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【令和元年・関東甲信越④】登録販売者過去問解説【主な医薬品とその作用】

過去問題・解説

問 91
次の表は、ある点眼薬に含まれている成分の一覧である。この目薬に関する次の記述の正誤について 、正しい組合せはどれか。

クロルフェニラミンマレイン酸塩 0.03%
グリチルリチン酸二カリウム   0.25%
イプシロン-アミノカプロン酸    1.0%
テトラヒドロゾリン塩酸塩    0.03%
タウリン              1.0%
パンテノール           0.1%

a クロルフェニラミンマレイン酸塩は 、肥満細胞からのヒスタミン遊離を抑える作用を示し、アレルギー症状の緩和を目的として、通常、抗ヒスタミン成分と組み合わせて配合される。
b イプシロン-アミノカプロン酸は、炎症の原因となる物質の生成を抑える作用を示し、目の炎症を改善する効果を期待して用いられる。
c パンテノールは、目の調節機能の回復を促す効果を期待して用いられる。

1 正 正 正
2 正 正 誤
3 正 誤 正
4 誤 正 正
5 誤 誤 誤

【正解4】
a×
記載は、クロモグリク酸ナトリウムの内容。
クロルフェニラミンマレイン酸塩は、抗ヒスタミン成分。

問 92
殺菌消毒成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a  アクリノールは、黄色の色素で、一般細菌類の一部( 連鎖球菌、黄色ブドウ球菌などの化膿菌)に対する殺菌消毒作用を示すが、真菌、結核菌に対しては効果がない。
b  ヨードチンキの作用は、 ヨウ素の分解に伴って発生する活性酸素による酸化、及び発生する酸素の泡立ちによる物理的な洗浄効果であるため、作用の持続性は乏しい。
c  ポピドンヨードは、 ヨウ素及びヨウ化カリウムをエタノールに溶解させたもので、皮膚刺激性が強く、 粘膜(口唇等)や目の周りへ使用は避ける必要がある 。
d  ベンザルコニウム塩化物は 、 石鹸との混合によって殺菌消毒効果が低下するので、石鹸で洗浄した後に使用する場合には、石鹸を十分に洗い流す必要がある 。

・a b c d
1 誤 正 誤 正
2 正 誤 誤 正
3 正 誤 正 正
4 正 正 正 誤
5 誤 正 誤 誤

【正解2】
b×
「オキシドール」の作用は、「過酸化水素」の分解に伴って発生する活性酸素による酸化、及び発生する酸素による泡立ちによる物理的な洗浄効果であるため、作用の持続性は乏しい。
c×
記載は、ヨードチンキの内容。
ポビドンヨードは、ヨウ素をポリビニルピロリドンと呼ばれる担体に結合させて水溶液とし、徐々にヨウ素が遊離して殺菌作用を示すように工夫されたもの。

問 93
外皮用薬とその成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a  デキサメタゾン、フェルビナクは、ステロイド性抗炎症成分に分類される 。
b  ステロイド性抗炎症成分は、外用の場合は末梢組織 (患部局所)における炎症を抑える作用を示し、特に、痒みや発赤などの皮膚症状を抑える。
c  ステロイド性抗炎症成分は、末梢組織の免疫機能を低下させる作用を示すことから、水痘(水疱瘡)、みずむし、たむし等又は化膿している患部については症状を悪化させるおそれがある。
d  分子内に副腎皮質ホルモンと共通する化学構造を持たず、プロスタグランジンの産生を抑える作用を示す成分を非ステロイド性抗炎症成分(NSAIDs)という。

・a b c d
1 誤 正 誤 誤
2 正 誤 正 誤
3 正 正 誤 誤
4 誤 誤 正 正
5 誤 正 正 正

【正解5】
a×
デキサメタゾンはステロイド性抗炎症成分だが、フェルビナクは非ステロイド性抗炎症成分である。

問 94
歯槽膿漏薬とその成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a  外用薬では、 歯肉溝での細菌の繁殖を抑えることを目的として、セチルピリジニウム塩化物が配合されている場合がある。
b  炎症を起こした歯周組織からの出血を抑える作用を期待して、 カルバゾクロムが配合されている場合がある。
c  内服薬では、歯周組織の血行を促す効果を期待して、チョウジ油が配合されている場合がある。

・a b c
1 正 正 正
2 正 正 誤
3 正 誤 正
4 誤 正 正

【正解2】
c×
記載は、ビタミンEの内容。
チョウジ油は、殺菌消毒作用、抗炎症作用、芳香による清涼感が期待できる。

問 95
禁煙補助剤とその成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a  うつ病と診断されたことのある人は、禁煙時の離脱症状により、 うつ症状を悪化させることがあるため、使用を避ける必要がある。
b  使用中又は使用直後の喫煙は、避ける必要がある。
c  ニコチンは交感神経系を抑制させる作用を示し、アドレナリン作動成分が配合された医薬品との併用により、その作用を減弱させるおそれがある。

・a b c
1 正 誤 正
2 正 誤 誤
3 正 正 誤
4 誤 正 正
5 誤 正 誤

【正解3】
c×
ニコチンは、交感神経系を興奮させる作用を示し、アドレナリン作動成分が配合された医薬品との併用により、その作用を「増強」させるおそれがある。

問 96
滋養強壮保健薬に含まれている成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a  ビタミンB1の過剰症として、高カルシウム血症、 異常石灰化が知られている。
b  システインは、肝臓においてアルコールを分解する酵素の働きを助け、アセトアルデヒドと直接反応して代謝を促す働きがあるとされる。
c  ビタミンAは、夜間視力を維持したり、皮膚や粘膜の機能を正常に保つために重要な栄養素である。
d  アミノエチルスルホン酸(タウリン)は、肝臓機能を改善する働きがあるとされる。

・a b c d
1 正 誤 誤 正
2 正 誤 誤 誤
3 誤 正 誤 誤
4 誤 正 正 正
5 正 正 正 正

【正解4】
a×
記載は、ビタミンDの内容。

問 97
次の記述にあてはまる漢方処方製剤として、最も適切なものはどれか。
体力中等度以上で、赤ら顔でときにのぼせがあるもののにきび、顔面・頭部の湿疹・皮膚炎 、赤鼻( 酒さ)に適すとされる。

1 清上防風湯
2 防風通聖散
3 大柴胡湯
4 防已黄耆湯

【正解1】

問 98
生薬に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a  ブシは、マメ科のクズの周皮を除いた根を基原とする生薬で、解熱、鎮痙等の作用を期待して用いられる。
b  サンザシは、バラ科のサンザシ又はオオミサンザシの偽果を基原とする生薬で、健胃、消化促進等の作用を期待して用いられる。
c  生薬は、薬用部位とその他の部位を取り違えると、期待する効果が得られないばかりでなく、人体に有害な作用を引き起こすことがある。

・a b c
1 正 誤 正
2 正 誤 誤
3 正 正 誤
4 誤 正 正
5 誤 正 誤

【正解4】
a×
記載は、カッコンの内容。
ブシは、キンポウゲ科のハナトリカブト又はオクトリカブトの塊根を減毒加工して製したものを基原とする生薬であり、心筋の収縮力を高めて血液循環を改善する作用を持つ。

問 99
消毒薬とその成分に関する次の記述のうち、 正しいものの組合せはどれか。
a  微生物の種類によっては、生息条件が整えば消毒薬の溶液中で生存、増殖するものがある。
b  次亜塩素酸ナトリウムは、プラスチックやゴム製品を劣化させないが、金属を腐食させる。
c  エタノールは、結核菌を含む一般細菌類、ウイルスに対する殺菌消毒作用を示す。
d  日本薬局方に収載されているクレゾール石鹸液は、原液のまま用いる。

1(a、b) 2(a、c) 3(b、c)
4(b、d) 5(c、d)

【正解2】
b×
金属腐食性があるとともに、プラスチックやゴム製品を劣化させる。
d×
原液を水で希釈して用いられるが、刺激性が強いため、原液が直接皮膚に付着しないようにする必要がある。

問 100
殺虫剤及び忌避剤に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a  忌避剤は、虫さされによる痒みや腫れなどの症状を和らげる効果を目的として、人体に直接使用される。
b  殺虫剤使用に当たっては、同じ殺虫成分を長期間連用せず、いくつかの殺虫成分を順番に使用していくことが望ましい。
c  ディートを含有する忌避剤は、生後6ヶ月未満の乳児への使用を避けることとされている。
d  誤って殺虫用医薬品を飲み込んだ場合には、その製品が何系の殺虫成分を含むものかを医師に伝えて診療を受けるなどの対応が必要である。

・a b c d
1 誤 正 正 正
2 誤 誤 誤 正
3 誤 誤 正 誤
4 正 誤 誤 正
5 正 正 誤 誤

【正解1】
a×
忌避剤は、人体に直接使用されるが、蚊、ツツガムシ、トコジラミ、ノミ等が人体に取り付いて吸血したり、病原細菌等を媒介するのを防止するものであり、虫さされによる痒みや腫れなどの症状を和らげる効果はない。

※参考記事です

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