその配合成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a 痛みが次第に強くなる、痛みが周期的に現れる、嘔吐や発熱を伴う等の場合は、胃腸鎮痛鎮痙薬を用い、受診勧奨はしなくてよい。
b 胃腸鎮痛鎮痙薬に配合されている成分は、胃腸以外に対する作用も示すものがほとんどであり、複数の胃腸鎮痛鎮痙薬が併用された場合、泌尿器系や循環器系、精神神経系などに対する作用(副作用)が現れやすくなる。
c オキセサゼインは、局所麻酔作用のほか、胃液分泌を抑える作用もあるとされ、胃腸鎮痛鎮痙薬と制酸薬の両方の目的で使用される。
d パパベリン塩酸塩は、消化管の平滑筋に直接働いて胃腸の痙攣を鎮める作用を示すが、抗コリン成分と異なり、眼圧を上昇させる作用はない。

1(a、b) 2(a、c) 3(b、c)
4(b、d) 5(c、d)

【正解3】
a×痛みが次第に強くなる、痛みが周期的に現れる、嘔吐や発熱を伴う等の場合は、「基本的に医療機関を受診するなどの対応が必要である」。
b○
c○
d×パパベリン塩酸塩は、消化管の平滑筋に直接働いて胃腸の痙攣を鎮める作用を示すが、抗コリン成分と異なり、「胃液分泌を抑える作用はない」。

問 75 浣腸薬及びその配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a グリセリンが配合された浣腸薬を、肛門や直腸の粘膜に損傷があり出血しているときに使用すると、グリセリンが傷口から血管内に入って、赤血球の破壊(溶血)を引き起こすおそれがある。
b 浣腸薬は、繰り返し使用することで直腸の感受性が高まり、効果が強くなる。
c 炭酸水素ナトリウムは、浸透圧の差によって腸管壁から水分を取り込んで直腸粘膜を刺激し、排便を促す効果を期待して用いられる。
d 注入剤で半量等を使用した場合は、残量を再利用せずに廃棄する。

a b c d
1 正 誤 正 誤
2 正 誤 誤 正
3 誤 正 正 正
4 誤 正 誤 正
5 誤 誤 誤 正

【正解2】
a○
b×浣腸薬は、繰り返し使用することで直腸の感受性が「低下(いわゆる慣れ)が生じて効果が弱くなる」。
c×「グリセリンやソルビトール」は、浸透圧の差によって腸管壁から水分を取り込んで直腸粘膜を刺激し、排便を促す効果を期待して用いられる。
d○

問 76 強心薬及びその配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a ロクジョウは、シカ科のジャコウジカの雄の麝香腺分泌物を基原とする生薬で、強心作用のほか、呼吸中枢を刺激して呼吸機能を高めたり、意識をはっきりさせる等の作用があるとされる。
b シンジュは、ウグイスガイ科のアコヤガイ、シンジュガイ又はクロチョウガイ等の外套膜組成中に病的に形成された顆粒状物質を基原とする生薬で、鎮静作用等を期待して用いられる。
c センソは、ヒキガエル科のアジアヒキガエル等の耳腺の分泌物を集めたものを基原とする生薬で、有効域が比較的狭く、一般用医薬品では1日用量が5mg以下となるよう用法・用量が定められており、それに従って適正に使用される必要がある。
d リュウノウは、中枢神経系の刺激作用による気つけの効果を期待して用いられる。

a b c d
1 正 正 正 正
2 正 誤 正 誤
3 正 誤 誤 正
4 誤 正 誤 誤
5 誤 正 正 正

【正解5】
a×ロクジョウではなく「ジャコウ」の内容。
b○
c○
d○

問 77 コレステロール及びリポタンパク質に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a コレステロールは、胆汁酸や副腎皮質ホルモン等の生理活性物質の産生に重要な物質であり、コレステロールの産生及び代謝は、主として腎臓で行われる。
b コレステロールは水に溶けにくい物質であるため、血液中では血漿タンパク質と結合したリポタンパク質となって存在する。
c 血液中の高密度リポタンパク質(HDL)が多く、低密度リポタンパク質(LDL)が少ないと、心臓病や肥満、動脈硬化症等の生活習慣病につながる危険性が高くなる。
d 血漿中のリポタンパク質のバランスの乱れは、生活習慣病を生じる以前の段階では自覚症状を伴うものでないため、偶然又は生活習慣病を生じて指摘されることが多い。

1(a、b) 2(a、c) 3(b、c)
4(b、d) 5(c、d)

【正解4】
a×コレステロールは、胆汁酸や副腎皮質ホルモン等の生理活性物質の産生に重要な物質であり、コレステロールの産生及び代謝は、主として「肝臓」で行われる。
b○
c×血液中の「低密度リポタンパク質(LDL)が多く、高密度リポタンパク質(HDL)が少ない」と、心臓病や肥満、動脈硬化症等の生活習慣病につながる危険性が高くなる。
d○

問 78 高コレステロール改善薬及びその配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a ポリエンホスファチジルコリンは、腸管におけるコレステロールの吸収を抑える働きがあるとされる。
b ビタミンB2(リボフラビン酪酸エステル等)は、コレステロールの生合成抑制と排泄・異化促進作用、中性脂肪抑制作用、過酸化脂質分解作用を有すると言われている。
c 大豆油不けん化物(ソイステロール)は、悪心(吐きけ)、胃部不快感、胸やけ、下痢等の消化器系の副作用が現れることがある。
d 高コレステロール改善薬は、ウエスト周囲径(腹囲)を減少させるなどの痩身効果を目的とした医薬品である。

a b c d
1 正 正 誤 正
2 正 誤 正 誤
3 誤 正 正 正
4 誤 正 正 誤
5 誤 誤 誤 正

【正解4】
a×「大豆油不けん化物(ソイステロール)」は、腸管におけるコレステロールの吸収を抑える働きがあるとされる。
b○
c○
d×高コレステロール改善薬は、ウエスト周囲径(腹囲)を減少させるなどの痩身効果を目的とした医薬品「ではない」。

問 79 貧血用薬(鉄製剤)及びその配合成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a ビタミンB6は、消化管内で鉄が吸収されやすい状態に保つことを目的として用いられる。
b 貧血の症状がみられる以前から予防的に貧血用薬(鉄製剤)を使用することが適当である。
c 鉄分の吸収は空腹時のほうが高いとされているが、消化器系への副作用を軽減するために、鉄製剤は、食後に服用することが望ましい。
d 硫酸コバルトは、骨髄での造血機能を高める目的で配合されている場合がある。

1(a、b) 2(a、c) 3(b、c)
4(b、d) 5(c、d)

【正解5】
a×「ビタミンC」は、消化管内で鉄が吸収されやすい状態に保つことを目的として用いられる。
b×貧血の症状がみられる以前から予防的に貧血用薬(鉄製剤)を使用すること「は適当でない」。
c○
d○

問 80 循環器用薬及びその配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a ルチンは、ニコチン酸が遊離し、そのニコチン酸の働きによって末梢の血液循環を改善する作用を示すとされる。
b 日本薬局方収載のコウカを煎じて服用する製品は、冷え症及び血色不良に用いられる。
c ユビデカレノンは、心筋の酸素利用効率を高めて収縮力を高めることによって、血液循環の改善効果を示すとされる。
d 三黄瀉心湯は、体力中等度以上で、のぼせ気味で顔面紅潮し、精神不安、みぞおちのつかえ、便秘傾向などのあるものの高血圧の随伴症状(のぼせ、肩こり、耳なり、頭重、不眠、不安)、鼻血、痔出血、便秘、更年期障害、血の道症に適すとされる。

a b c d
1 正 正 誤 正
2 正 誤 正 誤
3 誤 正 正 正
4 誤 正 誤 正
5 誤 誤 誤 誤

【正解3】
a×「ヘプロニカート、イノシトールヘキサニコチネート」は、ニコチン酸が遊離し、そのニコチン酸の働きによって末梢の血液循環を改善する作用を示すとされる。
b○
c○
d○
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