問 11
医薬品等の相互作用に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a 複数の疾病を有する人では、疾病ごとにそれぞれ医薬品が使用される場合が多く、医薬品同士の相互作用に関して特に注意が必要となる。
b 複数の医薬品を併用した場合、医薬品の作用が増強することがあるが、減弱することはない。
c 相互作用は、医薬品が吸収、代謝(体内で化学的に変化すること)、分布又は排泄される過程で起こるものと、医薬品が薬理作用をもたらす部位において起こるものがある。
d 外用薬や注射薬であれば、食品と相互作用を生じることはない。
1(a、c) 2(b、c)
3(b、d) 4(a、d)
問 12
妊婦及び母乳を与える女性(授乳婦)が医薬品を使用する上で注意すべき事項に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 妊婦が一般用医薬品を使用しようとする場合は、一般用医薬品による対処が適当かどうか慎重に検討するべきである。
b 医薬品の種類によっては、授乳婦が使用した医薬品の成分の一部が、乳汁中に移行することが知られており、母乳を介して乳児が医薬品の成分を摂取することになる場合がある。
c 妊婦は、体の変調や不調を起こしやすく、妊婦が一般用医薬品を使用した場合の安全性に関する評価は、困難である場合が多い。
d 一般用医薬品の妊婦の使用については「相談すること」としているものが多い。
・a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 正
4 誤 正 正 正
5 正 正 正 正
問 13
プラセボ効果(偽薬効果)に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
1 医薬品を使用したこと自体による楽観的な結果への期待(暗示効果)が関与して生じると考えられている。
2 条件付けによる生体反応が関与して生じると考えられている。
3 医薬品を使用したとき、結果的又は偶発的に薬理作用によらない作用を生じることをいう。
4 主観的な変化として現れることはあるが、客観的に測定可能な変化として現れることはない。
問 14
セルフメディケーション及び一般用医薬品に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 一般用医薬品の販売等に従事する専門家は、購入者等に対して常に科学的な根拠に基づいた正確な情報提供を行い、セルフメディケーションを適切に支援していくことが期待されている。
b 一般用医薬品の販売等に従事する専門家は、医薬品を使用する人に高熱や激しい腹痛がある場合等、症状が重いときであっても、まずは一般用医薬品を使用するよう勧めることが適切である。
c 一般用医薬品で対処可能な症状の範囲は、乳幼児や妊婦等、医薬品を使用する人によって変わる場合がある。
d 一般用医薬品の販売等に従事する専門家においては、情報提供の際に、医薬品の使用によらない対処等を勧めることが適切な場合もある。
・a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 正
4 誤 正 正 正
5 正 正 正 正
問 15
一般用医薬品の品質に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 医薬品は、高温や多湿によって品質の劣化(変質・変敗)を起こしやすいものが多いが、光(紫外線)による劣化は起こさない。
b 表示されている「使用期限」は、開封の有無にかかわらず製品の品質が保持される期限である。
c 医薬品は、適切な保管・陳列をすれば、経時変化による品質の劣化を起こさない。
d 品質が承認された基準に適合しない医薬品、その全部又は一部が変質・変敗した物質から成っている医薬品は販売が禁止されている。
・a b c d
1 正 正 誤 誤
2 誤 正 正 誤
3 誤 誤 正 正
4 誤 誤 誤 正
5 正 誤 誤 誤
問 16
サリドマイドに関する記述のうち、誤っているものはどれか。
1 日本では、サリドマイド製剤の催奇形性について、1961年12月に西ドイツ(当時)の企業からの勧告が届いており、かつ翌年になってからもその企業から警告が発せられていたにもかかわらず、出荷停止は1962年5月まで行われず、販売停止及び回収措置も同年9月であるなど、対応の遅さが問題視された。
2 サリドマイド訴訟とは、サリドマイド製剤を妊娠している女性が使用したことにより、出生児に四肢欠損、耳の障害等の先天異常(サリドマイド胎芽症)が発生したことに対する損害賠償訴訟である。
3 サリドマイドの光学異性体のうち、S体には血管新生を妨げる有害作用がないことから、S体のサリドマイドを分離して製剤化すると催奇形性を避けることができる。
4 サリドマイドは催眠鎮静成分として承認され、その鎮静作用を目的として、胃腸薬にも配合されていた。
血管新生を妨げる作用は、S体のみが有する作用
鎮静作用は、R体のみが有するとされています!
問 17
医薬品の販売等に従事する専門家が購入者から確認しておきたい基本的な事項に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a その医薬品を使用する人が医療機関で治療を受けていないか。
b その医薬品を使用する人として、小児や高齢者、妊婦等が想定されるか。
c その医薬品を使用する人が相互作用や飲み合わせで問題を生じるおそれのある他の医薬品や食品を摂取していないか。
d その医薬品を使用する人が過去にアレルギーや医薬品による副作用等の経験があるか。
・a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 正
4 誤 正 正 正
5 正 正 正 正
問 18
スモン訴訟に関する記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせはどれか。
スモン訴訟は、( a )として販売されていた( b )を使用したことにより、( c )に罹患したことに対する損害賠償訴訟である。スモン訴訟等を契機として、1979年、医薬品の副作用による健康被害の迅速な救済を図るため、医薬品副作用被害救済制度が創設された。
2 a整腸剤 bペニシリン製剤 c亜急性脊髄視神経症
3 a解熱鎮痛剤 bキノホルム製剤 c亜急性脊髄視神経症
4 a整腸剤 bキノホルム製剤 c亜急性脊髄視神経症
5 a解熱鎮痛剤 bペニシリン製剤 c中毒性表皮壊死融解症
問 19
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)及びHIV訴訟に関する記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせはどれか。
HIV訴訟は、( a )患者が、HIVが混入した原料( b )から製造された( c )製剤の投与を受けたことにより、HIVに感染したことに対する損害賠償訴訟である。HIV訴訟の和解後には、製薬企業に対し、従来の副作用報告に加えて感染症報告が義務づけられ、また、血液製剤の安全確保対策として、検査や献血時の問診の充実が図られた。
1 a血友病 b血漿 cグロブリン
2 a血友病 b血小板 c血液凝固因子
3 a肝炎 b血漿 cグロブリン
4 a肝炎 b血小板 cグロブリン
5 a血友病 b血漿 c血液凝固因子
問 20
クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a ヒト乾燥硬膜の原料が、プリオン不活化のための十分な化学的処理が行われないまま製品として流通し、この製品が脳外科手術で移植された患者にCJDが発生した。
b CJDの症状としては、初期には腹部の膨満感から激しい腹痛を伴う下痢を生じ、次第に下半身の痺れや脱力、歩行困難が現れる。
c CJD訴訟等を契機として、生物由来製品の安全対策強化、生物由来製品による感染等被害救済制度の創設等がなされた。
d CJDは、ウイルスの一種であるプリオンが原因とされている。
・a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 誤 正
5 正 誤 正 正
初期には腹部の膨満感から激しい腹痛を伴う下痢を生じ、次第に下半身の痺れや脱力、歩行困難が現れるのは、スモンです
・いまココ▶①医薬品に共通する特性
・令和2年・北陸東海②主な医薬品とその作用
・令和2年・北陸東海③人体の働きと医薬品
・令和2年・北陸東海④薬事関係法規・制度
・令和2年・北陸東海⑤医薬品の適正使用
※参考記事です