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【令和元年・中国④】登録販売者過去問解説【主な医薬品とその作用】

過去問題・解説

問 81
胃腸鎮痛鎮痙薬の配合成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a  アミノ安息香酸エチルは、メトヘモグロビン血症を起こすおそれがあるため、6歳未満の小児への使用は避ける必要がある。
b  オキセサゼインは、消化管の粘膜及び平滑筋に対する麻酔作用による鎮痛鎮痙の効果を期待して配合されている場合がある。
c  パパベリン塩酸塩は、抗コリン成分と異なり自律神経系を介した作用ではないため、眼圧を上昇させる作用を示さない。
d  ブチルスコポラミン臭化物の副交感神経系の働きを抑える作用は、消化管に限定される。

1(a,b) 2(a,c) 3(b,c)
4(b,d) 5(c,d)

【正解1】
c×
パパベリン塩酸塩は、抗コリン成分と異なり自律神経系を介した作用ではないが、眼圧を上昇させる作用を示す。
d×
ブチルスコポラミン臭化物等の抗コリン成分が副交感神経系の働きを抑える作用は、消化管に限定されない。

問 82
浣腸薬に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a  繰り返し使用すると直腸の感受性の低下(いわゆる慣れ)が生じて効果が弱くなり、医薬品の使用に頼りがちになるため、連用しないこととされている。
b  注入剤の薬液を注入した後すぐに排便を試みると、薬液のみが排出されて効果が十分得られないことから、便意が強まるまでしばらく我慢する。
c  グリセリンが配合された浣腸薬では、排便時に血圧低下を生じても、立ちくらみの症状が現れることはない。

a b c
1 正 正 誤
2 誤 正 正
3 誤 正 誤
4 正 誤 正
5 正 正 正

【正解1】
c×
グリセリンが配合された浣腸薬では、排便時に血圧低下を生じて、立ちくらみの症状が現れるとの報告がある。

問 83
強心薬の配合成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a  センソは、ヒキガエル科のシナヒキガエル等の毒腺の分泌物を集めたものを基原とする生薬で、微量で強い強心作用を示し、一般用医薬品では、1日用量がセンソ5mg以下となるよう用法・用量が定められている。
b  ロクジョウは、ウシ科のウシの胆嚢中に生じた結石を基原とする生薬で、強心作用のほか、末梢血管の拡張による血圧降下、興奮を静める等の作用があるとされる。
c  リュウノウは、シカ科のマンシュウアカジカ又はマンシュウジカの雄のまだ角化していない、若しくは、わずかに角化した幼角を基原とする生薬で、強心作用のほか、強壮、血行促進等の作用があるとされる。
d  ジャコウは、シカ科のジャコウジカの雄の麝香腺分泌物を基原とする生薬で、強心作用のほか、呼吸中枢を刺激して呼吸機能を高めたり、意識をはっきりさせる等の作用があるとされる。

1(a,b) 2(a,c) 3(a,d)
4(b,c) 5(b,d)

【正解3】
b×
記載は、ゴオウの内容。
c×
記載は、ロクジョウの内容。
リュウノウは、中枢神経系の刺激作用による気つけの効果を期待して用いられる。

問 84
血中コレステロールと高コレステロール改善薬の配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a  医療機関で測定する検査値として、低密度リポタンパク質(LDL)が140mg/dL以上、高密度リポタンパク質(HDL)が40mg/dL未満、中性脂肪が150mg/dL以上のいずれかである状態を、脂質異常症という。
b  大豆油不鹸化物(ソイステロール)には、腸管におけるコレステロールの吸収を抑える働きがあるとされる。
c  リボフラビンの摂取によって尿が黄色くなることがあるが、これは使用の中止を要する副作用等の異常ではない。

a b c
1 誤 誤 誤
2 誤 正 正
3 正 誤 誤
4 正 正 正
5 誤 正 誤

【正解4】
全て正しい

問 85
貧血用薬(鉄製剤)に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a  貧血のうち鉄製剤で改善できるのは、鉄欠乏性貧血のみである。
b  服用の前後30分にビタミンCを含む飲食物を摂取すると、鉄の吸収が悪くなることがあるので、服用前後はそれらの摂取を控えることとされている。
c  鉄分の吸収は満腹時のほうが高いので、食後に服用することが望ましい。

a b c
1 正 誤 正
2 誤 正 正
3 誤 誤 正
4 誤 正 誤
5 正 誤 誤

【正解5】
b×
服用の前後30分に「タンニン酸」を含む飲食物(緑茶、紅茶、コーヒー、ワイン、柿等)を摂取すると、タンニン酸と反応して鉄の吸収が悪くなることがある。
c×
鉄分の吸収は「空腹時のほうが高い」とされているが、消化器系への副作用を軽減するには、食後に服用することが望ましい。

問 86
痔に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a  肛門部に過度の負担をかけることやストレス等により生じる生活習慣病である。
b  直腸粘膜には知覚神経が通っていないため、内痔核では自覚症状が少ない。
c  香辛料などの刺激性のある食べ物を避けることは痔の予防に効果的である。

a b c
1 正 正 誤
2 誤 誤 誤
3 誤 正 誤
4 正 誤 正
5 正 正 正

【正解5】
全て正しい

問 87
外用痔疾用薬の配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a  アラントインは、血管収縮作用による止血効果を期待して用いられる。
b  リドカインは、痔に伴う痛み・痒みを和らげることを目的として用いられる。
c  テトラヒドロゾリン塩酸塩は、痔による肛門部の創傷の治癒を促す効果を期待して用いられる。
d  セチルピリジニウム塩化物は、痔疾患に伴う局所の感染を防止することを目的として用いられる。

a b c d
1 正 正 誤 誤
2 誤 正 誤 正
3 誤 誤 誤 正
4 正 誤 正 正
5 誤 正 正 誤

【正解2】
a×
記載は、テトラヒドロゾリン塩酸塩、エフェドリン塩酸塩、ナファゾリン塩酸塩等のアドレナリン作動成分の内容。
c×
記載は、アラントイン等の組織修復成分の内容。

問 88
婦人薬として用いられる漢方処方製剤に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a  加味逍遙散は、まれに重篤な副作用として、肝機能障害、腸間膜静脈硬化症を生じることがあり、構成生薬としてカンゾウを含む。
b  五積散は、発汗傾向の著しい人には不向きとされ、構成生薬としてマオウを含む。
c  桃核承気湯は、妊婦又は妊娠していると思われる女性、授乳婦における使用に関して留意する必要があり、構成生薬としてマオウを含む。
d  当帰芍薬散は、胃腸の弱い人には不向きとされ、構成生薬としてカンゾウを含む。

1(a,b) 2(a,c) 3(a,d)
4(b,c) 5(b,d)

【正解1】
c×
桃核承気湯は、構成生薬として「カンゾウ」「ダイオウ」を含み、「マオウ」は含まない。
d×
当帰芍薬散は、「カンゾウ」「マオウ」「ダイオウ」いずれも含まない。

問 89
アレルギー及びアレルギー用薬に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a  アレルゲン(抗原)が皮膚や粘膜から体内に入り込むと、その物質を非特異的に認識した免疫グロブリン(抗体)によって肥満細胞が刺激され、ヒスタミン等の生理活性物質が遊離する。
b  パーキンソン病の治療のため医療機関でセレギリン塩酸塩等のモノアミン酸化酵素阻害剤が処方されて治療を受けている人が、プソイドエフェドリン塩酸塩が配合された鼻炎用内服薬を使用した場合、副作用が現れやすくなるおそれが高く、使用を避ける必要がある。
c  一般用医薬品(漢方処方製剤を含む。)には、アトピー性皮膚炎による慢性湿疹等の治療に用いることを目的とするものはない。
d  ナファゾリン塩酸塩が配合された点鼻薬は、過度に使用されると鼻粘膜の血管が反応しやすくなり、血管が拡張する。

1(a,b) 2(a,c) 3(a,d)
4(b,c) 5(b,d)

【正解4】
a×
非特異的ではなく、特異的。
d×
ナファゾリン塩酸塩等のアドレナリン作動成分が配合された点鼻薬は、過度に使用されると鼻粘膜の血管が「反応しなくなり」、逆に血管が拡張する。

問 90
眼科用薬に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a  点眼の際には、容器の先端を眼瞼(まぶた)につけて、正確に点眼する。
b  添付文書に使用可能と記載されていなくても、コンタクトレンズを装着したまま点眼してもよい。
c  一般用医薬品の点眼薬には、緑内障の症状を改善できるものはない。
d  一度に何滴も点眼しても効果が増すわけではない。

a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 誤 誤 誤 誤
4 誤 誤 正 正
5 正 誤 誤 正

【正解4】
a×
点眼の際に容器の先端が眼瞼(まぶた)や睫毛(まつげ)に触れると、雑菌が薬液に混入して汚染を生じる原因となるため、触れないように注意しながら1滴ずつ正確に点眼する。
b×
コンタクトレンズをしたままでの点眼は、ソフトコンタクトレンズ、ハードコンタクトレンズに関わらず、添付文書に使用可能と記載されてない限り行うべきでない。
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