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【令和5年度・首都圏②】登録販売者過去問解説【人体の働きと医薬品】

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令和5年度・首都圏【午前】

人体の働きと医薬品(全20問)

問 21
消化器系に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 歯冠の表面は象牙質で覆われ、象牙質の下にはエナメル質と呼ばれる硬い骨状の組織がある。
b 飲食物を飲み込む運動(嚥下)が起きるときには、喉頭の入り口にある弁(喉頭蓋)が反射的に開くことにより、飲食物が喉頭や気管に流入せずに食道へと送られる。
c 胃は、食道から内容物が送られてくると、その刺激に反応して胃壁の平滑筋が弛緩し、容積が拡がる(胃適応性弛緩)。
d 胃粘液に含まれる成分は、小腸におけるビタミンB12の吸収に重要な役割を果たしている。

a b c d
1 誤 誤 正 正
2 正 誤 誤 正
3 誤 正 誤 誤
4 正 正 正 誤
5 誤 正 正 正

【正解1】
a×歯冠の表面は「エナメル質」で覆われ、「エナメル質」の下には「象牙質」と呼ばれる硬い骨状の組織がある。
b×喉頭の入り口にある弁(喉頭蓋)が反射的に「閉じる」ことにより、飲食物が喉頭や気管に流入せずに食道へと送られる。
c○
d○

問 22
消化器系に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 膵臓は、炭水化物、タンパク質、脂質のそれぞれを消化する酵素の供給を担っている。
b 肝臓で産生された胆汁に含まれる胆汁酸塩(コール酸、デオキシコール酸等の塩類)は、タンパク質の消化を容易にし、また、水溶性ビタミンの吸収を助ける。
c 大腸は、盲腸、虫垂、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸からなる管状の臓器で、内壁粘膜に絨毛がある。
d 肛門には動脈が細かい網目状に通っていて、肛門周囲の組織がうっ血すると痔の原因となる。

a b c d
1 誤 正 誤 誤
2 正 誤 誤 誤
3 正 正 誤 正
4 正 誤 正 正
5 誤 正 正 誤

【正解2】
a○
b×胆汁酸塩は、「脂溶性」ビタミンの吸収を助ける。
c×大腸は、内壁粘膜に絨毛が「ない」。
d×肛門には「静脈」が細かい網目状に通っている。

問 23
呼吸器系に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 鼻腔の内壁には粘液分泌腺が多く分布し、鼻汁を分泌する。
b 喉頭は、発声器としての役割もあり、呼気で喉頭上部にある声帯を振動させて声が発せられる。
c 喉頭から肺へ向かう気道が左右の肺へ分岐するまでの部分を気管支といい、そこから肺の中で複数に枝分かれする部分を気管という。
d 肺自体には肺を動かす筋組織がないため、自力で膨らんだり縮んだりするのではなく、横隔膜や肋間筋によって拡張・収縮して呼吸運動が行われている。

a b c d
1 正 正 誤 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 誤
4 誤 誤 誤 正
5 誤 正 正 誤

【正解2】
a○
b○
c×喉頭から肺へ向かう気道が左右の肺へ分岐するまでの部分を「気管」といい、そこから肺の中で複数に枝分かれする部分を「気管支」という。
d○

問 24
循環器系に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 心臓の内部は上部左右の心房、下部左右の心室の4つの空洞に分かれており、心室で血液を集めて心房に送り、心房から血液を拍出する。
b 血管壁にかかる圧力(血圧)は、通常、上腕部の動脈で測定され、心臓が収縮したときの血圧を最小血圧という。
c 四肢を通る静脈では血流が重力の影響を受けやすいため、一定の間隔で存在する内腔に向かう薄い帆状のひだ(静脈弁)が発達しており、血液の逆流を防いでいる。
d 消化管壁を通っている毛細血管の大部分は、門脈と呼ばれる血管に集まって肝臓に入る。

1(a、b) 2(a、c) 3(b、c) 4(b、d) 5(c、d)

【正解5】
a×「心房」で血液を集めて「心室」に送り、「心室」から血液を拍出する。
b×心臓が収縮したときの血圧を「最大血圧」という。最小血圧は、「心臓が弛緩したときの血圧」である。
c○
d○

問 25
血液及びリンパ系に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 血漿は、90%以上が水分からなり、アルブミン、グロブリン等のタンパク質のほか、微量の脂質、糖質、電解質を含む。
b 血液の粘稠性は、主として血漿の水分量や血中脂質量で決まり、赤血球の量はほとんど影響を与えない。
c リンパ球は、血液中の白血球の中で最も数が多く、白血球の約60%を占めている。
d リンパ管は、互いに合流して次第に太くなり、最終的に鎖骨の下にある動脈につながるが、途中にリンパ節と呼ばれる結節がある。

a b c d
1 正 正 誤 正
2 正 誤 誤 誤
3 正 誤 正 誤
4 誤 誤 誤 正
5 誤 正 正 誤

【正解2】
a○
b×血液の粘稠性は、主として血漿の水分量や「赤血球の量」で決まり、「血中脂質量」はほとんど影響を与えない。
c×記述は、「好中球」の内容である。リンパ球は、「白血球の約1/3を占めている」。
d×リンパ管は、互いに合流して次第に太くなり、最終的に鎖骨の下にある「静脈」につながる。

問 26
泌尿器系に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a 腎小体では、原尿中のブドウ糖やアミノ酸等の栄養分及び血液の維持に必要な水分や電解質が再吸収される。
b 腎臓には内分泌腺としての機能もあり、骨髄における赤血球の産生を促進するホルモンを分泌する。
c 副腎皮質では、自律神経系に作用するアドレナリンとノルアドレナリンが産生・分泌される。
d 女性は尿道が短いため、細菌などが侵入したとき膀胱まで感染を生じやすい。

1(a、b) 2(a、c) 3(a、d) 4(b、d) 5(c、d)

【正解4】
a×記述は、「尿細管」の内容である。
腎小体では、「肝臓でアミノ酸が分解されて生成する尿素など、血液中の老廃物が濾過され、原尿として尿細管へ入る」。
b○
c×記述は、「副腎髄質」の内容である。
副腎皮質では、「副腎皮質ホルモン」が産生・分泌される。
d○

問 27
目に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 水晶体の前には虹彩があり、瞳孔を散大・縮小させて眼球内に入る光の量を調節している。
b 水晶体は、その周りを囲んでいる毛様体の収縮・弛緩によって、遠くの物を見るときには丸く厚みが増し、近くの物を見るときには扁平になる。
c 結膜の充血では白目の部分だけでなく眼瞼の裏側も赤くなるが、強膜が充血したときは眼瞼の裏側は赤くならない。
d 涙器は、涙液を分泌する涙腺と、涙液を鼻腔に導出する涙道からなる。

a b c d
1 誤 誤 誤 正
2 正 正 誤 誤
3 正 誤 正 誤
4 正 誤 正 正
5 誤 正 正 正

【正解4】
a○
b×水晶体は、その周りを囲んでいる毛様体の収縮・弛緩によって、「近く」の物を見るときには丸く厚みが増し、「遠く」の物を見るときには扁平になる。
c○
d○

問 28
鼻及び耳に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a 鼻中隔の前部は、毛細血管が少ないことに加えて粘膜が厚いため、傷つきにくく鼻出血を起こしにくい。
b 鼻腔と副鼻腔を連絡する管は非常に狭いため、鼻腔粘膜が腫れると副鼻腔の開口部がふさがりやすくなり、副鼻腔に炎症を生じることがある。
c 小さな子供では、耳管が太く短くて、走行が水平に近いため、鼻腔からウイルスや細菌が侵入し、感染が起こりやすい。
d 内耳は、平衡器官である蝸牛と、聴覚器官である前庭からなり、いずれも内部はリンパ液で満たされている。

1(a、b) 2(a、c) 3(b、c) 4(b、d) 5(c、d)

【正解3】
a×鼻中隔の前部は、毛細血管が「豊富に分布している」ことに加えて粘膜が「薄い」ため、「傷つきやすく鼻出血を起こしやすい」。
b○
c○
d×内耳は、「聴覚器官」である蝸牛と、「平衡器官」である前庭からなる。

問 29
外皮系に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 角質層は、細胞膜が丈夫な線維性のセラミドでできた板状の角質細胞と、ケラチンを主成分とする細胞間脂質で構成されている。
b メラニン色素は、皮下組織にあるメラニン産生細胞(メラノサイト)で産生され、太陽光に含まれる紫外線から皮膚組織を防護する役割がある。
c 毛球の下端のへこんでいる部分を毛乳頭といい、毛乳頭には毛細血管が入り込んで、取り巻く毛母細胞に栄養分を運んでいる。
d 汗腺には、アポクリン腺とエクリン腺の二種類があり、アポクリン腺は手のひらなど毛根がないところも含め全身に分布する。

a b c d
1 正 正 誤 誤
2 正 誤 誤 正
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 正 正
5 誤 誤 正 誤

【正解5】
a×角質層は、細胞膜が丈夫な線維性の「タンパク質(ケラチン)」でできた板状の角質細胞と、「セラミド(リン脂質の一種)」を主成分とする細胞間脂質で構成されている。
b×メラニン色素は、「表皮の最下層」にあるメラニン産生細胞(メラノサイト)で産生される。
c○
d×アポクリン腺は、「腋窩(わきのした)などの毛根部」に分布する。
手のひらなど毛根がないところも含め全身に分布するのは、「エクリン腺」である。

問 30
骨格系及び筋組織に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a 骨の基本構造は、主部となる骨質、骨質表面を覆う骨膜、骨質内部の骨髄、骨の接合部にある関節軟骨の四組織からなる。
b 骨組織を構成する無機質は骨に硬さを与え、有機質(タンパク質及び多糖体)は骨の強靱さを保つ。
c 平滑筋は、筋線維を顕微鏡で観察すると横縞模様(横紋)が見えるので横紋筋とも呼ばれる。
d 不随意筋は体性神経系で支配されるのに対して、随意筋は自律神経系に支配されている。

1(a、b) 2(a、c) 3(b、c) 4(b、d) 5(c、d)

【正解1】
a○
b○
c×記述は、「骨格筋」の内容である。
平滑筋は、「筋線維に骨格筋のような横縞模様がない」。
d×「随意筋」は体性神経系で支配されるのに対して、「不随意筋」は自律神経系に支配されている。
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