※2020年9月2日(水)実施
富山県・石川県・岐阜県・静岡県・愛知県・三重県の共通問題です
❶ 一般用医薬品において用いられる主な有効成分に関して基本的な効能効果及びその特徴、飲み方や飲み合わせ、年齢、基礎疾患等、効き目や安全性に影響を与える要因、起こり得る副作用等につき理解し、購入者への情報提供や相談対応に活用できること
❷各薬効群の医薬品に関する情報提供、相談対応における実践的な知識が理解できること
令和2年度(2020)・北陸東海ブロック登録販売者試験【午前】
主な医薬品とその作用(全40問)
問 21
かぜ(感冒)及びかぜ薬(総合感冒薬)に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a かぜの約8割は、細菌の感染が原因である。
b かぜとよく似た症状が現れる疾患に、喘息、アレルギー性鼻炎、リウマチ熱、関節リウマチ、肺炎、肺結核、髄膜炎、急性肝炎、尿路感染症等がある。
c かぜ薬は、細菌やウイルスの増殖を抑えたり、それらを体内から取り除くことにより、咳や発熱などの諸症状の緩和を図るものである。
d かぜ薬による重篤な副作用として、まれに、ショック(アナフィラキシー)、皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死融解症、喘息、間質性肺炎が起きることがある。
1(a、c) 2(b、c)
3(b、d) 4(a、d)
問 22
かぜ薬(総合感冒薬)の配合成分とその成分を配合する目的との関係の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
b ブロムヘキシン塩酸塩- 発熱を鎮め、痛みを和らげる
c トラネキサム酸- 炎症による腫れを和らげる
d ジヒドロコデインリン酸塩 - 咳を抑える
・a b c d
1 誤 誤 正 正
2 正 誤 誤 正
3 正 正 誤 誤
4 正 正 正 誤
5 誤 正 正 正
問 23
第1欄の記述は、かぜ(感冒)の症状緩和に用いられる漢方処方製剤に関するものである。該当する漢方処方製剤は第2欄のどれか。
第1欄
体力中等度以上のものの感冒の初期(汗をかいていないもの)、鼻かぜ、鼻炎、頭痛、肩こり、筋肉痛、手や肩の痛みに適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸の弱い人、発汗傾向の著しい人では、悪心、胃部不快感等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。
まれに重篤な副作用として肝機能障害、偽アルドステロン症を生じることが知られている。
第2欄
1 薏苡仁湯 2 呉茱萸湯 3 小柴胡湯
4 小建中湯 5 葛根湯
体力中等度なものの関節や筋肉のはれや痛みがあるものの関節痛、筋肉痛、神経痛に適す
2呉茱萸湯
体力中等度以下で手足が冷えて肩がこり、ときにみぞおちが膨満するものの頭痛、頭痛に伴う吐きけ・嘔吐、しゃっくりに適す
3小柴胡湯
体力中等度で、ときに脇腹(腹)からみぞおちあたりにかけて苦しく、食欲不振や口の苦味があり、舌に白苔がつくものの食欲不振、吐きけ、胃炎、胃痛、胃腸虚弱、疲労感、かぜの後期の諸症状に適すとされ、また、胃腸虚弱、胃炎のような消化器症状にも用いられる
4小建中湯
体力虚弱で疲労しやすく腹痛があり、血色がすぐれず、ときに動悸、手足のほてり、冷え、ねあせ、鼻血、頻尿及び多尿などを伴うものの小児虚弱体質、疲労倦怠、慢性胃腸炎、腹痛、神経質、小児夜尿症、夜なきに適す
問 24
解熱鎮痛薬及びその配合成分に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
1 解熱鎮痛成分(生薬成分を除く。)による胃腸障害の軽減を目的として、ケイ酸アルミニウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムゲル、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等の制酸成分が配合されている場合がある。
2 アスピリン(アスピリンアルミニウムを含む。)は、まれに重篤な副作用として肝機能障害を生じることがある。
3 エテンザミドは、痛みの発生を抑える働きが作用の中心となっている他の解熱鎮痛成分に比べ、痛みが神経を伝わっていくのを抑える働きが強い。
4 イブプロフェンはプロスタグランジンの産生を促進することで消化管粘膜の防御機能を低下させるため、消化管に広範に炎症を生じる疾患である胃・十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎又はクローン氏病の既往歴がある人が使用すると、それら疾患の再発を招くおそれがある。
問 25
眠気を促す薬及びその配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 抗ヒスタミン成分を主薬とする催眠鎮静薬は、慢性的に続く睡眠障害の緩和を目的とした使用に適している。
b 抑肝散加陳皮半夏は体力中等度をめやすとしてやや消化器が弱いものに幅広く用いることができる。神経がたかぶり、怒りやすい、イライラなどがあるものの神経症、不眠症、小児夜なき、小児疳症、更年期障害、血の道症、歯ぎしりに適すとされる。
c アリルイソプロピルアセチル尿素は、脳の興奮を抑え、痛覚を鈍くする作用がある。少量でも眠気を催しやすいため、アリルイソプロピルアセチル尿素が配合された医薬品を使用した後は、乗物や危険を伴う機械類の運転操作は避ける必要がある。
d ジフェンヒドラミン塩酸塩を含有する睡眠改善薬は、15歳未満の小児に対して安心して使用できる。
・a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 誤 正
5 正 誤 正 正
問 26
カフェインに関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a カフェインは、反復摂取により依存を形成することはない。
b カフェインには心筋を興奮させる作用があり、副作用として動悸が現れることがある。
c カフェインには腎臓におけるナトリウムイオン(同時に水分)の再吸収促進作用があり、尿量の減少をもたらす。
d カフェインには胃液分泌亢進作用があり、その結果、副作用として胃腸障害(食欲不振、悪心・嘔吐)が現れることがあるため、胃酸過多の人や胃潰瘍のある人は、安全使用の観点から留意すべきである。
1(a、b) 2(a、c)
3(b、d) 4(c、d)
問 27
鎮暈薬(乗物酔い防止薬)及びその配合成分に関する記述のうち、正しいものはどれか。
1 鎮暈薬とかぜ薬(総合感冒薬)では、配合成分が重複することはないので、併用に注意する必要はない。
2 ジフェニドール塩酸塩は、内耳にある前庭と脳を結ぶ神経(前庭神経)の調節作用のほか、内耳への血流を改善する作用を示す。
3 乗物酔いの発現には不安や緊張などの心理的な要因による影響も大きく、それらを和らげることを目的として、鎮静成分のジプロフィリンが配合されている場合がある。
4 ピリドキシン塩酸塩は、乗物酔い防止に用いられている抗コリン成分である。
乗物酔い防止に用いられる抗コリン成分は、スコポラミン臭化水素酸塩水和物です
問 28
1~5で示される鎮咳去痰薬の配合成分のうち、痰の中の粘性タンパク質を溶解・低分子化して粘性を減少させることを主な作用とする成分はどれか。
1 メチルエフェドリン塩酸塩
2 グリチルリチン酸二カリウム
3 ジヒドロコデインリン酸塩
4 エチルシステイン塩酸塩
5 クロルフェニラミンマレイン酸塩
➡気管支を拡張させるアドレナリン作動成分
グリチルリチン酸二カリウム
➡気道の炎症を和らげる抗炎症成分
ジヒドロコデインリン酸塩
➡延髄の咳嗽中枢に作用する麻薬性鎮咳成分
クロルフェニラミンマレイン酸塩
➡鎮咳成分・気管支拡張成分・抗炎症成分の働きを助ける目的で配合される抗ヒスタミン成分
問 29
咳止めや痰を出しやすくする目的で用いられる漢方処方製剤に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a 半夏厚朴湯は、構成生薬としてカンゾウを含み、小児喘息、気管支喘息、気管支炎、咳、不安神経症に適すとされる。
b 麦門冬湯は、水様痰の多い人には不向きとされる。
c 柴朴湯は、まれに重篤な副作用として間質性肺炎、肝機能障害を生じることが知られている。
d 五虎湯は、構成生薬としてマオウを含まないため、心臓病、高血圧、糖尿病又は甲状腺機能障害の診断を受けた人の症状を悪化させるおそれはない。
1(a、c) 2(b、c)
3(b、d) 4(a、d)
半夏厚朴湯は、カンゾウを含みません!
問 30
口腔咽喉薬、うがい薬(含嗽薬)及びそれらの配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a クロルヘキシジングルコン酸塩が配合された含嗽薬は、口腔内に傷やひどいただれがある人では、強い刺激を生じるおそれがあるため、使用を避ける必要がある。
b バセドウ病や橋本病などの甲状腺疾患の診断を受けた人では、ヨウ素系殺菌消毒成分が配合された含嗽薬を使用する前に、その使用の適否について、治療を行っている医師等に相談するなどの対応が必要である。
c ベンゼトニウム塩化物は、喉の粘膜を刺激から保護する目的で配合される。
d 炎症を生じた粘膜組織の修復を促す作用を期待して、アズレンスルホン酸ナトリウム(水溶性アズレン)が配合されている場合がある。
・a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 誤 正 正
3 誤 正 誤 正
4 正 誤 正 誤
5 正 正 誤 正
喉の粘膜を刺激から保護する成分は、グリセリンです!