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【令和4年度・首都圏④】登録販売者過去問解説【主な医薬品とその作用】

過去問題・解説

問 81 痔及び痔疾用薬及びその配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 裂肛は、肛門内部に存在する肛門腺窩と呼ばれる小さなくぼみに糞便の滓が溜まって炎症・化膿を生じた状態である。
b 外用痔疾用薬は、局所に適用されるものであるため、全身的な影響を生じることはない。
c 酸化亜鉛は、知覚神経に作用して刺激の神経伝導を可逆的に遮断する作用を示す。
d 肛門周囲の末梢血管の血行を改善する作用を期待してビタミンE(トコフェロール酢酸エステル)が配合されている場合がある。

a b c d
1 正 正 正 誤
2 誤 誤 誤 正
3 誤 誤 正 誤
4 正 誤 誤 正
5 誤 正 正 正

【正解2】
a×「痔瘻」は、肛門内部に存在する肛門腺窩と呼ばれる小さなくぼみに糞便の滓が溜まって炎症・化膿を生じた状態である。
b×外用痔疾用薬は、局所に適用されるものであるが「坐剤及び注入軟膏では、成分の一部が直腸粘膜から吸収されて循環血流中に入りやすく、全身的な影響を生じることがある」。
c×「リドカイン等の局所麻酔成分」は、知覚神経に作用して刺激の神経伝導を可逆的に遮断する作用を示す。
d○

問 82 婦人薬として使用される次の漢方処方製剤のうち、カンゾウを含まないものはどれか。

1 当帰芍薬散
2 加味逍遙散
3 桃核承気湯
4 柴胡桂枝乾姜湯
5 五積散

【正解1】

問 83 鼻炎用点鼻薬の配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a フェニレフリン塩酸塩は、交感神経系を刺激して鼻粘膜を通っている血管を収縮させることにより、鼻粘膜の充血や腫れを和らげることを目的として配合されている。
b クロルフェニラミンマレイン酸塩は、ヒスタミンの働きを抑えることにより、くしゃみや鼻汁等の症状を緩和することを目的として配合されている。
c セチルピリジニウム塩化物は、鼻粘膜の過敏性や痛みや痒みを抑えることを目的として配合されている。
d リドカインは、黄色ブドウ球菌、溶血性連鎖球菌又はカンジダ等の真菌類に対する殺菌消毒作用を示す。

a b c d
1 誤 正 正 正
2 正 正 誤 正
3 誤 誤 正 誤
4 正 正 誤 誤
5 誤 誤 誤 正

【正解4】
a○
b○
c×「リドカイン等の局所麻酔成分」は、鼻粘膜の過敏性や痛みや痒みを抑えることを目的として配合されている。
d×「ベンザルコニウム塩化物等の陽性界面活性成分」は、黄色ブドウ球菌、溶血性連鎖球菌又はカンジダ等の真菌類に対する殺菌消毒作用を示す。

問 84 点眼薬に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 一般用医薬品の点眼薬は、その主たる配合成分から、人工涙液、一般点眼薬、アレルギー用点眼薬、コンタクトレンズ装着液に大別される。
b コンタクトレンズをしたままでの点眼は、ソフトコンタクトレンズ、ハードコンタクトレンズに関わらず、添付文書に使用可能と記載されてない限り行うべきでない。
c 点眼後は、しばらく眼瞼(まぶた)を閉じて、薬液を結膜嚢内に行き渡らせる。その際、目尻を押さえると、薬液が鼻腔内へ流れ込むのを防ぐことができ、効果的とされている。
d 一般用医薬品の点眼薬には、緑内障の症状を改善できるものもあり、目のかすみが緑内障による症状であった場合には改善効果が期待できる。

a b c d
1 正 正 誤 誤
2 正 誤 正 正
3 誤 正 正 正
4 誤 正 誤 誤
5 誤 誤 誤 正

【正解4】
a×一般用医薬品の点眼薬は、その主たる配合成分から、人工涙液、一般点眼薬、アレルギー用点眼薬、「抗菌性点眼薬」に大別される。
b○
c×点眼後は、しばらく眼瞼(まぶた)を閉じて、薬液を結膜嚢内に行き渡らせる。その際、「目頭」を押さえると、薬液が鼻腔内へ流れ込むのを防ぐことができ、効果的とされている。
d×一般用医薬品の点眼薬には、「緑内障の症状を改善できるものはなく、目のかすみが緑内障による症状であった場合には効果が期待できないばかりでなく、配合されている成分によっては、緑内障の悪化につながるおそれがある場合がある」。

問 85 眼科用薬の配合成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a コンドロイチン硫酸ナトリウムは、炎症を生じた眼粘膜の組織修復を促す作用を期待して配合されている。
b スルファメトキサゾールは、ウイルスや真菌の感染による結膜炎やものもらい(麦粒腫)、眼瞼炎などの化膿性の症状の改善を目的として用いられる。
c ナファゾリン塩酸塩は、結膜を通っている血管を収縮させて目の充血を除去することを目的として配合されている。
d アスパラギン酸カリウムは、新陳代謝を促し、目の疲れを改善する効果を期待して配合されている。

1(a、b) 2(a、c) 3(a、d)
4(b、c) 5(c、d)

【正解5】
a×「アズレンスルホン酸ナトリウム(水溶性アズレン)やアラントイン」は、炎症を生じた眼粘膜の組織修復を促す作用を期待して配合されている。
b×スルファメトキサゾールは、「細菌感染(ブドウ球菌や連鎖球菌)」による結膜炎やものもらい(麦粒腫)、眼瞼炎などの化膿性の症状の改善を目的として用いられる。
c○
d○

問 86 外皮用薬に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a スプレー剤やエアゾール剤は、至近距離から同じ部位に5秒以上連続して噴霧することが望ましい。
b 外皮用薬は、表皮の角質層が柔らかくなることで有効成分が浸透しやすくなることから、入浴後に用いるのが効果的とされる。
c 外皮用薬は、局所性の副作用として、適用部位に発疹・発赤、痒み等が現れることがある。
d 軟膏剤やクリーム剤は、薬剤を容器から直接指に取り、患部に塗布したあと、また指に取って、繰り返し塗布することが望ましい。

1(a、b) 2(a、c) 3(a、d)
4(b、c) 5(c、d)

【正解4】
a×スプレー剤やエアゾール剤は「患部から十分離して噴霧し、また、連続して噴霧する時間は3秒以内」とすることが望ましい。
b○
c○
d×軟膏剤やクリーム剤は、「いったん手の甲などに必要量を取ってから患部に塗布する」ことが望ましい。

問 87 きず口等の殺菌消毒薬の配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a アクリノールは、真菌、結核菌、ウイルスに対する殺菌消毒作用を示すが、連鎖球菌、黄色ブドウ球菌に対しては効果がない。
b ポビドンヨードは、ヨウ素をポリビニルピロリドン(PVP)と呼ばれる担体に結合させて水溶性とし、徐々にヨウ素が遊離して殺菌作用を示す。
c オキシドールの作用は持続的で、組織への浸透性は高い。
d ベンザルコニウム塩化物は、石けんとの混合によって殺菌消毒効果が低下するので、石けんで洗浄した後に使用する場合には、石けんを十分に洗い流す必要がある。

a b c d
1 正 正 誤 正
2 正 誤 正 誤
3 誤 正 正 正
4 誤 正 誤 正
5 誤 誤 正 誤

【正解4】
a×アクリノールは、「一般細菌類の一部(連鎖球菌、黄色ブドウ球菌などの化膿菌)」に対する殺菌消毒作用を示すが、「真菌、結核菌、ウイルス」に対しては効果がない。
b○
c×オキシドールの作用は「持続性が乏しく」、組織への浸透性は「低い」。
d○

問 88 外皮用薬に用いられるステロイド性抗炎症成分に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 ヒドロコルチゾンは、水痘(水疱瘡)、みずむし、たむしに使用することができる。
2 ステロイド性抗炎症成分をコルチゾンに換算して1g又は1mL中0.025mgを超えて含有する製品では、特に長期連用を避ける必要がある。
3 主なステロイド性抗炎症成分として、デキサメタゾン、プレドニゾロン酢酸エステル、ケトプロフェン等がある。
4 ステロイド性抗炎症成分は、広範囲に生じた皮膚症状や、慢性の湿疹・皮膚炎を対象とするものである。
5 ステロイド性抗炎症成分は、ステロイド骨格を持ち、NSAIDsと呼ばれる。

【正解2】
1×ヒドロコルチゾンは、「水痘(水疱瘡)、みずむし、たむし等又は化膿している患部については症状を悪化させるおそれがあり、使用を避ける必要がある」。
2〇
3×主なステロイド性抗炎症成分として、デキサメタゾン、プレドニゾロン酢酸エステル、「ヒドロコルチゾン」等がある。ケトプロフェンは非ステロイド性抗炎症成分。
4×ステロイド性抗炎症成分は、広範囲に生じた皮膚症状や、慢性の湿疹・皮膚炎を対象とするものでは「ない」。
5×「非ステロイド性抗炎症成分」はNSAIDsと呼ばれる。

問 89 外皮用薬の配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a フェルビナクは、プロスタグランジンの産生を抑える作用を示す。
b ユーカリ油は、皮膚に温感刺激を与え、末梢血管を拡張させて患部の血行を促す効果を期待して配合されている。
c クロタミトンは、皮膚に軽い灼熱感を与えることで痒みを感じにくくさせる効果を期待して配合されている場合がある。
d ヘパリン類似物質は、血液凝固を抑える働きがあるため、出血性血液疾患(血友病、血小板減少症、紫斑症など)の診断を受けた人では、使用を避ける必要がある。

a b c d
1 正 誤 正 正
2 正 誤 誤 誤
3 正 正 誤 正
4 誤 正 誤 誤
5 誤 誤 正 正

【正解1】
a○
b×ユーカリ油は、温感刺激ではなく「冷感刺激成分」。
c○
d○

問 90 みずむし・たむし用薬の配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a ミコナゾール硝酸塩は、皮膚糸状菌の細胞膜を構成する成分の産生を妨げたり、細胞膜の透過性を変化させることにより、その増殖を抑える。
b ブテナフィン塩酸塩は、患部を酸性にすることで、皮膚糸状菌の発育を抑える。
c シクロピロクスオラミンは、皮膚糸状菌の細胞膜に作用して、その増殖・生存に必要な物質の輸送機能を妨げ、その増殖を抑える。
d モクキンピ(アオイ科のムクゲの幹皮を基原とする生薬)のエキスは、皮膚糸状菌の増殖を抑える作用を期待して用いられる。

a b c d
1 正 正 正 正
2 正 誤 正 正
3 誤 正 誤 正
4 正 誤 誤 誤
5 誤 正 正 誤

【正解2】
a○
b×「ウンデシレン酸、ウンデシレン酸亜鉛」は、患部を酸性にすることで、皮膚糸状菌の発育を抑える。
c○
d○
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