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【令和2年度・甲信越④】登録販売者過去問解説【主な医薬品とその作用】

過去問題・解説

問 11
口腔咽喉薬及びうがい薬(含嗽薬)とその配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a ポビドンヨードが配合された含嗽薬では、その使用によって銀を含有する歯科材料(義歯等)が変色することがある。
b アズレンスルホン酸ナトリウム(水溶性アズレン)は、口腔内や喉に付着した細菌等の微生物を死滅させたり、その増殖を抑えることを目的として用いられる。
c クロルヘキシジン塩酸塩は、炎症を生じた粘膜組織の修復を促す作用を期待して用いられる。

a b c
1 正 正 誤
2 正 誤 正
3 正 誤 誤
4 誤 正 正

【正解3】
b×アズレンスルホン酸ナトリウム(水溶性アズレン)は、炎症を生じた粘膜組織の修復を促す作用を期待して用いられる。
記述は、クロルヘキシジン塩酸塩等の殺菌消毒成分の内容。
c×クロルヘキシジン塩酸塩は、口腔内や喉に付着した細菌等の微生物を死滅させたり、その増殖を抑えることを目的として用いられる。
記述は、アズレンスルホン酸ナトリウム(水溶性アズレン)の内容。

問 12
強心薬及びその成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 心筋に直接刺激を与え、その収縮力を高める作用(強心作用)を期待して、生薬成分であるジャコウが用いられる。
b ゴオウは、ウグイスガイ科のアコヤガイ等の外套膜組成中に病的に形成された顆粒状物質を基原とする生薬で、鎮静作用等を期待して用いられる。
c 苓桂朮甘湯は、構成生薬としてカンゾウを含み、高血圧、心臓病、腎臓病の診断を受けた人では、偽アルドステロン症を生じやすい。
d センソが配合された一般用医薬品では、センソの1日用量が10mg以下となるよう用法・用量が定められている。

a b c d
1 正 誤 正 正
2 正 正 誤 正
3 誤 正 誤 正
4 誤 正 正 誤
5 正 誤 正 誤

【正解5】
b×ゴオウは、ウシ科のウシの胆嚢中に生じた結石を基原とする生薬で、強心作用のほか、末梢血管の拡張による血圧降下、興奮を静める等の作用があるとされる。
記述は、シンジュの内容。
d×1日用量が「5㎎以下」となるよう用法・用量が定められている。

問 13
高コレステロール改善薬及びその成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 高コレステロール改善薬の使用は、食事療法、運動療法の補助的な位置づけである。
b 高コレステロール改善薬は、血中コレステロール異常の改善、血中コレステロール異常に伴う末梢血行障害(手足の冷え、痺れ)の緩和等を目的として使用される医薬品である。
c 大豆油不鹸化物(ソイステロール)は、悪心(吐きけ)、胃部不快感、胸やけ、下痢等の消化器系の副作用が現れることがある。

a b c
1 正 誤 正
2 誤 正 正
3 正 誤 誤
4 正 正 誤
5 正 正 正

【正解5】
全て正しい

問 14
貧血及び貧血用薬(鉄製剤)に含まれている成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a 貧血用薬(鉄製剤)の主な副作用として、間質性肺炎を生じることが知られている。
b 貧血のうち、鉄製剤で改善できるのは、鉄欠乏性貧血のみである。
c 貧血用薬(鉄製剤)を服用する前後30分にタンニン酸を含む飲食物(緑茶、紅茶、コーヒー等)を摂取すると、タンニン酸と反応して鉄の吸収が促進される。
d 体の成長が著しい年長乳児や幼児、月経血損失のある女性、鉄要求量の増加する妊婦・母乳を与える女性では、鉄欠乏状態を生じやすい。

1(a、b) 2(a、c) 3(b、c)
4(b、d) 5(c、d)

【正解4】
a×貧血用薬(鉄製剤)の主な副作用として、「悪心(吐きけ)、嘔吐、食欲不振、胃部不快感、腹痛、便秘、下痢等の胃腸障害」が知られている。
c×服用の前後30分にタンニン酸を含む飲食物(緑茶、紅茶、コーヒー、ワイン、柿等)を摂取すると、タンニン酸と反応して鉄の吸収が「悪くなることがある」。

問 15
循環器用薬に含まれている成分に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 日本薬局方収載のコウカを煎じて服用する製品は、冷え症及び血色不良に用いられる。
2 イノシトールヘキサニコチネートは、末梢の血液循環を改善する作用を示すとされる。
3 ユビデカレノンは、作用増強を目的として強心薬との併用が推奨される。
4 ルチンは、ビタミン様物質の一種で、高血圧等における毛細血管の補強、強化の効果を期待して用いられる。

【正解3】
ユビデカレノンは、作用が増強されて心臓に負担を生じたり、副作用が現れやすくなるおそれがあることから、「強心薬等との併用は避ける」必要がある。

問 16
女性の体質及び婦人薬に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 女性の月経は、子宮の内壁を覆っている膜(子宮内膜)が剥がれ落ち、血液(経血)と共に排出される生理現象で、一生のうち妊娠可能な期間に、妊娠期間中などを除き、ほぼ毎月、周期的に起こる。
b 人工的に合成された女性ホルモンの一種であるエチニルエストラジオールは、妊娠中の女性ホルモンの補充のために用いられる。
c 女性ホルモン成分の長期連用により血栓症を生じるおそれがある。
d 月経周期は、種々のホルモンの複雑な相互作用によって調節されており、視床下部や下垂体で産生されるホルモンと、卵巣で産生される女性ホルモンが関与する。

a b c d
1 正 誤 正 誤
2 正 正 誤 誤
3 誤 正 誤 正
4 誤 正 正 誤
5 正 誤 正 正

【正解5】
b×妊娠中の女性ホルモン成分の摂取によって胎児の先天性異常の発生が報告されており、妊婦又は妊娠していると思われる女性では「使用を避ける」必要がある。

問 17
アレルギーに関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a アレルゲンが皮膚や粘膜から体内に入り込むと、肥満細胞を直接刺激し、ヒスタミン等の物質を遊離させる。
b アレルゲンに対して徐々に体を慣らしていく治療法を減感作療法という。
c 肥満細胞から遊離したヒスタミンは、周囲の器官や組織の表面に分布する特定のタンパク質(受容体)と反応することで、血管収縮、血管透過性低下等の作用を示す。

a b c
1 正 正 誤
2 正 誤 正
3 誤 正 正
4 誤 正 誤

【正解4】
a×アレルゲンが皮膚や粘膜から体内に入り込むと、「その物質を特異的に認識した免疫グロブリンによって肥満細胞が刺激され」、ヒスタミンやプロスタグランジン等の物質が遊離する。
c×周囲の器官や組織の表面に分布する特定のタンパク質(受容体)と反応することで、血管「拡張」、血管透過性「亢進」等の作用を示す。

問 18
内服アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む。)及びその成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せどれか。

a メチルエフェドリン塩酸塩は、依存性がある成分であり、長期間にわたって連用された場合、薬物依存につながるおそれがある。
b 一般用医薬品には、アトピー性皮膚炎による慢性湿疹等の治療に用いることを目的とするものはない。
c 皮膚や鼻粘膜の炎症を和らげることを目的として、トラネキサム酸が配合されている場合がある。
d 交感神経系を刺激して鼻粘膜の血管を収縮させることによって鼻粘膜の充血や腫れを和らげることを目的として、ジフェンヒドラミン塩酸塩が配合されている場合がある。

a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 正
4 誤 正 誤 誤
5 誤 誤 正 誤

【正解1】
d×
交感神経系を刺激して鼻粘膜の血管を収縮させることによって鼻粘膜の充血や腫れを和らげることを目的として配合されるのは、プソイドエフェドリン塩酸塩、フェニレフリン塩酸塩、メチルエフェドリン塩酸塩等のアドレナリン作動成分。
ジフェンヒドラミン塩酸塩は、肥満細胞から遊離したヒスタミンが受容体と反応するのを妨げることにより、ヒスタミンの働きを抑える作用を示す抗ヒスタミン成分。

問 19
鼻に用いる薬及びその成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a ベンザルコニウム塩化物は、陽性界面活性成分で、黄色ブドウ球菌、溶血性連鎖球菌又はカンジダ等の真菌類に対する殺菌消毒作用を示すほか、ウイルスに対しても効果がある。
b リドカイン塩酸塩は、鼻粘膜の過敏性や痛み、痒みを抑えることを目的として配合されている場合がある。
c 点鼻薬は局所(鼻腔内)に適用されるものであり、全身的な影響を生じることはない。
d 鼻粘膜が腫れてポリープ(鼻茸)となっている場合には、一般用医薬品により対処を図ることは適当でなく、医療機関による治療(ステロイド性抗炎症成分を含む点鼻薬の処方等)が必要となる。

a b c d
1 正 誤 正 誤
2 正 正 誤 正
3 誤 誤 正 正
4 誤 正 誤 正
5 誤 正 正 誤

【正解4】
a×
黄色ブドウ球菌、溶血性連鎖球菌又はカンジダ等の真菌類に対する殺菌消毒作用を示すが、結核菌や「ウイルスには効果がない」
c×
点鼻薬は局所(鼻腔内)に適用されるものであるが、成分が鼻粘膜を通っている血管から吸収されて循環血液中に入りやすく、全身的な影響を生じることがある。

問 20
一般用検査薬に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 通常、尿は弱酸性であるが、食事その他の影響で中性~弱アルカリ性に傾くと、尿糖・尿タンパク検査において正確な検査結果が得られなくなることがある。
b 妊娠検査薬は、尿中のヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)の有無を調べるものであり、通常、実際に妊娠が成立してから4週目前後の尿中hCG濃度を検出感度としている。
c 一般用検査薬の対象には、遺伝性疾患の診断に関係するものも含まれる。

a b c
1 誤 正 誤
2 正 誤 正
3 誤 正 正
4 誤 誤 正
5 正 正 誤

【正解5】
c×悪性腫瘍、心筋梗塞や遺伝性疾患など重大な疾患の診断に関係するものは一般用医薬品の「対象外」である。

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