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【令和4年度・東海北陸②】登録販売者過去問解説【主な医薬品とその作用】

過去問題・解説

問 31 胃の薬及びその配合成分に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

1 セトラキサート塩酸塩は、体内で代謝されてトラネキサム酸を生じることから、血栓のある人、血栓を起こすおそれのある人では、使用する前にその適否について、治療を行っている医師又は処方薬の調剤を行った薬剤師に相談がなされるべきである。
2 ピレンゼピン塩酸塩は、その抗コリン作用により、排尿困難、動悸、目のかすみの副作用を生じることがある。
3 胃の不調を改善する目的で用いられる漢方処方製剤としては、安中散、人参湯(理中丸)、平胃散、六君子湯等があるが、どれも作用が穏やかであるため、改善が見られるまで半年程度継続して服用する必要がある。
4 一般用医薬品の胃薬(制酸薬、健胃薬、消化薬)は、一時的な胃の不調に伴う諸症状を緩和する目的で使用されるものであり、慢性的に胸やけや胃部不快感、胃部膨満感等の症状が現れる場合は、医療機関を受診するなどの対応が必要である。

【正解3】
1〇
2〇
3×漫然と長期の使用は避け、1週間位使用しても症状の改善がみられないときは、いったん使用を中止して専門家に相談がなされるべき場合等もある。
4〇

問 32 次の表は、一般用医薬品に含まれている主な有効成分の一覧を示したものである。この医薬品に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

3包(成人1日服用量)中
カルニチン塩化物  450mg
チンピ乾燥エキス(チンピ1,200mg より抽出) 150mg
コウボク乾燥エキス(コウボク240mg より抽出)  20mg
チョウジ末   30mg
カンゾウ   150mg
合成ヒドロタルサイト  700mg

a 消化酵素が配合されているため、胃の内容物の消化が期待できる。
b カルニチン塩化物は、胃液分泌を促す、胃の運動を高める、胃壁の循環血流を増す等の作用があるとされる。
c 透析療法を受けている人でも安全に服用できる。
d 制酸と健胃のように相反する作用を期待するものが配合されている。

1 (a、c)
2 (b、c)
3 (b、d)
4 (a、d)

【正解3】
a×消化成分として、ジアスターゼ、プロザイム、ニューラーゼ、リパーゼ等があるが、「この医薬品には配合されていない」。
b〇
c×透析療法を受けている人は、「アルミニウムを含む成分の使用を避ける必要がある。合成ヒドロタルサイトはアルミニウムを含んでいる。」
d〇

問 33 呼吸器官に作用する薬の生薬成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a キョウニンは、体内で分解されて生じた代謝物による去痰作用と抗菌作用を期待して用いられる。
b オウヒは、バラ科のヤマザクラ又はカスミザクラの根を基原とする生薬で、鎮咳作用を期待して用いられる。
c セキサンは、ヒガンバナ科のヒガンバナ鱗茎を基原とする生薬で、去痰作用を期待して用いられる。
d ミルラは、カンラン科のミルラノキ等の植物の皮部の傷口から流出して凝固した樹脂を基原とする生薬で、咽頭粘膜をひきしめる(収斂)作用のほか、抗菌作用も期待して用いられる。

a b c d
1 誤 誤 正 正
2 正 誤 誤 正
3 正 正 誤 誤
4 正 正 正 誤
5 誤 正 正 正

【正解1】
a×キョウニンは、体内で分解されて生じた代謝物の一部が「延髄の呼吸中枢、咳嗽中枢を鎮静させる」作用を示す。
b×オウヒは、バラ科のヤマザクラ又はカスミザクラの「樹皮」を基原とする生薬で、「去痰」作用を期待して用いられる。
c〇
d〇

問 34 止瀉薬及びその配合成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a 収斂成分を主体とする止瀉薬は、細菌性の下痢や食中毒の時に使用すると、かえって状態を悪化させるおそれがある。
b タンニン酸アルブミンに含まれるアルブミンは、牛乳に含まれるタンパク質(カゼイン)から精製された成分であるため、牛乳にアレルギーがある人では使用を避ける必要がある。
c ロペラミド塩酸塩を含む一般用医薬品は、食べすぎ・飲みすぎによる下痢、寝冷えによる下痢の症状に用いられることを目的としており、15歳未満の小児にも適用がある。
d 天然ケイ酸アルミニウムは、その抗菌作用により、細菌感染を原因とする下痢の症状を鎮めることを目的として配合される。

1(a、b) 2(b、c)
3(c、d) 4(a、d)

【正解1】
a〇
b〇
c×外国で乳幼児が過量摂取した場合に、中枢神経系障害、呼吸抑制、腸管壊死に至る麻痺性イレウスを起こしたとの報告があるため、15歳未満の小児には適用が「ない」。
d×記述は、「ベルベリン塩化物、タンニン酸ベルベリン、アクリノール等」の内容。
天然ケイ酸アルミニウムは、腸管内の異常発酵等によって生じた有害な物質を吸着させる成分。

問 35 瀉下薬の配合成分に関する記述のうち、正しいものはどれか。

1 ヒマシ油は、防虫剤や殺鼠剤などの脂溶性の物質を誤って飲み込んだ際、それらを腸管内からすみやかに体外へ排出することを目的として用いられる。
2 マルツエキスは、急激で強い瀉下作用(峻下作用)を示すため、妊婦や乳幼児への使用は避けることとされている。
3 センナ中に存在するセンノシドは、胃や小腸で消化され、分解生成物が小腸を刺激して瀉下作用をもたらす。
4 ジオクチルソジウムスルホサクシネート(DSS)は、腸内容物に水分が浸透しやすくする作用があり、糞便中の水分量を増して柔らかくすることによる瀉下作用を期待して用いられる。

【正解4】
1×ナフタレンやリン等がヒマシ油に溶け出して中毒症状を増悪させるおそれがあるため、脂溶性の物質による中毒には「使用を避ける必要がある」。
2×記述は、「ヒマシ油」の内容。マルツエキスは、瀉下薬としては比較的作用が穏やかなため、主に乳幼児の便秘に用いられる。
3×胃や腸で消化「されない」が、大腸に生息する腸内細菌によって分解され、分解生成物が「大腸」を刺激して瀉下作用をもたらす。
4〇

問 36 1~5で示される成分のうち、抗コリン作用により胃腸鎮痛鎮痙作用を示すものとして誤っているものはどれか。

1 ブチルスコポラミン臭化物
2 チキジウム臭化物
3 ジサイクロミン塩酸塩
4 ロートエキス
5 オキセサゼイン

【正解5】
1〇
2〇
3〇
4〇
5×オキセサゼインは、「局所麻酔成分」である。

問 37 心臓などの器官や血液に作用する薬及びその配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a センソは、微量で強い強心作用(心筋に直接刺激を与え、その収縮力を高める作用)を示す生薬であり、通常用量において悪心(吐きけ)、嘔吐の副作用が現れることがある。
b 苓桂朮甘湯には、強心作用の期待されるカンゾウが含まれており、高血圧、心臓病、腎臓病の診断を受けた人でも安全に使用することができる。
c ゴオウは、強心作用のほか、呼吸中枢を刺激して呼吸機能を高めたり、意識をはっきりさせる等の作用があるとされる。
d リュウノウは、中枢神経系の刺激作用による気つけの効果を期待して、強心薬に配合されることがある。

a b c d
1 正 誤 誤 正
2 誤 正 誤 誤
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 誤 正
5 誤 誤 正 誤

【正解1】
a〇
b×「強心作用が期待される生薬は含まれていない。」カンゾウを含むため、高血圧、心臓病、腎臓病の診断を受けた人では、「偽アルドステロン症を生じやすい」。
c×記述は、「ジャコウ」の内容。ゴオウは、強心作用のほか、末梢血管の拡張による血圧降下、興奮を静める等の作用があるとされる。
d〇

問 38 第1欄の記述は、循環器用薬に含まれる成分に関するものである。該当する成分は第2欄のどれか。

第1欄
肝臓や心臓などの臓器に多く存在し、エネルギー代謝に関与する酵素の働きを助ける成分で、摂取された栄養素からエネルギーが産生される際にビタミンB群とともに働く。別名コエンザイムQ10とも呼ばれる。

第2欄
1 ヘプロニカート
2 イノシトールヘキサニコチネート
3 ニコチン酸
4 ユビデカレノン
5 ルチン

【正解4】

問 39 高コレステロール改善薬及びその配合成分に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

1 大豆油不けん化物(ソイステロール)、リノール酸を含む植物油、パンテチン等を有効成分として含む医薬品の使用により、悪心(吐きけ)、胸やけ、下痢等の副作用が現れることがある。
2 パンテチンは、高密度リポタンパク質(HDL)等の異化排泄を促進し、リポタンパクリパーゼ活性を高めて、低密度リポタンパク質(LDL)産生を高める作用があるとされる。
3 リボフラビンは、体内で酵素により活性化され、糖質、脂質の生体内代謝に広く関与する。
4 リボフラビンの摂取によって尿が黄色くなることがあるが、これは使用の中止を要する副作用等の異常ではない。

【正解2】
1〇
2×「低密度リポタンパク質(LDL)」等の異化排泄を促進し、リポタンパクリパーゼ活性を高めて、「高密度リポタンパク質(HDL)」産生を高める作用があるとされる。
3〇
4〇

問 40 貧血用薬(鉄製剤)に配合される金属成分に関する記述について、(  )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせはどれか。なお、同じ記号の(  )内には同じ字句が入る。

( a )は、ヘモグロビンの産生過程で、鉄の代謝や輸送に重要な役割を持つ。補充した鉄分を利用してヘモグロビンが産生されるのを助ける目的で、硫酸( a )が配合されている場合がある。
( b )は、ビタミンB12の構成成分であり、骨髄での造血機能を高める目的で、硫酸( b )が配合されている場合がある。
( c )は、糖質・脂質・タンパク質の代謝をする際に働く酵素の構成物質であり、エネルギー合成を促進する目的で、硫酸( c )が配合されている場合がある。

1 a 銅     bマンガン  cコバルト
2 a マンガン  bコバルト  c銅
3 a コバルト  bマンガン  c銅
4 a マンガン  b銅     cコバルト
5 a 銅     bコバルト  cマンガン

【正解5】
( a銅 )は、ヘモグロビンの産生過程で、鉄の代謝や輸送に重要な役割を持つ。補充した鉄分を利用してヘモグロビンが産生されるのを助ける目的で、硫酸( a銅 )が配合されている場合がある。
( bコバルト )は、ビタミンB12の構成成分であり、骨髄での造血機能を高める目的で、硫酸( bコバルト )が配合されている場合がある。
( cマンガン )は、糖質・脂質・タンパク質の代謝をする際に働く酵素の構成物質であり、エネルギー合成を促進する目的で、硫酸( cマンガン )が配合されている場合がある。
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