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【令和元年・奈良①】登録販売者過去問解説【医薬品に共通する特性と基本的な知識】

過去問題・解説

問 11
妊婦・授乳婦に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a  服用した医薬品の成分が、乳汁中に移行することがある。
b  胎盤には、胎児の血液と母体の血液とが混ざる仕組みがある。
c  便秘薬には、流産や早産を誘発するおそれがあるものがある。
d  ビタミンA含有製剤は、妊娠前後の一定期間に通常の用量を超えて摂取すると、胎児に先天異常を起こす危険性が高まるとされている。

a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 誤 正 正
3 誤 正 正 誤
4 誤 正 誤 正
5 正 誤 誤 正

【正解2】
b×
胎盤には、胎児の血液と母体の血液とが「混ざらない」仕組み(血液-胎盤関門)がある。

問 12
プラセボ効果に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a  プラセボ効果は、医薬品を使用したこと自体による楽観的な結果への期待や、条件付けによる生体反応、時間経過による自然発生的な変化等が関与して生じると考えられている。
b  プラセボ効果によってもたらされる反応や変化には、望ましいもの(効果)と不都合なもの(副作用)とがある。
c  プラセボ効果は、不確実であり、それを目的として医薬品が使用されるべきではない。
d  プラセボ効果は、主観的な変化だけで、客観的に測定可能な変化として現れることはない。

a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 誤 正 正
3 誤 正 正 誤
4 誤 正 誤 正
5 正 誤 誤 正

【正解1】
d×
主観的な変化だけでなく、客観的に測定可能な変化として現れることもある。

問 13
医薬品の品質に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a  湿度は、医薬品の品質に影響を与えない。
b  医薬品は、適切な保管・陳列をすれば、経時変化による品質の劣化は起こらない。
c  医薬品を保管・陳列する場所については、清潔性を保つとともに、品質が十分保持 される環境となるよう留意する必要がある。
d  医薬品の外箱などに記載されている「使用期限」とは、開封後の品質が保持される期限のことをいう。

a b c d
1 正 正 誤 誤
2 正 誤 正 正
3 誤 正 正 誤
4 誤 誤 正 誤
5 正 正 誤 正

【正解4】
a×
湿度も影響を与える。高温や多湿、光(紫外線)によって品質の劣化(変質・変敗)を起こしやすいものが多い。
b×
適切な保管・陳列がなされたとしても、経時変化による品質の劣化は避けられない。
d×
表示されている使用期限は、「未開封状態で保管された場合」に品質が保持される期限である。

問 14
次のうち、一般用医薬品の役割として、誤っているものを1つ選びなさい。

1 生活の質(QOL)の改善・向上
2 重度な疾病の症状の改善
3 健康の維持・増進
4 健康状態の自己検査

【正解2】
「軽度」な疾病に伴う症状の改善。

問 15
一般用医薬品に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a  一般用医薬品は、医薬品医療機器等法において「医薬品のうち、その効能及び効果において人体に対する作用が著しくないものであつて、薬剤師その他の医薬関係者から提供された情報に基づく需要者の選択により使用されることが目的とされているもの(要指導医薬品を除く。)をいう。」と定義されている。
b  症状が重いときでも、まずは一般用医薬品を使用することが適切な対処である。
c  一般用医薬品を一定期間若しくは一定回数使用しても症状の改善がみられない又は悪化したときには、医療機関を受診して医師の診療を受ける必要がある。

a b c
1 正 正 正
2 誤 正 正
3 正 誤 正
4 誤 正 誤
5 正 誤 誤

【正解3】
b×
症状が重いとき(例:高熱や激しい腹痛がある場合、患部が広範囲である場合)に、一般用医薬品を使用することは、一般用医薬品の役割にかんがみて、適切な対処とはいえない。

問 16
一般用医薬品の販売時のコミュニケーションに関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a  購入者が、適切な医薬品を選択し、適正に使用していくためには、可能な限り、購入者側の個々の状況の把握に努めることが重要である。
b  購入者が、自分自身や家族の健康に対する責任感を持ち、適切な医薬品を選択して、 適正に使用しようとするよう、働きかけていくことが重要である。
c  一般用医薬品の場合、必ずしも情報提供を受けた当人が、医薬品を使用するとは限らないことを踏まえ、販売時のコミュニケーションを考える必要がある。
d  その医薬品を使用する人として、小児や高齢者、妊婦等が想定されるかについては、 購入者に確認しておきたいポイントである。

a b c d
1 正 正 正 正
2 誤 正 正 正
3 正 誤 正 正
4 正 正 誤 正
5 正 正 正 誤

【正解1】
全て正しい

問 17
サリドマイド及びサリドマイド訴訟に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a  サリドマイド訴訟は、サリドマイド製剤を妊娠している女性が使用したことにより、 出生児に四肢欠損、耳の障害等の先天異常(サリドマイド胎芽症)が発生したことに対する損害賠償訴訟である。
b  サリドマイド製剤は、当時、催眠鎮静剤等として販売されていた。
c  サリドマイド製剤は、1961年11月、西ドイツ(当時)のレンツ博士がサリドマイド製剤の催奇形性について警告を発し、日本では、同年中に速やかに販売停止及び回収措置が行われた。
d  サリドマイドによる薬害事件をきっかけとして、副作用情報の収集体制の整備が図 られることとなった。

a b c d
1 正 正 正 正
2 誤 正 正 正
3 正 誤 誤 誤
4 誤 誤 正 誤
5 正 正 誤 正

【正解5】
c×
日本での販売停止及び回収措置は1962年9月になり、対応の遅さが問題視された。

問 18
スモン及びスモン訴訟に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a  スモン訴訟とは、整腸剤として販売されたクロロホルム製剤を使用したことにより、 亜急性脊髄視神経症に罹患したことに対する損害賠償訴訟である。
b  スモンは、その症状として、初期には腹部の膨満感から激しい腹痛を伴う下痢を生じ、次第に下半身の痺れや脱力、歩行困難等が現れる。
c  スモン患者に対しては、治療研究施設の整備、治療法の開発調査研究の推進、施術費及び医療費の自己負担分の公費負担等の制度が設けられている。
d  スモン訴訟、サリドマイド訴訟を契機として、1979年、医薬品の副作用による健康被害の迅速な救済を図るため、医薬品副作用被害救済制度が創設された。

a b c d
1 誤 誤 正 誤
2 正 誤 誤 誤
3 誤 正 正 正
4 誤 正 誤 正
5 正 正 誤 正

【正解3】
a×
クロロホルム製剤ではなく、キノホルム製剤。

問 19
次の記述は、HIV訴訟に関するものである。( )にあてはまる字句として、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。

HIV訴訟とは、( a )患者が、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)が混入した
( b )から製造された( c )製剤の投与を受けたことにより、HIVに感染
したことに対する損害賠償訴訟である。

1 a白血病 b血小板  cアルブミン
2 a血友病 b原料血漿 c血液凝固因子
3 a白血病 b原料血漿 cアルブミン
4 a血友病 b血小板  c血液凝固因子
5 a血友病 b原料血漿 cアルブミン

【正解2】
HIV訴訟とは( 血友病 )患者が、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)が混入した
原料血漿 )から製造された( 血液凝固因子 )製剤の投与を受けたことにより、HIVに感染したことに対する損害賠償訴訟である。

問 20
CJD(クロイツフェルト・ヤコブ病)及びCJD訴訟に関する記述の正誤について、 正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a  CJDは、タンパク質の一種であるプリオンが原因とされている。
b  CJDは、次第に認知症に類似した症状が現れ、死に至る重篤な神経難病である。
c  CJD訴訟は、脳外科手術等に用いられていたウシ乾燥硬膜を介してCJDに罹患したことに対する損害賠償訴訟である。
d  生物由来の医薬品等によるHIVやCJDの感染被害が多発したことから、独立行政法人医薬品医療機器総合機構による生物由来製品による感染等被害救済制度の創設等がなされた。

a b c d
1 誤 誤 正 誤
2 正 誤 誤 誤
3 誤 正 正 正
4 誤 正 誤 正
5 正 正 誤 正

【正解5】
c×
ウシ乾燥硬膜ではなく、ヒト乾燥硬膜
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