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【令和元年・中国④】登録販売者過去問解説【主な医薬品とその作用】

過去問題・解説

問 91
眼科用薬の配合成分に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

1  ネオスチグミンメチル硫酸塩は、コリンエステラーゼの働きを抑える作用を示し、毛様体におけるアセチルコリンの働きを助けることで、目の調節機能を改善する効果を目的として用いられる。
2  コンドロイチン硫酸ナトリウムは、結膜や角膜の乾燥を防ぐことを目的として用いられる。
3  イプシロン-アミノカプロン酸は、炎症を生じた眼粘膜の組織修復を促す作用を目的として用いられる。
4  スルファメトキサゾールは、細菌感染(ブドウ球菌や連鎖球菌)による結膜炎やものもらい(麦粒腫)、眼瞼炎などの化膿性の症状の改善を目的として用いられる。

【正解3】
記載は、アズレンスルホン酸ナトリウム(水溶性アズレン)、アラントインの内容。
イプシロン-アミノカプロン酸は、炎症の原因となる物質の生成を抑える作用を示し、目の炎症を改善する効果を期待して用いられる。

問 92
外皮用薬に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a  スプレー剤は、患部の至近距離から噴霧し、また、連続して噴霧する時間は5秒以内とすることが望ましい。
b  創傷部に殺菌消毒薬を繰り返し適用すると、皮膚常在菌が殺菌されてしまい、また、殺菌消毒成分により組織修復が妨げられて、かえって治癒しにくくなったり、状態を悪化させることがある。
c  温感刺激成分を主薬とする貼付剤では、入浴前後の使用は適当でなく、入浴1時間前には剥がし、入浴後は皮膚のほてりが鎮まってから貼付するべきである。
d  一般的に、みずむしのじゅくじゅくと湿潤している患部には液剤が、皮膚が厚く角質化している部分には軟膏又はクリームが適している。

1(a,b) 2(a,c) 3(a,d)
4(b,c) 5(b,d)

【正解4】
a×
患部から十分離して噴霧し、また、連続して噴霧する時間は3秒以内とすることが望ましい。
d×
一般的に、じゅくじゅくと浸潤している患部には「軟膏又はクリーム」が適すとされ、皮膚が厚く角質化している部分には「液剤」が適している。

問 93
外皮用薬に用いられるステロイド性抗炎症成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a  主なステロイド性抗炎症成分として、デキサメタゾン、プレドニゾロン酢酸エステル、インドメタシン等がある。
b  ステロイド性抗炎症成分であるウフェナマートは、副作用として、刺激感、熱感、乾燥感が現れることがある。
c  末梢組織の免疫機能を低下させる作用を示し、細菌、真菌、ウイルス等による皮膚感染(みずむし・たむし等の白癬症、にきび、化膿症状)等の副作用が現れることがある。
d  ステロイド性抗炎症成分をコルチゾンに換算して1g又は1mL中0.025mgを超えて含有する製品では、特に長期連用を避ける必要がある。

1(a,b) 2(a,c) 3(b,c)
4(b,d) 5(c,d)

【正解5】
a×
デキサメタゾン、プレドニゾロン酢酸エステルは、ステロイド性抗炎症成分。インドメタシンは、非ステロイド性抗炎症成分。
b×
ウフェナマートは、非ステロイド性抗炎症成分。

問 94
外皮用薬の配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a  アクリノールは、黄色の色素で、一般細菌類の一部(連鎖球菌、黄色ブドウ球菌などの化膿菌)に対する殺菌消毒作用を示すが、真菌、結核菌、ウイルスに対しては効果がない。
b  ブテナフィン塩酸塩が配合された外皮用薬を使用している間及び使用後も当分の間は、天候にかかわらず、戸外活動を避けるとともに、日常の外出時に、紫外線に当たるのを避ける必要がある。
c  オキシコナゾール硝酸塩は、皮膚糸状菌の細胞膜を構成する成分の産生を妨げたり、細胞膜の透過性を変化させることにより、その増殖を抑える。
d  毛髪用薬には、女性ホルモンによる脱毛抑制効果を期待して、女性ホルモン成分の一種であるエストラジオール安息香酸エステルが配合されている場合がある。

a b c d
1 正 誤 誤 誤
2 正 誤 正 正
3 正 正 正 誤
4 誤 誤 正 誤
5 誤 正 誤 正

【正解2】
b×
記載は、ケトプロフェンの内容

ブテナフィンは、抗真菌成分です

問 95
歯痛・歯槽膿漏薬及び口内炎用薬に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a  歯痛薬(外用)は、歯の齲蝕(むし歯)を修復し、歯痛を鎮めることを目的とする。
b  歯槽膿漏薬は、患部局所に適用する外用薬のほか、内服薬もある。
c  口内炎用薬は、口腔内を清浄にしてから使用することが重要であり、口腔咽喉薬、含嗽薬などを使用する場合には、十分な間隔を置くべきである。

a b c
1 誤 誤 正
2 誤 正 正
3 正 誤 誤
4 正 正 正
5 正 誤 正

【正解2】
a×
歯痛薬は、歯の齲蝕(むし歯)による歯痛を応急的に鎮めることを目的とする一般用医薬品であり、歯の齲蝕が修復されることはない。

問 96
ニコチン及び禁煙補助剤(咀嚼剤)に関する記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせはどれか。

タバコの煙に含まれるニコチンは、肺胞の毛細血管から血液中に取り込まれると、すみやかに脳内に到達し、脳の情報を司る部位に働いて( a )、リラックス効果などをもたらす。
また、ニコチンは、( b )を興奮させる作用を示し、アドレナリン作動成分が配合された医薬品との併用により、その作用を( c )させるおそれがある。
口腔内が酸性になるとニコチンの吸収が( d )するため、禁煙補助剤(咀嚼剤)を使用する際には注意が必要である。

1 a覚醒 b副交感神経系 c増強 d増加
2 a覚醒 b交感神経系  c減弱 d低下
3 a鎮静 b交感神経系  c増強 d増加
4 a鎮静 b副交感神経系 c減弱 d増加
5 a覚醒 b交感神経系  c増強 d低下

【正解5】
タバコの煙に含まれるニコチンは、肺胞の毛細血管から血液中に取り込まれると、すみやかに脳内に到達し、脳の情報を司る部位に働いて( 覚醒 )リラックス効果などをもたらす。
また、ニコチンは( 交感神経系 )を興奮させる作用を示し、アドレナリン作動成分が配合された医薬品との併用により、その作用を( 増強 )させるおそれがある。
口腔内が酸性になるとニコチンの吸収が( 低下 )するため、禁煙補助剤(咀嚼剤)を使用する際には注意が必要である。

問 97
ビタミン成分に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

1  妊娠3ヶ月前から妊娠3ヶ月までの間にビタミンAを1日10000国際単位以上摂取した妊婦から生まれた新生児において先天異常の割合が低下したとの報告がある。
2  ビタミンB1は、炭水化物からのエネルギー産生に不可欠な栄養素で、神経の正常な働きを維持する作用がある。
3  ビタミンB6は、タンパク質の代謝に関与し、皮膚や粘膜の健康維持、神経機能の維持に重要な栄養素である。
4  ビタミンEは、体内の脂質を酸化から守り、細胞の活動を助ける栄養素である。

【正解1】
妊娠3ヶ月前から妊娠3ヶ月までの間にビタミンAを1日10000国際単位以上摂取した妊婦から生まれた新生児において先天異常の割合が「上昇」したとの報告がある。

問 98
漢方の特徴・漢方薬使用における基本的な考え方に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a  漢方薬は、作用が穏やかであり、重篤な副作用が起きることはない。
b  漢方薬は、使用する人の体質や症状その他の状態に適した処方を既成の処方の中から選択して用いられる。
c  現代中国で利用されている中医学に基づく薬剤は、中薬と呼ばれ、漢方薬とは明らかに別物である。
d  漢方処方製剤は、症状の原因となる体質の改善を主眼としているものが多いが、1ヶ月以上継続して服用されることはない。

1(a,b) 2(a,c) 3(b,c)
4(b,d) 5(c,d)

【正解3】
a×
漢方処方製剤においても、間質性肺炎や肝機能障害のような重篤な副作用が起きることがある。
d×
漢方処方製剤は、症状の原因となる体質の改善を主眼としているものが多く、比較的長期間(1ヶ月位)継続して服用されることがある。

問 99
殺虫剤に関する記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせはどれか。

ジクロルボスは、( a )系殺虫成分であり、殺虫作用は、アセチルコリンを分解する酵素(アセチルコリンエステラーゼ)と( b )に結合してその働きを阻害することによる。ほ乳類において、高濃度又は多量に曝露した場合(特に、誤って飲み込んでしまった場合)には、神経の異常な興奮が起こり、( c )、呼吸困難、筋肉麻痺等の症状が現れるおそれがある。

1 a有機塩素 b可逆的  c縮瞳
2 a有機塩素 b不可逆的 c散瞳
3 a有機リン b不可逆的 c縮瞳
4 a有機リン b可逆的  c散瞳

【正解3】
ジクロルボスは( 有機リン )系殺虫成分であり、殺虫作用は、アセチルコリンを分解する酵素(アセチルコリンエステラーゼ)と( 不可逆的 )に結合してその働きを阻害することによる。ほ乳類において、高濃度又は多量に曝露した場合(特に、誤って飲み込んでしまった場合)には、神経の異常な興奮が起こり( 縮瞳 )呼吸困難、筋肉麻痺等の症状が現れるおそれがある。

問 100
一般用検査薬に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

1  一般的な妊娠検査薬は、月経予定日が過ぎて概ね1週目以降の検査が推奨されている。
2  経口避妊薬や更年期障害治療薬などのホルモン剤を使用している人では、妊娠していなくても妊娠検査薬の検査結果が陽性となることがある。
3  尿糖・尿タンパク同時検査の場合、早朝尿(起床直後の尿)を検体とするが、尿糖が検出された場合には、食後の尿について改めて検査して判断する必要がある。
4  尿糖又は尿タンパクを検出する部分を長い時間尿に浸すことで、正確な検査結果が得られる。

【正解4】
長い間尿に浸していると検出成分が溶け出してしまい、正確な検査結果が得られなくなることがある。
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