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【令和元年・北海道東北①】登録販売者過去問解説【医薬品に共通する特性と基本的な知識】

【令和元年度・北海道・東北①】登録販売者試験解説【医薬品に共通する特性と基本的な知識】 過去問題・解説

問 11
医療機関で治療を受けている人等に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a  生活習慣病等の慢性疾患を持ち、治療を受けながら日常生活を送る生活者が一般用医薬品を使用することによって、症状が悪化したり、治療が妨げられることがある。
b  医療機関・薬局で交付された薬剤を使用している人が一般用医薬品を購入する場合、登録販売者は、その薬剤を処方した医師又は調剤を行った薬剤師に相談するよう説明する必要がある。
c  過去に医療機関で治療を受けていた(今は治療を受けていない)という場合、登録販売者は、一般用医薬品の購入者等が使用の可否を適切に判断することができるよう情報提供することが重要である。
d 医療機関での治療を特に受けていない場合、一般用医薬品の使用について、特に注意する必要はない。

・a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 正
4 誤 正 正 誤
5 誤 誤 誤 正

【正解1】
d×
医療機関での治療は特に受けていない場合であっても、医薬品の種類や配合成分等によっては、特定の症状がある人が使用するとその症状を悪化させるおそれがある等、注意が必要なものがある

問 12
次の記述は、医薬品の品質に関するものである。正しいものの組み合わせはどれか。

a  医薬品に配合されている成分が、光(紫外線)によって品質の劣化を引き起こすことはない。
b  医薬品が保管・陳列される場所については、清潔性が保たれるよう留意する必要がある。
c  一般用医薬品は、家庭における常備薬として購入されることも多いことから、外箱等に記載されている使用期限から十分な余裕をもって販売等がなされることが重要である。
d  医薬品の外箱等に表示されている使用期限は、開封・未開封を問わず、品質が保持される期限である。

1(a、b) 2(a、d)
3(b、c) 4(c、d)

【正解3】
a×
高温や多湿、光(紫外線)等によって品質の劣化(変質・変敗)を起こしやすいものが多い
d×
表示されている使用期限は、未開封状態で保管された場合に品質が保持される期限である

問 13
一般用医薬品の選択及びセルフメディケーションに関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a  近年、専門家による適切なアドバイスの下、身近にある一般用医薬品を利用するセルフメディケーションの考え方がみられるようになってきている。
b  症状が重いとき(例えば、高熱や激しい腹痛がある場合、患部が広範囲である場合等)に、一般用医薬品を使用することは、一般用医薬品の役割にかんがみて、適切な対処とはいえない。
c  一般用医薬品を一定期間若しくは一定回数使用しても、症状の改善がみられない又は悪化したときには、医療機関を受診して医師の診療を受ける必要がある。
d  セルフメディケーションの主役は、一般の生活者であるため、専門家からの情報提供は、単に専門用語をわかりやすい平易な表現で説明するだけでよい。

・a b c d
1 正 正 誤 正
2 誤 正 正 誤
3 誤 誤 正 正
4 正 誤 誤 正
5 正 正 正 誤

【正解5】
d×
単に専門用語を分かりやすい平易な表現で説明するだけでなく、説明した内容が購入者等にどう理解され、行動に反映されているかなどの実情を把握しながら行う

問 14
次の記述は、一般用医薬品の販売時のコミュニケーションに関するものである。正しいものの組み合わせはどれか。

a  購入者等が適切な医薬品を選択し適正に使用していくために、登録販売者は、可能な限り、購入者側の個々の状況の把握に努めることが重要となる。
b  一般用医薬品の場合、必ずしも情報提供を受けた当人が医薬品を使用するとは限らないことを踏まえ、販売時のコミュニケーションを考える必要がある。
c  情報提供を受ける購入者等が医薬品を使用する本人で、かつ、現に症状等がある場合は、言葉によるコミュニケーションから得られる情報以外は、状況把握につながる重要な手がかりとならない。
d  購入者等が医薬品を使用する状況は随時変化する可能性があるが、販売後のコミュニケーションの機会を継続的に確保する必要はない。

1(a、b) 2(a、c)
3(b、d) 4(c、d)

【正解1】
c×
言葉によるコミュニケーションから得られる情報のほか、その人の状態や様子全般から得られる情報も、状況把握につながる重要な手がかりとなる
d×
販売数量は一時的に使用する必要量とする等、販売時のコミュニケーションの機会が継続的に確保されるよう配慮することも重要である

問 15
医薬品の販売等に従事する専門家が購入者に確認しておきたい基本的なポイントに関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a  何のためにその医薬品を購入しようとしているか(購入者側のニーズ、購入の動機)。
b  その医薬品を使用する人が医療機関で治療を受けていないか。
c  その医薬品を使用する人が相互作用や飲み合わせで問題を生じるおそれのある他の医薬品や食品を摂取していないか。
d  その医薬品を使用する人が過去にアレルギーや医薬品による副作用等の経験があるか。

・a b c d
1 正 正 誤 誤
2 正 誤 正 誤
3 誤 正 正 誤
4 正 正 正 正
5 誤 誤 誤 正

【正解4】
全て正しい

問 16
次の記述は、薬害及びサリドマイドに関するものである。正しいものの組み合わせはどれか。

a  薬害は、医薬品が十分注意して使用されていれば、起こることはない。
b  サリドマイド訴訟とは、催眠鎮静剤等として販売されたサリドマイド製剤を妊娠している女性が使用したことにより、出生児に四肢欠損、耳の障害等の先天異常が発生したことに対する損害賠償訴訟である。
c  1961年11月、西ドイツのレンツ博士がサリドマイド製剤の催奇形性について警告を発し、我が国では、同年中に販売停止及び回収措置が行われるなど、迅速な対応が行われた。
d  サリドマイドによる薬害事件によって、世界保健機関加盟国を中心に市販後の副作用情報の収集の重要性が改めて認識され、各国における副作用情報の収集体制の整備が図られることとなった。

1(a、b) 2(a、c)
3(b、d) 4(c、d)

【正解3】
a×
薬害は、医薬品が十分注意して使用されたとしても起こり得るものである
c×
日本での販売停止及び回収措置は1962年9月になり、対応の遅さが問題視された

問 17
次の記述は、サリドマイドに関するものである。正しいものの組み合わせはどれか。

a  サリドマイド製剤を妊娠している女性が摂取しても、サリドマイドが血液—胎盤関門を通過して胎児に移行することはない。
b  胎児は、サリドマイドによって血管新生が妨げられると細胞分裂が正常に行われず、器官が十分に成長しない。
c  血管新生を妨げる作用は、サリドマイドの光学異性体のうち、一方の異性体(S体)のみが有する作用であり、もう一方の異性体(R体)にはないとされている。
d  鎮静作用は、S体のみが有するとされている。

1(a、b) 2(a、d)
3(b、c) 4(c、d)

【正解3】
a×
サリドマイドは、血液―胎盤関門を通過して胎児に移行する
d×
鎮静作用はR体のみが有する

S体のみが有するのは、血管新生を妨げる作用です

問 18
亜急性脊髄視神経症(スモン)に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a  症状として、初期には腹部の膨満感から激しい腹痛を伴う下痢を生じ、次第に下半身の痺れや脱力、歩行困難等が現れる。
b  原因は、整腸剤として販売されていたキノホルム製剤を使用したことによるものである。
c  視覚障害から失明に至ることはない。
d  スモン訴訟を一つの契機として、医薬品の副作用による健康被害の迅速な救済を図るため、医薬品副作用被害救済制度が創設された。

・a b c d
1 正 正 誤 正
2 正 誤 正 誤
3 正 誤 誤 正
4 誤 正 誤 誤
5 誤 正 正 正

【正解1】
c×
視覚障害から失明に至ることもある

問 19
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)訴訟及びその後の取り組みに関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a  HIV訴訟とは、白血病患者が、HIVの混入した原料血漿から製造された血液凝固因子製剤の投与により、HIVに感染したことに対する損害賠償訴訟である。
b  HIV訴訟の和解を踏まえ、国は、HIV感染者に対する恒久対策として、エイズ治療研究開発センター及び拠点病院の整備や治療薬の早期提供等の様々な取り組みを推進してきている。
c  HIV感染再発防止の取り組みの一つである感染症報告は、製薬企業に対して義務づけられていない。
d  血液製剤の安全確保対策として、検査や献血時の問診の充実が図られるとともに、薬事行政組織の再編、情報公開の推進、健康危機管理体制の確立等がなされた。

・a b c d
1 誤 正 正 正
2 正 誤 誤 誤
3 正 誤 誤 正
4 正 正 正 誤
5 誤 正 誤 正

【正解5】
a×
白血病患者ではなく、血友病患者
c×
製薬企業に対し従来の副作用報告に加えて感染症報告も義務づけられた

問 20
次の記述は、クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)に関するものである。正しいものの組み合わせはどれか。

a  CJD訴訟とは、脳外科手術等に用いられていたウシ乾燥硬膜を介してCJDに罹患したことに対する訴訟である。
b  ウイルスの一種であるプリオンが原因とされている。
c  プリオンが脳の組織に感染し、次第に認知症に類似した症状が現れ、死に至る重篤な神経難病である。
d  プリオン不活化のための十分な化学的処理が行われないまま製品として流通し、脳外科手術で移植された患者にCJDが発生した。

1(a、b) 2(a、c)
3(b、d) 4(c、d)

【正解4】
a×
脳外科手術等に用いられていたヒト乾燥硬膜を介してCJDに罹患したことに対する損害賠償訴訟である
b×
タンパク質の一種であるプリオンが脳の組織に感染することによって発症する
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