問 11
目、鼻、耳などの感覚器官に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a 硝子体は、その周りを囲んでいる毛様体の収縮・弛緩によって、近くの物を見るときには丸く厚みが増し、遠くの物を見るときには扁平になる。
b 睡眠中は、起きている間以上に涙液が分泌されており、涙液には角膜や結膜を感染から防御する働きのあるリゾチームや免疫グロブリン等が含まれている。
c 副鼻腔は、線毛を有し粘液を分泌する細胞でできた粘膜で覆われており、副鼻腔に入った埃等の粒子は、粘液に捉えられて線毛の働きによって鼻腔内へ排出されるが、鼻腔と連絡する管は非常に狭いため、鼻腔粘膜が腫れると副鼻腔の開口部がふさがりやすくなり、副鼻腔に炎症を生じることがある。
d 内耳は聴覚器官である蝸牛と平衡器官である前庭の2つの部分からなり、両方とも内部はリンパ液で満たされており、前庭内のリンパ液の動きが平衡感覚として感知される。
a b c d
1 誤 正 正 正
2 正 誤 誤 誤
3 誤 正 正 誤
4 誤 誤 正 正
5 正 正 誤 正
問 12
脳や神経系の働きに関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a 脳において、血液の循環量は心拍出量の約15%、酸素の消費量は全身の約20%と多いが、脳の血管は末梢と比べて物質の透過に関する選択性が高いため、ブドウ糖の消費量は全身の約5%と少ない。
b 小児では、成人と比較して脳内の毛細血管が未成熟であるため、それを補う血液脳関門が発達しており、循環血液中に移行した医薬品の成分が脳の組織に移行することはほとんどない。
c 末梢神経系は、その機能に着目して、随意運動、知覚等を担う体性神経系と、呼吸や血液の循環等のように生命や身体機能の維持のために無意識に働いている機能を担う自律神経系に分類される。
d 自律神経系は交感神経と副交感神経からなり、交感神経系は瞳孔散大や気管・気管支の拡張、腸の運動亢進等、緊張状態に対応した態勢をとるように働く。
a b c d
1 誤 誤 正 誤
2 正 誤 誤 正
3 正 正 誤 誤
4 誤 正 正 正
5 正 誤 正 誤
問 13
薬の生体内運命に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a 内服薬のほとんどは、その有効成分が消化管から吸収されて循環血液中に移行し全身作用を現すため、錠剤やカプセル剤等の固形剤の場合、消化管で吸収される前に消化管内で崩壊して、有効成分が溶出しなければならない。
b 坐剤は肛門から医薬品を挿入することにより、直腸内で溶解させ、薄い直腸内壁の粘膜から有効成分を吸収させるものであり、直腸粘膜下に豊富に分布する静脈から容易に循環血液中に入るため、内服の場合より速やかに全身症状が現れる。
c 皮膚に適用される医薬品について、通常は、皮膚表面から循環血液中へ移行する量は比較的少ないが、血液中に移行した有効成分は、代謝を受ける前に血流に乗って全身に分布するため、適用部位の面積(使用量)や使用回数、その頻度などによっては、全身作用が現れることがある。
d 消化管より吸収され、循環血液中に移行した有効成分は、主として腎臓に存在する薬物代謝酵素による代謝を受け、代謝物の形で腎臓から尿中に排泄される。
a b c d
1 正 正 正 誤
2 誤 正 誤 誤
3 正 誤 誤 正
4 正 正 正 正
5 誤 誤 正 誤
問 14
医薬品の剤形に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a 錠剤は、内服用医薬品の剤形として最も広く用いられており、一定の形状に成型された固形製剤であるため、有効成分の苦味や刺激性を口中で感じることなく服用できる。
b カプセル剤は、カプセル内に散剤や液剤等を充填した剤形であり、カプセルの原材料として乳糖が広く用いられているため乳成分に対してアレルギーを持つ人は使用を避けるなどの注意が必要である。
c 経口液剤では、苦味やにおいが強く感じられることがあるので、白糖等の糖類を混ぜたシロップ剤とすることがあるが、シロップ剤は粘りがあり容器に残りやすいので、残った部分を水ですすぎ、すすぎ液も飲むなどの工夫が必要である。
d チュアブル錠は、腸内での溶解を目的として錠剤表面をコーティングしているものであるため、口の中で舐めたり噛み砕いて服用してはならない。
a b c d
1 誤 誤 正 正
2 正 誤 正 誤
3 正 正 誤 誤
4 誤 正 正 正
5 正 誤 誤 正
問 15
ショック(アナフィラキシー)に関する次の記述について、( )に入れるべき字句の正しい組合せを下欄から選びなさい。
ショック(アナフィラキシー)は、生体異物に対する( a )のアレルギー反応の一種である。原因物質によって発生頻度は異なり、医薬品の場合、以前にその医薬品によって蕁麻疹等のアレルギーを起こしたことがある人で起きる可能性が高い。一般的に、( b )の症状が現れ、発症後の病態は( c )に悪化することが多い。
1 a即時型 b単一 c緩やか
2 a即時型 b複数 c急速
3 a即時型 b単一 c急速
4 a遅延型 b複数 c緩やか
5 a遅延型 b複数 c急速
問 16
医薬品の副作用としての重篤な皮膚粘膜障害に関する次の記述について、正しいものの組合せを下欄から選びなさい。
a 38℃以上の高熱、目の充血、目やに(眼分泌物)、まぶたの腫れ、目が開けづらい、口唇の違和感、口唇や陰部のただれ、排尿・排便時の痛み、喉の痛み、広範囲の皮膚の発赤等の症状が持続したり、又は急激に悪化したりする場合には、原因と考えられる医薬品の使用を中止せず、直ちに皮膚科の専門医を受診する必要がある。
b 両眼に現れる急性結膜炎(結膜が炎症を起こし、充血、目やに、流涙、痒み、腫れ等を生じる病態)は、皮膚や粘膜の変化とほぼ同時期又は半日~1日程度先行して生じる。
c 皮膚粘膜眼症候群と中毒性表皮壊死融解症のいずれも、発生機序の詳細が判明しておらず、また、その発症は非常にまれであるが、一旦発症すると多臓器障害の合併症等により致命的な転帰をたどることがある。
d 皮膚粘膜眼症候群と中毒性表皮壊死融解症は、いずれも原因医薬品の使用開始後2週間以内に発症することが多く、医薬品の使用開始から1か月を経過すると、その後発症することはないため、医薬品の使用開始直後は特に注意が必要である。
1(a、c) 2(a、d)
3(b、c) 4(b、d)
問 17
医薬品による肝機能障害に関する次の記述について、正しいものの組合せを下欄から選びなさい。
a いわゆる健康食品、ダイエット食品として購入された無承認無許可医薬品の使用による重篤な肝機能障害も知られている。
b 軽度の肝障害であっても自覚症状を伴い、主な症状に、全身の倦怠感、黄疸のほか、発熱、発疹、皮膚の掻痒感、吐きけ等がある。
c 医薬品の有効成分又はその代謝物の直接的肝毒性が原因で起きる中毒性のものと、有効成分に対する抗原抗体反応が原因で起きるアレルギー性のものに大別される。
d 肝機能障害が疑われる場合であっても、医薬品の使用を中止することは治療の妨げとなるため、使用を中止してはならない。
1(a、c) 2(b、c)
3(b、d) 4(a、d)
問 18
偽アルドステロン症に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a 主な症状に、手足の脱力、血圧上昇、筋肉痛、こむら返り、倦怠感、手足のしびれ、頭痛、むくみ(浮腫)、喉の渇き、吐きけ・嘔吐等があり、病態が進行すると、筋力低下、起立不能、歩行困難、痙攣等を生じる。
b 偽アルドステロン症の発症者では、副腎皮質からのアルドステロン分泌が著しく増加している。
c 主に、若年者に生じやすく、原因医薬品の長期服用後に初めて発症する場合もあるが、副腎皮質のアルドステロン分泌能が低下している高齢者での発症はまれである。
d 偽アルドステロン症の初期症状に不審を感じつつも重症化させてしまう例が多く、症状に気付いた場合は直ちに原因と考えられる医薬品の使用を中止し、速やかに医師の診療を受けることが重要である。
a b c d
1 正 誤 正 正
2 誤 誤 正 誤
3 正 正 誤 誤
4 誤 正 正 正
5 正 誤 誤 正
問 19
呼吸器系に現れる医薬品の副作用に関する次の記述について、正しいものの組合せを下欄から選びなさい。
a 間質性肺炎は肺の中で肺胞と毛細血管を取り囲んで支持している組織(間質)が炎症を起こしたもので、発症すると、肺胞と毛細血管の間のガス交換効率が低下して血液に酸素を十分に取り込むことができず、息切れ、空咳(痰の出ない咳)、発熱等の症状を呈する。
b 肺線維症の症状は、一般的に医薬品の使用開始1~2週間程度で起こることが多く、かぜや気管支炎の症状と区別が難しいが、その症状は一過性で、自然と回復するため悪化することはない。
c 医薬品の副作用による喘息は、原因となる医薬品の使用後、1~2週間後に鼻水・鼻づまりが現れ、続いて咳、喘鳴(息をするとき喉がゼーゼー又はヒューヒュー鳴る)及び呼吸困難を生じる。
d 医薬品の副作用による喘息は、通年性(非アレルギー性)の鼻炎や慢性副鼻腔炎(蓄膿症)、鼻茸(鼻ポリープ)、嗅覚異常等、鼻の疾患を合併している人や、成人になってから喘息を発症した人、季節に関係なく喘息発作が起こる人等で発症しやすい。
1(a、b) 2(b、c)
3(a、d) 4(c、d)
問 20
循環器系に現れる医薬品の副作用に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a 鬱血性心不全とは、全身が必要とする量の血液を心臓から送り出すことができなくなり、肺に血液が貯留して、種々の症状を示す疾患である。
b 息切れ、疲れやすい、足のむくみ、急な体重の増加、咳とピンク色の痰などを認めた場合は、鬱血性心不全の可能性を疑い、早期に医師の診療を受ける必要がある。
c 医薬品により循環器系に生じる副作用は、有効成分又はその代謝物による直接的毒性が原因のため、腎機能や肝機能の低下による影響は受けない。
d 医薬品を適正に使用した場合であっても、動悸(心悸亢進)や一過性の血圧上昇、顔のほてり等の症状が現れたときには、重篤な症状への進行を防止するため、原因と考えられる医薬品の使用を中止し、症状によっては医師の診療を受けるなどの対応が必要である。
a b c d
1 正 誤 正 正
2 正 誤 誤 誤
3 誤 誤 正 正
4 正 正 誤 正
5 誤 正 正 誤
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