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【平成29年・首都圏】登録販売者過去問解説【人体の働きと医薬品】

過去問題・解説
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平成29年(2017)・首都圏ブロック

この科目の目的はこれ!

身体の構造と働き、薬の働く仕組み、副作用の症状等に関する基本的な知識を、購入者への情報提供や相談対応に活用できること

人体の働きと医薬品(全20問)

問 1
消化器系に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 腸内に放出された胆汁酸塩の大部分は、大腸で再吸収されて肝臓に戻される。
b ヘモグロビンが分解して生じたビリルビンは肝臓で代謝されるが、肝機能障害や胆管閉塞などを起こすとビリルビンが循環血液中に滞留して、黄疸 だん (皮膚や白目が黄色くなる症状等)を生じる。
c 大腸の粘膜上皮細胞は、腸内細菌が食物繊維を分解して生じる栄養分を、その活動に利用しており、大腸が正常に働くには、腸内細菌の存在が重要である。
d 膵液は、デンプンを分解するリパーゼ、脂質を分解するアミラーゼなど、多くの消化酵素を含んでいる。

…a b c d
1 正 正 誤 正
2 正 誤 誤 正
3 正 正 正 誤
4 誤 誤 正 正
5 誤 正 正 誤

【正解5】
a× 胆汁酸塩の大部分は、大腸ではなく、小腸で再吸収され肝臓に戻される。
d× 膵液は、デンプンを分解するアミラーゼ、脂質を分解するのがリパーゼなど、多くの消化酵素を含んでいる。

問 2
消化器系に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 唾液には、デンプンをデキストリンや麦芽糖に分解する消化酵素(プチアリン)が含まれる。b 十二指腸の上部を除く小腸の内壁には輪状のひだがあり、その粘膜表面は 絨毛(柔突起ともいう)に覆われてビロード状になっている。
c 膵臓は、消化腺であるとともに、血糖値を調節するホルモンであるトリプシノーゲンを血液中に分泌する内分泌腺である。

….a b c
1 正 正 正
2 正 正 誤
3 正 誤 正
4 誤 誤 正
5 誤 正 誤

【正解2】
c× 膵臓は、消化腺であるとともに、血糖値を調節するホルモン(インスリン及びグルカゴン)等を血液中に分泌する内分泌腺でもある。

トリプシノーゲンは、膵臓が分泌する消化液に含まれるタンパク質分解酵素

問 3
呼吸器系に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a 喉頭の後壁にある扁桃はリンパ組織が集まってできていて、気道に侵入してくる細菌、ウイルス等に対する免疫反応が行われる。
b 鼻汁にはリゾチームが含まれ、気道の防御機構の一つとなっている。
c 肺自体には肺を動かす筋組織がないため、自力で膨らんだり縮んだりするのではなく、横隔膜や肋間筋によって拡張・収縮して呼吸運動が行われている。
d 肺胞の壁を介して、心臓から送られてくる血液から酸素が肺胞気中に拡散し、代わりに二酸化炭素が血液中の赤血球に取り込まれるガス交換が行われる。

1(a、b) 2(a、c) 3(a、d)
4(b、c) 5(b、d)

【正解4】
a× 咽頭の後壁にある扁桃はリンパ組織が集まってできていて、気道に侵入してくる細菌、ウイルス等に対する免疫反応が行われる。
d× 肺胞の壁を介して、心臓から送られてくる血液から二酸化炭素が肺胞気中に拡散し、代わりに酸素が血液中の赤血球に取り込まれるガス交換が行われる。

喉頭は、咽頭と気管の間にある軟骨に囲まれた円筒状の器官で、「のどぼとけ」と覚えておきましょう

問 4
循環器系に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 肺でのガス交換が行われた血液は、心臓の左心房、左心室に入り、そこから全身に送り出される。
b 血液の粘稠性は、主として血漿の水分量や血中脂質量で決まり、赤血球の量はほとんど影響を与えない。
c 脾臓には、リンパ球が増殖、密集する組織(リンパ組織)があり、血流中の細菌やウイルス等の異物に対する免疫応答に関与する。
d リンパ球は、血管壁を通り抜けて組織の中に入り込むことができ、組織の中ではマクロファージ(貪食細胞)と呼ばれる。

….a b c d
1 正 正 誤 誤
2 正 誤 誤 正
3 正 誤 正 誤
4 誤 誤 正 正
5 誤 正 正 誤

【正解3】
b× 血液の粘稠性は、主として血漿の水分量や赤血球の量で決まり、血中脂質量はほとんど影響を与えない。
d× 単球は、血管壁を通り抜けて組織の中に入り込むことができ、組織の中ではではマクロファージ(貪食細胞)と呼ばれる。

単球は、白血球の約5%と少ないですが最も大きく、強い食作用を持っています

問 5
泌尿器系に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a 腎小体では、原尿中のブドウ糖やアミノ酸等の栄養分及び血液の維持に必要な水分や電解質が再吸収される。
b 腎臓には内分泌腺としての機能があり、骨髄における赤血球の産生を促進するホルモンを分泌する。
c 副腎皮質ホルモンの一つであるアルドステロンは、体内にカリウムと水を貯留し、塩分の排泄を促す作用があり、電解質と水分の排出調節の役割を担っている。
d 健康な状態であれば、膀胱中の尿には細菌等の微生物は存在しない。

1(a、b) 2(a、c) 3(b、c)
4(b、d) 5(c、d)

【正解4】
a× 尿細管では、原尿中のブドウ糖やアミノ酸等の栄養分及び血液の維持に必要な水分や電解質が再吸収される。
c× 副腎皮質ホルモンの一つであるアルドステロンは、体内に塩分と水を貯留し、カリウムの排泄を促す作用がある。

問 6
目に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a 結膜には光を受容する細胞(視細胞)が密集していて、個々の視細胞は神経線維につながり、それが束になって眼球の後方で視神経となる。
b ビタミンAが不足すると夜間視力の低下(夜盲症)を生じることがある。
c 眼瞼は、皮下組織が少なく薄くできているため、内出血や裂傷を生じやすく、また、むくみ(浮腫)等、全身的な体調不良(薬の副作用を含む)の症状が現れやすい部位である。
d 涙腺は、上眼瞼の裏側にある分泌腺で、リンパ液から涙液を産生する。

1(a、b) 2(a、c) 3(a、d)
4(b、c) 5(b、d)

【正解4】
a× 網膜には光を受容する細胞(視細胞)が密集していて、個々の視細胞は神経線維につながり、それが束になって眼球の後方で視神経となる。
d× 涙腺は、上眼瞼の裏側にある分泌腺で、血漿から涙液を産生する。

問 7
耳に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a 耳垢は、内耳にある耳垢腺や皮脂腺からの分泌物に、 埃や内耳上皮の老廃物などが混じったものである。
b 蝸牛の内部は、リンパ液で満たされているが、前庭の内部は、空洞である。
c 耳は、聴覚情報と平衡感覚を感知する器官で、外耳、中耳、内耳からなる。
d 小さな子供では、耳管が太く短くて、走行が水平に近いため、鼻腔からウイルスや細菌が侵入し感染が起こりやすい。

1(a、b) 2(a、c) 3(a、d)
4(b、c) 5(c、d)

【正解5】
a× 外耳道にある耳垢腺(汗腺の一種)や皮脂腺からの分泌物に、埃や外耳道上皮の老廃物などが混じって耳垢(耳あか)となる。
b× 前庭は、蝸牛と同様、内部はリンパ液で満たされている

問 8
骨格系に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 骨は生きた組織であるが、成長が停止した後は骨の新陳代謝は行われない。
b 骨組織を構成する無機質であるカルシウムが、骨から溶け出すことはない。
c 骨の基本構造は、主部となる骨質、骨質表面を覆う骨膜、骨質内部の骨髄、骨の接合部にある関節軟骨の四組織からなる。

…a b c
1 正 正 正
2 誤 誤 正
3 正 誤 正
4 誤 正 誤
5 正 正 誤

【正解2】
a× 骨は生きた組織であり、成長が停止した後も一生を通じて破壊と修復が行われている。
b× 骨組織を構成する無機質は、炭酸カルシウムやリン酸カルシウム等の石灰質からなるが、それらのカルシウムが骨から溶け出し、ほぼ同量のカルシウムが骨に沈着する。

問 9
筋組織に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 骨格筋は、横紋筋とも呼ばれ、自分の意識どおりに動かすことができる。
b 骨格筋の疲労は、運動を続けることでグリコーゲンが減少し、酸素や栄養分の供給不足が起こるとともに、グリコーゲンの代謝に伴って生成する乳酸が蓄積して、筋組織の収縮性が低下する現象である。
c 筋組織は、筋細胞と結合組織からできているのに対して、腱は、結合組織のみでできているため、筋組織より伸縮性が高い。
d 骨格筋は、自律神経系で支配されるのに対して、平滑筋及び心筋は、体性神経系に支配されている。

….a b c d
1 正 正 誤 誤
2 誤 正 正 誤
3 誤 正 誤 正
4 正 誤 正 誤
5 誤 誤 誤 正

【正解1】
c× 筋組織は、筋細胞と結合組織からできているのに対して、腱は、結合組織のみでできているため、伸縮性はあまりない。
d× 骨格筋は、体性神経系で支配されるのに対して、平滑筋及び心筋は、自律神経系に支配されている。

問 10
脳や神経系の働きに関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a 脳の血管は、末梢に比べて物質の透過に関する選択性が高く、タンパク質などの大分子や、小分子でもイオン化した物質は血液中から脳の組織へ移行しにくい。
b 交感神経系は、概ね、体が食事や休憩等の安息状態となるように働く。
c 副交感神経系が活発になると、肝臓でのグリコーゲンの分解が促進される。
d 自律神経系は、交感神経系と副交感神経系からなる。

1(a、b) 2(a、c) 3(a、d)
4(b、d) 5(c、d)

【正解3】
b× 副交感神経系は、概ね、体が食事や休憩等の安息状態となるように働く。
c× 副交感神経系が活発になると、肝臓でのグリコーゲンの合成が促進される。

交感神経系は、体が闘争や恐怖等の緊張状態に対応した態勢をとるように働きます

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