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【令和元年・関西広域②】登録販売者過去問解説【主な医薬品とその作用】

過去問題・解説

問 51
口内炎及び歯痛に関する記述について、正しいものの組合せを一つ選べ。

a  口内炎が長期間持続するあるいは再発を繰り返す場合には、口腔粘膜に生じた腫瘍やベーチェット病の可能性がある。
b  口内炎は、医薬品の副作用として生じる場合もある。
c  歯痛は、歯肉炎が重症化して、炎症が歯周組織全体に広がったものである。
d  歯痛薬は、歯の齲蝕を修復する。

1(a、b) 2(a、c)
3(b、d) 4(c、d)

【正解1】
c×
歯肉炎が重症化して、炎症が歯周組織全体に広がったものは、「歯周炎(歯槽膿漏)」。
歯痛は、歯の齲蝕(むし歯)とそれに伴う歯髄炎によって起こる。
d×
歯痛薬は、歯の齲蝕による歯痛を応急的に鎮めることを目的とする一般用医薬品であり、歯の齲蝕が修復されることはない。

問 52
禁煙補助剤に関する記述の正誤について、正しい組合せを一つ選べ。

a  咀嚼剤の禁煙補助剤は、噛むことで放出されたニコチンが口腔粘膜から吸収されて循環血液に移行するため、唾液が十分に分泌されるようにしっかり噛むことが必要である。
b  禁煙達成には時間を要することが多いが、禁煙補助剤は、添付文書で定められた期限を超える使用は避けるべきである。
c  禁煙達成はニコチン摂取量と関係するため、咀嚼剤の禁煙補助剤であれば1度に2個以上の使用が必要である。
d  禁煙補助剤は喫煙を完全に止めたうえで使用する。

・a b c d
1 正 誤 正 誤
2 正 誤 誤 正
3 誤 正 正 正
4 誤 正 誤 正
5 誤 誤 正 正

【正解4】
a×
咀嚼剤は、菓子のガムのように噛むと唾液が多く分泌され、ニコチンが唾液とともに飲み込まれてしまい、口腔粘膜からの吸収が十分なされず、また、吐きけや腹痛の副作用が現れやすくなるため、ゆっくりと断続的に噛むこととされている。
c×
大量に使用しても禁煙達成が早まるものでなく、かえってニコチン過剰摂取による副作用のおそれがあるため、1度に2個以上の使用は避ける必要がある。

問 53
滋養強壮保健薬に含まれる成分とその特徴の記述について、正しい組合せを一つ選べ。

1 ビタミンB2ー夜間視力の維持や、皮膚や粘膜の機能を正常に保つ作用がある。
2 ビタミンEー過剰摂取により、高カルシウム血症、異常石灰化を引き起こすことがある。
3 システインー赤血球の形成に必須で、神経機能を正常に保つ作用がある。
4 アミノエチルスルホン酸(タウリン)ー体のあらゆる部分に存在し、細胞の機能が正常に働くために重要な物質である。

【正解4】
1×
記載は、ビタミンAの内容。
2×
記載は、ビタミンDの内容。
3×
記載は、ビタミンB12の内容。

問 54
滋養強壮保健薬及びそれに含まれる成分に関する記述の正誤について、正しい組合せを一つ選べ。

a  ビタミンCの過剰摂取による歯ぐきからの出血や鼻出血に注意が必要である。
b  ある程度継続して使用されることによって効果が得られる性質の医薬品であるため、効果が現れなくとも3か月位服用することが必要である。
c  ビタミンが配合された保健薬のうち、1日最大量が既定値を超えるものは、医薬品としてのみ販売されている。
d  ビタミンB1を過剰に摂取していたと思われる妊婦から生まれた新生児において、先天異常の割合が上昇したとの報告がある。

・a b c d
1 正 正 誤 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 誤 誤
4 誤 誤 正 正
5 誤 誤 正 誤

【正解5】
a×
ビタミンCは、歯ぐきからの出血・鼻出血の予防、しみ、そばかす、日焼け・かぶれによる色素沈着の症状の緩和等に用いられる。
b×
1ヶ月位服用しても症状の改善がみられない場合には、栄養素の不足以外の要因が考えられるため、漫然と使用を継続することなく、症状によっては医療機関を受診する等、適切な対処が図られることが重要である。
d×
記載は、ビタミンAの内容。

問 55
漢方の特徴・漢方薬使用における基本的な考え方に関する記述について、正しいものの組合せを一つ選べ。

a  日本の漢方医学に基づく漢方薬は、現代中国で利用されている中医学に基づく中薬、韓国の韓医学に基づく韓方薬とすべて考え方は同じで、区別されてはいない。
b  漢方の病態認識には、気血水は含まれていない。
c  漢方処方製剤の用法用量において、適用年齢の下限が設けられていない場合であっても、生後3か月未満の乳児には使用しないこととされている。
d  一般の生活者では「漢方薬は作用が穏やかで、副作用が少ない」などという認識がなされていることがあるが、まれに肝機能障害や間質性肺炎のような重篤な副作用が起きることがある。

1(a、b) 2(a、c)
3(b、d) 4(c、d)

【正解4】
a×
日本の漢方医学に基づく漢方薬、中国の中医学に基づく中薬、韓国の韓医学に基づく韓方薬は、別物であり、区別されている。
b×
気血水は含まれている。
漢方の病態認識には、虚実、陰陽、気血水、五臓などがある。

問 56
肥満症に用いられる漢方処方製剤に関する記述の正誤について、正しい組合せを一つ選べ。

a  肥満症向けの漢方処方製剤は非常に効果があるため、服用中は糖質や脂質を多く含む食品を過剰に摂取しても差し支えない。
b  大柴胡湯は、体力が充実して、脇腹からみぞおちあたりにかけて苦しく、便秘の傾向があるものの胃炎、神経症、肥満症に用いられる。
c  防風通聖散は、小児に対する適用はない。
d  防己黄耆湯は、防風通聖散と同じく体力が充実している人の肥満症に用いられる。

・a b c d
1 正 正 誤 正
2 正 正 誤 誤
3 誤 正 正 誤
4 誤 正 誤 正
5 誤 誤 正 誤

【正解3】
a×
基本的に肥満症には、糖質や脂質を多く含む食品の過度の摂取を控える、日常生活に適度な運動を取り入れる等、生活習慣の改善が図られることが重要である。
d×
防己黄耆湯は、体力中等度以下の人に用いられる。

問 57
殺菌消毒薬に関する記述の正誤について、正しい組合せを一つ選べ。

a  手指又は皮膚の殺菌・消毒を目的とする消毒薬は、医薬品としてのみ製造販売されている。
b  次亜塩素酸ナトリウムは、強い酸化力により一般細菌類、真菌類、ウイルス全般に対する殺菌消毒作用を示し、手指又は皮膚の消毒に用いられる。
c  消毒薬を誤って飲み込んだ場合、一般的な家庭における応急処置としては、誤飲してから数分以内に多量の牛乳又は水を飲ませるのがよい。
d  クレゾール石鹸液原液が皮膚に付着した場合には、刺激性が強いため、直ちに石鹸水と水で洗い流す。

・a b c d
1 正 正 誤 誤
2 誤 正 正 誤
3 誤 誤 正 正
4 誤 誤 誤 正
5 正 誤 誤 誤

【正解3】
a×
手指又は皮膚の殺菌・消毒を目的とする消毒薬のうち、配合成分やその濃度等があらかじめ定められた範囲内である製品については、医薬部外品として流通することが認められている。
b×
次亜塩素酸ナトリウムは、皮膚刺激性が強いため、通常人体の消毒には用いられず、専ら器具、設備等に用いられる。

問 58
有機リン系殺虫成分に関する記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組合せを一つ選べ。

ジクロルボスやクロルピリホスメチルの殺虫作用は、( a )を分解する酵素と( b )に結合してその働きを阻害することによる。これらの殺虫成分は、ほ乳類や鳥類では速やかに排泄されるため毒性は比較的低いが、高濃度又は多量に曝露した場合には、神経の異常な興奮が起こり、( c )、呼吸困難、筋肉麻痺等の症状が現れるおそれがある。

1 aドーパミン    b可逆的  c縮瞳
2 aノルアドレナリン b不可逆的 c散瞳
3 aアセチルコリン  b可逆的  c散瞳
4 aドーパミン    b不可逆的 c散瞳
5 aアセチルコリン  b不可逆的 c縮瞳

【正解5】
ジクロルボスやクロルピリホスメチルの殺虫作用は( アセチルコリン )を分解する酵素と( 不可逆的 )に結合してその働きを阻害することによる。これらの殺虫成分は、ほ乳類や鳥類では速やかに排泄されるため毒性は比較的低いが、高濃度又は多量に曝露した場合には、神経の異常な興奮が起こり( 縮瞳 )、呼吸困難、筋肉麻痺等の症状が現れるおそれがある。

問 59
一般用検査薬を販売する際の説明内容として、必ずしも必要ではないものを一つ選べ。

1  検査薬が製品化されるまでの学術的論争
2  検査薬の使い方や保管上の注意
3  検査を妨害する物質及びそれが検査結果に与える影響
4  検体の採取時間とその意義
5  検査結果の判定

【正解1】

問 60
尿タンパク及び尿タンパク検査薬に関する記述の正誤について、正しい組合せを一つ選べ。

a  尿中のタンパク値に異常を生じる要因に尿路結石や腎炎などがある。
b  腎臓に病気がなければ、激しい運動をした後に尿タンパクが出ることはない。
c  正確な検査結果を得るため、検査薬を長い間尿に浸しておく必要がある。
d  検査結果で尿タンパクが陰性であれば、症状があっても、医療機関の受診を考える必要はない。

・a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 誤 正 誤
3 正 正 誤 正
4 正 誤 誤 誤
5 誤 誤 誤 誤

【正解4】
b×
激しい運動の直後は、尿タンパクの検査結果に影響を与える要因になる。
c×
長い間尿に浸していると検出成分が溶け出してしまい、正確な検査結果が得られなくなることがある。
d×
検査結果では尿タンパクが陰性でも、何らかの症状がある場合は、再検査するか又は医療機関を受診して医師に相談するなどの対応が必要である。

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