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【令和元年・四国①】登録販売者過去問解説【医薬品に共通する特性と基本的な知識】

過去問題・解説

問 11
小児の医薬品使用に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。

a  医薬品の使用上の注意において、小児という場合には、おおよその目安として、12 歳未満を指す。
b  小児は大人と比べて身体の大きさに対して腸が長く、服用した医薬品の吸収率が相対的に低い。
c  小児は血液脳関門が未発達であるため、吸収されて循環血液中に移行した医薬品の成分が脳に達しやすく、中枢神経系に影響を与える医薬品で副作用を起こしやすい。
d  乳児向けの用法用量が設定されている医薬品であっても、乳児は医薬品の影響を受けやすく、使用の適否が見極めにくいため、一般用医薬品による対処は最小限にとどめるのが望ましい。

a b c d
1 誤 正 正 正
2 誤 誤 正 正
3 正 正 誤 正
4 正 誤 誤 誤
5 誤 正 正 誤

【正解2】
a×
12歳未満ではなく、15歳未満。
b×
小児は大人と比べて身体の大きさに対して腸が長く、服用した医薬品の吸収率が相対的に「高い」。

問 12
プラセボ効果に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。

a  医薬品を使用したときにもたらされる反応や変化には、薬理作用によるもののほか、プラセボ効果によるものも含まれている。
b  プラセボ効果は、主観的な変化だけでなく、客観的に測定可能な変化として現れることもある。
c  プラセボ効果によってもたらされる反応や変化には、不都合なもの(副作用)はない。
d  プラセボ効果は、時間経過による自然発生的な変化によってのみ生じる。

a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 正 誤 誤
3 誤 誤 正 誤
4 正 誤 誤 正
5 誤 正 誤 正

【正解2】
c×
望ましいもの(効果)と不都合なもの(副作用)とがある。
d×
医薬品を使用したこと自体による楽観的な結果への期待(暗示効果)や、条件付けによる生体反応、時間経過による自然発生的な変化(自然緩解など)等が関与して生じる。

問 13
妊婦又は妊娠していると思われる女性又は授乳婦に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。

a  妊婦が一般用医薬品を使用しようとする場合は、一般用医薬品による対処が適当かどうかを含めて慎重に考慮されるべきである。
b  吸収された医薬品の一部が乳汁中に移行することが知られていても、通常の使用の範囲では具体的な悪影響は判明していないものもある。
c  ビタミンA含有製剤は、妊娠前後の一定期間に通常の用量を超えて摂取しても、胎児に先天異常を起こす危険性は低いとされている。
d  妊娠の有無やその可能性については、購入者側にとって他人に知られたくない場合もあることから、一般用医薬品の販売等においては専門家が情報提供や相談対応を行う際には、十分に配慮することが必要である。

a b c d
1 誤 正 正 正
2 誤 誤 正 誤
3 正 正 誤 正
4 正 誤 誤 正
5 正 正 正 誤

【正解3】
c×
ビタミンA含有製剤は、妊娠前後の一定期間に通常の用量を超えて摂取すると胎児に先天異常を起こす可能性が「高まる」とされている。

問 14
医薬品の品質に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。

a  医薬品は、適切な保管・陳列がなされたとしても、経時変化による品質の劣化は避けられない。
b  医薬品に配合されている成分(有効成分及び添加物成分)には、光(紫外線)によって品質の劣化(変質、変敗)を起こすものはない。
c  医薬品が保管・陳列される場所については、清潔性が保たれるとともに、その品質が十分保持される環境となるよう留意される必要がある。
d  一般用医薬品では、薬局又は店舗販売業において購入された後、すぐに使用されるとは限らないことから、使用期限から十分な余裕をもって販売がなされることが重要である。

a b c d
1 誤 正 誤 正
2 誤 誤 正 誤
3 正 正 誤 誤
4 正 誤 正 正
5 正 正 正 誤

【正解4】
b×
医薬品に配合されている成分(有効成分及び添加物成分)には、高温や多湿、光(紫外線)等によって品質の劣化(変質・変敗)を起こしやすいものが多い。

問 15
一般用医薬品の役割に関する次の記述について、正しいものの組合せを下欄から選びなさい。

a 重度な疾病に伴う症状の改善
b 生活の質(QOL)の改善・向上
c 健康状態の自己検査
d 長引く症状の治療

1(a、b) 2(a、d)
3(b、c) 4(c、d)

【正解3】
a×
「軽度」な疾病に伴う症状の改善。
d×
長引く症状の治療は、医療機関を受診し医師の診療を受けることが必要。

問 16
セルフメディケーションに関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。

a  医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)によると、セルフメディケーションの主役は、一般用医薬品の販売に従事する登録販売者である。
b  一般用医薬品で対処可能な範囲は、医薬品を使用する人によって変わってくるものであり、乳幼児では、通常の成人の場合に比べ、その範囲は広くなる。
c  症状が重いとき(例えば、高熱や激しい腹痛がある場合)に、一般用医薬品を使用することは、一般用医薬品の役割にかんがみて、適切な対処とはいえない。
d  一般用医薬品は、医薬品医療機器等法において「医薬品のうち、その効能及び効果において人体に対する作用が著しくないものであって、医薬関係者の選択により使用されることが目的とされているもの(要指導医薬品を除く。)」と定義されている。

a b c d
1 誤 正 誤 正
2 誤 誤 正 誤
3 正 正 正 正
4 正 誤 誤 誤
5 正 正 誤 正

【正解2】
a×
セルフメディケーションの主役は、一般の生活者である。
b×
乳幼児では、通常の成人の場合に比べ、その範囲は「限られてくる」。
d×
医薬品のうち、その効能及び効果において人体に対する作用が著しくないものであって、薬剤師その他の医薬関係者から提供された情報に基づく「需要者の選択」により使用されることが目的とされているもの(要指導医薬品を除く)。

問 17
一般用医薬品の販売時のコミュニケーションに関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。

a  一般用医薬品の場合、必ずしも情報提供を受けた当人が医薬品を使用するとは限らないことを踏まえ、販売時のコミュニケーションを考える必要がある。
b  生活者のセルフメディケーションに対して、登録販売者は、第二類医薬品及び第三類医薬品の販売、情報提供等を担う観点から、支援していくという姿勢で臨むことが基本となる。
c  医薬品の販売等に従事する専門家は、購入者側に情報提供を受けようとする意識が乏しく、コミュニケーションが成立しがたい場合であっても、購入者側から医薬品の使用状況に係る情報をできる限り引き出し、可能な情報提供を行っていくためのコミュニケーション技術を身につけるべきである。
d  販売時のコミュニケーションの機会が継続的に確保されるよう配慮する必要はない。

a b c d
1 誤 正 正 正
2 誤 誤 正 正
3 正 正 誤 正
4 正 誤 誤 誤
5 正 正 正 誤

【正解5】
d×
販売時のコミュニケーションの機会が継続的に確保されるよう配慮することも重要である。

問 18
サリドマイドに関する次の記述について、( )に入れるべき字句の正しい組合せを下欄から選びなさい。

サリドマイドは、妊娠している女性が摂取した場合、( a )を通過して胎児に移行する。
サリドマイド訴訟は、( b )等として販売されたサリドマイド製剤を妊娠している女性が使用したことにより、出生児に四肢欠損、耳の障害等の先天異常(サリドマイド胎芽症)が発生したことに対する損害賠償訴訟である。
サリドマイドによる薬害事件は、我が国のみならず世界的にも問題となったため、WHO加盟国を中心に( c )の副作用情報の収集の重要性が改めて認識され、各国における副作用情報の収集体制の整備が図られることとなった。

1 a血液-脳関門  b抗血小板薬 c市販前
2 a血液-胎盤関門 b抗血小板薬 c市販後
3 a血液-胎盤関門 b催眠鎮静剤 c市販後
4 a血液-胎盤関門 b催眠鎮静剤 c市販前
5 a血液-脳関門  b催眠鎮静剤 c市販後
【正解3】
サリドマイドは、妊娠している女性が摂取した場合( 血液-胎盤関門 )を通過して胎児に移行する。
サリドマイド訴訟は( 催眠鎮静剤 )等として販売されたサリドマイド製剤を妊娠している女性が使用したことにより、出生児に四肢欠損、耳の障害等の先天異常(サリドマイド胎芽症)が発生したことに対する損害賠償訴訟である。
サリドマイドによる薬害事件は、我が国のみならず世界的にも問題となったため、WHO加盟国を中心に( 市販後 )の副作用情報の収集の重要性が改めて認識され、各国における副作用情報の収集体制の整備が図られることとなった。

問 19
HIV訴訟に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。

a  HIV訴訟とは、血友病患者が、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)が混入した原料血漿から製造された血液凝固因子製剤の投与を受けたことにより、HIVに感染したことに対する損害賠償訴訟である。
b  HIV訴訟を契機に、血液製剤の安全確保対策として、検査や献血時の問診の充実が図られた。
c  HIV訴訟は国及び製薬企業を被告として、1989 年5月に大阪地裁,同年10月に東京地裁で提訴され、未だ和解に至っていない。
d  HIV訴訟を契機として、製薬企業に対し従来の副作用報告に加えて感染症報告が義務づけられた。

a b c d
1 誤 誤 誤 正
2 誤 誤 正 誤
3 誤 正 正 誤
4 正 正 誤 誤
5 正 正 誤 正

【正解5】
c×
大阪地裁、東京地裁は、1995年10月、1996年3月にそれぞれ和解勧告を行い、1996年3月に両地裁で和解が成立した。

問 20
スモン訴訟に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。

a  スモン訴訟とは、整腸剤として販売されたキノホルム製剤を使用したことにより、亜急性脊髄視神経症に罹患したことに対する損害賠償訴訟である。
b  スモンの症状は、初期には腹部の膨満感から激しい腹痛を伴う下痢を生じ、次第に下半身の痺れや脱力、歩行困難等が現れる。
c  スモン訴訟は、各地の地裁及び高裁において和解が勧められ、1979 年9月に全面和解が成立した。
d  サリドマイド訴訟、スモン訴訟を契機として、医薬品副作用被害救済制度が創設された。

a b c d
1 誤 誤 誤 正
2 誤 誤 正 誤
3 正 正 正 正
4 正 正 誤 誤
5 正 誤 正 正

【正解3】
全て正しい
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