平成29年(2017)・首都圏ブロック
この科目の目的はこれ!
❶医薬品の本質、効き目や安全性に影響を与える要因等について理解していること
❷購入者等から医薬品を使用しても症状が改善しないなどの相談があった場合には、医療機
関の受診を勧奨するなど、適切な助言を行うことができること
❸薬害の歴史を理解し、医薬品の本質等を踏まえた適切な販売等に努めることができること
医薬品に共通する特性と基本的な知識(全20問)
問1
医薬品の本質に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 医薬品は、多くの場合、人体に取り込まれて作用し、効果を発現させるものである。
b 人体に対して使用されない医薬品は、人の健康に影響を与えることはない。
c 医薬品は、必ずしも期待される有益な効果(薬効)のみをもたらすとは限らず、好ましくない反応(副作用)を生じる場合もある。
…….a b c
1 正 正 正
2 誤 正 誤
3 正 誤 正
4 誤 誤 正
5 正 正 誤
問2
医薬品の本質に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 一般用医薬品は、一般の生活者が自ら選択し、使用するものであり、添付文書を見れば、効能効果や副作用等について誤解や認識不足を生じることはない。
b 医薬品は、効能効果、用法用量、副作用等の必要な情報が適切に伝達されることを通じて、購入者が適切に使用することにより、初めてその役割を十分に発揮するものである。
c 医薬品は、市販後にも、医学・薬学等の新たな知見、使用成績等に基づき、その有効性、安全性等の確認が行われる仕組みになっている。
d 一般用医薬品は、医療用医薬品と比較して、保健衛生上のリスクは相対的に高い。
1 ( a、b ) 2 ( a、c ) 3 ( a、d )
4 ( b、c ) 5 ( b、d )
問3
医薬品のリスク評価に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 医薬品の効果とリスクは、薬物暴露時間と暴露量との積で表現される用量ー反応関係に基づいて評価される。
b 少量の投与でも長期投与されれば、慢性的な毒性が発現する場合もある。
c ヒトを対象とした臨床試験における効果と安全性の評価基準には、国際的にGood Laboratory Practice (GLP)が制定されている。
d 動物実験で求められる5 0 %致死量(LD50)は、薬物の有効性の指標として用いられる。
1 ( a、b ) 2 ( a、c) 3(b、c )
4 ( b、 d ) 5(c、d )
GLPとは医薬品の非臨床試験における安全性の基準です!
医薬品の副作用に関する次の記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組合せはどれか。
世界保健機関(WHO)の定義によれば、医薬品の副作用とは、「疾病の( a )、 診断、治療のため、又は身体の機能を正常化するために、人に( b )で発現する医薬品の有害かつ(c)反応」とされている。
……….a b c
1 検査 最大用いられる量 予測できる
2 予防 最大用いられる量 意図しない
3 検査 通常用いられる量 意図しない
4 検査 通常用いられる量 予測できる
5 予防 通常用いられる量 意図しない
問5
医薬品の副作用に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 医薬品の副作用は、薬理作用によるものと、アレルギー(過敏反応)によるものに大別される。
b 複数の疾病を有する人の場合、ある疾病のために使用された医薬品の作用が、その疾病に対して薬効をもたらす一方、別の疾病に対しては症状を悪化させたり、治療が妨げられたりすることもある。
c 一般用医薬品は、通常、その使用を中断することによる不利益よりも、重大な副作用を回避することが優先される。
d 副作用は、容易に異変を自覚できるものをいい、直ちに明確な自覚症状として現れないものは、 副作用とはいわない。
……..a b c d
1 正 正 正 正
2 正 誤 誤 正
3 正 正 正 誤
4 誤 正 誤 正
5 誤 誤 正 誤
問6
アレルギ―(過敏反応)に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 医薬品によるアレルギーは、外用薬では引き起こされることはない。
b 医薬品の有効成分だけでなく、基本的に薬理作用がない添加物も、アレルギーを引き起こす原因物質(アレルゲン)となり得る。
c 医薬品によるアレルギーを起こしたことがない人は、病気等に対する抵抗力が低下している状態でも、アレルギーを生じることはない。
……a b c
1 正 正 正
2 誤 正 誤
3 正 誤 正
4 誤 誤 正
5 正 正 誤
問7
医薬品の不適正な使用と有害事象に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 小児への使用を避けるべき医薬品を「子供だから大人用のものを半分にして飲ませればよい」として服用させるなど、安易に医薬品を使用する場合には、有害事象につながる危険性が高い。
b 薬物依存は、一度形成されても、そこから離脱することは容易である。
c 一般用医薬品は、乱用を繰り返しても、臓器障害等は生じない。
d 医薬品の不適正な使用は、概ね、使用する人の誤解や認識不足に起因するものと医薬品を本来の目的以外の意図で使用するものに大別される。
1 ( a、b ) 2 ( a、c ) 3 ( a、d )
4 ( b、c ) 5 ( b、 d )
問8
医薬品等の相互作用に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 複数の医薬品を併用した場合、医薬品の作用が増強することがあるが、減弱することはない。
b 相互作用には、医薬品が吸収、代謝(体内で化学的に変化すること)、分布又は排泄される過程で起こるものと、医薬品が薬理作用をもたらす部位において起こるものがある。
c 相互作用を回避するには、通常、ある医薬品を使用している期間やその前後を通じて、その医薬品との相互作用を生じるおそれのある医薬品や食品の摂取を控えなければならない。
d 外用薬や注射薬は、食品によって医薬品の作用や代謝に影響を受けることはない。
1 ( a、b ) 2 ( a、c) 3 ( a、d )
4 ( b、c ) 5 ( c、d )
問9
小児等への医薬品の使用に関する次の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 錠剤、カプセル剤等は小児等にそのまま飲み下させることが難しいことが多いため、5歳未満の幼児に使用される錠剤やカプセル剤などの医薬品では、服用時に喉につかえやすいので注意するよう添付文書に記載されている。
b 医薬品が喉につかえると、大事に至らなくても咳き込んで吐き出し、苦しむことになり、その体験から乳幼児に医薬品の服用に対する拒否意識を生じさせることがある。
c 乳児向けの用法用量が設定されている一般用医薬品であっても、基本的には医師の診療を受けることが優先され、一般用医薬品による対処は最小限(夜間等、医師の診療を受けることが困難な場合) にとどめるのが望ましい。
d 小児は、大人と比べて身体の大きさに対して腸が短く、服用した医薬品の吸収率が相対的に低い。
…..a b c d
1 正 正 正 正
2 誤 誤 正 誤
3 正 誤 誤 正
4 正 正 正 誤
5 誤 正 誤 正
乳児:1歳未満、幼児:7歳未満、小児:15歳未満。覚えておきましょう
問10
高齢者への医薬品の使用に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 医薬品の使用上の注意においては、おおよその目安として6 5歳以上を「高齢者」としている。
b 高齢者の生理機能の衰えの度合いは、個人差が大きく、年齢のみから一概にどの程度リスクが増大しているかを判断することは難しい。
c 一般に高齢者は、一般用医薬品を使用する際、原則として定められた用量の範囲よりも少ない用量で使用しなければならない。
d 高齢者は持病(基礎疾患)を抱えていることが多いが、定められた用法用量で使用する限り、一般用医薬品の使用により基礎疾患が悪化することはない。
1 ( a、b ) 2( a、c )3 ( a、d )
4 ( b、c ) 5 ( b、d )