PR

【令和元年・奈良④】登録販売者過去問解説【主な医薬品とその作用】

過去問題・解説

問 71
次の生薬成分のうち、去痰作用を期待して鎮咳去痰薬に配合されるものとして、誤っているものを1つ選びなさい。

1 シャゼンソウ
2 セキサン
3 オウヒ
4 センブリ
5 セネガ

【正解4】
センブリは、健胃成分。

問 72
口腔咽喉薬・含嗽薬及びその配合成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。

a デカリニウム塩化物は、芳香による清涼感を目的として用いられる。
b 咽頭の粘膜に付着したアレルゲンによる喉の不快感等の症状を鎮めることを目的として、抗ヒスタミン成分が配合されている場合がある。
c 噴射式の液剤を使用する場合は、咽頭部に行き渡るように息を吸いながら噴射する必要がある。
d ヨウ素は、レモン汁やお茶などに含まれるビタミンCと反応すると、殺菌作用が失われる。

1(a、b) 2(a、c)
3(b、d) 4(c、d)

【正解3】
a×
デカリニウム塩化物は、口腔内や喉に付着した細菌等の微生物を死滅させたり、その増殖を抑えることを目的として用いられる殺菌消毒成分。
芳香による清涼感を目的として用いられるのは、ハッカ、ウイキョウ、チョウジ、ユーカリ等から得られた精油成分。
c×
噴射式の液剤では、息を吸いながら噴射すると気管支や肺に入ってしまうおそれがあるため、軽く息を吐いたり、声を出しながら噴射することが望ましい。

問 73
次の胃腸薬の配合成分のうち、中和反応によって胃酸の働きを弱めること(制酸)を目的として配合される成分として、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。

a ロートエキス
b ピレンゼピン塩酸塩
c 炭酸水素ナトリウム
d 酸化マグネシウム

1(a、b) 2(a、c)
3(b、d) 4(c、d)

【正解4】
a×
ロートエキスは、胃液分泌抑制成分
b×
ピレンゼピン塩酸塩は、胃液分泌抑制成分

問 74
次の胃の薬の配合成分に関する記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1  オウバクは、ミカン科のウンシュウミカンの成熟した果皮を基原とする生薬で、香りによる健胃作用を期待して用いられる。
2  ユウタンは、クマ科のヒグマその他近縁動物の胆汁を乾燥したものを基原とする生薬で、苦味による健胃作用を期待して用いられる。
3  アルジオキサは、マグネシウムを含むため、透析を受けている人では使用を避ける必要がある。
4  アズレンスルホン酸ナトリウムは、消化管内容物中に発生した気泡の分離を促すことを目的として配合されていることがある。

【正解2】
1×
記載は、チンピの内容。
オウバクは、ミカン科のキハダ又はフェロデンドロン・キネンセの周皮を除いた樹皮を基原とする生薬で、苦味による健胃作用を期待して用いられる。
3×
アルジオキサは、「アルミニウム」を含む成分であるため、透析を受けている人では使用を避ける必要がある。
4×
記載は、ジメチルポリシロキサン(別名:ジメチコン)の内容。
アズレンスルホン酸ナトリウムは、胃粘膜保護・修復成分。

問 75
腸及び腸の薬に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a  水分の吸収は、大半が大腸で行われ、腸内容物が糞便となる過程で適切な水分量に調整される。
b  瀉下薬については、相乗効果を得るため、複数の瀉下薬を併用することが望ましい。
c  収斂成分を主体とする止瀉薬については、細菌性の下痢や食中毒のときに使用して腸の運動を鎮めると、かえって状態を悪化させるおそれがある。
d  マルツエキスは、瀉下薬としては比較的作用が穏やかなため、主に乳幼児の便秘に用いられる。

a b c d
1 誤 誤 正 正
2 正 正 誤 誤
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 正 正
5 正 誤 誤 正

【正解1】
a×
水分の吸収は大半が「小腸」で行われ、大腸では腸内容物が糞便となる過程で適切な水分量に調整がなされる。
b×
複数の瀉下薬を併用すると、激しい腹痛を伴う下痢や下痢に伴う脱水症状等を生じるおそれがあり、どのような種類の瀉下成分を含有するものであっても、瀉下薬を使用している間は、他の瀉下薬の使用を避けることとされている。

問 76
ロペラミド塩酸塩が配合された一般用医薬品の止瀉薬に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a 水分や電解質の分泌を抑える作用がある。
b 中枢神経系を抑制する作用がある。
c 食べすぎ、飲みすぎによる下痢の症状に適用される。
d まれに重篤な副作用としてイレウス様症状を生じることがある。

a b c d
1 誤 誤 正 正
2 正 正 誤 誤
3 誤 正 誤 誤
4 正 正 正 正
5 正 誤 正 正

【正解4】
全て正しい

問 77
ヒマシ油に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a ヒルガオ科のアサガオの種子を圧搾して得られた油を用いた生薬である。
b 吸収された成分の一部が乳汁中に移行して、乳児に下痢を引き起こすおそれがある。
c 防虫剤や殺鼠剤を誤って飲み込んだ場合等、脂溶性の物質による中毒に使用する。
d 寄生虫の排出を促す目的で、駆虫薬と併用すると効果的である。

a b c d
1 誤 誤 正 正
2 正 正 誤 誤
3 誤 正 誤 誤
4 誤 正 正 正
5 正 誤 誤 正

【正解3】
a×
ヒマシ油は、ヒマシ(トウダイグサ科のトウゴマの種子)を圧搾して得られた油を用いた生薬。
c×
防虫剤や殺鼠剤を誤って飲み込んだ場合のような脂溶性の物質による中毒には使用を避ける必要がある。
d×
駆虫薬とヒマシ油を併用すると、駆虫成分が腸管内にとどまらず吸収されやすくなり、全身性の副作用を生じる危険性が高まるため、併用は避けることとされている。

問 78
胃腸鎮痛鎮痙薬に含まれている成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a ブチルスコポラミン臭化物は、口渇、便秘、排尿困難等の副作用が現れることがある。
b パパベリン塩酸塩は、中枢神経に働いて、主に胃液分泌を抑える。
c ロートエキスにより、母乳が出にくくなることがある。
d オキセサゼインは、局所麻酔作用のほか、胃液分泌を抑える作用もある。

a b c d
1 誤 誤 正 正
2 正 正 誤 誤
3 誤 正 誤 誤
4 誤 正 正 正
5 正 誤 正 正

【正解5】
b×
パパベリン塩酸塩は、消化管の平滑筋に直接働いて胃腸の痙攣を鎮める作用を示す。抗コリン成分と異なり、胃液分泌を抑える作用は見出されない。

問 79
浣腸薬及びその配合成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。

a 浣腸薬の剤型は、注入剤(肛門から薬液を注入するもの)のほか、坐剤もある。
b 浣腸薬は一般に、流産・早産を誘発するおそれがあるため、妊婦又は妊娠していると思われる女性では使用を避けるべきである。
c 浣腸薬は、繰り返し使用することで直腸の感受性が高まり、効果が強くなる。
d 炭酸水素ナトリウムは、浸透圧の差によって腸管壁から水分を取り込んで直腸粘膜を刺激し、排便を促す効果がある。

1(a、b) 2(a、c)
3(b、d) 4(c、d)

【正解1】
c×
浣腸薬を繰り返し使用すると、直腸の感受性の低下が生じて効果が弱くなる。
d×
記載は、グリセリン、ソルビトールの内容。
炭酸水素ナトリウムは、直腸内で徐々に分解して炭酸ガスの微細な気泡を発生することで直腸を刺激する作用を期待して用いられる。

問 80
強心薬に配合される生薬成分とその基原の組み合わせについて、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。

a センソ ―――― シナヒキガエル等の毒腺分泌物
b インヨウカク ― サイカレイヨウ(高鼻レイヨウ)等の角
c ロクジョウ ―― 雄のマンシュウアカジカ等の幼角
d ジャコウ ――― ウシの胆嚢中に生じた結石

1(a、b) 2(a、c)
3(b、d) 4(c、d)

【正解2】
b×
インヨウカクは、メギ科のイカリソウ等の地上部を基原とする。
サイカレイヨウ(高鼻レイヨウ)等の角を基原とするのは、レイヨウカク。
d×
ジャコウは、シカ科のジャコウジカの雄の麝香腺分泌物を基原とする生薬。
ウシの胆嚢中に生じた結石を基原とするのは、ゴオウ。
タイトルとURLをコピーしました