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【令和元年・奈良②】登録販売者過去問解説【人体の働きと医薬品】

過去問題・解説

問 31
骨格系に関する記述のうち、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。

a  骨には、カルシウムやリン等の無機質を蓄える機能がある。
b  骨の基本構造は、骨質、骨膜、骨髄、関節軟骨の四組織からなる。
c  関節周囲を包む膜(関節膜)の外側には軟骨層があって骨を連結し、関節部を補強している。
d  骨は生きた組織であるが、成長が停止した後は破壊(骨吸収)が行われるのみである。

1(a、b) 2(a、c)
3(b、d) 4(c、d)

【正解1】
c×
関節周囲を包む膜(関節膜)の外側には「靱帯」があって骨を連結し、関節部を補強している。
d×
骨は生きた組織であり、成長が停止した後も一生を通じて破壊(骨吸収)と修復(骨形成)が行われている。

問 32
医薬品の吸収、代謝、排泄に関する記述のうち、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。

a  有効成分と血漿タンパク質との結合は、速やかかつ不可逆的である。
b  加齢等により皮膚のみずみずしさが低下すると、塗り薬の有効成分が浸潤・拡散しやすくなる。
c  医薬品の有効成分の母乳中への移行は、体内からの消失経路としての意義は小さいが、乳児に対する副作用の発現という点で、軽視することはできない。
d  循環血液中に存在する有効成分の多くは、未変化体又は代謝物の形で腎臓から尿中に排泄される。

1(a、b) 2(a、c)
3(b、d) 4(c、d)

【正解4】
a×
血漿タンパク質との結合は、速やかかつ「可逆的」で、一つ一つの分子はそれぞれ結合と解離を繰り返している。
b×
加齢等により皮膚のみずみずしさが低下すると、有効成分が浸潤・拡散「しにくくなる」。

問 33
医薬品の剤形、適切な使用方法に関する記述のうち、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。

a  口腔内崩壊錠は、口の中の唾液で速やかに溶ける工夫がなされているため、水なしで服用することができる。
b  経口液剤は、固形製剤よりも飲み込みやすく、服用後、消化管からの吸収が比較的遅いという特徴がある。
c  カプセル剤は、原材料としてゼラチンが広く用いられており、水なしで服用すると喉や食道に貼り付くことがあるため、必ず適量の水またはぬるま湯とともに服用する。
d  一般的には、適用する部位の状態に応じて、適用部位を水から遮断したい場合にはクリーム剤を用い、患部が乾燥していたり患部を水で洗い流したい場合等には軟膏剤を用いることが多い。

1(a、b) 2(a、c)
3(b、d) 4(c、d)

【正解2】
b×
経口液剤は、既に有効成分が液中に溶けたり分散したりしているため、服用後「比較的速やかに」消化管から吸収されるという特徴がある。
d×
一般的には、適用部位を水から遮断したい場合には「軟膏剤」を用い、患部が乾燥していたり患部を水で洗い流したい場合等には「クリーム剤」を用いることが多い。

問 34
薬疹に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a  医薬品の使用後1~2週間で起きることが多い。
b  皮膚以外に、眼の充血や口唇・口腔粘膜に異常が見られることがある。
c  医薬品を使用した後に現れた発疹・発赤等の痒み等の症状に対しては、自己判断で対症療法を行うことを優先すべきである。
d  あらゆる医薬品で起きる可能性がある。

a b c d
1 正 誤 正 誤
2 正 正 誤 誤
3 誤 誤 正 正
4 誤 正 正 正
5 正 正 誤 正

【正解5】
c×
痒み等の症状に対して、一般の生活者が自己判断で対症療法を行うことは、原因の特定を困難にするおそれがあるため、避けるべきである。

問 35
医薬品の副作用に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a  一般用医薬品による副作用は、長期連用のほか、不適切な医薬品の併用や医薬品服用時のアルコール飲用等が原因で起きる場合がある。
b  ショック(アナフィラキシー)は、生体異物に対する即時型のアレルギー反応の一 種である。
c  ステロイド性抗炎症薬や抗癌薬の使用により、血液中の白血球(好中球)が減少し、 細菌やウイルスの感染に対する抵抗力が弱くなることがある。
d  偽アルドステロン症は、原因医薬品の長期服用後に初めて発症することがあるが、 医薬品と食品との間の相互作用により起きることはない。

a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 正 誤 誤
3 正 誤 正 正
4 誤 正 正 正
5 誤 誤 誤 正

【正解1】
d×
偽アルドステロン症は、複数の医薬品や、医薬品と食品との間の相互作用によって起きることがある。

問 36
循環器系に現れる副作用に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選び なさい。

a  医薬品の副作用として現れる鬱血性心不全では、全身が必要とする量の血液を心臓から送り出すことができなくなり、肺に血液が貯留して、種々の症状を示す。
b  医薬品を適正に使用した場合、動悸(心悸亢進)や一過性の血圧上昇、顔のほてり等を生じることはない。
c  息切れ、疲れやすい、足のむくみ、急な体重の増加、咳とピンク色の痰などを認めた場合は、鬱血性心不全の可能性を疑い、早期に医師の診療を受ける必要がある。
d  高齢者は、腎機能や肝機能の低下によって、医薬品による不整脈の発症リスクが高まることがあるので配慮が必要である。

a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 正 誤 誤
3 正 誤 正 正
4 誤 正 正 正
5 誤 誤 誤 正

【正解3】
b×
医薬品を適正に使用した場合であっても、動悸(心悸亢進)や一過性の血圧上昇、顔のほてり等を生じることがある。

問 37
医薬品の副作用として現れる肝機能障害に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a  軽度の肝障害の場合、自覚症状がなく、健康診断等の血液検査で初めて判明することが多い。
b  黄疸とは、尿酸が胆汁中に排出されず血液中に滞留することによって、皮膚や白眼が黄色くなる病態である。
c  原因と考えられる医薬品を使用し続けると、不可逆的な病変(肝不全)を生じ、死に至ることがある。
d  医薬品により生じる肝機能障害は、有効成分又はその代謝物の直接的肝毒性が原因で起きる中毒性のものと、有効成分に対する抗原抗体反応が原因で起きるアレルギー性のものに大別される。

a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 正 誤 誤
3 正 誤 正 正
4 誤 正 正 正
5 誤 誤 誤 正

【正解3】
b×
黄疸とは「ビリルビン(黄色色素)」が胆汁中へ排出されず血液中に滞留することにより生じる、皮膚や白眼が黄色くなる病態である。

問 38
医薬品の副作用として現れる皮膚粘膜眼症候群に関する記述のうち、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。

a  最初に報告をした医師の名前にちなんでライエル症候群とも呼ばれる。
b  発症機序の詳細が明確にされているため、発症を予測することが容易である。
c  38℃以上の高熱を伴って、発疹・発赤、火傷様の水疱等の激しい症状が比較的短時間のうちに全身の皮膚、口、眼等の粘膜に現れる病態である。
d  発生頻度は、人口100万人当たり年間1~6人と報告されている。

1(a、b) 2(a、c)
3(b、d) 4(c、d)

【正解4】
a×
皮膚粘膜眼症候群は、「スティーブンス・ジョンソン症候群」とも呼ばれる。
「ライエル症候群」とも呼ばれるのは、中毒性表皮壊死融解症。
b×
発症機序の詳細は不明であり、発症の可能性がある医薬品の種類も多いため、発症の予測は極めて困難である。

問 39
精神神経系に現れる医薬品の副作用に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

a 精神神経障害では、中枢神経系が影響を受け、物事に集中できない、不眠、不安、 震え、興奮、うつ等の精神神経症状を生じることがある。
b 眠気は、比較的軽視されがちであるが、乗物や危険な機械類の運転操作中に眠気を生じると重大な事故につながる可能性が高い。
c 無菌性髄膜炎は、医薬品の副作用が原因の場合、全身性エリテマトーデス、混合性結合組織病、関節リウマチ等の基礎疾患がある人で発症のリスクが高い。
d 精神神経症状の発生は、医薬品の大量服用や長期連用、乳幼児への適用外の使用等の不適正な使用がなされた場合に限られる。

a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 正 誤 誤
3 正 誤 正 正
4 誤 正 正 正
5 誤 誤 誤 正

【正解1】
d×
精神神経症状は、医薬品の大量使用や長期連用、乳幼児への適用外の使用等の不適正な使用がなされた場合に限らず、通常の用法・用量でも発生することがある。

問 40
呼吸器系に現れる医薬品の副作用に関する記述のうち、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。

a  間質性肺炎は、医薬品の使用開始から1~2日間程度で起きることが多く、必ずしも発熱は伴わない。
b  間質性肺炎は、症状が一過性に現れ、自然と回復することもあるが、悪化すると肺線維症に移行することがある。
c  喘息は、合併症の有無にかかわらず、原因となった医薬品の有効成分が体内から消失しても症状は寛解しない。
d  喘息は、原因となる医薬品の使用後、短時間(1時間以内)のうちに鼻水・鼻づまりが現れ、続いて咳、喘鳴及び呼吸困難を生じる。

1(a、b) 2(a、c)
3(b、d) 4(c、d)

【正解3】
a×
間質性肺炎は、医薬品の使用開始から「1~2週間」程度で起きることが多い。
c×
喘息は、合併症を起こさない限り、原因となった医薬品の有効成分が体内から消失すれば症状は寛解する。
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