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【令和元年・関東甲信越②】登録販売者過去問解説【医薬品に共通する特性と基本的な知識】

過去問題・解説

問 31
医療機関で治療を受けている人等の医薬品の使用に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a  生活習慣病等の慢性疾患の治療を受けている者が一般用医薬品を使用しても、治療が妨げられることはない。
b  生活習慣病等の慢性疾患の種類や程度によっては、一般用医薬品の有効性や安全性に影響を与える要因となることがある。
c  医療機関・薬局で交付された薬剤を使用している人について、登録販売者が一般用医薬品との併用の可否を判断することが義務づけられている。
d  医療機関での治療を特に受けていない場合であっても、医薬品の種類や配合成分等によっては、特定の症状がある人が使用するとその症状を悪化させるおそれがある等、注意が必要なものがある。

1(a、c) 2(a、d)
3(b、c) 4(b、d)

【正解4】
a×
一般用医薬品を使用することによってその症状が悪化したり、治療が妨げられることもある。
c×
登録販売者において一般用医薬品との併用の可否を判断することは困難なことが多く、その薬剤を処方した医師もしくは歯科医師又は調剤を行った薬剤師に相談するよう説明する必要がある。

問 32 
プラセボ効果に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a  プラセボ効果は、医薬品を使用したこと自体による楽観的な結果への期待や、条件付けによる生体反応、時間経過による自然発生的な変化等が関与して生じると考えられている。
b  プラセボ効果は、主観的な変化だけでなく、客観的に測定可能な変化として現れることがある。
c  プラセボ効果によってもたらされる反応や変化には、不都合なものは含まれない。
d  一般用医薬品の使用によってもたらされる望ましい反応や変化がプラセボ効果と思われるときは、それを目的として使用すべきである。

1(a、b) 2(a、d)
3(b、c) 4(c、d)

【正解1】
c×
望ましいもの(効果)と不都合なもの(副作用)とがある。
d×
プラセボ効果は、主観的な変化だけでなく、客観的に測定可能な変化として現れることもあるが、不確実であり、それを目的として医薬品が使用されるべきではない。

問 33 
医薬品の品質に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a  品質が承認等された基準に適合しない医薬品、その全部又は一部が変質・変敗した物質から成っている医薬品は販売が禁止されている。
b  医薬品は、適切な保管・陳列がなされなければ、医薬品の効き目が低下したり、人体に好ましくない作用をもたらす物質を生じることがある。
c  医薬品の外箱等に表示されている「使用期限」は、開封・未開封を問わず、製品の品質が保持される期限である。
d  一般用医薬品は、購入された後、すぐに使用されるとは限らず、家庭における常備薬として購入されることも多いことから、外箱等に記載されている使用期限から十分な余裕をもって販売等がなされることが重要である。

・a b c d
1 正 正 正 正
2 誤 正 正 誤
3 正 正 誤 正
4 正 誤 正 誤
5 誤 誤 誤 正

【正解3】
c×
表示されている使用期限は「未開封状態」で保管された場合に品質が保持される期限である。

問 34 
一般用医薬品の役割に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a  生活の質(QOL)の改善・向上
b  生活習慣病等の疾病に伴う症状発現の予防(科学的・合理的に効果が期待できるものに限る。)
c  重度な疾病の治療
d  健康状態の自己検査

・a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 誤 誤 正 正
4 正 正 正 正
5 正 誤 誤 誤

【正解2】
c×
軽度な疾病に伴う症状の改善。

問 35 
適切な医薬品選択及び受診勧奨に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a  一般用医薬品の販売等に従事する専門家は、購入者等に対して常に科学的な根拠に基づいた正確な情報提供を行い、セルフメディケーションを適切に支援していくことが期待されている。
b  一般用医薬品の販売等に従事する専門家による情報提供は、必ずしも医薬品の販売に結びつけるのでなく、医療機関の受診を勧めたり、医薬品の使用によらない対処を勧めることが適切な場合があることに留意する必要がある。
c  一般用医薬品を一定期間若しくは一定回数使用しても症状の改善がみられない又は悪化したときには、医療機関を受診して医師の診療を受ける必要がある。
d  高熱や激しい腹痛がある場合など、症状が重いときに、一般用医薬品を使用することは、適切な対処といえる。

・a b c d
1 正 誤 誤 正
2 誤 誤 正 誤
3 正 正 正 誤
4 誤 正 誤 正
5 正 正 正 正

【正解3】
d×
症状が重いとき(例:高熱や激しい腹痛がある場合、患部が広範囲である場合)に、一般用医薬品を使用することは、一般用医薬品の役割にかんがみて、適切な対処とはいえない。

問 36 
一般用医薬品の販売に従事する専門家が購入者から確認しておきたい基本的なポイントに関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a  何のためにその医薬品を購入しようとしているか(購入者側のニーズ、購入の動機)。
b  その医薬品を使用する人として、小児や高齢者、妊婦等が想定されるか。
c  その医薬品を使用する人が過去にアレルギーや医薬品による副作用等の経験があるか。
d  その医薬品を使用する人が相互作用や飲み合わせで問題を生じるおそれのある他の医薬品や食品を摂取していないか。

・a b c d
1 誤 誤 正 正
2 正 正 正 誤
3 誤 正 誤 誤
4 正 誤 誤 誤
5 正 正 正 正

【正解5】
全て正しい

問 37 
サリドマイド及びサリドマイド訴訟に関する次の記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組合せはどれか。

サリドマイド訴訟とは、( a )等として販売されたサリドマイド製剤を妊娠している女性が使用したことにより、出生児に四肢欠損、耳の障害等の先天異常が発生したことに対する損害賠償訴訟である。
妊娠している女性が摂取した場合、サリドマイドは( b )を通過して胎児に移行する。
サリドマイドによる薬害事件は、我が国のみならず世界的にも問題となったため、WHO加盟国を中心に( c )の副作用情報の収集の重要性が改めて認識され、各国における副作用情報の収集体制の整備が図られることとなった。

1 a解熱鎮痛剤 b血液脳関門   c市販前
2 a解熱鎮痛剤 b血液ー胎盤関門 c市販後
3 a催眠鎮静剤 b血液脳関門   c市販前
4 a催眠鎮静剤 b血液ー胎盤関門 c市販後
5 a催眠鎮静剤 b血液ー胎盤関門 c市販前
【正解4】
サリドマイド訴訟とは(a催眠鎮静剤 )等として販売されたサリドマイド製剤を妊娠している女性が使用したことにより、出生児に四肢欠損、耳の障害等の先天異常が発生したことに対する損害賠償訴訟である。
妊娠している女性が摂取した場合、サリドマイドは(b血液-胎盤関門 )を通過して胎児に移行する。
サリドマイドによる薬害事件は、我が国のみならず世界的にも問題となったため、WHO加盟国を中心に(c市販後 )の副作用情報の収集の重要性が改めて認識され、各国における副作用情報の収集体制の整備が図られることとなった。

問 38 
スモン及びスモン訴訟に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a  スモン訴訟とは、整腸剤として販売されたスルピリンを使用したことにより、亜急性脊髄視神経症に罹患したことに対する損害賠償訴訟である。
b  スモンはその症状として、激しい腹痛を伴う下痢、下半身の痺れ、歩行困難等が現れるが、麻痺は上半身に拡がることはない。
c  スモン患者に対しては、施術費及び医療費の自己負担分の公費負担や重症患者に対する介護事業等が講じられている。
d  スモン訴訟等を契機として、医薬品の副作用による健康被害の迅速な救済を図るため、医薬品副作用被害救済制度が創設された。

1(a、b) 2(a、d)
3(b、c) 4(c、d)

【正解4】
a×
スルピリンではなく、キノホルム製剤。
b×
麻痺は上半身にも拡がる場合がある。

問 39 
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)訴訟に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a  HIV訴訟は、血友病患者が、HIVが混入した原料血漿から製造されたヒト免疫グロブリン製剤の投与を受けたことにより、HIVに感染したことに対する損害賠償訴訟である。
b  HIV訴訟の和解を踏まえ、製薬企業に対し、医薬品の副作用報告が初めて義務付けられた。
c  HIV訴訟の和解を踏まえ、国は、エイズ治療研究開発センター及び拠点病院の整備を行った。
d  HIV訴訟を契機に、血液製剤の安全確保対策として検査や献血時の問診の充実が図られた。

・a b c d
1 誤 正 誤 正
2 正 誤 誤 誤
3 誤 誤 正 正
4 正 正 正 誤
5 正 誤 正 正

【正解3】
a×
ヒト免疫グロブリン製剤ではなく、血液凝固因子製剤。
b×
製薬企業に対し、従来の副作用報告に加えて感染症報告も義務付けられた。

問 40 
CJD(クロイツフェルト・ヤコブ病)及びCJD訴訟に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a  CJD訴訟は、脳外科手術等に用いられていたヒト乾燥硬膜を介してCJDに罹患したことに対する損害賠償訴訟である。
b  CJDの原因は、ウイルスの一種であるプリオンとされている。
c  CJDは、次第に認知症に類似した症状が現れ、死に至る重篤な神経難病である。
d  CJD訴訟は、生物由来製品による感染等被害救済制度の創設にあたっての契機のひとつとなった。

・a b c d
1 誤 誤 正 誤
2 正 誤 正 正
3 誤 正 誤 正
4 正 正 誤 誤
5 正 正 正 正

【正解2】
b×
細菌でもウイルスでもない「タンパク質」の一種であるプリオンが原因とされている。

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